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Wu, C.*; 田中 万也; 谷 幸則*; Bi, X.*; Liu, J.*; Yu, Q.*
Science of the Total Environment, 821, p.153265_1 - 153265_9, 2022/05
被引用回数:11 パーセンタイル:93.81(Environmental Sciences)異なる粒径のマイクロプラスチックを淡水性の真菌である KR21-2株とともに培養し、マイクロプラスチック表面にバイオフィルムを形成させた。それらの物理化学的特性を調べた結果、バイオフィルムによる被覆により表面への重金属元素の吸着容量が高くなり、その程度はマイクロプラスチックの粒径に関係していることが明らかとなった。このことは、マイクロプラスチックがバイオフィルム形成を通じて環境中における重金属の重要なキャリアとなり得ることを示している。
青島 未来*; 谷 幸則*; 藤田 理那*; 田中 万也; 宮田 直幸*; 梅澤 和寛*
Minerals (Internet), 12(3), p.358_1 - 358_16, 2022/03
被引用回数:4 パーセンタイル:79.94(Geochemistry & Geophysics)本研究では、マンガン酸化菌 KR21-2株を用いた水溶液からのCo除去実験を行った。その結果、Coのみを含む水溶液よりもMnとCoの両方が含まれる水溶液を用いた際に、Coの除去効率が高くなることが分かった。これは、MnとCoの共存下においてアスボライト(Coを少量含むMn水酸化物)が形成されるためであると考えられる。
田中 万也; 谷 幸則*; 香西 直文; 大貫 敏彦
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(2), p.1109 - 1114, 2022/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)本研究では、マンガン酸化菌が形成したマンガン酸化物へのPu(IV)吸着メカニズムについて調べた。他のアクチノイドとの吸着挙動を比較したところ、Pu(IV)はU(VI)と類似しておりTh(IV)とは異なった吸着挙動を示した。このことから、マンガン酸化物表面に吸着したPu(IV)がPu(VI)に酸化されている可能性が示唆された。一方、マンガン酸化菌の菌糸のみに対して吸着実験を行ったところ、一旦菌糸に吸着したPu(IV)が時間とともに水溶液中に脱離していくことが明らかとなった。このことは、微生物から分泌された有機配位子とPu(IV)が錯形成していることを示唆しており、こうした錯形成は中性付近のpH条件下において顕著であった。
谷 幸則*; 柿沼 里美*; Chang, J.*; 田中 万也; 宮田 直幸*
Minerals (Internet), 11(1), p.53_1 - 53_14, 2021/01
被引用回数:4 パーセンタイル:46.69(Geochemistry & Geophysics)本研究では、マンガン酸化活性を保った状態の生物性マンガン酸化物によるBa除去メカニズムを調べた。水溶液中に二価マンガンを添加した場合には、新たなマンガン酸化相が形成されBaが不可逆的に強く固定されることが明らかとなった。広域X線吸収微細構造スペクトルと粉末X線回折解析により、Baが層間に取り込まれることでマンガン酸化物の層状構造が安定化していることが分かった。
鈴木 竜平*; 谷 幸則*; 内藤 博敬*; 宮田 直幸*; 田中 万也
Catalysts, 10(1), p.44_1 - 44_15, 2020/01
被引用回数:10 パーセンタイル:41.25(Chemistry, Physical)本研究では、マンガン酸化菌KR21-2株を用いて形成させたマンガン酸化物に対してpH6のCr(NO)水溶液を用いて一回もしくは繰り返し処理を行った。好気条件においてはマンガン酸化物によるCr(III)のCr(VI)への酸化が認められた。この際、Mn(IV)がMn(II)に一旦還元されるものの真菌の活性のためMn(II)の再酸化により溶液中ではマンガンは検出されなかった。一方、嫌気条件においてはCr(III)の酸化は反応の初期段階で停止し、Mn(II)の再酸化が起こらないため還元されたマンガンが溶液中で検出された。
Yu, Q.*; 田中 万也; 香西 直文; 坂本 文徳; 谷 幸則*; 大貫 敏彦
ACS Earth and Space Chemistry (Internet), 2(8), p.797 - 810, 2018/08
被引用回数:13 パーセンタイル:56.58(Chemistry, Multidisciplinary)Mn酸化物の多くは微生物起源であり、Csを吸着することが知られている。本研究では、微生物起源Mn酸化物形成時に環境中の微量元素が取り込まれることによるMn酸化物の構造変化とCsの吸着挙動の関係を調べた。微生物起源Mn酸化物が金属イオン(Zn, Ni等)を取り込んで形成すると、取り込まれた金属イオンはpHが低下すると溶出し、Mn酸化物に空孔が生じる。この空孔がCsの吸着サイトとなることがわかった。
勝田 長貴*; 池田 久士*; 柴田 健二*; 國分 陽子; 村上 拓馬*; 谷 幸則*; 高野 雅夫*; 中村 俊夫*; 田中 敦*; 内藤 さゆり*; et al.
