Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
杉田 剛; 森 勝伸*; 香西 直文
Journal of Photochemistry and Photobiology A; Chemistry, 438, p.114548_1 - 114548_6, 2023/04
原子力事故や放射性廃棄物の放出によって汚染された水からヨウ素を除去することは、水中に様々な形でヨウ素が存在するため、複雑でコストがかかる。そこで、水中の放射性ヨウ素を除去するための前処理として、光触媒によるヨウ素種の統一を検討した。ヨウ化物(I), ヨウ素酸(IO
), o-ヨード安息香酸の光触媒酸化還元反応に及ぼすPt-TiO
結晶相と溶液pHの影響を評価した。TiO
結晶相とpHの選択により、混合されたヨウ素種をI
またはIO
のみに統一することができた。Pt-TiO
の種類に関係なく、アルカリ性条件下でo-ヨード安息香酸中のヨウ素はI
に無機化された。光触媒と溶液のpHを選択することでヨウ素種を単一化できるため、この光触媒処理は高効率でヨウ素種を除去するために適用できると考えられる。
三浦 大輔*; 関根 由莉奈; 南川 卓也; 杉田 剛; 大場 洋次郎; 廣井 孝介; 大澤 辰彦
Carbohydrate Polymer Technologies and Applications (Internet), 4, p.100251_1 - 100251_9, 2022/12
凍結架橋により形成されたカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ゲルの反応機構を調べた。異なる反応時間で調製されたCMCFヒドロゲルの物性評価により、凍結架橋反応中の階層構造変化の観察に成功した。凍結架橋CMCFヒドロゲルは、従来の方法で形成された通常のゲルとは異なり、オングストロームからマイクロメートルスケールまでの特徴的な階層構造を示し、その特異的構造が飛躍的な力学強度の向上に寄与していることを明らかにした。
上田 祐生; 江口 綾乃; 徳永 紘平; 菊池 圭*; 杉田 剛; 岡村 浩之; 長縄 弘親
Industrial & Engineering Chemistry Research, 61(19), p.6640 - 6649, 2022/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Chemical)近年の世界的なカーボンニュートラルの潮流から廃電子機器などの二次資源からの白金族金属の効果的な分離・精製の向上が求められている。本研究では、Pt(IV)とPd(II)をpH変化のみで分離可能なウレア基を導入したイミダゾリウム型イオン液体(L1)を合成し、その抽出挙動を評価した。従来の有機溶媒-水抽出系におけるウレア型抽出剤では、Pt(IV)とPd(II)を同じpH領域で抽出してしまい、相互分離ができなかった。それに対し、本研究で合成したL1は、低pH領域ではPt(IV)選択性を、高pH領域ではPd(II)選択性を示した。UV-visおよびEXAFSスペクトルによる解析から、L1によるPt(IV)抽出では、外圏錯体を形成し、Pd(II)抽出では内圏錯体を形成していることが示された。さらに、従来の有機抽出系では第三相を生成するような高濃度のPt(IV)抽出後も、L1は第三相を生成することなくPt(IV)を抽出可能であった。
関根 由莉奈; 南川 卓也; 山田 鉄兵*; 松村 大樹; 根本 善弘*; 竹口 雅樹*; 杉田 剛; 下山 巖; 香西 直文; 諸岡 聡
Journal of Environmental Chemical Engineering, 9(2), p.105114_1 - 105114_12, 2021/04
被引用回数:6 パーセンタイル:57.99(Engineering, Environmental)有害金属除去は安心安全社会構築のために必要な技術である。本研究では、骨の有するイオン交換能を最大限に活用して廃材を用いた有害金属除去材料の開発を行った。炭酸塩水溶液に骨を浸漬することで高炭酸含有ナノアパタイトが形成することを見出した。この材料は、通常の骨、また合成アパタイトに比べて約250、4500倍高いストロンチウム吸着性能を示した。本材料は廃材を利用していることから、低コストかつ高性能な吸着剤として活用が期待できる。
