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佐藤 智徳; 端 邦樹; 加治 芳行; 田口 光正*; 清藤 一*; 井上 博之*; 多田 英司*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; 鈴木 俊一*
Isotope News, (782), p.40 - 44, 2022/08
福島第一原子力発電所(以下、1Fとする)の原子炉建屋内部の滞留水は、燃料デブリや飛散したセシウム等放射性物質による強い放射線場にある。この水は運転中の冷却水で使用される純度の高い水とは異なり、緊急冷却時に注入された海水の成分、鋼材から溶出したFe等多くの不純物の影響を受けていると考えられた。また、現在はN
ガスでパージされているが、今後の廃炉作業に伴い開放される可能性もあり、滞留水の位置や状況により、様々な溶存酸素濃度となることが推測される。そこで、1Fの廃炉工程の円滑化に資することを目的として、放射線環境下での腐食トラブルの発生可能性,対策等を議論するうえで有用な情報である、水の放射線分解(ラジオリシス)および放射線照射下での腐食試験データ、1F廃炉工程における潜在的腐食影響の検討結果を「放射線環境下での腐食データベース」としてまとめたのでここで紹介する。
佐藤 智徳; 端 邦樹; 加治 芳行; 上野 文義; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英司*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; et al.
JAEA-Review 2021-001, 123 Pages, 2021/06
福島第一原子力発電所(以下、1Fという)の廃止措置の着実な推進を考えた場合、様々な課題が存在するが、とりわけ40年にわたり廃止措置を安全かつ継続的に進めるためには、経年的に劣化が進む構造材料の腐食を抑制することが重要である。しかしながら、腐食反応を律速する環境要因に関しては、現状十分にデータが得られている訳ではなく、また、作業の進展に伴い時々刻々と変化し得る。そこで、本研究では、放射線環境下での腐食トラブルの発生可能性、対策等を議論するうえで有用な情報である、ラジオリシスおよび放射線照射下での腐食試験データを、データベースとしてまとめた。さらに、公開されているラジオリシスデータおよび、腐食データに含まれない、1Fの廃止措置で必要となることが想定されるラジオリシスデータと構造材料の腐食データを取得した。
大森 惇志*; 秋山 英二*; 阿部 博志*; 端 邦樹; 佐藤 智徳; 加治 芳行; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英司*; et al.
材料と環境, 69(4), p.107 - 111, 2020/04
ガンマ線照射による水のラジオリシスで生成する酸化剤が炭素鋼の気相中の腐食に及ぼす効果を評価するために、オゾンをモデル酸化剤として用いて50Cの湿度制御下に導入し、ACMセンサを用いた腐食モニタリングを行った。ACM電流はオゾンの濃度に伴って高くなったことから、オゾンによる腐食促進の効果が示された。これはオゾンの還元反応あるいは水への溶解反応が早く、カソード反応を促進したためと考えられる。
小西 智也*; 西脇 永敏*; 東條 孝志*; 石川 琢馬*; 寺岡 輝記*; 植田 有紀子*; 木原 義文*; 森時 秀司*; 遠野 竜翁*; 武藏 美緒*; et al.
Physica Status Solidi (C), 8(2), p.405 - 407, 2011/02
被引用回数:3 パーセンタイル:74.09(Engineering, Electrical & Electronic)Organopalladium species (Pd) immobilized on an Sterminated GaAs substrate (S/GaAs) effectively catalyzes C-C bond formation in the Mizoroki-Heck reaction with cycle durability. However, the immobilizing mechanism of Pd is unknown. In this study, we deposited Pd(OCOCH)
on S/GaAs in two different methods, namely dry-physical vapor-deposition and wetchemical deposition, and compared the catalytic activities in the Mizoroki-Heck reaction. Also, S-termination and Pd-immobilization on GaAs grains were performed by the wet-chemical method to monitor the change in the surface chemical structure during the preparation process with diffuse reflectance Fourier transform infrared spectroscopy (FT-IR). FT-IR measurements implied that the immobilization of catalytic active
was related to the OH groups on the S-terminated surface. Pd-S/GaAs prepared dryphysically showed poor catalytic activity, because Pd was not immobilized under absence of OH groups.
山田 秀徳*; 玉田 太郎; 小坂 恵*; 宮田 幸平*; 藤木 伸哉*; 田納 優*; 守屋 雅之*; 山西 守*; 本庄 栄二郎; 多田 宏子*; et al.
