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論文

ベリリウム製中性子反射体の製作と管理

塙 善雄; 田口 剛俊; 北岸 茂; 坪井 一明; 土谷 邦彦

UTNL-R-0471, p.5_2_1 - 5_2_8, 2009/03

原子力機構の材料試験炉(JMTR)には、中性子反射体としてベリリウム枠(以下、「Be枠」という。)が装荷されている。このBe枠は、東枠,西枠及び北枠からなり、それぞれ垂直方向に7段に積まれ、ベリリウム反射体要素と組合せて燃料領域で発生する中性子を効果的に反射・減速するためのものである。一方、Be枠は、その燃料領域側と反射体領域側及び垂直方向の高速中性子の照射量に差が生じる。このため、内部に蓄積するヘリウムによるスエリングが不均一となり変形(燃料領域側に湾曲)が進み、やがてBe枠照射孔内に装荷されたキャプセルの冷却条件の悪化と各炉心要素のハンドリングに支障をきたすことになる。これらの悪影響を未然に防ぐため、Be枠の変形(曲がり)量を定期的に測定し、交換時期(以下、「寿命」という)の把握に努めている。Be枠の交換は、JMTRの運転開始から5回行われた。交換作業は、1か月以上の期間を要するため、JMTRの運転計画と寿命とを勘案しながら定期自主検査期間内に交換作業を実施している。なお、交換後の照射済Be枠は、廃棄処理が難しく、JMTRカナル内で水中保管されているのが現状である。本報告は、JMTRで実使用されているBe枠の製作,交換作業,管理及び長寿命化と使用済Be再処理に関する技術開発の課題についてまとめたものである。

論文

Design of neutron beamline for fundamental physics at J-PARC BL05

三島 賢二*; 猪野 隆*; 酒井 健二; 篠原 武尚; 広田 克也*; 池田 一昭*; 佐藤 広海*; 大竹 淑恵*; 大森 整*; 武藤 豪*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 600, p.342 - 345, 2009/02

 被引用回数:31 パーセンタイル:87.30(Instruments & Instrumentation)

J-PARC、物質$$cdot$$生命科学実験施設(MLF)のBL05ポートに基礎物理実験のための新しいビームラインを建設している。このビームラインは中性子光学の高度な技術を駆使して設計されており、NOP(Neutron Optics and Physics)と名づけられている。中性子モデレータから供給される中性子ビームは、マルチチャンネルのスーパーミラーで曲げられ、低発散, 高強度, 高偏極という3本の特徴あるビームブランチに分岐された後、実験エリアに引き出され、中性子干渉, 散乱, 崩壊という基礎物理実験に各々利用される。本研究では、モンテカルロシミュレーションコードである"PHITS"を使って中性子光学素子構成及び遮蔽設計の最適化を実施し、低発散ブランチで$$9.2 times 10^5/$$cm$$^2/mu$$str$$/$$s$$/$$MW、高強度ブランチで$$1.2 times 10^9/$$cm$$^2/$$s$$/$$MW、高偏極ブランチではビーム偏極率99.8%を保った状態で$$4.0 times 10^8/$$cm$$^2/$$s$$/$$MWのビーム強度を得ることができるという評価結果を得た。

報告書

中性子反射体用ベリリウムの長寿命化に関する予備検討,1; 中性子照射キャプセル及びキャプセル開封装置の製作

塙 善雄; 田口 剛俊; 坪井 一明; 斎藤 隆; 石川 和義; 綿引 俊介; 土谷 邦彦

JAEA-Technology 2008-039, 53 Pages, 2008/06

JAEA-Technology-2008-039.pdf:6.18MB

ベリリウムは、中性子捕獲断面積が非常に小さく、散乱断面積が大きいため、試験研究炉の中性子反射体及び減速材として利用されており、材料試験炉(JMTR)の中性子反射体として使用されているベリリウム枠は、S-200Fの金属ベリリウムである。このベリリウム枠は、一定期間ごとに交換する必要があり、JMTRの改修のために停止された165サイクルまでの運転期間のうち、5回の交換が行われた。このため、ベリリウム枠の長寿命化のための開発として、金属ベリリウムの予備照射試験をJMTRを用いて行った。本照射試験では、異なった2種類の金属ベリリウム(S-200F及びS-65C)を準備し、材質の違いによる照射効果を調べた。本報告書は、照射キャプセルの設計製作及びインナーキャプセル中にあるトリチウムを除去するための開封装置の設計製作についてまとめたものである。

口頭

原子力科学研究所における放射線測定器の故障状況について

仁平 敦; 村山 卓; 田口 和明; 二川 和郎; 鈴木 隆; 大井 義弘

no journal, , 

原子力科学研究所の原子力施設等では、放射線管理モニタは約900台、サーベイメータは約1,000台使用されている。これら放射線測定器は年1回の頻度で定期的な校正を実施しているが、毎年、さまざまな事象により故障が発生している。本報告では、過去10年間(平成13年度から平成22年度)の故障状況の解析,故障対応の作業効率化等について報告する。予防保全として故障実績等を点検保守にフィードバックさせることにより、故障発生を未然に防止している。

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