上田 祐生; 菊池 圭*; 徳永 紘平; 杉田 剛; 青柳 登; 田中 万也; 岡村 浩之
Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(5-6), p.491 - 511, 2021/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、三価のランタノイドイオン(Ln)に関する新規フルオラス抽出剤(TFP)を開発し、その抽出分離能力を市販リン酸エステル抽出剤であるリン酸トリブチル(TBP)と比較した。興味深いことに、一般的に炭化水素のフルオロ化は抽出能力を低下させる傾向があるにもかかわらず、TFPはTBPよりも遙かに高いLn抽出および分離性能を発揮した。幾つかの分光的手法および抽出相の組成分析に基づいた微視的および巨視的なLnに関する配位環境の比較から、Ln-TFP錯体は水和水をほとんど有しないだけでなくフルオラス相中にはほとんど水分子が含まれていなかった。これらの結果は、フルオラス溶媒の強力な疎水性が、TFPのLnに対する高い抽出および分離性能をもたらしていることを示唆している。
関根 由莉奈; 南川 卓也; 柚木 俊二*; 杉田 剛; 中川 洋; 山田 鉄兵*
ACS Applied Polymer Materials (Internet), 2(12), p.5482 - 5491, 2020/12
被引用回数:16 パーセンタイル:75.26(Materials Science, Multidisciplinary)凍結濃縮を利用した架橋法を開発し、高い圧縮強度(80MPa)と高い圧縮回復性を備えた新しいタイプのカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ハイドロゲルを開発した。ハイドロゲルは、クエン酸(CA)の水溶液を凍結したCMCFゾルに添加し、次にそのゾルを解凍することによって調製した。凍結濃縮されたCMCFとCA間の反応により、氷結晶構造を反映する剛直な多孔質構造が形成された。圧縮評価により、架橋構造が圧縮応力に対して高い安定性を持つことを明らかにした。凍結架橋の前にベントナイトをCMCFゾルに追加することにより、CMCFヒドロゲルに簡易に固定することに成功した。CMCF-ベントナイトゲルは、化学染料に対して高い吸着性を示した。物理的に架橋されたCMCFヒドロゲルは、毒性がなく、金属を含まず、調製が簡単であるため、さまざまな分野で持続可能な材料として役立つ。
杉田 剛; 小林 健太郎*; 山崎 太樹*; 井坂 茉由*; 板橋 英之*; 森 勝伸*
Journal of Photochemistry and Photobiology A; Chemistry, 400, p.112662_1 - 112662_8, 2020/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)本研究では、光触媒の性能を正確に評価するために、イオンクロマトグラフィー(IC)システムにフローリアクター(FR)を接続したインライン方式の光触媒性能評価システム(FR-IC)を開発した。ガラスビーズ等の基板に二層担持法で担持された光触媒の評価にFR-ICを用いた。光触媒の性能をジメチルスルホキシド(DMSO)を使用して評価した結果、紫外線によるDMSOの分解と、メタンスルホネート(MSO)やサルフェート(SA)等の副産物の形成を監視することができた。本システムは、光触媒による対象物の分解性能評価に加えて、分解による副産物の挙動を評価するためにも役立つことが期待できる。
上田 祐生; 菊池 圭; 杉田 剛; 元川 竜平
Solvent Extraction and Ion Exchange, 37(5), p.347 - 359, 2019/07
