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C thin film乗松 航*; 松田 啓太*; 寺澤 知潮; 高田 奈央*; 増森 淳史*; 伊藤 圭太*; 小田 晃司*; 伊藤 孝寛*; 遠藤 彰*; 舟橋 良次*; et al.
Nanotechnology, 31(14), p.145711_1 - 145711_7, 2020/04
被引用回数:9 パーセンタイル:40.85(Nanoscience & Nanotechnology)炭化珪素(SiC)基板上にエピタキシャル成長した炭化ホウ素(B
C)薄膜の熱分解によって、ホウ素をドープしたエピタキシャルグラフェンが成長することを示した。SiC上のB
CとB
C上のグラフェンの界面は、一定の方位関係を持ち、ダングリングボンドのない安定した構造を局所的に持っていた。B
Cの最初の炭素層はバッファー層として機能し、その上にグラフェンが積層していた。B
C上のグラフェンは、ホウ素が高濃度にドープされており、正孔濃度は2
10
- 2
10
cm
の広い範囲で制御できた。高濃度にホウ素をドープしたグラフェンはスピングラス挙動を示し、これはスピンフラストレーションシステムにおける局所的な反強磁性秩序の存在を示唆している。炭化物の熱分解は、さまざまな用途向けの新しいの機能エピタキシャルグラフェンをウェーハスケールで得るための技術であると期待できる。
Gupit, C. I.*; Li, X.*; Maekawa, Ryosuke*; Hasegawa, Naoki*; 岩瀬 裕希*; 高田 慎一; 柴山 充弘*
Macromolecules, 53(4), p.1464 - 1473, 2020/02
被引用回数:25 パーセンタイル:68.54(Polymer Science)The present work involved a systematic analysis of both the structural and rheological properties of Nafion dispersions carefully prepared using a standard procedure, ranging from dilute (0.1 wt %) to highly concentrated (30 wt %) conditions. Small-angle X-ray scattering confirmed the cylindrical structure of Nafion in dispersion and the unique interactions of Nafion particles acting as polyelectrolytes. Three different scaling relationships involving the zero-shear viscosities of the Nafion dispersions were determined for specific concentration regimes. However, at the upper concentration limit of approximately 30 wt %, the viscosity greatly deviated from these scaling relationships and significant shear thinning was observed. Simultaneous analyses using rheology and small-angle neutron scattering determined fully isotropic spatial correlations on a length scale of less than 60 nm, even when high shear was applied.
Zhan, Y.*; 大箭 直輝*; 榎木 光治*; 大川 富雄*; 青柳 光裕; 高田 孝
Experimental Thermal and Fluid Science, 98, p.86 - 94, 2018/11
被引用回数:17 パーセンタイル:66.52(Thermodynamics)In sodium-cooled fast reactors, liquid sodium leakage may lead to fire accident. In the case that the liquid sodium is discharged as a liquid jet, a number of droplets are produced during liquid jet impingement on the structures. In the present work, a liquid jet was emanated vertically downward from a circular nozzle hole onto a horizontal disk to measure the total amount and the maximum size of splashed droplets. It was found that a significant amount of liquid was splashed when the liquid jet impinged as a broken jet. Thus, a prediction method was first developed for the impact frequency of the primary droplets produced due to the jet breakup. It was then shown that a phenomenological model using the impact frequency and the impact Weber number as the important variables can predict the splashing rate well. It was also indicated that the size of the maximum splashed droplets was fairly proportional to the size of primary droplets.
