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論文

Depth concentration profile for cesium atom in fullerene C$$_{60}$$ investigated using synchrotron X-ray photoelectron spectroscopy

関口 哲弘; 横山 啓一; 矢板 毅

Photon Factory Activity Report 2023 (インターネット), 5 Pages, 2024/00

本報告はKEK-PF施設のBL27Aを使用して行われたセシウム化合物試料の放射光X線励起による光電子分光実験に関する活動報告である。背景としては、長寿命放射性核種であるセシウム-135($$^{135}$$Cs)の同位体分離スキームにおいて、テラヘルツ領域のレーザーを用いることにより同位体選択的な光分解により$$^{135}$$Cs原子が選択的に生成されることが見いだされた。しかしCs原子($$^{135}$$Cs)とヨウ化セシウム分子($$^{133}$$CsI)との衝突による同位体交換を防ぎ、Cs原子($$^{135}$$Cs)のみを回収することが課題となった。本研究ではフラーレンC$$_{60}$$を吸蔵材として用い、CsI分子を吸蔵せずCs原子だけを選択的に捕集する可能性について検討した。角度分解X線光電子分光法およびArイオンスパッター法を行い、室温におけるCs原子およびCsI分子の深さ方向の濃度分布を評価した。CsI分子がC$$_{60}$$固体表面の浅い領域に堆積するのに対し、Cs原子はC$$_{60}$$固体内に深くに浸透する結果を得た。$$^{135}$$Cs同位体分離のための選択吸蔵材料としてフラーレン材料が有望である可能性を有することを示唆する結果であった。

論文

Extended X-ray absorption fine structure spectroscopy measurements and ${it ab initio}$ molecular dynamics simulations reveal the hydration structure of the radium(II) ion

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.

iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08

 被引用回数:15 パーセンタイル:72.63(Multidisciplinary Sciences)

ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。

論文

Annealing effect of absorbing property for Cs and CsI in fullerene investigated by synchrotron X-ray photoelectron spectroscopy

関口 哲弘; 横山 啓一; 矢板 毅

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(3), p.186 - 195, 2022/07

Cs-135を含む長寿命核種の同位体分離に関する技術開発は放射性廃棄物の減容化および中性子照射による長寿命核種の核変換消滅の要素技術として重要である。THzレーザー光をヨウ化セシウム分子Cs(-133/-135)Iに照射することにより同位体選択的な解離反応を引き起こすことができる。しかし問題として、選択的に生成するCs-135原子は安定同位体から成るCs(-133)I分子との衝突により、同位体交換を起こす。よって我々はCs原子のみを選択的に吸蔵材料に回収し、衝突を回避する試みを検討している。Cs原子は炭素(C$$_{60}$$)吸蔵材料内の数100オングストロームの深部まで侵入する。それに対しCsI分子は材料内に浸透しない。しかし室温ではCsI分子が堆積する問題が残された。本研究では加熱によりCsI堆積を防ぐことを検討した。X線光電子分光(XPS)測定を行い、材料の組成,深さ濃度分布,膜厚を評価した。Cs蒸着後の加熱アニーリング効果およびCs蒸着中の加熱効果を調べた。CsI分子が表面に残らず、Csが炭素材料に残存する可能性について検討した。

論文

Marking actinides for separation; Resonance-enhanced multiphoton charge transfer in actinide complexes

松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 金田 結依; Simonnet, M.; 関口 哲弘; 本田 充紀; 下条 晃司郎; 土井 玲祐; et al.

Science Advances (Internet), 8(20), p.eabn1991_1 - eabn1991_11, 2022/05

 被引用回数:8 パーセンタイル:47.78(Multidisciplinary Sciences)

fブロック元素は化学的性質が類似している。一方、それらの電子スペクトルではf電子準位間の光学遷移が明瞭に異なる。このf-f遷移波長での共鳴励起によって元素の酸化状態を制御することができれば、化学的な分離が難しいfブロック元素の精密分離技術が生まれる可能性がある。これまでに3つのランタノイド元素で共鳴多光子還元が観測されているが、アクチノイドでの共鳴多光子反応は報告例はなかった。本研究では硝酸水溶液においてアクチノイドの一つである三価アメリシウムの共鳴多光子電荷移動による光酸化を観測した。また、硝酸錯体が一次過程に寄与することが示唆された。

論文

EXAFSによるRaの水和状態と粘土鉱物への吸着状態の解明

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.

