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麻生 智一; 達本 衡輝; 大都 起一; 上原 聡明; 川上 善彦; 櫻山 久志; 二川 正敏
Proceedings of 19th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-19) (CD-ROM), 8 Pages, 2010/07
J-PARCにおける1MW級JSNS中性子源の低温水素システムは、水銀ターゲットで発生した核破砕中性子を冷中性子に減速するためのモデレータに18K, 1.5MPaの超臨界水素を使用する。2008年4月のオフビームコミッショニングを通して、超臨界水素循環用低温水素システムの要求仕様を確認し、最大約190g/sの循環に成功した。2008年5月には、初めて中性子発生に成功し、モデレータにより減速した中性子を問題なく供給することを確認した。その後、オンビームコミッショニングにおいても本低温水素システムの特性を確認した。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 上原 聡明; 櫻山 久志; 川上 善彦; 加藤 崇; 二川 正敏
Proceedings of International Cryogenic Engineering Conference 23 (ICEC-23) and International Cryogenic Materials Conference 2010 (ICMC 2010), p.1009 - 1014, 2010/07
J-PARC核破砕中性子源では、MW級の陽子ビームによる核破砕反応によって発生した高速中性子を用いて冷中性子に減速したビームを供給する。陽子ビーム1MW時において、水素モデレータ容器内で発生する核発熱は約3.8kWであり、この大きな熱負荷を除去するための大流量の超臨界圧水素を安定に強制循環させる低温水素システムを製作した。陽子ビームの入射・停止時における大きな圧力変動を抑制するために、開発したヒータによる熱補償とアキュムレータによる容積変動制御を併用した圧力制御機構を開発した。初めての300kW陽子ビーム運転時において、低温水素システムの圧力変動試験も同時に行い、300kWビーム入射・停止時における圧力変動を13.5kPa以下に抑えることに成功した。また、開発した数値解析モデルは、実験結果を15%以内で予測することができた。1MW運転における圧力変動は設計圧力変動値より低い40kPaに抑えられることが解析により明らかになり、本圧力制御システムは、1MWビーム運転時においても有効であると期待できる。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 上原 聡明; 櫻山 久志; 川上 善彦; 加藤 崇; 二川 正敏; 吉永 誠一郎*
Proceedings of International Cryogenic Engineering Conference 23 (ICEC-23) and International Cryogenic Materials Conference 2010 (ICMC 2010), p.377 - 382, 2010/07
J-PARC核破砕中性子源では、MW級の陽子ビームによる核破砕反応によって発生した高速中性子を用いて冷中性子に減速したビームを供給する。陽子ビーム1MW時における水素モデレータ容器内で発生する核発熱は約3.8kWであり、モデレータ性能を満たすためには、このモデレータ内の温度差を3K以内する必要があった。本研究では、大流量の超臨界圧水素を安定に強制循環させる超臨界水素ポンプをITERで開発した超臨界ヘリウムポンプの設計データベースを用いて新たに開発し、その性能特性試験を測定した。断熱効率は54%、循環流量は、世界最大流量200g/sを達成し、開発した超臨界水素ポンプは、設計値を十分満足する性能を有することを確認した。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 上原 聡明; 櫻山 久志; 川上 善彦; 加藤 崇; 二川 正敏
Proceedings of International Cryogenic Engineering Conference 23 (ICEC-23) and International Cryogenic Materials Conference 2010 (ICMC 2010), p.601 - 606, 2010/07