中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12
J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。
Zhan, Y.*; 大箭 直輝*; 榎木 光治*; 大川 富雄*; 大野 修司; 青柳 光裕; 高田 孝
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 6 Pages, 2017/07
ナトリウム(Na)冷却高速炉におけるNa漏えい・燃焼時の熱影響を適切な信頼性確保しつつ解析評価するためには、漏えいNaの液滴量を物理的な観点から合理的に設定することが重要である。本研究では基礎実験として、下向きの水噴流を水平板に衝突させ、その際の液滴化率を計測した。計測の結果として液滴飛散率は、ウェーバー数と無次元衝突頻度の関数として定式化できることが示された。
Yi, Z.*; 大箭 直輝*; 榎木 光治*; 大川 富雄*; 大野 修司; 青柳 光裕; 高田 孝
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/11
ナトリウム(Na)冷却高速炉におけるNa漏えい・燃焼時の熱影響を適切な信頼性確保しつつ解析評価するためには、漏えいNaの液滴量を物理的な観点から合理的に設定することが重要である。本研究では基礎実験として、下向きの水噴流を水平板に衝突させ、その際の液滴化率を計測した。計測の結果として液滴飛散率は、ウェーバー数とストローハル数、オーネゾルゲ数の関数として定式化できることが示された。
中野 翔太*; 紺野 壮見*; 富田 直人*; 松葉 豪*; 富永 大輝*; 高田 慎一
Microsystem Technologies, 22(1), p.57 - 63, 2016/01
被引用回数:3 パーセンタイル:19.15(Engineering, Electrical & Electronic)J-PARC-MLFの小角・広角中性子散乱法および光透過率法を用いて、ポリアクリルニトリルのゲル化構造形成過程における水分子の影響に関する研究を行った。その結果、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒中の水分子の増加により、相分離およびゲル化が促進されることがわかった。白濁したゲルの場合、ナノメータスケールの結晶化による架橋点相関および液-液相分離によるミクロスケールの平坦境界が観測され、その相関長はアニーリング時間に依存しないこと、架橋点は局所的に存在しミクロゲルが形成されていることがわかった。一方、透明なゲルの場合は、相関長がゲル化過程において上昇し、高分子鎖の絡まり合いが擬似的な架橋点として作用していることがわかった。
篠原 武尚; 酒井 健二; 大井 元貴; 甲斐 哲也; 原田 正英; 及川 健一; 前川 藤夫; 鈴木 淳市; 奥 隆之; 高田 慎一; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 651(1), p.121 - 125, 2011/09
被引用回数:29 パーセンタイル:87.57(Instruments & Instrumentation)中性子を用いたイメージング法は、中性子の特徴である高い物質透過性能や軽元素に対する感度の高さを利用し、他の放射線では困難な大型試料や水素系の材料の内部の情報を得ることができる優れた研究手法である。特に、中性子は磁気モーメントを持つため、磁場環境下での中性子磁気モーメントのラーモア歳差運動を偏極度変化として位置ごとに検出することにより、空間や物質中の磁場を可視化することができる。本研究では、パルス中性子の飛行時間分析法を用いて偏極度変化の中性子波長依存性を高精度に測定することにより、磁場強度の定量的な議論が可能となることを原理実証を行うため、物質生命科学実験施設のBL10ビームラインにおいて実験を行った。小型のソレノイド透過後の偏極度変化の波長依存性を解析した結果、ソレノイド内部に発生する磁場の可視化に成功し、その強度を見積もることができた。この結果から、偏極パルス中性子を用いた磁場イメージング法により磁場強度の定量化が可能であることが示された。
青 寛幸; 浅野 博之; 大内 伸夫; 坪田 直明; 長谷川 和男; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 高田 耕治*; 内藤 富士雄*; 山崎 良成