放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03

ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。

論文

Unoccupied conduction band of chloroaluminum phthalocyanine

池浦 広美*; 関口 哲弘

Japanese Journal of Applied Physics, 58(SI), p.SIIC04_1 - SIIC04_4, 2019/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)

多結晶クロロアルミニウムフタロシアニン試料の非占有伝導帯の電子構造をCl K殻吸収端近傍のX線吸収分光法(XAS)により調べた。XASスペクトルは全電子収量(TEY)および部分オージェ電子収量(AEY)モードにより測定した。部分AEYスペクトルは光子エネルギーの関数として通常オージェ収量およびスペクテーターCl KL$$_{2,3}$$L$$_{2,3}$$オージェ収量をモニターし測定した。TEYスペクトルはデコンボリューションできないブロードなピーク形状を示した。一方、通常AEYスペクトルおよびスペクテーターAEYスペクトルにおいてCl 1s$$rightarrow$$$$sigma$$*(Cl-Al)遷移は2成分にピーク分割された。これら競合する2つの過程として内殻正孔に局在した内殻励起子および内殻正孔を有しない非局在化した伝導帯が関与すると解釈された。Cl K-edge XASにおいて伝導帯に起因するピークが観測されたことから、伝導帯形成にCl配位子の軸方向が関与していると推察された。実験結果はオリゴマー鎖状(-Al-Cl-Al-)に伝導帯電子移動が起こる可能性があることを示唆した。

論文

Absorbent property of fullerene for cesium isotope separation investigated using X-ray photoelectron spectroscopy

関口 哲弘; 横山 啓一; 魚住 雄輝*; 矢野 雅大; 朝岡 秀人; 鈴木 伸一; 矢板 毅

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.161 - 164, 2018/11

長寿命放射性核種であるセシウム-135($$^{135}$$Cs)の除去に向け、Cs元素の同位体分離技術の確立を目指す。同位体選択的レーザー光分解により$$^{135}$$Cs原子が選択的に生成される。Cs原子($$^{135}$$Cs)とヨウ化セシウム分子($$^{133}$$CsI)との衝突による同位体交換を防ぐ目的で、Cs原子だけを選択的に捕集し、CsI分子を吸蔵しないような炭素材料の開発を行う。今回、吸蔵剤候補としてフラーレンC$$_{60}$$分子を用い、Csの深さ方向の濃度分布を評価する実験を行った。角度分解X線光電子分光法およびArイオンスパッター法を行い、室温におけるC$$_{60}$$固体へCs原子およびCsI分子がどの程度材料深部へ吸蔵されるかを調べた。CsI分子がC$$_{60}$$固体表面の浅い領域に堆積するのに対し、Cs原子はC$$_{60}$$固体深くに浸透するという実験結果を得た。Cs同位体分離のための選択吸蔵材料としてフラーレン固体が有望であることを示す結果である。

論文

Photo-oxidative doping in $$pi$$-conjugated zig-zag chain of carbon atoms with sulfur-functional group

池浦 広美*; 関口 哲弘

Applied Physics Letters, 111(23), p.231605_1 - 231605_4, 2017/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)

-SCH$$_{3}$$側鎖をもつトランス-ポリアセチレン(PA)骨格の光酸化ドーピング過程を研究した。本分子系はジグザグ状のグラフェン-ナノリボン末端のヘテロ置換による材料機能化に関連している。硫黄K殻X線吸収端近傍構造(XANES)分光法を用い、S-CH$$_{3}$$と大気O$$_{2}$$との反応によりPA骨格に結合したS(O)CH$$_{3}$$や-SO$$_{3}$$$$^{-}$$など酸化生成物が選択的に生じることを示した。硫黄の酸化状態とXANESピーク位置との相関から、CH$$_{3}$$S$$^{delta+}$$ -PA$$^{delta-}$$の部分電荷分布を評価した。陽電荷的な硫黄原子は高い電気陰性度の酸素原子をより引き付け、更なる光酸化を促進すると期待できる。SO$$_{3}$$$$^{-}$$側鎖が生成していることから、明らかにPA骨格へのホールドーピングが起こっている。本結果はUV光照射を用いた原子レベルにおけるドーピング制御や空間選択ドーピングといった創製戦略を提供する。

論文

Electronic properties of 6,13-Bis(triisopropylsilylethynyl)pentacene probed by inner-shell spectroscopy

