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関根 由莉奈
ゲル化・増粘剤の使い方と新しいゲルの活用事例, p.270 - 275, 2025/01
環境に優しく、毒性のないセルロースナノファイバー等を原料にしたゲル材料の展開が期待されている。しかし、セルロースナノファイバー単体でゲル化した場合に機械的強度や耐久性等が乏しいことが課題である。ゲルの物性は架橋構造に大きく依存するため、精密な構造制御によるゲル材料の強度向上や機能化を目指した様々な合成法が研究されてきた。著者らは、架橋構造を制御する手法として凍結の利用に着目した。煩雑な作業を必要としない簡易な構造制御法であることが特徴である。ここでは、水溶液の凍結時に出現する凍結凝集層を利用した高強度なゲルの合成、架橋メカニズム、物性について紹介する。
Szab, L.*; 井上 瑞基*; 関根 由莉奈; 元川 竜平; 松本 悠佑*; Nge, T. T.*; Ismail, E.*; 一ノ瀬 泉*; 山田 竜彦*
ChemSusChem, p.e202402034_1 - e202402034_13, 2025/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)テクニカルリグニンを使用して、約2030nmの細孔サイズを持つ大細孔メソポーラスカーボンを開発した。ソフトテンプレート過程において、コポリマーテンプレートからユニークな円筒形の超分子凝集体が形成された。この特異なナノ構造は、PluronicテンプレートとPEGグラフト化リグニン誘導体(グリコールリグニン)の両方にポリエチレングリコール(PEG)セグメントが存在するために形成した。結果として得られた大細孔メソポーラスカーボンにおいて、毛管凝縮により270Kで 飽和圧力に近い条件においてCO
の吸収が大幅に増加した。
Cho, S. H.*; Cho, S. W.*; Lv, Z.*; 関根 由莉奈; Liu, S.*; Zhou, M.*; Nuxoll, R. F.*; Kanatzidis, E. E.*; Ghaffari, R.*; Kim, D.*; et al.
Lab on a Chip, 9 Pages, 2025/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Biochemical Research Methods)アミノ酸は体内のタンパク質合成と代謝プロセスに不可欠な物質である。本研究では、運動中の汗からのアミノ酸損失について定量的に調べることを目的とした。汗中のアミノ酸含有量をリアルタイムで分析するため、測定のための技術基盤としてウェアラブルなマイクロ流体システムを構築した。定量分析を実現するため、ウェアラブルデバイスに蛍光アッセイを組み込み、さらにスマートフォンベースの画像化技術を統合させたシステムを開発した。
杉山 仁志*; 加藤 謙一*; 関根 直子*; 関根 由莉奈; 渡邉 友亮*; 深澤 倫子*
Chemical Physics Letters, 856, p.141655_1 - 141655_8, 2024/12
被引用回数:1 パーセンタイル:53.35(Chemistry, Physical)ハイドロゲル中の水の構造に対する高分子側鎖の疎水性の影響を調べるために、DSCとXRD測定を実施した。ポリアクリルアミド(PAA)ゲルに含まれる中間水の量はポリ--ジメチルアクリルアミド(PDMAA)と比べて少量であった。PAAゲルの場合、束縛水はポリマー鎖表面に存在しているのに対して、PDMAAゲルでは架橋因子として機能していることが明らかになった。
関根 由莉奈
化学と工業, 77(12), p.865 - 868, 2024/12
セルロース等の溶質を含む水溶液を0C以下にして凍らせると、氷結晶と溶質の相分離構造が形成する。この現象をハイドロゲルの架橋反応に利用することで、スポンジ状の特異な性質を持つゲルをつくりだしてきた。この架橋方法を凍結架橋法と名付けた。最近では、セルロースナノファイバーなど、さまざまな組成で凍結架橋ゲルが形成することがわかってきた。凍結架橋ゲルの作製法やその応用について紹介する。
高原 裕大*; 紅 裕介*; 関根 由莉奈; 南川 卓也; 深澤 倫子*
ACS Omega (Internet), 9(45), p.45554 - 45563, 2024/11