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.552 - 554, 2010/08
平成20年3月よりJ-PARC LINACのエネルギー増強が始まり、本計画ではAnnular Coupled Structure(ACS)空洞20台を製作する。ACS空洞では組立前に機械加工により共振周波数を調整する。この調整のためのデータ取得を目的として、試作セル(寸法決定用セル)を製作した。この結果をもとに量産寸法の決定,周波数調整を行い、完了した5台分については目標値(971.93
0.05MHz)の範囲内に調整することができた。現在、ロウ付け、全体組立を進めており、平成22年秋には量産の1号機が完成する予定である。
原田 正英; 及川 健一; 大井 元貴; 甲斐 哲也; 酒井 健二; 前川 藤夫; 渡辺 昇*; 篠原 武尚; 高田 慎一
Proceedings of 19th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-19) (CD-ROM), 10 Pages, 2010/07
近年、パルス中性子源を用いたイメージング手法が開発されている。J-PARCのMLFに設置された中性子ビームラインNOBORUは、大きなビームサイズ,短いサンプルまでの飛行距離,大きな実験室など、イメージング実験に適している。そこで、イメージング実験の適用性を評価するために、サンプル位置での中性子スペクトルと中性子束分布を測定した。また、フィルター, コリメータ, スリットなどを使用した場合の特性も測定した。また、予備的な実験結果として、幾つかの合金のブラッグエッジと幾つかの試料の共鳴吸収を測定した。その結果、ブラッグエッジから、溶接部分と非溶接部分を見分けることができた。また共鳴吸収から、幾つかの元素を識別することができた。これらの結果より、J-PARCの中でもNOBORUは、イメージング実験に非常に適していると言える。
青 寛幸; 浅野 博之; 大内 伸夫; 坪田 直明; 長谷川 和男; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 高田 耕治*; 内藤 富士雄*; 山崎 良成
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.618 - 620, 2010/05
2009年3月より181MeVから400MeVへのリニアックエネルギー増強に向け、ACS加速空洞の量産が開始された。本計画ではACS形加速モジュール18台、ACS形デバンチャー空洞2台を3年間で製作する必要がある。本工程には時間的な余裕が少ないため、製作過程の最適化が必要となる。そこで初期設計と周波数調整手順を事前に確認するため、それぞれのエネルギーに対応した加速モジュールごとにテストセルを製作することにした。本論文では、これら量産に向けた取り組みの現状について報告する。
鈴木 淳市; 篠原 武尚; 高田 慎一; 奥 隆之; 鈴谷 賢太郎; 相澤 一也; 新井 正敏; 大友 季哉*; 杉山 正明*
日本結晶学会誌, 50(1), p.24 - 28, 2008/02
中性子小角散乱法は、物質透過能力,水素などの軽元素識別能力,同位体識別能力,磁気解析能力などのほかの量子プローブにない中性子の優れた特徴を活かした数nmから数10
mに及ぶスケールの構造解析法として幅広い科学分野で利用されている。本稿は、これらの利用をさらに高い空間分解能や時間分解能で高効率に促進するためにJ-PARCに建設する世界最高性能のパルス中性子小中角散乱装置の特徴をまとめたものである。本稿は、装置の機器構成と設計概念,モンテカルロ・シミュレーションなどにより見積もられる装置の基本性能,装置性能をナノ構造評価に活かすデータ解析法の開発,ほかの装置の相補的利用の可能性の解説から構成される。
篠原 武尚; 奥 隆之; 鈴木 淳市; 高田 慎一; 吉良 弘; 相澤 一也; 新井 正敏
