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Lobzenko, I.; Wei, D.*; 板倉 充洋; 椎原 良典*; 都留 智仁
Results in Materials (Internet), 17, p.100364_1 - 100364_7, 2023/03
ハイエントロピー合金(HEA)は、その優れた機械的・熱力学的特性から注目されている。最近の研究では、Coフリーの面心立方HEAは、原子力材料として重要な強度・延性を向上させる可能性があることが明らかになった。本研究では、第一原理計算を用いて、CoフリーHEAの機械的特性向上の基本的なメカニズムについて検討を行った。その結果、CoフリーHEAの局所格子歪みは、よく知られたCantor合金のそれよりも顕著であることを見いだした。また、CoフリーHEAの短距離秩序形成により、積層欠陥エネルギーが大きく変動していることがわかった。このように、CoフリーHEAでは著しい局所格子歪みと、低積層欠陥領域と高積層欠陥領域からなる不均一な固溶体状態が、強度・延性の向上に寄与していることがわかった。
椎原 良典*; 金澤 良亮*; 松中 大介*; Lobzenko, I.; 都留 智仁; 香山 正憲*; 森 英喜*
Scripta Materialia, 207, p.114268_1 - 114268_4, 2022/01
被引用回数:2 パーセンタイル:33.62(Nanoscience & Nanotechnology)本研究では、最新の人工ニューラルネットワーク(ANN)ポテンシャルに基づく分子力学を使用した鉄中の46種類の対称傾角粒界の粒界(GB)エネルギーを評価した。粒界エネルギー計算の精度の検証のため、密度汎関数理論(DFT)に基づく第一原理計算、および古典的な経験ポテンシャルである、埋め込み原子法(EAM)、および修正EAM(MEAM)との比較を行った。その結果、EAMとMEAMはDFTの結果(平均約27%)とは大きく異なっていた一方、ANNポテンシャルによる結果はDFTの結果(平均5%)と非常によく一致していることを確認した。GBの一軸引張計算では、EAMとMEAMにおける延性挙動のアーティファクトが改善され、ANNポテンシャルではDFTで観察されたGBの脆性破壊傾向を再現した。これらの結果は、需要の高い鉄におけるANNポテンシャルの有効性を示している。
足立 望*; 松尾 泰貴*; 戸高 義一*; 藤本 幹也*; 日野 正裕*; 光原 昌寿*; 大場 洋次郎; 椎原 良典*; 梅野 宜崇*; 西田 稔*
Tribology International, 155, p.106781_1 - 106781_9, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:52.05(Engineering, Mechanical)Recent theoretical researches revealed that grain boundary affects tribological properties through the change in adsorption properties of additives in lubricants. Therefore, the effects of the grain boundary on the tribological properties were investigated by friction test of pure iron films under oil lubrication. We found that a friction coefficient decreases with increasing the fraction of the grain boundary in the lubricants forming chemisorbed film on sample surface. This suggests that the grain boundary enhances the formation of the chemisorbed films and reduces the friction coefficients by protecting the sample surface.
都留 智仁; 山口 正剛; 海老原 健一; 板倉 充洋; 椎原 良典*; 松田 健二*; 戸田 裕之*
Computational Materials Science, 148, p.301 - 306, 2018/06
被引用回数:33 パーセンタイル:80.51(Materials Science, Multidisciplinary)高強度の7000番台アルミニウム合金の水素脆化はAl合金の実用における重要な問題と考えられてきた。しかし、近年の観察技術の発展にもかかわらず、Al合金中の水素の挙動を実験的に捉えることは非常に困難である。本研究では7000番台の特徴であるMgZn析出物に着目して、析出物内部及びAl-析出物界面における水素偏析を第一原理計算を用いて体系的に検討した。零点エネルギーを考慮したトラップエネルギー解析により、MgZn
の内部には9つの格子間サイトが存在することが確認されたものの、Alの四面体サイトより不安定であることから析出物内部への偏析は生じないことがわかった。一方、Al-析出物界面の安定なサイトではトラップエネルギーが-0.3eVと非常に大きいことがわかった。これはAl中の粒界などのトラップサイトより大きく、Al-析出物界面がAl合金中の優先的な偏析サイトになることを示唆している。
