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奥村 雅彦; Kerisit, S.*; Bourg, I. C.*; Lammers, L. N.*; 池田 隆司*; Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 町田 昌彦
Journal of Environmental Radioactivity, 189, p.135 - 145, 2018/09
被引用回数:61 パーセンタイル:87.51(Environmental Sciences)東京電力福島第一原子力発電所事故により、環境中に放出された放射性セシウムは土壌中の粘土鉱物に強く吸着されていることがわかっているが、その吸着メカニズムは今も解明されていない。本論文は、これまで蓄積された粘土鉱物による放射性セシウム吸着現象に関する実験結果と、最新のシミュレーション研究の進展をまとめたものである。論文では、実験結果についてまとめられ、それらの結果を基にした最新のシミュレーション研究によって明らかにされた、次のような研究結果について説明されている:(1)粘土鉱物表面におけるセシウム吸着のエネルギースケール、(2)実験では観測が難しい粘土鉱物エッジの原子レベル構造についての理解の進展、(3)粘土鉱物の水和した層間におけるセシウム吸着現象の詳細、(4)ほつれたエッジにおけるイオン半径と層間距離の関係と吸着の選択性、(5)層間におけるセシウムの深部への移動、(6)放射性セシウムの核崩壊の影響。さらに、これらの知見に基づいた除染による廃棄土壌の減容技術開発の可能性についても述べられている。
Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦
Clays and Clay Minerals, 65(5), p.371 - 375, 2017/11
被引用回数:2 パーセンタイル:77.31(Chemistry, Physical)本論文は、われわれが発表した論文「層状珪酸塩鉱物の放射線による損傷についての第一原理計算評価と放射性セシウムと放射性ストロンチウムの土壌保持物性に対する示唆」へのコメントに対する返答である。コメントでは、ベータ線によるフレンケルタイプの欠損の生成確率の評価が不十分である、と主張されていた。これに対して、われわれは、コメントで考えられている状況は不十分であり、隣接する粘土鉱物まで考えれば評価は妥当であることを述べた。
Sassi, M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; Rosso, K. M.*
Physical Chemistry Chemical Physics, 19(39), p.27007 - 27014, 2017/10
被引用回数:4 パーセンタイル:15.21(Chemistry, Physical)福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性セシウムなどの環境中の放射性セシウムは、粘土鉱物に吸着されて長期間保持されると考えられているが、これまで、放射性セシウムが崩壊した際の効果は評価されてこなかった。本研究は、金雲母(粘土鉱物の一種)に吸着された放射性セシウムが崩壊してバリウムへの核変換が起こると、1価のから2価のイオンへ変化することに着目し、第一原理計算によってその効果を調べた。その結果、金雲母を電荷中性に保つためにセシウムやカリウムを放出する可能性があることがわかった。
奥村 雅彦; Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 町田 昌彦
AIP Advances (Internet), 7(5), p.055211_1 - 055211_9, 2017/05
被引用回数:6 パーセンタイル:26.75(Nanoscience & Nanotechnology)放射性セシウムを比較的強く吸着すると予想されている粘土鉱物のエッジは、実験的に調べることが困難であり、未だに構造がわかっておらず、数値シミュレーションによる研究が有効である。これまでに、最も単純な2:1珪酸塩鉱物であるパイロフィライトについて、密度汎関数法等を用いた研究が進められており、エッジ部分のアルミニウムは5つの酸素と共有結合し、さらに、水分子を配位子とした6配位構造が安定であることが知られていた。しかし、電荷の中性条件からは水分子が配位する必要はなく、なぜ6配位が最安定構造なのかは明らかになっていなかった。そこで、我々は、密度汎関数法を用いて詳細に調べた。その結果、アルミニウムが水分子の酸素原子を引きつけ、さらに、水分子の水素とエッジを構成するヒドロキシル基が水素結合のネットワークを構成し、6配位構造が安定化することがわかった。
Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦
Clays and Clay Minerals, 64(2), p.108 - 114, 2016/04
被引用回数:6 パーセンタイル:18.82(Chemistry, Physical)東京電力福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムと放射性ストロンチウムは表層土壌中粘土鉱物に強く吸着していることがわかっている。住民に対する追加被曝線量低減のため、大規模な除染が行われ、表層土壌が取り除かれ、中間貯蔵施設に長期保存される予定である。しかし、長期保管中の放射性セシウムと放射性ストロンチウムの安定性についてはこれまで議論されてこなかった。そこで、本論文では、粘土鉱物中で放射性セシウムと放射性ストロンチウムが崩壊した場合の粘土鉱物の構造安定性を第一原理分子動力学を用いて評価した。その結果、それらの放射性核種の崩壊によって粘土鉱物の構造が変化してしまう可能性があることがわかった。
奥村 雅彦; 中村 博樹; 町田 昌彦; Sassi, M.*; Rosso, K.*
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所事故により、環境中に放出された放射性セシウムは、今も表層土壌に留まり、福島地域における主な放射線源となっている。これは、放射性セシウムが粘土鉱物に強く吸着するために起こる現象であることが知られているが、なぜ強く吸着するのかは未解明の問題である。我々は、原子レベルの高精度計算法である密度汎関数理論を用いて、スーパーコンピューター上で粘土鉱物とセシウムの相互作用をモデル化し、その謎に迫った。本会議では以下の吸着様態について報告する。放射性セシウムを特によく吸着することが知られている雲母類粘土鉱物における(1)基盤表面サイト、(2)層間サイト、(3)ほつれたエッジサイトにおける特異的吸着を報告する。それぞれ、土壌におけるセシウム吸着について重要な役割を果たすと考えられている吸着サイトである。我々の研究の結果、イオン半径と吸着サイトの大きさとの関係によって吸着の強さが決まることが分かった。一見大きく異なるこれらの吸着サイトにおいて普遍的な吸着機構が働いていることが明らかになった。これらの結果は、今後、除染による除去土壌の減容化に関する技術開発に役立つことが期待される。
奥村 雅彦; Kerisit, S.*; Bourg, I.*; Lammers, L.*; 池田 隆司*; Sassi, M.*; Rosso, K.*; 町田 昌彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故によって多量の放射性セシウムが環境中に放出され、多くが土壌に吸着されたために、多くの住民が避難を余儀なくされた。大規模な除染が行われたことで、一部の住民の帰還が実現するに至ったが、大量の除染除去土壌の処理が問題として残されている。本発表では、原子力機構が米国Pacific Northwest National Laboratory、University of California, Berkeley、Princeton University、量子科学技術研究開発機構と行なった系統的なシミュレーション結果について報告する。具体的には、古典分子動力学法と密度汎関数法によって得られた、粘土鉱物の各種吸着サイトにおけるセシウム吸着強度などを紹介し、それらの科学的知見に基づく除染除去土壌の減容法や長期管理の方法について述べる。