検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 35 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

発表言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Correlative imaging of live biological cells with a soft X-ray microscope and a fluorescence microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1696, p.020019_1 - 020019_4, 2016/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:89.93(Microscopy)

軟X線顕微鏡は生きている細胞の細胞内小器官を観察するための非常に強力なツールであり、これまで細胞の内部構造を観察するための多くの研究開発が行われてきた。しかし、細胞内構造は非常に複雑で、軟X線顕微鏡で取得した細胞の軟X線顕微鏡像において細胞内小器官を特定することは困難であった。我々は、同一細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に観察するハイブリッドイメージング法を提案した。細胞にあらかじめ蛍光標識を施すことにより蛍光顕微鏡により細胞内小器官の位置を正確に特定することができ、蛍光顕微鏡によって得られた細胞内小器官の位置情報を用いて軟X線顕微鏡で取得した細胞の軟X線顕微鏡像において細胞内構造を正確に特定可能となる。軟X線顕微鏡は蛍光顕微鏡よりはるかに高い空間分解能を持つため、正確に特定された細胞内小器官の詳細な構造の解析が可能である。ハイブリッドイメージング法により生きている細胞の観察を行った。その結果、生きている細胞内のミトコンドリアの詳細な構造が確認できた。

論文

In situ observation of cellular organelles with a contact X-ray microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*

Journal of Physics; Conference Series, 463, p.012056_1 - 012056_4, 2013/10

 被引用回数:14 パーセンタイル:96.52(Microscopy)

高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型顕微法を組合せたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、細胞内小器官のその場観察を実施した。高強度で高品質なレーザーを金と窒化シリコンの二層構造極薄膜ターゲットに照射することにより高効率なプラズマの加熱を実現し、生きている細胞の瞬時観察に必要とされる一立体角辺り1.3$$times$$10$$^{15}$$個の軟X線フォトンを発生することに成功した。光学顕微鏡による明視野観察を可能とするために透明ガラス基板上に成膜したPMMAフォトレジスト上に細胞を直接培養した。光学顕微鏡と軟X線顕微鏡の両方の顕微鏡による撮像を行うことにより、取得した細胞の軟X線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像の直接比較を実現した。その結果、軟X線顕微鏡で取得したミトコンドリアや細胞骨格等の細胞内小器官を正確に特定することが可能となり、これらの細胞内小器官の詳細な構造の解析に成功した。

論文

Imaging of fine structures of cellular organelles in hydrated biological cells by a soft X-ray microscope combined with a fluorescence microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*

Proceedings of SPIE, Vol.8849, p.88490C_1 - 88490C_7, 2013/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:54.37(Optics)

これまでに、高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型顕微法を組合せたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、生きている細胞の細胞内構造を100nm以下の高い空間分解能でその場観察することに成功している。さらに、同一の細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に観察し、直接比較することにより、軟X線顕微鏡によって取得した細胞内構造を正確に特定する手法を提案した。細胞をあらかじめ、マイトトラッカー,ファロイジン, DAPI等の蛍光色素によって蛍光標識を施し、蛍光顕微鏡で観察することにより、ミトコンドリア,アクチンフィラメント,クロマチン等の位置を正確に把握することが可能である。蛍光顕微鏡の空間分解能は数100nm程度に制限されるが、軟X線顕微鏡は100nm以下の高い空間分解能を持つため、蛍光顕微鏡で位置を把握した細胞内小器官の詳細な構造の観察が可能となった。特に、ミトコンドリアの観察では、蛍光顕微鏡では解像しきれなかったミトコンドリアのかたまりが軟X線顕微鏡では十分解像され、個々のミトコンドリアの構造も観察できることがわかった。

論文

Development of single shot soft X-ray contact microscopy system for nano-scale dynamics measurement of living biological specimen

岸本 牧; 加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1465, p.43 - 47, 2012/07

 被引用回数:10 パーセンタイル:94.83(Physics, Applied)

