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論文

Development of a model for evaluating the luminescence intensity of phosphors based on the PHITS track-structure simulation

平田 悠歩; 甲斐 健師; 小川 達彦; 松谷 悠佑; 佐藤 達彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 547, p.165183_1 - 165183_7, 2024/02

蛍光体の粒子線に対する発光効率は消光効果により低下することが知られている。蛍光体検出器を用いて正確な線量分布を得るためには、消光効果のメカニズムを理解することが不可欠である。本研究では、PHITSに実装された任意の物質に対する飛跡構造解析モードに基づいて蛍光体の発光強度を推定する新しいモデルを開発した。開発したモデルにより、BaFBr検出器の消光効果のシミュレーションが可能となり、その結果を対応する測定データと比較することにより検証した。このモデルは、様々なの蛍光体検出器の開発に貢献することが期待される。

論文

System of radiological protection; Towards a consistent framework on earth and in space

R$"u$hm, W.*; 伴 信彦*; Chen, J.*; Li, C.*; Dobynde, M.*; Durante, M.*; El-Jaby, S.*; 込山 立人*; 小笹 晃太郎*; 佐藤 達彦; et al.

Journal of Medical Physics - Zeitschrift f$"u$r medizinische Physik -, 10 Pages, 2024/00

国際放射線防護委員会(ICRP)は、過去90年間に渡って世界各国や国際的な放射線防護の枠組み作りに貢献してきた。2019年、ICRPは宇宙飛行士の放射線防護に関わる様々な問題に対応したタスクグループ(TG115)を立ち上げ、地上の放射線防護体系と宇宙の放射線防護体系との共通の枠組み作りに取り組んでいる。本論文では、現時点でICRPが定めている宇宙放射線防護体系についてとりまとめて報告する。

論文

Atmospheric ionizations by solar X-rays, solar protons, and radiation belt electrons in September 2017 space weather event

村瀬 清華*; 片岡 龍峰*; 西山 尚典*; 佐藤 薫*; 堤 雅基*; 田中 良昌*; 小川 泰信*; 佐藤 達彦

Space Weather, 21(12), p.e2023SW003651_1 - e2023SW003651_11, 2023/12

大気に降り注ぐ高エネルギー粒子によるオゾン層などの影響を調べるには、それら粒子による電離量の空間・時間分布を正確に把握する必要がある。そこで、我々は、2017年9月に発生した太陽フレア時における大気圏内電離量の空間・時間分布に対する観測値を粒子・重イオン輸送計算コードPHITSによる計算値と比較した。その結果、計算値は観測値をファクター2の範囲内で再現できることが分かり、本研究で開発した手法が宇宙天気研究に貢献できることを明らかにした。

論文

最先端科学を全ての人に; 放射線挙動解析コードPHITSの開発と普及

佐藤 達彦

応用物理, 92(11), p.684 - 687, 2023/11

PHITSの開発や普及に関わる思いを応用物理学会誌の「ホッとひといき」コーナーで紹介する。

論文

Fetal and maternal atomic bomb survivor dosimetry using the J45 pregnant female phantom series; Considerations of the kneeling and lying posture with comparisons to the DS02 system

Domal, S. J.*; Correa-Alfonso, C. M.*; Paulbeck, C. J.*; Griffin, K. T.*; 佐藤 達彦; 船本 幸代*; Cullings, H. M.*; Egbert, S. D.*; 遠藤 章; Hertel, N. E.*; et al.

Health Physics, 125(4), p.245 - 259, 2023/10

原爆被爆者に対する線量評価は、大人・小児・幼児の3体の単純な数学ファントムに基づいて構築されたDS02システムが利用されており、妊婦や胎児に対する詳細な線量評価は行われていかなった。そこで、放射線影響研究所を中心とする日米共同研究チームは、最新の計算科学に基づいて1945年の日本人体型を再現した様々な人体模型(J45シリーズ)を開発し、より精度の高い線量評価を実施してきた。本研究では、様々な週齢の胎児・妊婦人体模型を用いて、その姿勢が被ばく線量に与える影響を検討した。その結果、妊婦の姿勢は、特に胎児の被ばく線量に大きな影響を与えることが分かった。

論文

Development of an electron track-structure mode for arbitrary semiconductor materials in PHITS

