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本橋 嘉信*; 柴田 大受; Harjo, S.*; 佐久間 隆昭*; 石原 正博; 馬場 信一; 沢 和弘
Proceedings of 14th International Federation for Heat Treatment and Surface Engineering Congress Transactions of Materials and Heat Treatment Vol.25 No.5, p.1032 - 1036, 2004/10
高温で超塑性特性を示す3Y-TZP(3mol%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体)に、日本原子力研究所東海研究所のTANDEM加速器を用いて+11価,130MeVのZrイオンを照射した。照射によるはじき出し損傷はTRIMコードにより解析し、照射による機械的特性及び破壊様式の変化,その後の焼き鈍しの影響,微小硬度計の押込み深さと照射表面からの深さとの関係について検討を行った。その結果、照射直後の試験片では、表面に圧縮応力が生じ、硬さと破壊靭性の増加が観察された。また、その後の焼き鈍しでは温度の増加に伴いこれらの変化が徐々に緩和した。これらの原因としては、照射により粒界間の結合力が弱められたためであると考えられる。
佐藤 隆史*; 本橋 嘉信*; 佐久間 隆昭*; 早稲田 一嘉*; 柴田 大受; 石原 正博; 沢 和弘
日本機械学会関東支部茨城講演会(2004)講演論文集(No.040-3), p.55 - 56, 2004/09
将来の高温ガス炉への応用が期待されている超塑性3Y-TZP(3mol%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体)について、3Y-TZPを接合材としてアルミナを接合させ、その後4点曲げ試験を実施し、接合特性として以下の結論を得た。(1)曲げ温度が接合温度に近づくと残留応力を緩和して曲げ強度が上昇する。(2)高温での接合体の強度は、3Y-TZPの強度及び接合界面の気孔状態に依存する。(3)超塑性3Y-TZPを用いることで、金属材料を用いて接合した場合より優れた強度特性が得られた。
菊池 誠*; 本橋 嘉信*; 伊藤 勉*; 佐久間 隆昭*; 柴田 大受; 馬場 信一; 石原 正博; 沢 和弘; 北条 智博*; 辻 延昌*
日本機械学会関東支部茨城講演会(2004)講演論文集(No.040-3), p.57 - 58, 2004/09
将来の高温ガス炉への応用が期待されている超塑性3Y-TZP(3mol%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体)について、その超塑性変形特性を調べ、SEM観察により微細構造の変化による影響を検討した。その結果、高ひずみ速度での超塑性変形では、加工軟化が生じ、その原因として超塑性変形時に生成するフラットキャビティが実断面積を低下させるためであることを明らかにした。また、フラットキャビティは超塑性変形中に荷重を除くことで消滅させることができ、その場合2倍以上の伸びを達成できることがわかった。
北條 智博; 相原 純; 北條 喜一; 古野 茂実*; 山本 博之; 二谷 訓子; 山下 利之; 湊 和生; 佐久間 隆昭*
Journal of Nuclear Materials, 319, p.81 - 86, 2003/06
被引用回数:19 パーセンタイル:75.33(Materials Science, Multidisciplinary)岩石型燃料の母材として注目されている安定化ZrOの照射特性を調べた。核分裂片による照射損傷は、高エネルギー領域で生じる電子励起による損傷と低エネルギー領域で生じる核的衝突による損傷の二種類に大きく分けることができる。この中で、材料の損傷は、核的衝突によるはじき出しが主と考えられている。そこで、原研が開発して、低エネルギーイオン加速器付設高分解能電子顕微鏡を用いて、加速電圧35keVのNeイオンを室温から1200Cに加熱した上記材料に照射し、各温度による損傷形態の違いを明らかにした。その結果、Ne照射では、各温度領域で材料の非晶質化を観察することができず、対照射性が非常に高いことを明らかにした。さらに、同温度の重照射で、数nmのNeバブルが生じることを明らかにした。また、1200Cの高温照射では、バブルは、大きく成長し数十nmに成長することを電顕その場観察法を用いて明らかにすることができ、この結果から、高温照射によるスエリング量を推定することが可能になった。