池浦 広美*; 関口 哲弘

Molecular Crystals and Liquid Crystals, 622(1), p.50 - 54, 2015/12

BB2014-1633.pdf:0.39MB

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)

$$pi$$積層型有機電導性分子は分子エレクトロニクスへの応用として広く期待されている。もし有機半導体における伝導帯の電子構造の直接観測が行えれば、電導メカニズムの理解が飛躍的に進むと期待される。通常、伝導帯の状態密度の観測には、X線吸収分光(XAS)が用いられる。ここで内殻励起される元素の部分状態密度が観測される。しかしながら、XASでは空軌道の局在性・非局在性の情報を得ることはできない。本研究では、共鳴オージェ電子分光法(RAS)における正孔時計法を電子材料に応用する。非局在化軌道をもつ伝導帯をアト秒領域で高速移動する電子を観測する。本発表ではペンタセン誘導体材料に適用した例をあげ、電子伝導機構を議論する。

論文

Observation of oriented organic semiconductor using Photo-Electron Emission Microscope (PEEM) with polarized synchrotron

関口 哲弘; 馬場 祐治; 平尾 法恵; 本田 充紀; 和泉 寿範; 池浦 広美*

Molecular Crystals and Liquid Crystals, 622(1), p.44 - 49, 2015/12

BB2014-1632.pdf:0.71MB

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)

分子配向は有機半導体材料の様々な性能を制御する上で重要な因子の一つである。一般に薄膜材料は様々な方向を向く微小配向領域の混合状態となっている。したがって、各々の微小領域において配向方向を選別して顕微分光観測できる手法が望まれてきた。我々は、光電子顕微鏡(PEEM)法と直線偏光性をもつ放射光X線や真空紫外(VUV)光を組み合わせる装置の開発を行っている。ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)導電性ポリマー薄膜を溶液法により作製し、偏光放射光励起によるPEEM像の観測を行った。また様々な偏光角度のUV照射下におけるPEEM像を測定した。放射光励起実験において各微小領域の硫黄S 1s励起X線吸収スペクトルが得られ、微小領域におけるポリマー分子配向の情報を得ることができた。またUV励起実験においては、偏光角度に依存して異なる微結晶層を選択観測することに成功した。実験結果はポリマーの特定の分子軸へ向いた配向領域だけを選択的に顕微鏡観測できることを示唆する。

論文

Investigation of unoccupied electronic states near the fermi level of polysilane using resonant Auger spectroscopy

小川 博嗣*; 池浦 広美*; 関口 哲弘

Molecular Crystals and Liquid Crystals, 622(1), p.164 - 169, 2015/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)

放射光X線を用いる各種分光法は、将来 高濃縮廃棄物で発生する水素の再結合触媒等の機能性材料の評価に応用できる可能性がある。本研究ではポリジメチルシラン有機電子材料における空軌道電導性をX線吸収分光(XAS)法 及びSi KLLオージェ分光(RAS)法により調べた。XAS内殻共鳴励起における空軌道の性質に関してDVX$$alpha$$分子軌道法の結果を基に解釈した。RASのX線エネルギー依存性測定によりポリマー主軸に沿った価電子空軌道において高速電子移動が観測された。内殻正孔時計法によりフェムト秒電子移動速度が見積もられた。

論文

グラファイト構造ホウ素窒化炭素の原子配置に関する分極ルールの再検討

下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘

DV-X$$alpha$$研究協会会報, 27(1&2), p.34 - 44, 2015/03

$$pi$$共役系ホウ素窒化炭素化合物(B$$_{x}$$C$$_{y}$$N$$_{z}$$)は触媒活性などの機能性が注目を集めている。しかし、その原子配置は不明である。我々はNEXAFS分光法のN吸収端でのスペクトルをDVX$$alpha$$法で解析し、原子配置に関する分極ルールを提案した。本発表ではB吸収端でのスペクトルから分極ルールを再検討した結果について報告する。B$$_{x}$$C$$_{y}$$N$$_{z}$$のB及びNのNEXAFSスペクトルは六方晶窒化ホウ素(h-BN)のNEXAFSスペクトルの$$pi$$$$^{*}$$ピークよりも低エネルギー側にブロードな成分を示し、偏光依存性解析からそれらの成分は面外遷移に帰属される。グラファイト構造BC$$_{2}$$Nについて原子配置の異なる幾つかのモデルクラスターの$$pi$$$$^{*}$$準位の電子状態をDVX$$alpha$$法により計算した。BC2NはB, Nどちらの内殻励起においてもh-BNよりも低い励起エネルギー領域に$$pi$$$$^{*}$$準位を示した。B, C, N間で大きい分極をもつ原子配置の場合はB吸収端において大きい$$pi$$$$^{*}$$ピーク強度を示すが、B, C, N間の分極が小さい原子配置の場合は逆の傾向を示すことから、B吸収端のNEXAFSスペクトルの結果も分極ルールの存在を支持することがわかった。