被引用回数:6 パーセンタイル:33.85(Chemistry, Multidisciplinary)リン酸トリブチル(TBP)を用いた従来のPUREXプロセスにおいて多量のZr(IV)が含まれる場合、抽出錯体,遊離の抽出剤,酸、および水の凝集を起源として生成する不溶性の第三相や沈殿による目的物の抽出阻害が問題であった。本研究では水にほとんど溶解しないフルオラス化合物に着目し、TBPと同一のリン酸エステル構造を有するフルオラスリン酸エステル抽出剤を合成し、本抽出剤のZr(IV)抽出特性,抽出機構、および第三相生成の抑制効果をTBPと比較検証した。開発した新規抽出剤は、TBPと比較し第三相の生成を著しく抑制するとともに、幅広い硝酸濃度領域においてTBPよりも高いZr(IV)抽出能力を示すことが明らかとなった。
森 勝伸*; 杉田 剛; 藤井 謙吾*; 山崎 太樹*; 井坂 茉由*; 小林 健太郎*; 岩本 伸司*; 板橋 英之*
Analytical Sciences, 34(12), p.1449 - 1453, 2018/12
被引用回数:2 パーセンタイル:8.53(Chemistry, Analytical)二層担持法によって光触媒担持金網を作製し、導電率検出器を備えた流れ分析法(FAS-CD)を用いて水質浄化性能を評価した。FAS-CDを用いたDMSO分解試験から、光触媒は安定に金網表面に担持されていることが示され、二層担持法の有効性が確認された。
Atanassova, M.*; 岡村 浩之; 江口 綾乃; 上田 祐生; 杉田 剛; 下条 晃司郎
Analytical Sciences, 34(8), p.973 - 978, 2018/08
被引用回数:16 パーセンタイル:64.53(Chemistry, Analytical)疎水性イオン液体1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([CC
im][Tf
N])と水相間における4-ベンゾイル-3-フェニル-5-イソオキサゾロン(HPBI)および脱プロトン化体(PBI
)の分配定数とHPBIの酸解離定数を求め、硝酸水溶液から[C
C
im][Tf
N]へのHPBIによる3種類のランタノイドイオン(La
, Eu
, Lu
)の溶媒抽出を研究した。抽出相としてイオン液体を利用することにより、クロロホルム系と比較してランタノイドイオンに対するHPBIの抽出能が大幅に向上した。イオン液体系における軽,中,重ランタノイドイオンの抽出化学種の組成は、アニオン性錯体Ln(PBI)
であることが示された。
関根 由莉奈; Kim, S. B.*; Zhang, Y.*; Bandodkar, A. J.*; Xu, S.*; Choi, J.*; 入江 将大*; Ray, T. R.*; Kohli, P.*; 香西 直文; et al.
Lab on a Chip, 18(15), p.2178 - 2186, 2018/08
近年、スウェットに含まれる代謝産物やイオン等を用いたPoint of Careが高く注目されている。本研究では、それらのバイオマーカーを効果的にその場で検出することを目的として、ソフトで薄いウェアラブルマイクロ流路デバイスとスマートフォンを基盤とした蛍光イメージングシステムを提案する。精密に設計されたマイクロ流路は、皮膚から汗を時間シーケンス制御で集めることを可能にした。また、集められた汗から蛍光検出剤によって検出された塩化物,ナトリウム,亜鉛濃度をスマートフォンを基盤とした蛍光イメージングシステムで正確に定量分析することに成功した。このシステムを実際に試験したところ、正確に効率よく作動することを確認した。
杉田 剛; 小林 謙一*; 小林 健太郎*; 山崎 太樹*; 藤井 謙吾*; 板橋 英之*; 森 勝伸*
Journal of Photochemistry and Photobiology A; Chemistry, 356, p.71 - 80, 2018/04
被引用回数:5 パーセンタイル:16.43(Chemistry, Physical)光触媒は光照射のみで強力な酸化、還元反応を示す材料である。しかし、水中では反応目的物と触媒との接触効率が低いため、反応効率が著しく低下する。本研究では、水中でのアニオン性有機物質に対する吸着・分解反応性を向上させるため、アミノ基修飾型光触媒、及びそれを固定化した光触媒材料を調製し、その性能を評価した。その結果、光触媒を正電荷を持つアミノ基で修飾することにより、アニオン性有機物質の吸着・分解能力が向上することが明らかとなった。