都留 智仁; Lobzenko, I.; 椎原 良典*; Wei, D.*; 山下 真一郎; 板倉 充洋; 他10名*
no journal, ,
ハイエントロピー合金(HEA)は、5元素またはそれ以上の成分が高濃度で混合した結晶構造を持つ合金として定義される。FCC構造とBCC構造でそれぞれCoCrFeNiMn(Cantor)合金とZrNbTaTiHf(Senkov)合金という強度と延性を両立した合金系が発見されており、これらの組成を軸にさらに優れた合金系の開発が行われている。力学特性の向上に対する機構は、格子の局所ひずみに対応する平均二乗原子変位(MSAD)による効果に加えて、FCC構造では双晶形成、BCC構造では特異な転位運動が重要な役割を果たしている。本研究では、FCC構造とBCC構造を有するHEAを対象に、第一原理計算に基づくシミュレーションを用いて欠陥構造の諸特性について検討する。MoNbTaVWとZrNbTaTiHfの2つのBCC-HEAにおけるRandom構造と800KのMC計算から得られた短距離秩序を有する構造に対して、135のサイトに転位双極子が導入された際のエネルギーの分布を評価した。その結果、2つの合金ではMSADが大きく異なっており、格子のひずみが大きなZrNbTaTiHfでは転位の形成エネルギーが小さくなることがわかった。
森 英喜*; 板倉 充洋; 奥村 雅彦; 椎原 良典*; 松中 大介*
no journal, ,
転位進展は金属材料の塑性変形の最も基本的かつ重要な素過程の一つである。転位芯構造は数十原子程度で構成されることが多いため原子モデリングによる解析が非常に有効である。経験的原子間ポテンシャルに基づいた分子動力学(MD)シミュレーションは数十万
数百万原子を扱うことが可能であり、多様な条件での解析が可能である。しかしながら、従来の原子埋め込み(EAM)ポテンシャルでは、複雑な電子状態による多体効果や磁性の影響を十分考慮することができていない。このためパイエルス障壁などの基本的な特徴ですら密度汎関数法(DFT)に基づいた第一原理計算結果との乖離が存在した。このため、ニューラルネットワーク(ANN)を用いてDFT精度を持つBCC鉄用の原子間ポテンシャルの開発を行った。本研究では、開発したポテンシャルを用いてBCC鉄中での転位進展、特に空孔の存在が転位進展にどのような影響を与えるかを解析する。
Lobzenko, I.; 椎原 良典*; 都留 智仁
no journal, ,
高エントロピー合金(HEA)は、その有望な機械的特性により、優れた構造材料である。体心立方(BCC)HEAでの作業は、グループ4元素が組成に存在する場合、延性の増加を示す。第一原理モデリングによるその効果の理論的研究は、大規模なシステムを必要とするHEA原子構造の本質的なランダム性によって複雑になる。古典的な分子動力学で高い精度を達成するために、人工ニューラルネットワークの機械学習を使用して原子間ポテンシャルを開発した(これをANNポテンシャルと呼ぶ)。MoNbTaとZrNbTaの2つのミディアムエントロピー合金(MEA)の現在の研究結果を紹介する。基本的な機械的性質を比較すると、Moを4族元素Zrで置換すると、体積弾性係数と弾性定数が低下することがわかる。刃状およびらせん転位が研究されている。古典的なモデリングでは、長距離応力場による転位コアの自己相互作用を防ぐ大きな計算セルの構築が可能である。さらに、大きなセルは合金のより良いランダム性を保証する。これは、HEAおよびMEAの機械的特性のシミュレーションに不可欠である。せん断ひずみを加えることにより、らせん転位運動が誘起される。刃状転位の場合、形状とエネルギーは、隣接する2つの容易なコア構成間で転位コアが移動する過程で調べられる。このようにして、パイエルス障壁が計算される。2つのMEAの結果を比較して、4族元素の役割を解明する。最後に、転位の応力場を理解するために、ANNポテンシャルの枠組みで原子応力計算スキームを採用する。ANNスキームの原子エネルギーは最終的に原子間のペア距離に依存するため、ビリアル応力の定義に基づいて原子応力の計算が可能である。
Lobzenko, I.; 都留 智仁; 椎原 良典*; 森 英喜*
no journal, ,
ハイエントロピー合金(HEA)は、優れた機械的特性を示すため、構造材料の優れた候補となる。体心立方構造(BCC)を持つHEAでの作業は、HCP元素が組成に存在する場合、延性の増加を示すことが知られているが、そのメカニズムはわかっていない。計算機シミュレーションはメカニズムの解析で有効であるが、HEAのようなランダム構造を持つ高濃度固溶体では大規模なモデルを必要とするため第一原理計算のような電子状態計算によって直接計算することは困難である。そこで、古典分子動力学で高い精度を達成するために、原子間ポテンシャル開発に機械学習の手法を適用が有効な手段となる。本研究では、MoNbTaとZrNbTaという2つのミディアムエントロピー合金(MEA)の機械的特性に着目した。これら2つの合金の原子間ポテンシャルは、人工ニューラルネットワークを使用して構築された(ANNポテンシャルとする)。我々の研究では、MoがHCP元素であるZrで置換されると、材料の基本特性が劇的に変化することが明らかになった。特に、Zrを含む合金は、体積弾性率と弾性定数が低下することが確認された。また、C11とC12の弾性定数の変化は、材料が弾性不安定領域に近づいていることを示している。次に、2つのMEAのらせん転位コアの形状について検討を行った。その結果、ZrNbTa合金のコア形状がより大きな幅を持った非コンパクトな構造であることがわかった。