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設に建設するパルス中性子小中角散乱装置では、低q領域の高効率測定を実現するため、世界で初めて中性子磁気レンズを用いた集光型中性子小角散乱法をパルス中性子に応用する。この手法におけるバックグランドレベルは入射中性子の偏極度に強く依存するため、99.9%程度の極めて高い偏極度を広い波長帯域について実現することが必要となる。そこで本研究では、この要請に適う性能を持つ、中性子磁気スーパーミラーを用いた高性能偏極素子の設計を行った。設計した偏極素子は透過型であり、磁気ミラーをV字型に配置したデザインを取る。これにより装置の全長を抑えながら大きなビーム断面積をカバーする。さらに、より高い偏極度を実現するために、2つの素子を直交して配置する方法を採用する。発表では、磁気ミラー型偏極子の詳細なデザイン及びモンテカルロシミュレーションによる性能評価結果について報告するとともに、現在進めている直交配置型偏極素子の性能評価実験の結果について報告する。
吉良 弘; 奥 隆之; 篠原 武尚; 鈴木 淳市; 高田 慎一; 新井 正敏
no journal, ,
現在、日本国内では稼働中の原子力機構の研究用原子炉JRR-3に加え大強度陽子加速器施設J-PARCの大強度パルス中性子源が立ち上がり、中性子科学は飛躍的な発展の時期にある。しかし、J-PARCでも有限なビーム強度が実験に制約を与える。ビームの利用効率を向上させることでビーム強度の問題を克服する手段として、中性子磁気集光デバイスの開発が行われてきた。現在実用化されている六極磁石を用いた磁気集光デバイスは、単一波長の中性子を集光させるには十分な性能を発揮する。しかし、波長が異なると焦点距離が変わる「色収差」の問題を抱えている。ビーム強度を高めるには、広い波長帯域の中性子を一点に集光させると良い。本研究ではこの色収差の問題を克服し、J-PARCの白色パルス中性子を高精度に集光するために、多極磁石を組合せた複合光学系の検討・開発を進めてきた。特性が異なる多極磁石を組合せることで、六極磁石だけでは十分な集光が得られなかった波長の短い中性子を集光させることが可能となる。
鈴木 淳市; 高田 慎一; 篠原 武尚; 奥 隆之; 吉良 弘; 鈴谷 賢太郎; 相澤 一也; 新井 正敏; 大友 季哉*; 杉山 正明*
no journal, ,
中性子小角散乱法は、物質透過能力,水素などの軽元素識別能力,同位体識別能力,磁気解析能力などの他の量子プローブにない中性子の優れた特徴を活かした数nmから数10
mに及ぶスケールの構造解析法として幅広い科学分野で利用されている。本講演では、これらの利用をさらに高い空間分解能や時間分解能で高効率に促進するためにJ-PARCに建設する世界最高性能のパルス中性子小中角散乱装置の特徴を紹介する。本装置では、従来の中性子小角散乱装置の測定対象であった微粒子のサイズや形状に関する情報に加えて、微粒子内部の原子配列の情報を中角散乱領域に現れる回折ピークから得ることができる。また、本装置には高い測定効率といった特徴もあるが、それ以外にも、最先端の中性子光学技術の導入により、高偏極中性子の高効率利用が可能となる。これらの機能の利用により、従来制約されていた磁性・超伝導微粒子内部の構造及び表面物性や動的階層構造成長などの評価に基づくナノへテロ機能の研究の進展が期待される。
奥 隆之; 吉良 弘; 篠原 武尚; 高田 慎一; 新井 正敏; 鈴木 淳市
no journal, ,
六極磁場に基づく磁気レンズは、正極性及び負極性中性子に対して、それぞれ集光及び発散レンズとして機能する。そこで、この磁気レンズの集光及び発散レンズ機能を組合せて用いることにより、中性子ビームの形状と発散度を高い自由度で制御することが可能である。磁気レンズの中性子集光特性には色収差があり、その焦点距離は中性子波長の二乗に反比例するが、最近、パルス中性子の飛行時間に同期させて、複数の磁気レンズの集光及び発散機能を切り替えることにより、磁気レンズが本来持っている色収差を補償し、一定の焦点距離である波長帯域の中性子を集光する方法が考案された。そこで、本研究では、複数の六極磁石からなる磁気複合光学系を用いたパルス中性子ビーム制御の可能性とその最適条件について、数値シミュレーションに基づき検討を行うとともに、実際に3台の永久六極磁石とスピン極性反転器を用いて、複合磁気集光光学系を構築し、パルス中性子ビームの集光実験を行った。その結果、波長幅約0.2nmの中性子に対して、ほぼ集光条件を満足させることに成功した。
高田 慎一; 篠原 武尚; 鈴木 淳市; 奥 隆之; 鈴谷 賢太郎; 相澤 一也; 大友 季哉*; 杉山 正明*; 新井 正敏
no journal, ,
J-PARCのMLF(物質・生命科学研究施設)に建設が予定されている高強度小角中性子散乱装置(HI-SANS)は、1
10
から50[
