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冬島 拓実; 高部 湧吾; 佐谷戸 夏紀; 木村 明博; 竹本 紀之
The IV International Scientific Forum "Nuclear Science and Technologies"; AIP Conference Proceedings 3020, p.040007_1 - 040007_6, 2024/01
JMTRにおいて、高速炉条件を模擬した構造材の照射試験の検討を行った。He/dpa比を照射効果の指標として、軽水炉であるJMTRで高速炉を模擬した照射を行うためのキャプセルを製作した。高速炉を模擬するため、キャプセル内部に熱中性子を遮蔽するカドミウムを入れて中性子スペクトルを調整することとした。中性子スペクトルを調整したキャプセルを用いてJMTRで構造材の照射試験を行った結果、高速炉のHe/dpa比を模擬できることを確認した。現在、国内で照射試験を行うことができなくなっているため、海外炉を用いてJMTRの照射機能を一部代替する計画が進められている。代替照射は、JMTRで蓄積してきた照射技術を継承・発展させて行うこととしており、その一環としてこのような中性子スペクトルを調整する照射の試行も検討している。
高部 湧吾; 大塚 紀彰; 冬島 拓実; 佐谷戸 夏紀; 井上 修一; 森田 寿; Jaroszewicz, J.*; Migdal, M.*; 小沼 勇一; 飛田 正浩*; et al.
JAEA-Technology 2022-040, 45 Pages, 2023/03
中性子照射場として中核を担ってきた材料試験炉(Japan Materials Testing Reactor: JMTR)の廃止に伴い、軽水炉の一層の安全性、信頼性・効率性向上のための技術開発や革新的な原子炉開発に必要な国内照射場が喪失され、照射試験炉の運転技術や照射技術の継承や人材育成も困難な状況となった。こうした課題に対処するため、代替手段として中性子照射場を海外炉に求めた照射試験の実施に係る検討を行った。「ポーランド国立原子力研究センターと日本原子力研究開発機構との間の試験研究炉の研究開発のための共同研究取決め」に基づきポーランド国立原子力研究センター(NCBJ)が所有するMARIA炉(出力30MW)を中性子照射場として、JMTRの有する照射技術の一つである温度制御システムを導入した照射試験の実施可否を検討した。その結果、JMTRの設計・製作基準に則って製作済であったキャプセルに対し改造を施すことで照射試験の実現が可能である見通しが得られた。改造後に浸透探傷検査、絶縁導通試験及びキャプセルの使用温度である室温300Cの範囲における動作試験等を実施し、良好な結果が得られ、MARIA炉への輸送前準備を完了した。
浅野 典一; 西村 嵐; 高部 湧吾; 荒木 大輔; 箭内 智博; 海老沢 博幸; 小笠原 靖史; 大戸 勤; 大塚 薫; 大塚 紀彰; et al.
JAEA-Technology 2021-045, 137 Pages, 2022/06
令和元年9月9日の台風15号の強風により、JMTR(材料試験炉)にある二次冷却系統冷却塔の倒壊事象が発生した。これを受け、材料試験炉部内にUCL系統冷却塔更新検討ワーキンググループを設置し、JMTR内にある二次冷却系統冷却塔と同種の木造の冷却塔であるUCL(Utility Cooling Loop)系統冷却塔の健全性調査を行うとともに、UCL系統冷却塔の構造材料である木材の交換・補修計画及び工事の実施、使用計画、既設UCL系統冷却塔に代わる冷却設備の更新の検討を進めた。その検討の結果、既設UCL系統冷却塔については、木材の腐朽による倒壊のリスクを低減するため、廃止措置後も性能維持施設として管理する空気系統を構成する冷却設備として、新規設置することとした。新規設置に伴い、新たな冷却設備を設計する上での方針と廃止措置計画の認可に必要な設計及びその評価を行い、廃止措置計画認可申請書に反映した。本報告書は、これらの新規空気系統用冷却設備の方針及び設計の評価結果をまとめたものである。
大戸 勤; 浅野 典一; 川俣 貴則; 箭内 智博; 西村 嵐; 荒木 大輔; 大塚 薫; 高部 湧吾; 大塚 紀彰; 小嶋 慶大; et al.
JAEA-Review 2020-018, 66 Pages, 2020/11
令和元年9月9日の台風15号の強風により、JMTR(材料試験炉)にある二次冷却系統冷却塔の倒壊事象が発生した。その倒壊に至った原因調査及び原因分析を行い、4つの原因が重なって起こったことが特定された。これを受け、JMTR内にある二次冷却系統冷却塔と同時期に設置された木造の冷却塔であるUCL(Utility Cooling Loop)系統冷却塔の健全性調査を行った。健全性調査項目は、UCL系統冷却塔の運転状態の把握、UCL冷却系統の構造材料の劣化状態、点検項目及び点検状況、過去の気象データの確認である。この調査結果から、当該設備を安全に維持・管理するため、点検項目の改善、UCL系統冷却塔の構造材料である木材の交換・補修計画及び今後のUCL系統冷却塔の使用計画を策定するとともに、既存UCL系統冷却塔に代わる新規冷却塔の更新計画を策定した。本報告書はこれらの健全性調査の結果をまとめたものである。
冬島 拓実; 高部 湧吾; 佐谷戸 夏紀; 武内 伴照; 竹本 紀之; 土谷 邦彦
no journal, ,
材料試験炉JMTRは、約40年間にわたって先進照射技術を開発しながら、発電用軽水炉を中心に新型転換炉、高速炉、高温ガス炉、核融合炉等の燃料・材料の照射試験、大学を中心とした原子炉材料に係る基礎研究や人材育成、医療用・工業用のラジオアイソトープ(RI)の製造等に広く活用され、我が国の原子力の平和利用に大きく貢献してきたが、令和3年3月17日に廃止措置計画が認可され、廃止措置を進めている。JMTRの廃止決定により国内の照射場が失われ、我が国における照射研究基盤が危機的な状況となっている中、日本原子力研究開発機構大洗研究所材料試験炉部では、海外炉を用いた照射試験によってJMTRの照射機能の一部を代替するJMTR代替照射に向けた取り組みを開始している。本発表では、これまでの海外炉を用いた照射試験並びにこれらを踏まえたJMTR代替照射に向けて進行中のプロジェクト及び今後の計画について報告する。