柴田 大受; 石原 正博; 本橋 嘉信*; 馬場 信一; 星屋 泰二; 小林 友和*; Harjo, S.*; 佐久間 隆昭*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.139 - 143, 2003/05
被引用回数:4 パーセンタイル:33.60(Instruments & Instrumentation)3Y-TZP(3mol%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体)セラミックスの超塑性変形特性に及ぼすZrイオン照射の影響について調べた。まず、3Y-TZP試験片に、日本原子力研究所東海研究所のTANDEM加速器を用いて+11価,130MeVのZrイオンを3.510及び2.110ions/mまで照射した。TRIMコードによる解析では、最大の照射損傷は試料表面から約10mの位置に現れた。次に照射後の試験片の機械的特性及び超塑性特性を高温での曲げ試験により調べた。その結果、超塑性変形の活性化エネルギーが照射量の増加に伴い増加することがわかった。この増加の原因としては、照射により注入した余剰なZrイオンが、3T-TZPセラミックスを構成している陽イオンの拡散を抑制し、その結果、拡散に支配される粒界すべりのための緩和機構を妨げたことが考えられる。
本橋 嘉信*; 小林 友和*; Harjo, S.*; 佐久間 隆昭*; 柴田 大受; 石原 正博; 馬場 信一; 星屋 泰二
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.144 - 147, 2003/05
被引用回数:4 パーセンタイル:33.60(Instruments & Instrumentation)3Y-TZP(3mol%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体)セラミックスに130MeVのZrイオンを、日本原子力研究所東海研究所のTANDEM加速器を用いて照射した。照射量は3.510及び2.110ions/mであった。照射によって生じた残留応力と機械的特性の変化、さらにその後の焼鈍効果について調べた。照射後の試験片表面について、残留圧縮応力の発生及び硬さと破壊靭性の増加が観察された。その後に実施した焼鈍では、これらの物性は焼鈍温度の増加に伴い徐々に低下し、1173K付近では非照射状態の値に戻った。硬さと破壊靱性の増加の主たる原因は、照射表面に生じた残留圧縮応力であると考えられる。
佐久間 隆昭*; 本橋 嘉信*; 小林 友和*; Harjo, S.*; 柴田 大受; 石原 正博; 馬場 信一; 星屋 泰二
日本機械学会関東支部茨城講演会(2002)講演論文集(No.020-3), p.125 - 126, 2002/09
セラミックス材料はほとんど塑性変形を示さないが、数種のセラミックスでは極めて大きな塑性変形(超塑性)を示すことが近年明らかになった。熱・機械的特性に優れたセラミックスを複雑形状へ加工することが可能になることから、超塑性セラミックス材料は高温炉内材料として魅力的であるが、照射による材料特性変化についての研究はほとんど行われていない。本研究では、典型的な超塑性セラミックス3Y-TZPを供試材としてZrイオン照射を行い、照射による材料特性の変化や焼鈍による照射の影響の変化について調べた。その結果、照射により粒界が相対的に弱くなり粒界の機械的特性が低下すること、また、この照射の影響はその後の1173Kでの焼鈍により取り除かれることがわかった。
柴田 大受; 石原 正博; 本橋 嘉信*; 馬場 信一; 星屋 泰二; 佐久間 隆昭*
日本機械学会関東支部茨城講演会(2002)講演論文集(No.020-3), p.123 - 124, 2002/09
超塑性セラミックス材料は、その優れた機械的特性や熱的特性の観点から原子力分野での応用が期待されている。本研究では、典型的な超塑性セラミックス材料である3Y-TZP(3mol%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体)について、その超塑性変形特性に及ぼすZrイオンの照射効果について調べた。実験では、TANDEM加速器で+11価,130MeVのZrイオンを3Y-TZP試験片に3.510及び2.110ions/mまで照射し、照射後の試験片を用いて高温での3点曲げ試験を行った。その結果、室温から1473Kまでの温度範囲では曲げ試験では有意な照射効果は見られなかったが、16231773Kの超塑性変形試験では、照射量の増加に伴い超塑性変形の活性化エネルギーの増加が見られた。