J-PARC核破砕中性子源では、MW級の陽子ビームによる核破砕反応によって発生した高速中性子を用いて冷中性子に減速したビームを供給する。陽子ビーム1MW時において、水素モデレータ容器内で発生する核発熱は約3.8kWであり、この大きな熱負荷を除去するために、大流量の超臨界圧水素を安定に強制循環させる低温水素システムを製作した。本低温水素システムでは可燃性ガスである水素を保有しているので、万が一、低温水素システムに異常事象が発生した場合でも、低温水素システムの機器保護と安全性を確保できるインターロックシステムを構築した。コミッショニングにより、ここで構築したインターロックシステムの健全性を確認することができた。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 上原 聡明; 櫻山 久志; 川上 善彦; 加藤 崇; 二川 正敏
AIP Conference Proceedings 1218, p.297 - 304, 2010/04
被引用回数:2 パーセンタイル:72.9J-PARCの核破砕中性子源ではMW級の陽子ビームによる核破砕反応によって発生した高速中性子を超臨界圧水素を用いて冷中性子に減速しビームを供給する。陽子ビーム1MW時において、水素モデレータ容器内で発生する核発熱は約3.8kWであり、この大きな熱負荷を除去するために、大流量の超臨界圧水素を安定に強制循環させる低温システムを製作した。6か月に渡るオフビームコミッショニング期間で、低温水素システムの特性試験を実施し、設計どおりの性能を満たすことを確認することができた。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 上原 聡明; 櫻山 久志; 川上 善彦; 加藤 崇; 長谷川 勝一; 二川 正敏
AIP Conference Proceedings 1218, p.289 - 296, 2010/04
被引用回数:2 パーセンタイル:72.9J-PARCの核破砕中性子源ではMW級の陽子ビームによる核破砕反応によって発生した高速中性子を超臨界圧水素を用いて冷中性子に減速しビームを供給する。陽子ビーム1MW時において、水素モデレータ容器内で発生する核発熱は約3.8kWであり、この大きな熱負荷を除去するために、大流量の超臨界圧水素を安定に強制循環させる低温システムを製作した。陽子ビームの入射・停止時において大きな圧力変動が与えられるため、ヒータによる熱補償と容積制御のアキュムレータを併用した圧力制御システムを開発した。昨年の12月に109kWの陽子ビーム25Hzで入射したときの低温水素システムの圧力変動試験を実施し、ビーム入射・停止時における圧力変動を5kPaに抑制することに成功した。本試験において、開発した圧力制御システムの有用性を確認することができた。
麻生 智一; 達本 衡輝; 長谷川 勝一; 大都 起一; 上原 聡明; 川上 善彦; 櫻山 久志; 前川 藤夫; 二川 正敏; 牛島 勇*
Proceedings of International Cryogenic Engineering Conference 22 (ICEC-22) and International Cryogenic Materials Conference 20 (ICMC 2008), p.741 - 746, 2009/00
J-PARC物質・生命科学実験施設に設置された中性子源用モデレータ冷却システムは、核破砕反応で発生した高エネルギー中性子を超臨界水素中に通過させることにより、そのエネルギーを低減し、冷中性子ビームとして施設利用者の実験装置へ供給するための冷凍システムである。本システムが完成し、モデレータを接続した状態の低温試験を、水素に先立ちヘリウムガスによって初めて行った。モデレータを含めて、1.5MPa, 20Kの定格状態まで冷却でき、定常維持,昇温運転が問題なくできることを確認した。
長谷川 勝一; 麻生 智一; 達本 衡輝; 大都 起一; 上原 聡明; 川上 善彦*; 櫻山 久志; 加藤 崇
no journal, ,
JSNS(日本核破砕中性子源)ではモデレータとして超臨界圧水素を採用し、そのための水素循環システムを構築している。このシステムでは水素の圧力を、下は臨界圧の1.3MPs、上は設計値の2.0MPaに保持する必要がある。モデレータ部の熱負荷は陽子ビームの核発熱によって変動する。とくにビームのオン,オフ時には最大となりビーム出力が1MWのときに、核発熱は最大値3750Wとなる。それゆえ水素システムには圧力制御装置が必要である。このために、アキュムレータとヒータから構成されるハイブリッド圧力制御システムを採用した。ヒータは核発熱の変動による熱負荷を補償するものであり、アキュムレータは可変容積を持つことによって圧力変動を緩和するものである。ハイブリッド圧力制御システムの設計のためには核発熱変動時における、系の圧力変動の評価をする必要がある。本研究では、そのために解析コードを整備し、さまざまな場合における解析を行った。この解析をもとに、アキュムレータの容積を決定し、ハイブリッド圧力制御によって圧力変動を0.15MPaに押さえることができるのを確認した。