Global and Planetary Change, 164, p.11 - 26, 2018/05
被引用回数:8 パーセンタイル:44.36(Geography, Physical)バイカル湖ブグルジェイカサドルの堆積物中の化学組成を高分解能に分析することにより過去3.3万年以上の内陸シベリアの古環境及び古気候変動を復元した。完新世の気候は、6500年前に温暖、乾燥に変化し、氷期から間氷期の気候システムに遷移したことを示唆する。最終氷期においては、プリモールスキー山脈に起因する砕屑性炭酸塩の堆積がハインリッヒイベント(H3とH1)に伴って生じた。また、ハマル-ダバン山脈の氷河融解水がセレンガ川を通じて供給された。アレレード・ヤンガードリアス時に発生した無酸素底層水は、セレンガ川からの流水の減少とプリモールスキー山脈から供給された有機物の微生物分解で生じたものと考えられる。完新世初期の降水の減少は、8200年前の寒冷イベントに対応する。
Yu, Q.; 大貫 敏彦; 田中 万也; 香西 直文; 山崎 信哉*; 坂本 文徳; 谷 幸則*
Geochimica et Cosmochimica Acta, 174, p.1 - 12, 2016/02
被引用回数:18 パーセンタイル:59.15(Geochemistry & Geophysics)微生物細胞には希土類に対する高い吸着能がある。しかし、環境中での希土類の移行挙動に微生物がどのように影響するのかはわかっていない。本研究では、希土類元素の化学状態に及ぼす微生物活動の影響を調べた。Mn(II)酸化菌であるAeremonium strictumとMn(II)を含む水溶液に希土類元素を入れた。Mn(II)酸化菌からCe(IV)と特異的に結合する生体分子が放出され、その結果、Mn酸化物からのCe(IV)が脱離した。この生体分子は、3価の希土類元素や鉄とは結合しなかったので、休眠細胞から放出されることが知られている、金属に非特異的な有機物とは異なる。
綿貫 徹; 柏本 史郎*; 石政 勉*; 町田 晃彦; 山本 真*; 田中 幸範*; 水牧 仁一朗*; 河村 直己*; 渡辺 真仁*
Solid State Communications, 211, p.19 - 22, 2015/06
被引用回数:7 パーセンタイル:32.26(Physics, Condensed Matter)Au-Al-Yb中間価数準結晶の熱膨張をX線回折によって調べた結果、50K以下でゼロ膨張を示すことが明らかとなった。Au-Al-Tm準結晶との比較によって、中間価数状態であるYbの効果を抽出することができ、その結果、温度を下げるにつれてYbが2価に向かって価数が変化することによる負の熱膨張成分が、通常の格子系の正の熱膨張を打ち消していることが明らかとなった。
綿貫 徹; 柏本 史郎*; 川名 大地*; 山崎 照夫*; 町田 晃彦; 田中 幸範*; 佐藤 卓*
Physical Review B, 86(9), p.094201_1 - 094201_6, 2012/09
被引用回数:59 パーセンタイル:89.93(Materials Science, Multidisciplinary)Au-Al-Yb正20面体型準結晶において準周期配列するYbが2価と3価の間の中間価数状態をとることをYb 端吸収分光測定により見いだした。これは、通常環境下で中間価数状態をとる希土類系準結晶として初めての例である。Ybの平均価数は2.61価であるが、局所構造の異なる2種類のサイトにおいて互いに価数が異なる電荷分離が起きており、このうち主要サイトは2.8価程度であることを結論付けた。磁化測定の結果、中間価数を引き起こしているYb 4電子系が100K以上ではキュリーワイス則に従うような局在的な振舞いをしていることが明らかとなった。また、10K以下の低温では比熱などの測定から非フェルミ液体的な振舞いをすることが明らかとなった。
田中 万也*; 谷 幸則*; 大貫 敏彦
Chemistry Letters, 40(8), p.806 - 807, 2011/08
被引用回数:8 パーセンタイル:33.04(Chemistry, Multidisciplinary)生物起源Mn酸化物へのTh, U, Npの吸着を調べた結果、吸着の序列は、合成Mn酸化物についての結果と異なり、Thの吸着が合成Mn酸化物に比べて小さかった。この原因は微生物が排出する有機物にThが配位したことであると考えられる。
田中 万也; 谷 幸則*; 高橋 嘉夫*; 谷水 雅治*; 鈴木 義規*; 香西 直文; 大貫 敏彦