Protein Science, 16(7), p.1389 - 1397, 2007/07
被引用回数:41 パーセンタイル:60.54(Biochemistry & Molecular Biology)タンパク質の結晶格子は分子表面同士の相互作用からなっている。結晶格子内へのタンパク質の導入のため、ロイシンジッパー様の疎水的な相互作用をヒト膵臓RNase1のへリックス2へ導入した。野生型ヒトRNase1の結晶化はまだ報告をされていないが、4残基のロイシンを導入したRNase1では複数の結晶化条件で結晶を得た。そのX線結晶構造をウシRNaseAの立体構造を用いて分子置換法により決定した。こうして決定されたヒトRNase1の立体構造は、ウシRNaseAの立体構造と大変似ており、導入したロイシン残基を介して2分子のRNase1が疎水的なパッキングしていた。ロイシン導入の効果をさらに検討するために、導入したロイシン残基の数を3残基,2残基と減らした変異体を調製し結晶化を行った。これらの場合もロイシン残基による疎水的なパッキングが形成されていた。一方、ロイシン残基をヒトRNase1の別のへリックス(へリックス3)に導入し、効果を検証した。その結果、4残基のロイシンを導入した変異体でも結晶化し、4分子のRNase1が導入したロイシン残基を介してパッキングをしていることがわかった。これらの結果は、適切なロイシン導入により分子内対称性が生じ、より効果的に結晶化を促進する可能性を示す。
関 昌弘; 菱沼 章道; 栗原 研一; 秋場 真人; 阿部 哲也; 石塚 悦男; 今井 剛; 榎枝 幹男; 大平 茂; 奥村 義和; et al.
核融合炉工学概論; 未来エネルギーへの挑戦, 246 Pages, 2001/09
本書は、炉工学的基礎を有し核融合に関心のある方々に対して、核融合炉の原理とその実現に必要な多岐にわたる技術、さらに総合システムとしての核融合炉の理解に役に立つことを目指したものである。本文は2部構成になっており、第1部では核融合炉の原理と誕生までのシナリオを、そして第2部では、核融合炉を構成する主要な装置・機器に関する研究開発の現状を、最近のデータをもとにまとめてある。
高田 英治*; 角田 淳弥; 沢 和弘; 多田 恵子*
JAERI-Tech 2000-020, p.65 - 0, 2000/03
高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉容器上部には原子炉から燃料取扱フロアへの放射線を遮へいするための1次上部遮へい体が設けられている。原子炉運転中は遮へい体温度が上昇し、解析により定格出力時の1次上部遮へい体温度は75になると予測されている。そこで、遮へい体の温度に対するコンクリート中の含水量の変化、及び含水量の変化に対する燃料取り扱いフロアの線量当量率を評価し、さらに必要となる追加遮へい体の厚さを検討した。その結果、1次上部遮へい体温度が110
以下であれば遮へい設計に用いた含水量(78kg/m
以上)が満足されること、また燃料取り扱いフロアの線量当量率は含水量が設計に用いた値の半分程度になるまでは著しく上昇しないことがわかった。
橋本 俊行*; 高津 英幸; 佐藤 聡; 倉沢 利昌; 森 清治*; 多田 栄介; 黒田 敏公*; 毛利 憲介*; 佐藤 瓊介*; 関 昌弘
JAERI-Tech 94-009, 70 Pages, 1994/07
ブランケット筐体構造は内部に増殖域、遮蔽域及び3系統の冷却系を持つ大型構造で、電磁力、内圧、プラズマからの熱流束及び放射線といった過酷な環境下で使用されることから構造物に複雑であるため、製作技術を確立する必要がある。第一壁の製作において、先進的製作手法であるHIPを実機大大型パネルに適用した場合、加工変形の増加が考えられる。ここでは筐体要素のHIP試作試験により加工変形の機構を検討し、大型パネルの製作精度向上のための知見を得た。また、HIPによる第一壁試作により、製作性に関する基礎データを収得した。遮蔽構造の製作では、溶接歪・残留応力を小さく抑えるための製作手順を確立し、製作時の全変形量が2mm以下であることを確認した。
佐藤 聡; 高津 英幸; 橋本 俊行*; 倉沢 利昌; 森 清治*; 多田 栄介; 秋場 真人; 黒田 敏公*; 毛利 憲介*; 佐藤 瓊介*
15th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering,Vol. 1, 0, p.259 - 262, 1994/00