水中の生きた生体細胞内ナノメートルスケール構造を観測するためのピコ秒シングルショット接触型X線顕微鏡システムの開発を行っている。この顕微システムは、プラズマ軟X線源用の大強度赤外ポンプレーザーシステムとX線顕微鏡チャンバより構成されている。ポンプレーザーは、光パラメトリック法を採用して非常にコントラストの良いレーザーパルスを発生することが可能であり、高効率で水の窓軟X線を発生することができる。X線顕微鏡チャンバは、真空チャンバ,集光レンズ,薄膜ターゲットとその駆動系,真空対応試料ホルダーより構成される。ポンプレーザーパルスは集光レンズによって薄膜ターゲット上に集光され、レーザー誘起プラズマが生成する。プラズマで発生した水の窓軟X線は、試料ホルダーにセットされたPMMAフォトレジスト基板上の生物試料を照射する。軟X線照射後にフォトレジスト基板は現像処理され、フォトレジスト上に記録された生体細胞のX線透過イメージをAFMを用いて読み出す。われわれは開発した軟X線顕微鏡を用いて水中のマウスのライディッヒ細胞のX線像を取得し、この顕微鏡システムが約100nmの空間分解能を持つことを実証した。

論文

Observation of organelle by a laser plasma X-ray microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1465, p.246 - 250, 2012/07

 被引用回数:5 パーセンタイル:83.30(Physics, Applied)

生体の主要な構成要素である炭素に吸収されやすく、周囲の水にはほとんど吸収されないという特徴を持つ高輝度軟X線源と組合せた密着型軟X線顕微鏡は、自然環境下にある水を含んだ生物試料を無染色で直接観察することが可能である。しかし、反面、軟X線顕微鏡はこれまで観察できなかった生きた細胞内の構造を観察できるという新しい観察技術であるため、学術的な応用のためにはX線像で取得された構造を正確に特定することが非常に重要である。われわれは、同一の細胞のX線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像を直接比較し、蛍光顕微鏡で観察された構造をもとにX線顕微鏡で得られた構造を特定するという新しい手法を提案した。その結果、X線顕微鏡によりミトコンドリアの構造の観察に成功した。

論文

Observation of organelles in Leydig cells by contact soft X-ray microscopy with a laser plasma X-ray source

加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 岸本 牧; 錦野 将元; 金城 康人*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1365, p.391 - 394, 2011/09

 被引用回数:8 パーセンタイル:90.81(Microscopy)

密着型軟X線顕微鏡によりウェットな状態の生きた細胞のシングルショット撮像を実施し、これまでに明らかにされなかった免疫細胞の触手構造の撮像に成功している。軟X線顕微鏡は、これまでに可視化されなかった構造を観察することができるが、実用化のためには軟X線顕微鏡像の中の構造を具体的に特定することが必要である。われわれは、共焦点レーザー顕微鏡と軟X線顕微鏡で同一の細胞の撮像を実施した。共焦点レーザー顕微鏡によって得られた細胞内器官の蛍光顕微鏡像と軟X線顕微鏡によって得られた軟X線顕微鏡像を直接比較することにより、軟X線顕微鏡像の中のアクチンフィラメント等の細胞内器官の特定に成功した。さらに、軟X線顕微鏡の特長を活かすことにより、細胞内器官のより詳細な構造の観察に成功した。

論文

Flash imaging of fine structures of cellular organelles by contact X-ray microscopy with a high intensity laser plasma X-ray source

加道 雅孝; 石野 雅彦; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 金城 康人*; 篠原 邦夫*

Proceedings of SPIE Europe Optics + Optoelectronics 2011, Vol.8139, p.81390O_1 - 81390O_7, 2011/09