杉田 剛; 藤原 伊織*; 岡村 浩之; 大島 達也*; 馬場 由成*; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 24(2), p.61 - 69, 2017/05
ジグリコールアミド酸型抽出剤を用いた金属イオン抽出におけるアミド基の影響を調べた。本研究では、二級アミドである-dodecyldiglycolamic acid (C
DGAA)と三級アミドである
-dioctyldiglycolamic acid (DODGAA)の抽出挙動の違いを、56種類の金属イオンを対象とした網羅的抽出によって評価した。C
DGAAはDODGAAと比較してSc(III)を除くレアアースに対する抽出分離能が低下した。一方で、比較的イオン半径の小さな金属に対して優れた抽出能を示した。さらに、C
DGAAは二価金属イオン混合液からHg(II)を選択的に分離できることが明らかとなった。
杉田 剛
Journal of Flow Injection Analysis, 33(1), p.39 - 40, 2016/06
原子力機構で開発されたエマルションフロー法は、ポンプによる送液のみによって良好なエマルションの形成と迅速な相分離を達成できる優れた溶媒抽出法である。本解説では、近年報告された流れ分析法(Flow Injection Analysis: FIA)の中でも前処理として溶媒抽出法を用いるものについて触れると共に、新しい抽出法であるエマルションフロー法の概要について紹介した。また、エマルションフロー法の利点である、大容量サンプルからの極微量成分の高度濃縮について説明し、FIAの前処理としての応用可能性について私見を述べた。
下条 晃司郎; 藤原 伊織*; 藤澤 清史*; 岡村 浩之; 杉田 剛; 大島 達也*; 馬場 由成*; 長縄 弘親
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 23(2), p.151 - 159, 2016/05
ジグリコールアミド酸型抽出剤(DGAA)を用いたレアアースの溶媒抽出について検討した。本研究では2級アミドである-dodecyldiglycolamic acid (C
DGAA)と3級アミドである
-dioctyldiglycolamic acid (DODGAA)を用い、両者の比較を行った。その結果、C
DGAAはDODGAAに比べてレアアースに対する抽出能および分離能が低下し、アミド酸素の塩基性が抽出分離に大きく影響することが明らかとなった。抽出機構はプロトン交換反応であり、1:3錯体を形成することを証明した。また、単結晶X線構造解析によりDGAA骨格は三座配位子としてランタンに配位していることが示された。
岩月 輝希; 佐藤 治夫; 野原 壯; 棚井 憲治; 杉田 裕; 天野 健治; 藪内 聡; 大山 卓也; 天野 由記; 横田 秀晴; et al.
JAEA-Research 2011-009, 73 Pages, 2011/06
本計画書は、第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)において、幌延深地層研究センターの地下研究施設を利用して行う調査研究開発の計画を整理したものである。当該期間においては、民間活力により深度350mまでの地下施設の整備,維持管理及び研究支援に関する業務のほかさまざまな受託事業,共同研究が行われる予定であり、第2段階(坑道掘削[地下施設建設]時の調査研究段階)に加えて、第3段階(地下施設での調査研究段階)の調査研究開発が開始される。これらの調査研究開発を通して、地質環境調査技術や深地層における工学的技術,処分技術,安全評価手法を向上させるとともに、その成果を広く社会に公開することで、地層処分にかかわる諸技術の実現性を示し、信頼感を醸成していく。
佐藤 治夫; 天野 健治; 新里 忠史; 田中 真悟; 野原 壯; 岩月 輝希; 村上 裕晃; 杉田 裕; 中山 雅; 阿部 寛信; et al.