麻生 智一; 達本 衡輝; 長谷川 勝一; 大都 起一; 上原 聡明; 川上 善彦*; 櫻山 久志; 前川 藤夫; 加藤 崇
no journal, ,
J-PARCにおいて、最適なエネルギーの中性子を実験ユーザーに供給するために、高エネルギー中性子を所定のエネルギーレベルに減速させるための低温水素循環システムの製作工事が終了した。本システムの構成と完成形を紹介するとともに、今後の試運転計画について報告する。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 加藤 崇; 長谷川 勝一; 上原 聡明; 櫻山 久志; 川上 善彦
no journal, ,
J-PARCの核破砕中性子源では、1MW級の陽子ビームによる核破砕反応によって発生した高速中性子を超臨界圧水素(1.5MPa, 20K)によって冷中性子に減速させるための低温水素システムを製作した。昨年の12月から4月までの試運転により、各機器の性能を確認し、かつ、低温水素システムの安定な運転方法を確立した。本年5月30日午後2時25分、陽子ビームが中性子源の水銀ターゲットに入射され、J-PARCで初めての核破砕パルス中性子の発生に成功した。本講演では、低温水素システムの初期冷却試験とその試験結果について報告する。
麻生 智一; 達本 衡輝; 大都 起一; 上原 聡明; 川上 善彦; 櫻山 久志; 二川 正敏; 牛島 勇*; 吉永 誠一郎*
no journal, ,
J-PARCの低温水素システム用に開発されたガス軸受けタイプの水素ポンプの特性試験を実施した。低温水素システムは、20K, 1.5MPaの超臨界水素を3台のモデレータに供給し中性子を冷却するもので、加速器からの1MW陽子ビームに対しての3.8kWの核発熱を除去する性能を持つ冷凍システムである。中性子性能を満足させるために、モデレータにおける出入り口温度差を3K以内に抑える必要がある。このため、超臨界水素を160g/s以上の大流量で強制的に循環する必要があった。開発した水素ポンプ特性が要求した性能を満足していることを確認した。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 長谷川 勝一; 櫻山 久志; 川上 善彦; 上原 聡明; 加藤 崇
no journal, ,
J-PARCの物質生命科学実験施設は、陽子ビームを水銀ターゲットに入射し、発生した高速中性子をモデレータである1.5MPa, 20K以下の超臨界圧の低温水素と衝突を繰り返すことにより減速した冷中性子ビームによる中性子実験を行う実験施設である。低温水素システムは、3台の水素モデレータに超臨界圧水素を供給し、そこで発生する核発熱(1MW陽子ビーム時に3.75kW)を強制冷却するための冷凍設備である。2011年3月6日に、初期冷却運転を開始し、3月8日以降、共用運転(210kWの陽子ビーム運転)のための冷却運転を行っていた。3月11日14時46分にマグニチュード9.0の巨大地震が発生し、それに伴い、停電、計装空気が喪失した。低温水素システムの地震による被害状況は、地盤沈下により屋外タンクが傾き、建屋貫通部配管で大きな変形が発生したが、屋内機器及び配管に関しては有害な損傷がないことが確認できた。このような巨大地震時においても、水素の外部漏えいはなく、低温水素システムは、インターロックにより安全に自動停止することができ、構築したインターロックシステムの有用性が明らかになった。
達本 衡輝; 麻生 智一; 大都 起一; 上原 聡明; 川上 善彦; 櫻山 久志; 長谷川 勝一
no journal, ,
J-PARCの物質生命科学実験施設は、陽子ビームを水銀ターゲットに入射し、発生した高速中性子をモデレータである1.5MPa, 20K以下の超臨界圧の低温水素と衝突を繰り返すことにより減速した冷中性子ビームによる中性子散乱実験を行う実験施設である。低温水素システムは、3台の水素モデレータに超臨界圧水素を供給し、そこで発生する核発熱(1MW陽子ビーム時に3.75kW)を強制冷却するための冷凍設備である。これまで、ヘリウム冷凍機の熱交換器において、徐々に圧力損失が増加し、その結果、循環流量低下と冷凍能力不足を引き起こし、2週間以上の安定な低温維持運転が困難であった。その原因は、運転中に圧縮機の下流部にある活性炭吸着器から徐々に離脱した不純物(特に、水分)の熱交換器表面への吸着現象であることがわかった。そこで、この残存する水分を効率よく除去するために、乾燥器,低温精製器、及び、再生用加温ヒータからなる精製システムを新たに導入し、2012年、初めて3か月の長期に渡る連続運転に成功した。