レーザープラズマ軟X線源は、高輝度で短パルスという特徴を持ち、軟X線顕微鏡の生物応用に適している。軟X線顕微鏡は生きたままの生物試料の撮像が可能で、これまでに幾つかの実験結果が報告されている。しかし、それらの研究では細胞表面構造の撮像は実現されているが、高輝度軟X線源が必要とされる生きた細胞の細胞内器官の詳細構造の撮像に成功した例はない。われわれは、高輝度軟X線源と密着型軟X線顕微鏡を組合せることにより生きた細胞の細胞内器官の詳細構造の撮像に成功した。軟X線顕微鏡で得られた細胞内器官を同定するために同一細胞を蛍光顕微鏡と軟X線顕微鏡で観察し、直接比較することを考案した。軟X線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像を比較することにより、軟X線像の中のアクチンフィラメントやミトコンドリアなどの細胞内器官を正確に特定し、それらの詳細な構造を観察することを可能とした。

論文

Development of a specimen holder combined with ultra thin film laser plasma X-ray source for compact contact-type soft X-ray microscope to observe hydrated living biologocal cells

石野 雅彦; 加道 雅孝; 篠原 邦夫*; 山本 容正*; 平井 到*; 岸本 牧; 錦野 将元; 長谷川 登; 保 智己*; 安田 恵子*; et al.

Proceedings of SPIE Europe Optics + Optoelectronics 2011, Vol.8139, p.81390R_1 - 81390R_8, 2011/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Optics)

金の極薄膜ターゲットは強力な「水の窓」領域の軟X線を発生することから、軟X線顕微鏡のプラズマX線光源として適している。薄膜ターゲット背面からの発光を用いることにより、光源と試料間の距離を短縮することが可能となり、結果として試料を照射する光量を増加させることができる。光源と試料ホルダを組合せることにより、簡便な顕微鏡を設計することも可能となる。また、試料ホルダと光源以外のいかなる光学素子も必要としないので、光量減少の原因となる要素を排除することもできる。われわれは金薄膜ターゲットを組み込んだ細胞用試料ホルダの開発を行い、これを用いて生きた細胞のX線像を撮影することに成功した。本研究で開発した光源一体型試料ホルダは、実験室サイズのコンパクト軟X線顕微鏡を開発するうえで、中心要素となると期待されている。

論文

Observation of actin filaments in Leydig cells with a contact-type soft X-ray microscope with laser plasma X-ray source

加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 岸本 牧; 錦野 将元; 金城 康人*; 篠原 邦夫*

電気学会論文誌,C, 130(10), p.1774 - 1778, 2010/10

レーザープラズマ軟X線源を用いた密着型軟X線顕微鏡によりネズミの精巣ライディッヒ細胞のアクチンフィラメントが観察された。ライディッヒ細胞は、パラホルムアルデヒドで固定し、ファロイジンで染色した後、軟X線顕微鏡による観察の前に共焦点レーザー顕微鏡で観察を行った。共焦点レーザー顕微鏡と軟X線顕微鏡で得られた像を直接比較した結果、アクチンフィラメントの位置だけでなく、形においても良い一致が見られた。その結果、実績のある共焦点レーザー顕微鏡像との比較により、軟X線顕微鏡像の中のアクチンフィラメントが明瞭に同定されるとともに、共焦点レーザー顕微鏡に比べてより詳細な構造情報を得ることに成功した。

論文

Observations of the intense soft X-ray emissions from ultra thin Au films irradiated with high contrast laser pulses

石野 雅彦; 加道 雅孝; 錦野 将元; 篠原 邦夫*; 保 智己*; 安田 恵子*; 長谷川 登; 岸本 牧; 大場 俊幸; 河内 哲哉

Proceedings of SPIE, Vol.7589, p.75891B_1 - 75891B_8, 2010/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:80.25(Engineering, Biomedical)