no journal, ,
平成23年3月11日に発生した東北太平洋沖地震によって引き起こされた津波に端を発し、東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生した。原子炉内の放射性物質の一部が外部へ放出され、風によって運ばれた後、降雨により福島県を中心に土壌表面などに沈着した。本調査研究は、5月19日に総合科学技術会議が公表したプロジェクトのひとつとして実施したもので、土壌中の放射性物質の深度方向の分布状況等について調査し、放射性物質の移行遅延にかかわるデータを取得するとともに、事故発生直後の地表面への放射性物質の沈着量を推定した。本報では、本調査研究にかかわる内容のうち、見掛けの拡散係数Daや事故発生直後の地表面への放射性物質の沈着量について報告する。調査の結果、Cs,
Cs,
Te,
Agが検出され、
Csと
Csはすべての地点(11地点)で、
Teと
Agは空間線量率が高いエリアで検出された。また、深度方向の濃度分布は、農耕地相当の土壌を除き、多くの地点で表層5cm以内であった。農耕地相当の土壌の方が地表面土壌よりも深い位置で検出される傾向であった。濃度分布からDaを求めた結果、すべての核種について農耕地相当の土壌中の方が地表面土壌中よりも大きく、多くの土壌はDa=1E-11(m
/s)付近であった。これは、移流による分散の効果が支配的であったためと考えられる。また、事故発生直後の地表面への核種の沈着量の推定結果は、これまでのモニタリング結果と整合した。
田中 真悟; 佐藤 治夫; 新里 忠史; 天野 健治; 野原 壯; 岩月 輝希; 村上 裕晃; 杉田 裕; 中山 雅; 阿部 寛信; et al.
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性物質の土壌中深度方向の分布状態調査の一環として、CsとIの収着分配係数Kdについて検討した。川俣町,浪江町,二本松市において全11地点(12本のジオスライサー試料)各2区間の深度から採取した計24土壌試料に対して、CsとIの収着試験を日本原子力学会標準のバッチ法に準拠して実施した。CsのKdは1,000から100,000(ml/g)の範囲であった。この結果はCsの多くが地表面に沈着している結果と一致している。一方、IのKdは0.4から150(ml/g)の範囲であった。Kdの違いは、両元素の化学形態だけでなく、土壌試料の鉱物組成,陽イオン及び陰イオン交換容量,有機物含有量などの影響を受けたものと考えられるが、これらの影響を明らかにするためにはさらに詳細な実験が必要である。本発表では、土壌の質や土色に着目して検討する予定である。
新里 忠史; 佐藤 治夫; 天野 健治; 野原 壯; 岩月 輝希; 青木 和弘; 田中 真悟; 村上 裕晃; 杉田 裕; 中山 雅; et al.
no journal, ,
総合科学技術会議のプロジェクトの一つとして実施した本調査研究では、土壌中の放射性物質の深度分布等を調査し、放射性物質の移行特性データを取得するとともに事故発生直後の放射性物質の沈着量を推定した。本報では調査地点選定の考え方,調査地点の地形・土壌分布を報告する。調査地点は対象となる放射性物質の存在,土地利用や道路状況及び地形/土壌種の観点から選定し、航空機モニタリングで放射性物質がプリューム状に分布する領域を主体に計11点とした。現地調査の結果、調査地点の地形は山地斜面,山麓緩斜面,段丘面及び谷底平野に区分され、山地斜面と段丘面は褐色/赤褐色の砂質土壌が分布し、そのうち、かつての田畑は有機質黒色土壌、森林の隣接地は赤色/褐色/黄褐色の粘土質土壌や黒ボク土が地下深部に分布する。一方、谷底平野と山麓緩斜面の多くは黒色砂質土壌が分布する。放射性物質の分析結果と合わせて考察した結果、粘土質土壌はセシウムを吸着する粘土鉱物が多いため高いセシウム濃度が確認されたと考えられる。有機質土壌は非有機質土壌と比較しセシウムの移行が速いため、より深い位置で放射性物質が検出されたと考えられる。以上のことから、放射性物質の深度方向における移行予測は地形/土地利用/土壌分布を総合検討することが重要である。
青木 和弘; 佐藤 治夫; 新里 忠史; 天野 健治; 田中 真悟; 野原 壯; 岩月 輝希; 村上 裕晃; 杉田 裕; 中山 雅; et al.
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性物質の土壌中深度方向の分布状況について、ジオスライサーによる調査を実施した。調査は、事故発生後、3か月経過した6月中旬に実施した。その実施内容と調査結果についてシリーズ発表(全4件)する。本発表では、その実施概要について報告する。