Geochimica et Cosmochimica Acta, 74(19), p.5463 - 5477, 2010/10
被引用回数:85 パーセンタイル:89.24(Geochemistry & Geophysics)Mn酸化真菌KR21-2株により形成させた生物性Mn酸化物を用いてCe(III)酸化実験を行った。その結果、pH3.87の水溶液中において生物性Mn酸化物によりCe(III)がCe(IV)へと酸化されることが明らかとなった。さらにpHが中性付近では微生物が分泌した有機配位子と酸化されたCe(IV)が結合し、水溶液中で安定化することが明らかとなった。
田中 万也; 谷 幸則*; 大貫 敏彦
no journal, ,
これまで微生物により形成されたMn酸化物による重元素の化学状態変化に関する研究はほとんど行われてこなかった。そこで、本研究ではMn酸化真菌KR21-2株により形成させたMn酸化物によるCe酸化機構に関する研究を行った。すべての希土類元素を添加した10mM NaCl水溶液を用いて生物性Mn酸化物への希土類元素吸着実験を行った。また、Ceを吸着させた生物性Mn酸化物のXAFS(X線吸収微細構造)測定を行った。希土類元素分配パターンやXAFSスペクトルから、pH47において生物性Mn酸化物によりCe(III)がCe(IV)へと酸化されることが明らかとなった。また、pHが高くなるにつれて水溶液中でCe(IV)が安定化することを示す結果も得られ、Ce(III)酸化過程への微生物の特異的な関与の可能性が示唆された。本研究の結果はこれまでに報告例がなく生物性Mn酸化物による重元素の化学状態変化に関する重要な成果である。
田中 万也; 谷 幸則*; 大貫 敏彦
no journal, ,
Mn(IV)酸化物は重元素に対して高い吸着能を示すと同時に、強い酸化力によりさまざまな重元素を酸化することが知られている。そのため、Mn酸化物は自然環境中の元素循環における重要な担体の一つとして考えられている。そこで、微生物が形成するMn酸化物よるCe(III)酸化過程について研究を行った。Mn酸化真菌及び真菌により形成させたMn酸化物を用いて希土類元素吸着実験を行った。その結果、pH3.8で分配係数パターンに大きな正のCe異常が認められた。しかし、pHが上昇するにつれて正のCe異常が小さくなり、pHが6.56.8ではCe異常の極性が正から負へと変化した。これはpHが中性付近ではCeが他の希土類元素に比べて選択的に水溶液中に存在していることを示している。XANESスペクトルの測定結果はCe異常の正負にかかわらずCe(IV)の存在を示しており、Mn酸化物によりCe(III)が酸化されたことを示した。したがって、pH中性付近で認められる負のCe異常はMn酸化物により一旦酸化されたCe(IV)が何らかの形で水溶液中に溶存していることを示唆している。
綿貫 徹; 川名 大地*; 町田 晃彦; Tsai, A. P.*; 田中 幸範*; 柏本 史郎*; 石政 勉*
no journal, ,
Yb系準結晶を加圧することにより、準結晶の中間価数系を実現した。例えば、Cd-Yb正二十面体型準結晶では、準周期配列するYbが2価・3価の中間価数をとる。ここで電荷が遍歴的な場合は、すなわち、準周期系の価数揺動状態であり、また、局在的な場合は、準周期的電荷秩序、あるいは、電荷ガラス状態を意味する。一般にYb化合物では、価数増加は4f-hole数増加に対応し(2価は4f-holeなし)、それに応じて電子相関が強くなり4f-holeの性質が遍歴性から局在性を持つように変化する。よって、中間価数の準周期系の研究には、2価から3価までのさまざまな価数値の系を実現させることが重要となる。われわれは、Cd-Yb準結晶及びCd-Mg-Yb準結晶について加圧しながらYb価数測定をYb-LIII端X線吸収実験により行ったところ、Cd-Yb準結晶では、加圧とともに価数が増加し、常圧の2価から最高圧の32GPaでは2.33価となった。また、Cd-Mg-Yb準結晶では、33GPaで2.64価となり、Cd-Yb準結晶の2倍の圧力効果が現れた。ただし、より高圧では変化が鈍り、最高圧の58GPaでは2.71価となった。ここで到達した2.7価は周期系では、遍歴-局在のクロスオーバーが見られている価数値である。
綿貫 徹; 川名 大地*; 町田 晃彦; Tsai, A. P.*; 柏本 史郎*; 田中 幸範*; 石政 勉*
no journal, ,