酸素と炭素のK殻吸収端に挟まれた「水の窓」と呼ばれる軟X線を利用する軟X線顕微鏡は、水溶液中の生きた細胞を高い空間分解能で観察する技術であり、細胞構造や構造変化に伴う機能発現の解明に役立つ手段として期待されている。生きた細胞を100nm以下の空間分解能で観察するためには、試料上で10$$^{5}$$個/$$mu$$m$$^{2}$$を越える光量のX線が必要となることから、短パルスX線光源には非常に高強度のレーザープラズマX線源が求められる。そのため、レーザー光からX線への変換効率が高い光源の開発やX線光源を試料に近づけるなどの工夫が必要となる。高強度短パルスX線光源の開発を目的として、極薄膜ターゲットを用いたレーザープラズマX線源の特性評価を行った。ターゲットとして窒化シリコン膜上に数十nmから数百nmの膜厚を持つ金を成膜した薄膜ターゲットを用意し、Nd:glassレーザーを金の薄膜に集光照射することにより発生する軟X線を裏面から計測した。その結果、発光強度とスペクトル分布に膜厚依存性が確認できた。測定から、金薄膜により入射レーザーのエネルギーが消費され、レーザーが高い効率で軟X線に変換されていることを示唆する結果が得られた。

口頭

Structural study of cellular organelles with a laser-plasma soft X-ray microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型軟X線顕微鏡を組み合わせたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、生きている細胞の細胞内小器官の詳細な構造の観察に成功した。レーザープラズマ軟X線源は、非常に高輝度で短パルスという特徴を持つことから、細胞への放射線影響や細胞の運動による解像度の低下を招くことなく生きている細胞の観察を可能とする。また、細胞をX線感光材上に直接培養することにより、培養中の細胞をその場で観察することを可能とした。さらに、軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡を組み合わせたハイブリッド顕微鏡を考案することにより軟X線顕微鏡による細胞内小器官を正確に特定することを実現した。ネズミの精巣ライディッヒ細胞を観察した結果、生きている細胞中の個々のミトコンドリアの撮像に初めて成功し、さらにその詳細な構造の観察に成功した。

口頭

レーザープラズマ軟X線顕微鏡によるアポトーシス細胞核の観察

加道 雅孝; 岸本 牧; 刀祢 重信*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

レーザープラズマ軟X線は高い輝度と短パルス性を有するため、半導体や医療等の様々な分野で利用が進められている。その中でも、レーザープラズマ軟X線を光源とした軟X線顕微鏡(レーザープラズマ軟X線顕微鏡)は、培養中の生きている細胞の内部の詳細な構造の観察が可能で、生命科学分野の発展への貢献が期待されている。高輝度で単パルスという特徴を持つレーザープラズマ軟X線源とX線感光材上に細胞を直接培養する密着型軟X線顕微鏡を組み合わせたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発した。レーザープラズマ軟X線顕微鏡は、80nmの高い空間分解能と600psの超高速瞬時撮像という性能により、生きている細胞の細胞内構造を詳細に観察することが可能である。さらに、蛍光顕微鏡と組み合わせたハイブリッド顕微法は、これまで軟X線顕微鏡の課題とされていた細胞内構造の正確な特定を可能とし、生命現象の観察への活用を実現した。アポトーシスを起こした細胞核の観察に利用した結果、アポトーシスによる細胞核の構造変化の詳細を明らかにした。

口頭

Soft X-ray emissions from ultra-thin foiled targets irradiated with an intense pulsed laser

加道 雅孝; 石野 雅彦; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

高輝度X線は生きている生物試料を観察するためのX線顕微鏡の光源として非常に有用である。特に、水の窓と呼ばれる波長2.3nm-4.4nmの領域においてX線光量を向上することはX線顕微鏡用の光源として利用するために重要な課題である。我々は、ターゲットによって吸収されたレーザーのエネルギーがターゲット内部に拡散することによるエネルギーの損失を抑え、効率的にターゲットを加熱できる極薄膜ターゲットを考案した。厚さ10nm-50$$mu$$mの様々な厚さの金薄膜ターゲットを波長1.053$$mu$$m、パルス幅600ps、出力20JのNd:glassレーザーによって照射し、発生した軟X線を軟X線分光器と軟X線プラズマカメラにより計測した。その結果、ターゲットの厚さが薄くなるほどX線強度が増加し、ターゲットの厚さが20nmの時に最大の強度が得られることがわかった。金の極薄膜ターゲットから発生した軟X線を用いて生きている細胞の観察を行った結果、細胞内の詳細な構造の観察に成功した。