ブランケット構造体は、高さ10mを越える大型構造体であり、分解保守のためモジュール構造が採用され、精度良く大型構造体を製造する技術が要求される。加えて、この構造体には、巨大な電磁力や中性子負荷、プラズマからの表面熱負荷が作用するため、第一壁は厚さ約15mmの構造にし、その内部に冷却配管を通す必要がある。従って第一壁パネルの製作においては、2枚の鋼板の間に角管を挟んで拡散接合(HIP処理)を行う先進的製作手法を採用した。本研究開発において、HIP接合やEBW等の先進的製作手法を用いてブランケット部分縮小モデルを試作し、これらの製作手法をブランケット構造体製作に適用した場合の溶接歪等のデータを取得し、ブランケット構造体の製作手法を確立した。またHIP処理を行う際に、矩形管を挟む平滑材の最適な形状を評価するために、第一壁パネルの部分モデルをHIP処理により試作した。
S.Zimin*; 高津 英幸; 森 清治*; 真木 紘一*; 関 泰; 佐藤 聡; 多田 栄介
JAERI-M 93-141, 75 Pages, 1993/07
ITER/CDAで設定された炉構造に対してニュートロニクス解析を実施した。2次元輸送計算コードDOT3.5を使用して炉運転中の中性子及びガンマ線束分布、トリチウム増殖比、核発熱を求めた。またCINACコードにより誘導放射能計算を行い、放射能濃度、崩壊熱および炉停止後の生体線量率を求めた。本計算により、炉内および炉周辺の運転中と炉停止後の放射線環境が明らかになり、炉機器の設計条件として有用な情報を提供することができた。
加治 芳行; 佐藤 智徳; 端 邦樹; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英司*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; 鈴木 俊一*
no journal, ,
本研究は、福島第一原子力発電所廃炉で必要となるラジオリシスデータと構造材料の腐食データを大学等と連携して取得することを目的として行った。本発表では、全体概要を報告する。
佐藤 智徳; 端 邦樹; 加治 芳行; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英二*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; 鈴木 俊一*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃炉工程においては、デブリの取り出し等による環境変化や、構造材の経年化により、腐食が発生し廃炉工程の速やかな進行に支障をきたすことが懸念されている。特に福島第一原子力発電所の材料は、多量の不純物を含む放射線照射下にある環境にさらされており、これは、従来の腐食研究において、検討されていない条件である。また、その腐食環境も作業等により変化することから、幅広いデータの蓄積が必要である。そこで、本研究では、このような広範な条件を想定し、特に放射線照射下における格納容器材である炭素鋼の腐食データベースを構築することを目的とした。そのために、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所において、ガンマ線照射下腐食試験が実施可能なよう試験環境を整備した。また、ホウ酸塩と塩化物イオンの共存下における炭素鋼腐食挙動におけるデータを取得した。さらに、照射下における液面下での腐食データを取得し、照射下では加速されることを確認した。
佐藤 智徳; 端 邦樹; 加治 芳行; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英司*; 阿部 博志*; 秋山 英二*
no journal, ,
放射線環境下での腐食データベースのラジオリシスデータベースを用いて、照射環境下での腐食環境解析を実施した。溶存酸素濃度が過酸化水素生成の支配因子の1つであり、これを制御することで放射線環境下での過酸化水素濃度も制御可能である。また、不純物イオンのラジオリシスへの影響を解析評価した結果、Clは10
mol/L、Br
は10
mol/L、HCO
は10
mol/L以下まで低減することで、影響を無視できることが推定された。
加治 芳行; 佐藤 智徳; 端 邦樹; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英司*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; 鈴木 俊一*
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所(1F)のプラント材料の腐食劣化のリスクは時間の経過や廃止措置による環境変化に伴い増大することから、本事業において、1Fにおいて想定される放射線環境下での腐食及びラジオリシスデータベースを構築する。本発表では、本事業の概要について述べる。
加治 芳行; 佐藤 智徳; 端 邦樹; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英二*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; 鈴木 俊一*