平田 悠歩; 甲斐 健師; 小川 達彦; 松谷 悠佑*; 佐藤 達彦

Japanese Journal of Applied Physics, 62(10), p.106001_1 - 106001_6, 2023/10

半導体検出器の設計を最適化するには、半導体物質内において放射線がキャリア(励起電子)に変換されるまでの過程を理論的に解析する必要がある。本研究では、任意の半導体物質に対し、放射線により生じる二次電子の挙動を極低エネルギー(数eV)まで追跡し、励起電子が生成される過程を模擬できる機能(ETSART)を開発し、PHITSに実装した。具体的には、ETSARTを用いて計算した電子の飛程はICRU37で推奨されたデータ別の計算結果と一致することを確認した。さらに、半導体検出器の特性を表す重要な指標である、一つの励起電子の生成に必要な平均エネルギー($$varepsilon$$値)について検討し、これまで$$varepsilon$$値とバンドギャップエネルギーの関係は単純な直線モデルで考えられていたが、その関係は非線形関数であることを明らかにした。ETSARTは半導体検出器の最適化設計や応答解析に留まらず、新しい半導体物質の特性評価への応用も期待できる。

論文

A Terrestrial SER Estimation Methodology Based on Simulation Coupled With One-Time Neutron Irradiation Testing

安部 晋一郎; 橋本 昌宜*; Liao, W.*; 加藤 貴志*; 浅井 弘彰*; 新保 健一*; 松山 英也*; 佐藤 達彦; 小林 和淑*; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 70(8, Part 1), p.1652 - 1657, 2023/08

中性子を起因とする半導体デバイスのシングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、地上にある電子機器の動作の信頼性に関係する問題となる。白色中性子ビームを用いた加速器試験では、現実的な環境の中性子起因ソフトエラー率(SER: Soft Error rate)を測定できるが、世界的にも白色中性子ビームを供給できる施設の数は少ない。ここで、多様な中性子源に適用可能な単一線源照射を地上におけるSER評価に適用できる場合、ビームタイムの欠乏を解消できる。本研究では、これまでに得られた測定結果のうち任意の1つを抽出し、これとPHITSシミュレーションで得たSEU断面積を用いた地上環境におけるSERの評価の可能性を調査した。その結果、提案する推定法で得られたSERは、最悪の場合でも従来のWeibull関数を用いた評価値と2.7倍以内で一致することを明らかにした。また、SER評価におけるシミュレーションコストを低減する簡易化の影響も明らかにした。

論文

Fetal atomic bomb survivor dosimetry using the J45 series of pregnant female phantoms with realistic survivor exposure scenarios; Comparisons to dose estimates in the DS02 system

Paulbeck, C. J.*; 佐藤 達彦; 船本 幸代*; Lee, C.*; Griffin, K. T.*; Cullings, H. M.*; Egbert, S. D.*; 遠藤 章; Hertel, N. E.*; Bolch, W. E.*

Radiation and Environmental Biophysics, 62(3), p.317 - 329, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Biology)

胎児被ばくした原爆生存者に対する線量評価は、放射線被ばくリスクを評価する上で極めて重要となる。原子力機構、放射線影響研究所、フロリダ大学、米国がんセンターらで構成する研究チームは、これまで、1945年の日本人体型を反映した成人、小児及び胎児を含む妊婦の人体模型を作成し、前方照射や等方照射など理想的な照射条件に対してその被ばく線量を評価してきた。本研究では、原爆線量評価システムDS02に含まれる現実的な照射条件に対して、胎児及び母体の被ばく線量を評価した。その結果、現実的な照射条件においては、胎児の臓器線量は、胎児内での臓器の位置や週齢に大きく依存することが分かった。このような胎児に対する詳細被ばく線量解析結果は、将来の胎児被ばくリスク評価モデルの改訂に役立つと考えられる。

論文

Improvement of the hybrid approach between Monte Carlo simulation and analytical function for calculating microdosimetric probability densities in macroscopic matter

佐藤 達彦; 松谷 悠佑*; 小川 達彦; 甲斐 健師; 平田 悠歩; 津田 修一; Parisi, A.*

Physics in Medicine & Biology, 68(15), p.155005_1 - 155005_15, 2023/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:86.76

PHITSには、マイクロドジメトリ機能と呼ばれるモンテカルロ法と解析関数を組み合わせて巨視的な空間内における微視的な領域の線量分布を計算する機能が備わっている。本論文では、そのマイクロドジメトリ機能を同じくPHITSに組み込まれた最新の飛跡構造解析モードを使って改良した結果について報告する。

論文

Modelling oxygen effects on the in- and out-of-field radiosensitivity of cells exposed to intensity-modulated radiation fields