口頭

Single flash imaging of live hydrated biological cells by a contact soft X-ray microscope coupled with an intense laser-plasma soft X-ray source

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

密着型軟X線顕微鏡と高輝度レーザープラズマ軟X線源を組み合わせ、生きている細胞の瞬時撮像を実現した。高強度レーザーにより生成したレーザープラズマ軟X線源は非常に高輝度で短パルスという特徴を持ち、生きている細胞を瞬時に撮像することにより放射線による細胞への損傷を抑制することが可能である。我々は、蛍光顕微鏡を併用することにより軟X線顕微鏡によって撮像した細胞内器官を正確に特定する手法の開発にも成功した。この手法により、X線感光材上に直接培養した細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に撮像でき、取得した細胞の軟X線像と蛍光像を直接比較することによりミトコンドリアやアクチンフィラメント、クロマチンなどの細胞内器官を明確に特定可能である。軟X線顕微鏡は蛍光顕微鏡に比べて高い解像度を有する一方、撮像した細胞内構造の特定が困難であるという問題があったが、この手法の開発により、これまで不可能であった生きている細胞内の正確に特定された細胞内器官の構造をより詳細に観察可能となった。

口頭

試料周辺の水の層の厚さの制御による密着型軟X線顕微鏡の高コントラスト化

加道 雅孝; 岸本 牧; 刀祢 重信*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

水の窓波長域の軟X線を光源とした軟X線顕微鏡は水溶液中の生きている細胞を高い空間分解能で観察できる画期的な技術として開発が進められている。しかし、細胞周辺の水の層の厚さが10$$mu$$mを超えると水による軟X線の吸収が無視できなくなるとともに、水の層の厚さが不均一な状況では高品質な軟X線像の取得ができないという問題が生じた。我々は、細胞の保持に使用する窒化シリコン窓の内側に高さ5$$mu$$mのスペーサーと適切な溝パターンを構築することにより、PMMAフォトレジストと窒化シリコン窓の間に厚さ5$$mu$$mのスペースを確保するとともに、余分な水分を外部に排出することにより試料周辺の水の層の厚さを正確に制御することに成功した。その結果、非常に高解像度な細胞の軟X線像の取得に成功した。

口頭

レーザー生成プラズマ軟X線源の高輝度化と軟X線顕微鏡による生きている細胞の観察

加道 雅孝; 岸本 牧; 江島 丈雄*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

軟X線顕微鏡による細胞の観察では放射線による損傷を抑制するために試料の凍結が必要で、生きている細胞をそのまま観察することはできなかった。レーザー生成プラズマ軟X線源は高輝度で短パルスという特徴を持つため、放射線による損傷が生じる前に細胞の軟X線像を取得することが可能である。一方、軟X線顕微鏡の空間分解能は細胞に照射されるX線光量に強く依存するため、細胞の内部構造を観察するためには軟X線源の高輝度化が重要な課題となる。我々は、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの保有する出力120Jの大型レーザーを用いることにより軟X線源の大幅な高輝度化を実現した。X線感光材上に培養した含水細胞の観察を行った結果、空間分解能の向上により細胞周辺にこれまで同様の実験では確認されなかった極微細な繊毛らしき構造の観察に成功した。

口頭

Intense laser-plasma soft-X-ray sources and application for biological X-ray microscopy