no journal, ,
本研究は、福島第一原子力発電所廃炉で必要となるラジオリシスデータと構造材料の腐食データを大学等と連携して取得することを目的として行った。本発表は、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所における施設共用課題から選出された施設共用優秀賞受賞講演として本研究成果の概要を報告する。
奥村 啓介; 坂本 雅洋; 多田 健一; 西原 健司; 溝上 伸也*; 溝上 暢人*; 三木 陽介*; 金子 誠司*
no journal, ,
軽水炉では、炉内や取り出し燃料集合体の詳細な核種インベントリが必要な場合には、ORIGENコード等を用いた燃焼計算が行われてきた。しかし、この種のコードでは、中性子スペクトルや燃焼度が大きく異なる領域が含まれていても、領域平均的な扱いがなされてきた。この扱いは、核種生成量が燃焼度に対して直線的に変化する核種については精度良く評価できるが、その他の核種については、系統的な誤差を発生させる。また、Gd入り燃料を適切に扱うことができない。そこで、炉内の全燃料を3次元ノードに分割し、Gdの効果も考慮して、領域毎の詳細な核種インベントリを計算する手法を開発した。本手法を、福島第一原子力発電所(1F)の各号機に適用し、事故直前における核種インベントリのデータを取得している。得られたデータは、今後の事故進展解析の高度化、燃料デブリの臨界性評価、分析値の評価、非破壊測定技術の開発、放射性廃棄物評価などへの利用が期待される。本発表では、既存の1F核種インベントリデータベースからの改良点を中心に紹介する。
坂本 雅洋; 奥村 啓介; 多田 健一; 西原 健司; 溝上 伸也*; 溝上 暢人*; 三木 陽介*; 金子 誠司*
no journal, ,
本発表では「東京電力福島第一原子力発電所の全炉心3次元核種インベントリ計算」のシリーズ発表の第2報として、全炉心3次元核種インベントリ計算手法の概要と、本手法を用いて評価した福島第一原子力発電所(1F)2号機の結果について報告する。本計算では、実際の燃料集合体仕様と実機運転管理データに基づき、BWR特有の炉心軸方向ボイド率分布や比出力の時間変化、並びに初期組成を詳細に考慮した炉内の3次元全13,152領域(燃料集合体数548軸方向分割数24)に対し、約1,600核種のインベントリデータ(重量や放射能量等)を取得した。この核種インベントリデータには、燃料集合体中に含まれる微量不純物の放射化物(Co-60やC-14等)も含まれる。また、従来のORIGEN計算では正確な評価が困難であった可燃性毒物入り燃料棒中のGd同位体核種も考慮することができる。
坂本 雅洋; 奥村 啓介; 多田 健一; 西原 健司; 溝上 伸也*; 溝上 暢人*; 三木 陽介*; 金子 誠司*
no journal, ,
「東京電力福島第一原子力発電所の全炉心3次元核種インベントリ計算」のシリーズ発表の第3報として、新たに開発した全燃料集合体上下部構造材(タイプレート/スプリングなど)に対する放射化計算手法と本手法を2号機に適用した結果について報告する。シリーズ発表の第2報では、2号機の炉心燃料部に存在する燃焼燃料および放射化した構造材のインベントリデータについて報告した。今回は2号機の集合体上下部構造材の全1096領域(燃料集合体数548上部下部領域数2)に対し、核種インベントリ計算をおこなった。これらの領域には燃料材が存在していないため、各燃料集合体の上下部の中性子束をモンテカルロ法で評価し、全領域における微量不純物の放射化を考慮した674核種のインベントリデータを取得した。
加治 芳行; 佐藤 智徳; 端 邦樹; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英司*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; 鈴木 俊一*
no journal, ,
本研究は、公開されているラジオリシスデータベースに含まれない、福島第一原子力発電所廃炉で必要となるラジオリシスデータと構造材料の腐食データを大学等と連携して取得することを目的として行った。本発表では、全体概要を報告する。
石川 博規*; 多田 英司*; 西方 篤*; 谷口 直樹; 立川 博一*
no journal, ,
使用済み核燃料を再処理した後に残る高レベル放射性廃棄物の処分において、ガラス固化体をオーバーパックと呼ばれる金属容器に入れ、地下に埋設処分する概念が検討されている。また、使用済み核燃料を直接処分する場合においても燃料集合体を金属製の処分容器に収容して処分することが考えられる。オーバーパックや処分容器の長期の信頼性や安全性を確保するために、本研究では電気化学インピーダンス(EIS)法を用いて、オーバーパックまたは処分容器の候補材料である炭素鋼と銅の腐食モニタリングを行った。