松谷 悠佑; McMahon, S. J.*; Butterworth, K. T.*; 谷内 淑恵*; 嵯峨 涼*; 佐藤 達彦; Prise, K. M.*

Physics in Medicine & Biology, 68(9), p.095008_1 - 095008_12, 2023/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:68.8(Engineering, Biomedical)

低酸素症は腫瘍の放射線抵抗性を誘導し、強度変調放射線治療後に悪性進行を招く可能性がある。また、照射野内外に位置する細胞間のシグナル効果が、低酸素下の放射線感受性に影響を与えることも近年わかってきた。しかし、低酸素下において誘導される細胞間シグナリングとその細胞応答メカニズムは完全には解明されていない。そこで本研究では、低酸素症下における細胞間シグナリングと細胞殺傷効果をモデリングし、不均一な放射線治療後の放射線感受性メカニズムの解明を行った。DNA損傷数から与えられた酸素増感効果比(OER)を使用し、照射野内外の細胞の放射線感受性を推定できる統合的な細胞応答モデル(IMKモデル)を開発した。その結果、細胞間シグナルを放出する細胞内ターゲットへのヒット確率は酸素濃度に依存する一方、放射線照射場の不均一性に依存しない共通のOERの使用により照射野内外の両方の放射線感受性を再現できることがわかった。これらの成果は、強度変調放射線治療による不均一被ばく下で発生する細胞間シグナリングのより正確な理解に貢献するものである。

論文

Comparison of dose and risk estimates between ISS Partner Agencies for a 30-day Lunar Mission

Shavers, M. R.*; Semones, E. J.*; Shurshakov, V.*; Dobynde, M.*; 佐藤 達彦; 込山 立人*; Tomi, L.*; Chen, J.*; El-Jaby, S.*; Straube, U.*; et al.

Journal of Medical Physics - Zeitschrift f$"u$r medizinische Physik -, 13 Pages, 2023/00

本論文では、国際宇宙ステーションに協力している宇宙機関が、それぞれの評価方法で推定した宇宙線被ばく線量及びそのリスクを相互比較した結果を報告する。比較するミッションには、30日間の磁気圏外ミッションを選択し、宇宙線源として銀河宇宙線と太陽高エネルギー粒子の両方を考慮した。本比較結果より、各機関の線量・リスク評価方法に関する一貫性を確認することができた。本成果は、国際放射線防護委員会(ICRP)のタスクグループ115のレポートとして将来、まとめられる予定である。

論文

Experimental and computational verifications of the dose calculation accuracy of PHITS for high-energy photon beam therapy

久峩 尚也*; 椎葉 拓郎*; 佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; 黒岩 靖淳*

Journal of Nuclear Science and Technology, 10 Pages, 2023/00

本論文では、放射線挙動解析コードPHITSの高エネルギー光子線治療に対する精度検証結果を報告する。具体的には、Clinac 21EX電子ライナックにより発生させた光子線治療場における線量深さ分布,ビームプロファイル,アウトプットファクターを測定し、PHITS及び同様のモンテカルロ計算コードであるEGSnrcの結果と比較した。その結果、PHITS計算と測定は医学物理分野における許容レベル以内で、PHITS計算とEGSnrc計算は約1%の範囲内で一致することが分かった。これらの結果から、PHITSが高エネルギー光子線治療の医学物理計算に応用可能であることが確認できた。

論文

Recent improvements of the Particle and Heavy Ion Transport code System; PHITS version 3.33

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松谷 悠佑; 松田 規宏; 平田 悠歩; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 9 Pages, 2023/00

放射線挙動解析コードPHITSは、モンテカルロ法に基づいてほぼ全ての放射線の挙動を解析することができる。その最新版であるPHITS version 3.31を開発し公開した。最新版では、高エネルギー核データに対する親和性や飛跡構造解析アルゴリズムなどが改良されている。また、PHIG-3DやRT-PHITSなど、パッケージに組み込まれた外部ソフトウェアも充実している。本論文では、2017年にリリースされたPHITS3.02以降に導入された新しい機能について説明する。

論文

A Step-by-step simulation code for estimating yields of water radiolysis species based on electron track-structure mode in the PHITS code