論文

A Fluorescence XAFS measurement instrument in the Soft X-ray region toward observation under operando conditions

本田 充紀; 馬場 祐治; 下山 巖; 関口 哲弘

Review of Scientific Instruments, 86(3), p.035103_1 - 035103_5, 2015/03

 被引用回数:11 パーセンタイル:44.19(Instruments & Instrumentation)

X-ray absorption fine structure (XAFS) measurements are widely used for the analysis of electronic structure. Generally, XAFS in the soft X-ray region is measured under vacuum, but chemical structures under vacuum are typically different from those under operando conditions, where chemical species exhibit their function. Here we developed an XAFS measurement instrument, as a step toward operando fluorescent yield XAFS measurement using synchrotron radiation in the soft X-ray region. We applied this method to analyze the local electronic structure of the sulfur atoms in L-cysteine in different pH solution. Our results show that this instrument aimed toward operando fluorescence XAFS measurements in the soft X-ray region is useful for structural analysis of sulfur atoms in organic molecules in air and in solution. The instrument will be applied to the structural analysis of materials containing elements that have absorption edges in soft X-ray region, such as phosphorus and alkali metals (potassium and cesium). It will be also particularly useful for the analysis of samples that are difficult to handle under vacuum and materials that have specific functions in solution.

論文

Structures of quasi-freestanding ultra-thin silicon films deposited on chemically inert surfaces

馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵; 関口 哲弘

Chemical Physics, 444, p.1 - 6, 2014/09

AA2014-0499.pdf:0.68MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:6.02(Chemistry, Physical)

原子レベルで平坦であり、かつ化学的に不活性な表面を持つサファイアおよび高配向熱分解グラファイト(HOPG)表面にシリコンを蒸着し、その構造を直線偏光した放射光軟X線を用いたX線吸収分光法により調べた。厚みが0.2層より薄い試料について、シリコンK吸収端のX線吸収スペクトルを測定したところ、シリコン1s軌道から価電子帯の非占有$$pi$$軌道および$$sigma$$軌道への共鳴励起によるピークが観測された。これらのピーク強度の偏光依存性を解析した結果、$$pi$$軌道の向きは表面に垂直であることがわかった。このことから、極薄のシリコンは基板と相互作用の小さいsp2軌道を持つグラフェンと類似の構造をとりうることが明らかとなった。

論文

A Polarization rule on atomic arrangements of graphite-like boron carbonitride

下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘

Carbon, 71, p.1 - 10, 2014/05

 被引用回数:8 パーセンタイル:26.74(Chemistry, Physical)

イオンビーム堆積法で作製したホウ素炭化窒素薄膜の吸収端近傍X線吸収微細構造(NEXAFS)をB及びN吸収端において測定し、内殻ホール効果を考慮した分子軌道計算によりNEXAFSスペクトルを解釈した。B, C, N間の幾つかの異なる原子配置を持つモデルクラスターについて光吸収断面積(PACS)と有効電荷を計算し、それに基づいてモデルクラスターを分極型と非分極型の二つのグループに分類した。分極型の原子配置では最低非占準位に近いNEXAFSスペクトルの$$pi$$$$^{*}$$ピーク強度はB吸収端で大きくN吸収端では小さくなるし、非分極型の原子配置ではその逆の傾向を示す。NEXAFSの実験結果と計算結果の比較から、我々はホウ素・炭素・窒素の原子配置に関するある法則が存在することを提案する。さらにこの法則と構造安定性との相関関係についても考察する。

論文

Electrochemical immobilization of biomolecules on gold surface modified with monolayered L-cysteine

本田 充紀; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵

Thin Solid Films, 556, p.307 - 310, 2014/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:23.19(Materials Science, Multidisciplinary)

Immobilization of organic molecules on the top of a metal surface is not easy because of lattice mismatch between organic and metal crystals. Herein, we suggested that a monolayer of L-cysteine deposited on a gold surface can act as a buffer layer to immobilize biomolecules on the metal surface. We selected lactic acid as the immobilized biomolecule because it is one of the simplest carboxyl-containing biomolecules. The immobilization of lactic acid on the metal surface was carried out by an electrochemical method in an aqueous environment. The surface chemical states before and after the electrochemical reaction were characterized using X-ray photoelectron spectroscopy (XPS). The N 1s and C 1s XPS spectra showed that the L-cysteine-modified gold surface can immobilize lactic acid via peptide bonds. This technique might enable the immobilization of large organic molecules and biomolecules.