Wan, C.*; 小林 友和*; 本橋 嘉信*; 佐久間 隆昭*; 石原 正博; 柴田 大受
茨城大学工学部研究集報, 49, p.69 - 79, 2002/02
超塑性材料では、引張モードによる変形と圧縮モードによる変形で内部摩擦力の寄与の有無により変形特性が異なる。この引張と圧縮側の超塑性特性の違いを調べる方法として、台形状横断面を有する真直はりを用いる方法を提案した。本報告では、台形状横断面を有する真直はりの4点曲げ変形に対する解析的検討結果及び、台形状横断面を有する真直はりを用いた実測結果を述べる。解析では、台形断面を有する真直はりの上下面を換えて曲げ変形を与えた際の荷重比,たわみ速度あるいは一定のたわみ速度に到達する時間の比から、引張側と圧縮側の変形応力の違いが評価できることを示した。また、実験では、3Y-TZP材を用いた台形断面を有する真直はりの超塑性発現条件下での曲げ試験により、一定ひずみ速度下で圧縮の変形応力が引張の変形応力よりも大きいことを示した。
佐久間 隆昭*; 中村 好夫*; 広田 雅樹*; 村上 明宏*; 石井 慶信
Solid State Ionics, 127(3-4), p.295 - 300, 2000/01
被引用回数:8 パーセンタイル:44.05(Chemistry, Physical)AgBrは超イオン伝導体であり、熱振動振幅が非常に大きい物質である。この物質の回折パターンをリートベルト解析を行う場合には、原子の熱振動に由来する散漫散乱を考慮してリファイメントする必要がある。本論文は、この散漫散乱を理論的に考察し、散漫散乱を回折パターンの記述に必要な一つの関数であるバックグラウンド関数に繰り込んで、実験値と比較、検討した結果を報告したものである。実験はJRR-3Mに設置されたTAS-2中性子散乱装置を用いて行った。測定温度は、散漫散乱が無視できる温度、7Kと散漫散乱が優位に現れる290Kの二つの温度である。散漫散乱を積極的に取り入れて、測定データをリートベルト解析をした結果、測定データを精密にリファイメントでき、この手法により、結晶構造を記述する各種係数を正確に決定できることがわかった。超イオン伝導体など原子振動の大きい物質について、回折測定結果をリートベルト解析するには、散漫散乱を十分考慮して解析する必要がある。以上、中性子散乱実験結果の解析手段の向上及び超イオン伝導体に関する新たな知見を得たので報告する。
笹島 教弘*; 本橋 嘉信*; 佐久間 隆昭*; 柴田 大受; 相原 純; 沢 和弘
no journal, ,
高温ガス炉(HTGR)は炉外に高温のガスを取り出すことができ、多目的な熱利用が可能なため世界的に研究開発が進められている。HTGR開発の課題の一環として、原子炉内に使われる黒鉛が、運転中の長期に渡って徐々に酸化の影響を受けることが挙げられる。本研究では、黒鉛の酸化に対する応力の影響を調べるため、代表的な原子炉用黒鉛である微粒等方性のIG-11とIG-110について、黒鉛試験片に剪断応力を与えた場合と応力を与えない場合の大気中酸化試験を行った。その後、酸化した試験片について、室温で引張,圧縮試験を行い、酸化による強度低下を確認した。IG-110黒鉛については、剪断応力下で酸化した試料は、無応力下で酸化した試料より10%程度強度が低下することを明らかにした。
熊谷 宏治*; 本橋 嘉信*; 佐久間 隆昭*; 柴田 大受; 沢 和弘
no journal, ,
高温ガス炉の黒鉛構造物の長寿命化を達成するために、炉内での使用に伴って変化する黒鉛構造物の機械的特性を評価し健全性を確認するための技術開発に関し、酸化消耗に対する応力の影響を調べ、以下の点を明らかとした。(1)500C,50時間の酸化消耗実験により、引張応力下では気孔量が多くなる傾向を示した。(2)SEM観察で、応力下の消耗においてBasal planeに沿って形成されるマイクロポアと、それにほぼ垂直な面(Edge plane)に沿うと思われるマイクロポアを確認した。また、黒鉛の破壊靱性値の測定方法について、IF法,SEPB法,ISB法を比較検討し、IF法では予亀裂の導入が重要な因子であることを確認した。