松谷 悠佑; 吉井 勇治*; 楠本 多聞*; 赤松 憲*; 平田 悠歩; 佐藤 達彦; 甲斐 健師

Physics in Medicine & Biology, 19 Pages, 2023/00

水の放射線分解における化学生成物の時間依存性は、電離放射線へ被ばくした後のDNA損傷応答を評価する際に重要な役割を果たす。粒子および重イオン輸送コードシステム(PHITS)は、放射線輸送のための汎用モンテカルロシミュレーションコードであり、物理過程であるイオン化や電子励起などの原子相互作用を計算することができる。しかし、水の放射線分解生成物をシミュレートするための化学コードはPHITSパッケージには存在しない。本研究では、電子線による水の放射線分解生成物(OHラジカル、e$$_{aq}$$$$^{-}$$、H$$_{2}$$、H$$_{2}$$O$$_{2}$$など)のG値を計算できるPHITS専用の化学シミュレーションコード(PHITS-Chemコード)を開発した。その結果、開発したPHITS-Chemコードは1 $$mu$$sまでのG値の測定値や他のシミュレーション値と一致することが確認できた。また、このコードは、OHラジカルスカベンジャー存在下での様々な化学生成物のシミュレーションや、DNA損傷誘発に対する直接的および間接的な影響の寄与を分析にも役立つ。このコードは原子力機構が主となり開発を進めるPHITSパッケージに内包され、8000名以上のユーザーに提供される予定である。

論文

Development of DynamicMC for PHITS Monte Carlo package

渡部 浩司*; 佐藤 達彦; Yu, K. N.*; Zivkovic, M.*; Krstic, D.*; Nikezic, D.*; Kim, K. M.*; 山谷 泰賀*; 河地 有木*; 田中 浩基*; et al.

Radiation Protection Dosimetry, 13 Pages, 2023/00

DynamicMCは、人体ファントムが単色線源に照射されたときの3次元線量分布を簡単に計算可能なGUIソフトウェアである。従来は、米国産放射線挙動解析コードMCNPと接続して使うよう設計されていた。本研究では、DynamicMCをPHITSと接続して使うように改良し、いくつかの新機能を付加した。具体的な改良点は以下の通りである。(1)単色のみならず放射性同位元素の崩壊により生じる様々なエネルギースペクトルを持つ線源に対応可能とした、(2)臓器吸収線量を計算可能とした、(3)複数の条件に対する平均線量を計算可能とした、(4)遮蔽物の影響を考慮可能とした。本改良により、DynamicMCは放射線防護の研究や教育など様々な目的で利用可能となった。

論文

Local environmental effects on cosmic ray observations at Syowa Station in the Antarctic; PARMA-based snow cover correction for neutrons and machine learning approach for neutrons and muons

片岡 龍峰*; 佐藤 達彦; 加藤 千尋*; 門倉 昭*; 小財 正義*; 三宅 晶子*; 村瀬 清華*; 吉田 理人*; 冨川 喜弘*; 宗像 一起*

Journal of Space Weather and Space Climate (Internet), 12, p.37_1 - 37_11, 2022/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:24.42(Astronomy & Astrophysics)

2019$$sim$$2020年の太陽活動極小期における銀河宇宙線の変動は、2次中性子及びミューオンで異なる傾向を示す。その違いの原因を明らかにするため、Echo State Network (ESN)と呼ばれる機械学習法を用いて、中性子モニタ及びミューオン検出器計数率から周辺環境による依存性を取り除く補正方法を構築した。その結果、周辺環境の影響を補正した後であっても、ミューオン検出器の計数率は2019年後半から減少し始め、その年の前半から減少し始めていた中性子モニタの計数率とは異なる傾向を示すことが確認できた。この結果は、太陽活動による宇宙線フラックスの変動が、そのリジディティに依存していることを示唆している。

論文

Development of a method for calculating effective displacement damage doses in semiconductors and applications to space field

岩元 洋介; 佐藤 達彦

PLOS ONE (Internet), 17(11), p.e0276364_1 - e0276364_16, 2022/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:33.72(Multidisciplinary Sciences)

宇宙探査等の放射線環境下で使用される半導体デバイスの寿命を決定する指標として、非電離エネルギー損失から算出される変位損傷量(DDD)が利用されている。近年は、分子動力学シミュレーションから得られる材料の欠陥生成効率を考慮した、新しい指標の実効DDDが提案されている。そこで本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードシステムPHITSにおいて、代表的な半導体材料である炭化ケイ素(SiC)、ヒ化インジウム(InAs)、ヒ化ガリウム(GaAs)、及び窒化ガリウム(GaN)に対して、従来のDDDと実効DDDを計算できる手法を開発した。その結果、ヒ素化合物であるInAs及びGaAsにおいて、アモルファス化により欠陥数が増える効果を含む実効DDDが従来のDDDよりも約2倍大きくなること、SiCにおいては欠陥の再結合によりその関係が逆転することがわかった。本計算手法とPHITSの宇宙線線源機能を活用することで、宇宙探査等の放射線環境下における半導体デバイスの放射線損傷評価が可能となる。