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)凍結架橋CMCFハイドロゲルの蒸気膨潤と乾燥過程を明らかにすることを目的とした。O-HおよびC=O伸縮モードのシフトから、水とカルボキシメチルセルロース(CMC)の構造変化を解析した。結果、CMCFの非晶質領域と結晶質領域の親水性の違いにより、CMCFハイドロゲル中に2種類の結合水が存在することが示された。非晶質領域に吸着された結合水はCMCのO-HまたはC=Oと強い水素結合を形成するが、結晶領域に吸着された結合水は疎水性表面の局所的な親水基と弱い水素結合を形成した。2種類の結合水の水素結合強度の違いにより、CMCFハイドロゲル中の水の蒸気膨潤プロセスは4段階に分類された。乾燥過程では、CMCの親水基と強い水素結合を形成した結合水がCMCF構造に影響を与えることが明らかになった。
南川 卓也; 関根 由莉奈; 山田 鉄兵*
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 23(2), p.50 - 63, 2024/06
放射性廃棄物の削減や浄化には、放射性イオンの選択的分離が不可欠である。除去すべき放射性同位元素の中でも、Srは人の健康と環境に大きな脅威を与えている。しかし、Ca
から
Sr
を分離することが難しいため、環境廃水からの
Srの除去は依然として困難である。われわれは、多孔質構造を利用し、廃水から
Srを選択的に除去するために、シュウ酸塩とサマリウム(Sm)からツリウム(Tm)までの8種類のランタノイド(Ln)イオンからなる一連の等構造ランタノイド-シュウ酸塩骨格(LOF)を開発した。LOFはイオン交換可能な陰イオン細孔を有し、細孔の大きさはホストLn種によって段階的に変化した。LOFのホストLnがTbの場合、LOFは極めて高いSr
選択性を示し、Sr
とCa
の間のイオン半径の微妙な違い(0.2オングストローム)を区別することが可能であり、Sr
選択性はゼオライトAの3倍であり、これまでの報告されてきた吸着剤の選択性を上回るものであった。この結果は、LOFを構成するLn種を選択することにより細孔径をサブオングストロームで微調整可能であり、これにより非常に高い選択性が得られたことも示唆された。この新規な細孔サイズ制御方法は簡易であり、様々な分野でのイオン分離の可能性が開く可能性がある。
熊田 高之; 中川 洋; 三浦 大輔; 関根 由莉奈; 元川 竜平; 廣井 孝介; 稲村 泰弘; 奥 隆之; 大石 一城*; 森川 利明*; et al.
波紋, 34(2), p.50 - 53, 2024/05
本研究では、スピンコントラスト変調小角散乱法を用いてグルコース濃厚糖溶液を急冷すると氷結晶は平面上になり、その厚みは氷晶生成臨界半径と同程度の数ナノメートルしかないことを明らかにした。本研究は、グルコース分子が氷結晶の特定面に付着してその方向の成長を完全に止めてしまうことを示唆している。
関根 由莉奈; 南川 卓也; 杉田 剛; 永川 栄泰*; 柴山 由樹; 元川 竜平; 深澤 倫子*
Nanoscale, 16(19), p.9400 - 9405, 2024/05
被引用回数:2 パーセンタイル:72.59(Chemistry, Multidisciplinary)凍結架橋法により強靱なカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMF)/ジルコニウム(Zr)複合ハイドロゲルを開発した。本ハイドロゲルは、Zrを含むHCl溶液を凍結CMFに添加し、それを解凍することによって調製した。作製したハイドロゲルはフッ化物に対して高い吸着性を示した。本研究により、ハイドロゲルと金属の複合体の開発に有用な知見を得た。
関根 由莉奈; 南川 卓也; 廣井 孝介; 大場 洋次郎*; 永川 栄泰*; 杉田 剛; 柴山 由樹; 深澤 倫子*
Carbohydrate Polymers, 327, p.121538_1 - 121538_11, 2024/03
被引用回数:9 パーセンタイル:79.72(Chemistry, Applied)セルロースの結晶転移とその後の凍結架橋反応によってナノセルロース(NC)から形成された、無毒で強靱なNCゲルを開発した。低濃度のNaOHの使用と凍結を併用すると、凍結濃縮によりセルロースIからIIへのNCの結晶相転移が誘導されることを見出した。結晶相転移後、凍結濃縮層(FCL)内のNCとCA間の架橋により、強力なNCネットワーク構造が形成され、高い機械的強度を備えたNCハイドロゲルが形成した。凍結架橋したNCハイドロゲルは、NC-NaOHゾルと粉末吸着剤を混合することにより吸着剤を内部空間に容易に保持し、高い重金属除去効率を示した。この結果は、機能性材料の開発における化学修飾されていないセルロースの多用途性を示し、実用化の可能性を示すものである。