加道 雅孝; 岸本 牧; 江島 丈雄*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

軟X線顕微鏡の空間分解能は細胞に照射されるX線光量に強く依存するため、高い空間分解能を実現するためにはより高輝度な軟X線源が必要となる。これまで原子力機構関西研の保有する出力20Jの高強度レーザーを利用したレーザープラズマ軟X線顕微鏡の開発を行い、生きている細胞内のミトコンドリア等の詳細な構造の観察に成功した。さらなる高空間分解能の実現を目指し、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの保有する出力120Jの大型レーザーを用いて実験を行った。レーザー波長の短波長化によるX線への変換効率の向上も考慮すると10倍以上のX線光量の増大が期待できる。X線感光材上に培養した含水細胞の観察を行った結果、空間分解能の向上により細胞周辺にこれまで同様の実験では確認されなかった極微細な繊毛らしき構造の観察に成功した。

口頭

Correlative microscopy with a laser-plasma soft X-ray microscope and a fluorescent microscope for biological imaging of live hydrated cells

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型顕微法を組み合わせたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発した。レーザープラズマ軟X線顕微鏡は、生きている細胞を1ナノ秒以下の短時間で瞬時に撮像することにより、生きている状態で撮像することを可能とする。我々は、生きている細胞の内部構造を高い空間分解能で観察できるレーザープラズマ軟X線顕微鏡と蛍光標識を用いることにより任意の細胞内小器官を選択的に可視化できる蛍光顕微鏡により同一の細胞を同時に観察する相関顕微法を考案した。相関顕微法により、生きている細胞とその様々な細胞内小器官を観察し、蛍光顕微鏡によって得られた細胞内小器官の位置情報を用いて軟X線顕微鏡で得られた細胞内構造を正確に特定した。蛍光顕微鏡よりも高い空間分解能を持つ軟X線顕微鏡の利点を生かすことにより、生きている細胞の細胞内小器官の詳細な構造を観察する顕微法を実現した。

口頭

レーザープラズマ軟X線顕微鏡を用いた相関顕微法による細胞内小器官の観察

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

高輝度レーザーで生成したレーザープラズマを光源とした軟X線顕微鏡(レーザープラズマ軟X線顕微鏡)は、生理活性状態にある細胞を生きたまま瞬時に観察可能で、様々な生命現象の観察が期待されている。しかし、細胞内には多くの細胞内小器官が密に分布しており、非常に複雑な構造となっている。そのため、レーザープラズマ軟X線顕微鏡で撮像した細胞内の構造をそれぞれ特定の細胞内小器官と対応付けることが困難であった。我々は、細胞内小器官に選択的に蛍光標識を施すことに特定の細胞内小器官を可視化できる蛍光顕微鏡と生きている細胞内の小器官を高い空間分解能で観察できるレーザープラズマ軟X線顕微鏡を組み合わせた相関顕微法を提案し、生きている細胞内のミトコンドリアの詳細な構造を観察することに成功した。

口頭

生きている細胞の内部構造を直接観察できる軟X線顕微鏡の開発

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*

no journal, , 

高強度レーザーによって発生した高輝度短パルス軟X線源とX線感光材上に直接培養した細胞に軟X線を照射する密着型顕微法を組み合わせたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、生きている細胞の内部構造を直接観察することに成功した。さらに蛍光顕微鏡を併用し、軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同一の細胞の同時観察を実現するハイブリッド顕微法を発案することにより細胞内器官の正確な位置の特定と高空間分解観察を両立した。その結果、様々な細胞内器官の詳細な構造の観察が可能となった。開発したレーザープラズマ軟X線顕微鏡によりこれまでにマウスの精巣ライディッヒ細胞の内部構造の観察やアポトーシスの誘発により構造変化を起こしたHeLa S3細胞核の詳細な構造の観察を実現した。マウスの免疫細胞の観察では免疫機能発現の瞬間の重要な構造変化を観察することに成功するなど、従来の顕微鏡では限界のあった生きている細胞を軟X線顕微鏡で観察することにより、幾つかの重要な知見を得ることに成功した。

35 件中 1件目~20件目を表示