論文

Application of a simple DNA damage model developed for electrons to proton irradiation

松谷 悠佑; 甲斐 健師; Parisi, A.*; 吉井 勇治*; 佐藤 達彦

Physics in Medicine & Biology, 67(21), p.215017_1 - 215017_13, 2022/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:80.16(Engineering, Biomedical)

陽子線治療は、X線治療と比較して、正常組織への副作用を低減しつつ腫瘍を照射することが可能である。陽子線照射後に発生する細胞死などの生物影響は、陽子線の運動エネルギーに依存し、初期のDNA損傷の誘発に本質的に関係する。そのため、モンテカルロシミュレーションに基づくDNA損傷収率の推定は、世界的に関心の高い研究トピックとなっている。本研究では、放射線輸送計算コードであるPHITS飛跡構造解析モードの応用、ならびに電子線用に開発された単純なモデルの陽子線への適用により、陽子線エネルギーと一本鎖切断(SSB)、二本鎖切断(DSB)および複雑なDSBの収量との関係性を評価した。その結果、PHITSに基づく推定結果は、約30keV/$$mu$$m以下の線エネルギー付与(LET)の特性を有する陽子線により発生する様々なタイプのDNA損傷収量の実験値や他コードの推定値を正確に再現することが分かった。これらの結果は、PHITSに実装されている現在のDNA損傷モデルが、1MeV未満の非常に低いエネルギーを除いて、陽子照射後に誘発されるDNA損傷収量を推定するのに十分であることを示唆している。

論文

Implementation of the electron track-structure mode for silicon into PHITS for investigating the radiation effects in semiconductor devices

平田 悠歩; 甲斐 健師; 小川 達彦; 松谷 悠佑; 佐藤 達彦

Japanese Journal of Applied Physics, 61(10), p.106004_1 - 106004_6, 2022/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:69.66(Physics, Applied)

検出器や半導体メモリなどのSiデバイスにおいて、パルス波高欠損やソフトエラーなどの放射線影響が問題となっている。このような放射線影響のメカニズムを解明するためには、放射線による精密なエネルギー付与情報が必要である。そこで、Siにおける電子線のエネルギー付与をナノスケールで計算できる電子線飛跡構造解析機能を開発しPHITSに実装した。開発した機能の検証として電子の飛程や付与エネルギー分布を計算したところ、既報のモデルと一致することを確認した。また、一つのキャリア生成に必要なエネルギー($$varepsilon$$値)について、実験値を再現する二次電子生成のエネルギー閾値は2.75eVであることを見出すとともに、このエネルギー閾値は解析的に計算された結果および実験値と一致することがわかった。本研究で開発した電子線飛跡構造解析機能はSiデバイスに対する放射線影響の調査に応用することが期待される。

論文

Microdosimetric modeling of relative biological effectiveness for skin reactions; Possible linkage between in vitro and in vivo data

佐藤 達彦; 松谷 悠佑; 浜田 信行*

International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics, 114(1), p.153 - 162, 2022/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:84.82(Oncology)

放射線皮膚反応に対する生物学的効果比(RBE)の評価は、粒子線治療やホウ素中性子補足療法(BNCT)の治療計画、及びJCO事故のような中性子を含む緊急時被ばくや宇宙飛行士被ばくの放射線防護指針を決定する際、極めて重要となる。本研究では、マイクロドジメトリに基づく放射線皮膚反応に対するRBE評価モデルを開発し、そのモデルパラメータを過去数10年に渡って発表されてきた細胞実験や動物実験結果より決定した。その結果、細胞実験から推定したRBEは、動物実験から推定した値と比べて低い傾向にあることが分かった。また、開発したモデルを用いて様々な放射線被ばくに対する皮膚反応RBEの平均値及びその誤差範囲を計算した結果、20-30年前に国際放射線防護委員会(ICRP)や米国放射線審議会(NCRP)が評価した値は、最新の実験値とも整合性があることが明らかになった。本成果は、粒子線治療やBNCTの治療計画のみならず、放射線防護に用いる皮膚反応RBEの奨励値を決定する際にも有用となる。

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