南川 卓也; 関根 由莉奈; 松村 大樹; 廣井 孝介; 高田 慎一; 神谷 嘉美*; 本多 貴之*
Langmuir, 40(11), p.5725 - 5730, 2024/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)鉄と漆の化学反応を利用して、古くから黒漆が作られている。しかし、鉄と漆の反応については、ほとんど知られていない。本研究では、黒漆中のFeイオンの化学状態を、XANES, EXAFS、SAXS, SANSおよびFT-IRを使用して調査した。Fe(II)またはFe(III)を生漆に添加し、空気乾燥,加熱、またはUV照射により黒漆フィルムを作成した。これらのサンプルのXANESスペクトルの測定結果から、最初に添加したFeの酸化状態に関係なく、サンプル内のFeイオンが3価の状態で存在していることが明らかとなった。また、すべてのフィルムサンプルのEXAFSスペクトルは同様の形状であったが、ピーク強度は、空気乾燥UV照射
加熱の順に減少した。この結果は、加熱やUV照射により黒漆中のFeの配位構造が不均一になり、加熱が最も不均一になったことを示している。サンプルのFT-IRスペクトルの変化は、ウルシオールの重合挙動が空気乾燥,加熱、およびUV照射下でも異なり、漆中での反応により、Feの配位構造が不均一になることが明らかとなった。このような結果から、XANESやEXAFSスペクトルは、黒漆の情報を簡易に得る手法として有用であり、貴重な文化財の黒漆の非破壊分析に特に有効である。
関根 由莉奈
Cellulose Communications, 30(4), p.203 - 208, 2023/12
本稿では、水溶液の凍結中に起こる氷晶と溶質の相分離現象を利用した高い圧縮復元性、マクロ孔、無毒の性質を持つカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ハイドロゲルの作製と特性についての研究を紹介する。開発した凍結架橋CMCFゲルの特徴として、無害な原料から簡易に作成できること、高い成形性、生分解性が挙げられる。これらの性質を活かすことで、環境浄化剤や機能性材料等として、セルロース誘導体の用途拡大に寄与できると考えている。
熊田 高之; 元川 竜平; 大場 洋次郎; 中川 洋; 関根 由莉奈; Micheau, C.; 上田 祐生; 杉田 剛; 美留町 厚; 佐々木 未来; et al.
Journal of Applied Crystallography, 56(6), p.1776 - 1783, 2023/12
被引用回数:13 パーセンタイル:96.67(Chemistry, Multidisciplinary)既存のメイン検出器および高位置分解能フォトマル検出器に加えて新規に導入した前面検出器を組み合わせることにより、波数0.002nmから6nm
にわたる散乱を3つの光学機器配置により切れ目なく測定できるようになった。またグラフィカルユーザーインターフェースの導入と併せて装置のユーザビリティが大幅に向上した。
関根 由莉奈; 南川 卓也
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 96(10), p.1150 - 1155, 2023/10
被引用回数:4 パーセンタイル:19.87(Chemistry, Multidisciplinary)凍結中に起こる氷の結晶と溶質および結合水の相分離は、ハイドロゲルの階層構造を制御するための反応場として使用できる。本論文では、固体-準液相分離を使用して形成されたカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ハイドロゲルの研究を紹介する。CMCFハイドロゲルは、凍結したCMCFにクエン酸を加え、混合物を解凍するだけで形成された。凍結架橋CMCFの圧縮強度は、従来の架橋法で形成したCMCFハイドロゲルに比べて20万倍向上した。氷結晶が溶ける前の凍結濃縮層では、水素結合を介したCMCF構造の再配列が進行していることがわかった。凍結濃縮下では、CMCFと結合水が高濃度に閉じ込められる。このような独特な空間での架橋反応により、機械的強度の高いCMCFハイドロゲルが形成された。凍結架橋CMCFハイドロゲルのゲル化挙動と特性、およびその応用について説明する。
Yang, D. S.*; Wu, Y.*; Kanatzidis, E. E.*; Avila, R.*; Zhou, M.*; Bai, Y.*; Chen, S.*; 関根 由莉奈; Kim, J.*; Deng, Y.*; et al.