]までの幅広い空間領域を効率よく測定できることから、蛋白質や高分子,金属ナノ粒子などの階層構造を持つ物質の構造の解明に威力を発揮する装置となる。通常の小角散乱装置の解析は、測定可能であったq
0.2[
]の限られた範囲において発展しており、広いq範囲に適用できる解析法の構築が必要である。本研究では、外形の大きさがほぼ等しく、内部構造が異なる3つの蛋白質の散乱関数を広いq範囲についてDebye関数を用いて計算した。その結果、q
0.1[
]またq
2[
]の領域では、各散乱関数に大きな違いは見られないが、0.1
q
2[
]の範囲で大きな違いが現れた。これは3つの蛋白質の内部構造(2次構造の構造及びその配置)の違いに起因するものであり、広いq範囲を測定することが蛋白質の構造や機能解明に非常に重要であるということを示している。当日は分布関数解析及び蛋白質の水和水のコントラストを変化させたコントラスト変調法の結果についても議論する。
篠原 武尚; 高田 慎一; 鈴木 淳市; 奥 隆之; 鈴谷 賢太郎; 相澤 一也; 大友 季哉*; 杉山 正明*; 新井 正敏
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学研究施設に設置計画中のパルス中性子小中角散乱装置であるHI-SANSは、q=10
50
という原子炉型の中性子小角散乱装置と比較して格段に広いq領域の測定を可能とし、短波長中性子の利用により高いq領域の測定効率が高いという特徴を持つ。これにより、ナノメーターサイズの物質の構造や、それらが作る階層構造の評価を一挙に行い、ナノ構造体が持つ特性や機能の起源を理解することを目指している。現在、HI-SANSの実現に向けて、McStasとPHITSを用いたモンテカルロシミュレーションにより光学系設計及び遮蔽性能評価を行っている。HI-SANSの上流光学系には、一般的なピンホール型コリメーション機構に加えて、偏極素子,集束スリット,中性子レンズの搭載を予定している。遮蔽設計としては、分光器外部への放射線の漏出を評価するだけでなく、分光器室内部においても低バックグランドでの測定を実現するための検討を進めている。学会では、光学系設計に関する状況及び、遮蔽性能とバックグランドノイズに関する検討結果について報告する。
鈴谷 賢太郎; 高田 慎一; 社本 真一; 大友 季哉*; 三沢 正勝*; 金子 直勝*; 大下 英敏*
no journal, ,
高強度全散乱装置(NOVA)は、平成21年3月に真空槽本体が設置され、平成21年度4月よりコミッショニングを開始する予定である。全散乱法は、結晶PDF法(Pair Density Function)として、結晶物質にも適用されており、局所的な構造乱れや揺らぎを観測する方法として急速に適用範囲が拡大している。NOVAは、J-PARCの世界トップレベルの中性子フラックスにより、0.3%程度のQ最高分解能を有し、0.01
から100
までの広いQ領域を数分程度で観測可能である。これにより非晶質や液体のみならず、結晶を含むさまざまな物質の構造解析に有効である。特に水素貯蔵材料においては構造の歪みや乱れが顕著であり、NOVAによる水素-水素相関の観測により、物質中水素の挙動について新しい知見をもたらすことが期待される。本講演では、NOVAの建設の現状について報告する。なお、同装置はNEDO水素貯蔵先端基盤研究事業(平成19年-平成23年、プロジェクトリーダー:産業技術総合研究所研・秋葉悦男氏)として進められている。
鈴木 淳市; 高田 慎一; 篠原 武尚; 奥 隆之; 吉良 弘; 鈴谷 賢太郎; 相澤 一也; 新井 正敏; 大友 季哉*; 杉山 正明*
no journal, ,
中性子の優れた特徴を活かした数nmから数10
mに及ぶスケールの構造解析を高い空間及び時間分解能で高効率に実現する大強度型パルス中性子小中角散乱装置「大観」をJ-PARCに建設している。「大観」では、広いq領域(5
10
15A
)の散乱情報を扱うが、これらのマルチスケールの散乱データを同時に解析するソフトウエアの開発を進めている。特に、高いq領域では、溶媒やマトリックスを構成する原子との空間相関を正確に考慮する、また、低エネルギーの励起や反跳の効果を考慮することの重要性が、シミュレーションにより明らかになっており、これらを踏まえた解析システムを構築している。また、最先端の中性子光学技術の導入により、高偏極中性子の高効率利用が可能となる。偏極中性子を利用した偏極度解析、あるいは、磁場下での異方性散乱の解析の機能の付加も重要な開発要素である。これらの開発について紹介する。