非整数価数イオンが準周期配列した系は、電荷・スピンの自由度を持っており、価数揺動、あるいは、準周期電荷秩序や電荷ガラス,準周期磁気秩序やスピングラスなどさまざまな新奇な状態の出現が期待される。われわれは、Yb系準結晶に着目して圧力を用いた中間価数準周期系の創出及び探索を行っている。Cd-Yb準結晶では、Yb価数は圧力に対してほぼ線形に増加し、32GPaでは2.33価となった。この価数範囲では近似結晶との比較などから価数揺動状態が実現していると考えられる。Cd-Mg-Yb準結晶では圧力に対してCd-Yb系より大きな価数変化が期待通りに観測された。30GPaでは2.6価となり価数変化の圧力効率はCd-Yb系のほぼ2倍である。その一方で30GPa以上では価数増加は急激に鈍り、57GPaで2.71価となる変化を示した。周期系Yb化合物では2.7価付近以上の価数領域で重い電子状態が多数観測されており、Cd-Mg-Yb準結晶においても最高圧付近では重い電子状態が実現している可能性がある。
綿貫 徹; 川名 大地*; 町田 晃彦; Tsai, A. P.*; 柏本 史郎*; 田中 幸範*; 石政 勉*; 山崎 照夫*; 佐藤 卓*
no journal, ,
非整数価数イオンが準周期配列した系は、電荷・スピンの自由度を持っており、価数揺動、あるいは、準周期電荷秩序や電荷ガラス、準周期磁気秩序やスピングラスなどさまざまな新奇な状態の出現が期待される。われわれは、Yb系準結晶に着目して中間価数準周期系の創出及び探索を行っている。Cd-Yb準結晶及びCd-Mg-Yb準結晶を加圧することにより、常圧では2価のYbを2価・3価の中間価数状態にして非整数価数イオンが準周期配列した系を創り出した。また、最近合成されたAu-Al-Yb準結晶についてはX線吸収分光測定の結果、Ybが2.61価と常圧でも中間価数状態を取っていることを明らかにした。
綿貫 徹; 川名 大地*; 町田 晃彦; 柏本 史郎*; 田中 幸範*; 石政 勉*; 山崎 照夫*; 佐藤 卓*; Tsai, A. P.*
no journal, ,
非整数価数イオンが準周期配列した系は、電荷・スピンの自由度を持っており、価数揺動、あるいは、準周期電荷秩序や電荷ガラス、準周期磁気秩序やスピングラスなどさまざまな新奇な状態の出現が期待される。われわれは、Yb系準結晶に着目して中間価数準周期系の創出及び探索を行っている。最近合成されたAu-Al-Yb準結晶についてはX線吸収分光測定の結果、Ybが2.61価と常圧でも中間価数状態を取っていることを明らかにした。これは、通常環境下で中間価数状態をとる希土類系準結晶として初めての例である。Ybの平均価数は2.61価であるが、局所構造の異なる2種類のサイトにおいて互いに価数が異なる電荷分離が起きており、このうち主要サイトは2.8価程度であることを結論付けた。磁化測定の結果、中間価数を引き起こしているYb 4f電子系が100K以上ではキュリーワイス則に従うような局在的な振舞いをしていることが明らかとなった。また、10K以下の低温では比熱などの測定から非フェルミ液体的な振舞いをすることが明らかとなった。
綿貫 徹; 柏本 史郎*; 山崎 照夫*; 川名 大地*; 町田 晃彦; 田中 幸範*; 石政 勉*; 佐藤 卓*
no journal, ,
Au-Al-Yb準結晶について、X線吸収分光測定を行った結果、Yb価数が2.61価であった。これは中間価数4f電子系が常圧の準結晶において実現した初めて例である。この系は「準」周期アンダーソンモデルを具現化したものであり、周期系での代表的な基底状態であるフェルミ液体及び磁気秩序が自明な基底状態ではないため、特に、遍歴と局在との間の領域での性質は興味深い。磁化測定の結果、帯磁率は100K以上においてCurie-Weiss則に従い、この系のYb 4f電子系が局在的性質を持つことが判明した。100K以下では帯磁率は冷却とともに急激に増大した。20K以下ではベキ発散が観測され、最低温の2Kでもスピン揺らぎが残っていることが判明した。さらに0.38Kまで冷却して比熱測定をした結果、C/Tも冷却とともにベキ発散をし続けた。つまり、極低温においてもフェルミ液体や磁気秩序状態を取らず、非フェルミ液体的挙動を示すことが明らかとなった。
綿貫 徹; 町田 晃彦; 川名 大地*; 田中 幸範*; 石政 勉*
no journal, ,
価数揺動準結晶Au-Al-Ybの価数の圧力依存性を高圧下Yb-L3端近傍X線吸収分光実験により決定した。32GPaまでの加圧により、常圧で2.61価であったYbを2.97価とほぼ3価にまで価数増加させることができた。10GPa程度までの圧力で、顕著な価数増加がみられた一方で、高圧領域では増加が鈍り、最高圧付近ではほとんど変化が見られないという圧力依存性を示した。