Materials Horizons, 10(11), p.4992 - 5003, 2023/09
被引用回数:11 パーセンタイル:83.08(Chemistry, Multidisciplinary)本論文では、ハード及びソフトハイブリッド材料システムでの3Dプリントによって形成されたマイクロ流体ネットワーク、統合バルブ、およびマイクロスケール光学キュベットにより、汗成分に対してその場で分光および蛍光分析した成果を紹介する。一連の試験により、これらのマイクロキュベットシステムが汗中の銅、塩化物、グルコースの濃度と汗のpHを実験室レベルの精度と感度で評価できることが実証された。
関根 由莉奈
ファインケミカル, 52(8), p.25 - 32, 2023/08
凍結現象を利用することで、カルボキシメチルセルロースナノファイバーを主体とした無害な素材のみで 高い圧縮負荷にも耐えるハイドロゲルが形成することを発見した。鍵となるのは水溶液が凍結する時に起きる、氷結晶と溶質の相分離である。本稿では凍結架橋ゲルの形成メカニズムやゲルの特性について述べる。
熊田 高之; 中川 洋; 三浦 大輔; 関根 由莉奈; 元川 竜平; 廣井 孝介; 稲村 泰弘; 奥 隆之; 大石 一城*; 森川 利明*; et al.
Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 14(34), p.7638 - 7643, 2023/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)スピンコントラスト変調中性子小角散乱法を用いて急冷したグルコース濃厚溶液中に生成するナノアイス結晶の構造解析を行ったところ、厚さ1nm程度、半径数十nm以上の平面上の氷晶が生成していることを見出した。本結果はグルコース分子が特定の成長面に吸着することによりその面からの結晶成長を阻害していることを示す。
渡邉 哲平*; 関根 由莉奈; 深澤 倫子*
Macromolecules, 56(16), p.6217 - 6221, 2023/08
被引用回数:4 パーセンタイル:45.56(Polymer Science)ハイドロゲル中での水素同位体の挙動を調べるために、重水素化水を含むポリ-N,N-ジメチルアクリルアミド(PDMAA)ハイドロゲルの脱水過程におけるラマンスペクトルを分析した。結果は、脱水過程において軽水素が優位に蒸発することを示した。ゲル中の重水素モル比は、水分含有量が90.5wt%から5wt%に脱水されると、0.056から0.2に増加した。軽水素と重水素の水素結合の強さの違いにより、重水はハイドロゲル内のポリマーの親水基と優先的に水素結合を形成する。その結果、軽水素は脱水の初期段階で優先的に蒸発し、乾燥ハイドロゲルには重水素化された水が残る。
Liu, S.*; Yang, D. S.*; Wang, S.*; Luan, H.*; 関根 由莉奈; Model, J. B.*; Aranyosi, A. J.*; Ghaffari, R.*; Rogers, J. A.*
EcoMat (Internet), 5(1), p.e12270_1 - e12270_18, 2023/01
被引用回数:36 パーセンタイル:93.48(Chemistry, Physical)発汗量やバイオマーカーの非侵襲的でin situモニタリング技術は、人間の生理学的状態,健康、およびパフォーマンスに関するリアルタイムの洞察を取得するために重要である。最近、様々なウェアラブル型のマイクロ流体システムが開発されているが、ほとんどは使い捨てとして設計されおり、廃棄物問題への懸念がある。本研究では、発汗量の測定、バイオマーカーの比色分析など、あらゆる機能を備えた生分解性マイクロ流体システムを通じて、廃棄物問題を解決する材料と成形技術を確立した。本技術で利用する材料は、自然の土壌環境または産業用堆肥施設での微生物の酵素作用によって完全に分解した。構成材料、製造手順、組み立てプロセス、および完成したデバイスの詳細な特性評価により、従来のデバイスに匹敵する、またはそれよりも優れた性能パラメータが明らかになった。実際の利用試験により、これらのデバイスが身体活動および熱曝露中の発汗速度、発汗量、pH、および塩化物濃度の正確な測定値を取得可能であることが明らかとなった。
三浦 大輔*; 関根 由莉奈; 南川 卓也; 杉田 剛; 大場 洋次郎; 廣井 孝介; 大澤 辰彦
Carbohydrate Polymer Technologies and Applications (Internet), 4, p.100251_1 - 100251_9, 2022/12
凍結架橋により形成されたカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ゲルの反応機構を調べた。異なる反応時間で調製されたCMCFヒドロゲルの物性評価により、凍結架橋反応中の階層構造変化の観察に成功した。凍結架橋CMCFヒドロゲルは、従来の方法で形成された通常のゲルとは異なり、オングストロームからマイクロメートルスケールまでの特徴的な階層構造を示し、その特異的構造が飛躍的な力学強度の向上に寄与していることを明らかにした。