論文

Structure of ultra-thin silicon film on HOPG studied by polarization-dependence of X-ray absorption fine structure

馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵; 関口 哲弘

Chemical Physics Letters, 594, p.64 - 68, 2014/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:13.83(Chemistry, Physical)

高配向性熱分解グラファイト(HOPG)表面に蒸着した単原子層以下の厚みの極薄シリコン膜の構造を、放射光を用いたX線光電子分光法(XPS)およびX線吸収端微細構造法(XANES)により調べた。0.15モノレーヤーの極薄シリコン膜のSi K-吸収端XANESスペクトルには、2つの共鳴励起によるピークが認められた。分子軌道法による計算結果および電子エネルギー損失分光法(EELS)による報告値から、これらのピークはSi 1s軌道から価電子帯の非占有$$pi$$$$^{*}$$および$$sigma$$$$^{*}$$軌道への共鳴励起によるものと同定した。XANESスペクトルの偏光依存性を測定したところ、グラファイトのC K-吸収端で報告されている結果と類似の偏光依存性が認められた。ピーク強度の偏光依存性を解析した結果、極薄シリコン膜の一部はグラフェンと類似の構造を持ち、基板表面に平行に配向していることを明らかにした。

論文

Molecular ordering effect of regioregular poly(3-hexylthiophene) using sulfur K-edge X-ray absorption spectroscopy

池浦 広美*; 関口 哲弘

Japanese Journal of Applied Physics, 53(2S), p.02BB07_1 - 02BB07_4, 2014/02

 被引用回数:14 パーセンタイル:50.95(Physics, Applied)

硫黄K殻吸収端におけるX線吸収分光法によりレジオレギュラーポリ(3-ヘキシルチオフェン)(RR-P3HT)の空軌道の電子構造を調べた。角度依存XAS法により薄膜のポリマー主鎖が良く配列し、Si基板面に対しedge-on配向構造をとることが見出された。$$pi$$-$$pi$$スタックによりフェルミレベル近傍の価電子バンドの底は粉末P3HTより0.3eV低エネルギーとなった。$$pi$$-$$pi$$スタック相互作用は最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの低下を引き起こし、パワー変換効率をよくする効果をもたらす。

論文

微調整機構付きポリキャピラリーを用いた軟X線の集光とその高速化学状態分析への応用

平尾 法恵; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖

分析化学, 63(1), p.53 - 58, 2014/01

AA2013-0769.pdf:1.16MB

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

固体表面のナノメートル領域における化学結合状態(原子価状態)変化を高速でリアルタイム観察するための手法について述べた。本手法の概略は、固体試料に放射光軟X線を照射し、表面から放出される全光電子を静電レンズ系で拡大し画像化するものであり、空間分解能は40ナノメートルである。照射する放射光軟X線を、近年開発されたポリキャピラリーを用いて集光することにより、従来の放射光ビームに比べ3keVにおいて最大約60倍の輝度が得られた。この集光したX線を用いることにより、バルクの試料について10ミリ秒でも明瞭な画像観察を行うことが可能となった。また、局所部における化学結合状態を観察するための顕微X線吸収スペクトル(顕微XAFS)測定の高速化について検討した結果、シリコンと酸化シリコンから成る試料に関し、画像中のすべての点のXAFSスペクトルを数十秒で測定することができ、これにより原子価状態分布をナノメートルスケールでリアルタイム観察することが可能となった。

論文

Orientation effect of organic semiconducting polymer revealed using Photo-Electron Emission Microscope (PEEM)

関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵; 本田 充紀; 和泉 寿範; 池浦 広美*

Photon Factory Activity Report 2013, Part B, P. 546, 2014/00

分子配向性は有機半導体材料の様々な性能を制御する上で重要である。一般に薄膜材料は様々な方向を向いた微小配向領域の混合状態である。したがって、各微小領域の配向方向を選択して顕微分光観測できる手法の開発が望まれている。我々は、光電子顕微鏡(PEEM)法と直線偏光性をもつ放射光X線や真空紫外(VUV)光を組み合わせる装置の開発を行っている。ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)導電性ポリマー薄膜を溶液法により作製した。偏光放射光励起により特定方向を向くポリマー分子鎖領域のPEEM像の観測を行うことができた。各微小領域の硫黄S 1s励起X線吸収スペクトルが得られ、微小領域におけるポリマー分子配向の情報を得ることに成功した。

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