検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 31 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

発表言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Effect of particle size on the colonization of biofilms and the potential of biofilm-covered microplastics as metal carriers

Wu, C.*; 田中 万也; 谷 幸則*; Bi, X.*; Liu, J.*; Yu, Q.*

Science of the Total Environment, 821, p.153265_1 - 153265_9, 2022/05

 被引用回数:51 パーセンタイル:96.51(Environmental Sciences)

異なる粒径のマイクロプラスチックを淡水性の真菌である${it Acremonium strictum}$ KR21-2株とともに培養し、マイクロプラスチック表面にバイオフィルムを形成させた。それらの物理化学的特性を調べた結果、バイオフィルムによる被覆により表面への重金属元素の吸着容量が高くなり、その程度はマイクロプラスチックの粒径に関係していることが明らかとなった。このことは、マイクロプラスチックがバイオフィルム形成を通じて環境中における重金属の重要なキャリアとなり得ることを示している。

論文

Simultaneous sequestration of Co$$^{2+}$$ and Mn$$^{2+}$$ by fungal manganese oxide through asbolane formation

青島 未来*; 谷 幸則*; 藤田 理那*; 田中 万也; 宮田 直幸*; 梅澤 和寛*

Minerals (Internet), 12(3), p.358_1 - 358_16, 2022/03

 被引用回数:9 パーセンタイル:72.26(Geochemistry & Geophysics)

本研究では、マンガン酸化菌${it Acremonium strictum}$ KR21-2株を用いた水溶液からのCo$$^{2+}$$除去実験を行った。その結果、Co$$^{2+}$$のみを含む水溶液よりもMn$$^{2+}$$とCo$$^{2+}$$の両方が含まれる水溶液を用いた際に、Co$$^{2+}$$の除去効率が高くなることが分かった。これは、Mn$$^{2+}$$とCo$$^{2+}$$の共存下においてアスボライト(Coを少量含むMn水酸化物)が形成されるためであると考えられる。

論文

Sorption of Pu(IV) on biogenic Mn oxide and complexation of Pu(IV) with organic ligands secreted by fungal cells

田中 万也; 谷 幸則*; 香西 直文; 大貫 敏彦

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(2), p.1109 - 1114, 2022/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

本研究では、マンガン酸化菌が形成したマンガン酸化物へのPu(IV)吸着メカニズムについて調べた。他のアクチノイドとの吸着挙動を比較したところ、Pu(IV)はU(VI)と類似しておりTh(IV)とは異なった吸着挙動を示した。このことから、マンガン酸化物表面に吸着したPu(IV)がPu(VI)に酸化されている可能性が示唆された。一方、マンガン酸化菌の菌糸のみに対して吸着実験を行ったところ、一旦菌糸に吸着したPu(IV)が時間とともに水溶液中に脱離していくことが明らかとなった。このことは、微生物から分泌された有機配位子とPu(IV)が錯形成していることを示唆しており、こうした錯形成は中性付近のpH条件下において顕著であった。

論文

Preferential elimination of Ba$$^{2+}$$ through irreversible biogenic manganese oxide sequestration

谷 幸則*; 柿沼 里美*; Chang, J.*; 田中 万也; 宮田 直幸*

Minerals (Internet), 11(1), p.53_1 - 53_14, 2021/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:28.73(Geochemistry & Geophysics)

本研究では、マンガン酸化活性を保った状態の生物性マンガン酸化物によるBa$$^{2+}$$除去メカニズムを調べた。水溶液中に二価マンガンを添加した場合には、新たなマンガン酸化相が形成されBa$$^{2+}$$が不可逆的に強く固定されることが明らかとなった。広域X線吸収微細構造スペクトルと粉末X線回折解析により、Ba$$^{2+}$$が層間に取り込まれることでマンガン酸化物の層状構造が安定化していることが分かった。

論文

Sequestration and oxidation of Cr(III) by fungal Mn oxides with Mn(II) oxidizing activity

鈴木 竜平*; 谷 幸則*; 内藤 博敬*; 宮田 直幸*; 田中 万也

Catalysts, 10(1), p.44_1 - 44_15, 2020/01

 被引用回数:12 パーセンタイル:36.73(Chemistry, Physical)

本研究では、マンガン酸化菌KR21-2株を用いて形成させたマンガン酸化物に対してpH6のCr(NO$$_{3}$$)$$_{3}$$水溶液を用いて一回もしくは繰り返し処理を行った。好気条件においてはマンガン酸化物によるCr(III)のCr(VI)への酸化が認められた。この際、Mn(IV)がMn(II)に一旦還元されるものの真菌の活性のためMn(II)の再酸化により溶液中ではマンガンは検出されなかった。一方、嫌気条件においてはCr(III)の酸化は反応の初期段階で停止し、Mn(II)の再酸化が起こらないため還元されたマンガンが溶液中で検出された。

論文

Adsorption of Cs onto biogenic birnessite; Effects of layer structure, ionic strength, and competition cations

Yu, Q.*; 田中 万也; 香西 直文; 坂本 文徳; 谷 幸則*; 大貫 敏彦

ACS Earth and Space Chemistry (Internet), 2(8), p.797 - 810, 2018/08

 被引用回数:17 パーセンタイル:53.97(Chemistry, Multidisciplinary)

Mn酸化物の多くは微生物起源であり、Csを吸着することが知られている。本研究では、微生物起源Mn酸化物形成時に環境中の微量元素が取り込まれることによるMn酸化物の構造変化とCsの吸着挙動の関係を調べた。微生物起源Mn酸化物が金属イオン(Zn, Ni等)を取り込んで形成すると、取り込まれた金属イオンはpHが低下すると溶出し、Mn酸化物に空孔が生じる。この空孔がCsの吸着サイトとなることがわかった。

論文

Hydrological and climate changes in southeast Siberia over the last 33 kyr

勝田 長貴*; 池田 久士*; 柴田 健二*; 國分 陽子; 村上 拓馬*; 谷 幸則*; 高野 雅夫*; 中村 俊夫*; 田中 敦*; 内藤 さゆり*; et al.

Global and Planetary Change, 164, p.11 - 26, 2018/05

 被引用回数:11 パーセンタイル:40.44(Geography, Physical)

バイカル湖ブグルジェイカサドルの堆積物中の化学組成を高分解能に分析することにより過去3.3万年以上の内陸シベリアの古環境及び古気候変動を復元した。完新世の気候は、6500年前に温暖、乾燥に変化し、氷期から間氷期の気候システムに遷移したことを示唆する。最終氷期においては、プリモールスキー山脈に起因する砕屑性炭酸塩の堆積がハインリッヒイベント(H3とH1)に伴って生じた。また、ハマル-ダバン山脈の氷河融解水がセレンガ川を通じて供給された。アレレード・ヤンガードリアス時に発生した無酸素底層水は、セレンガ川からの流水の減少とプリモールスキー山脈から供給された有機物の微生物分解で生じたものと考えられる。完新世初期の降水の減少は、8200年前の寒冷イベントに対応する。

論文

Fungus-promoted transformation of lanthanides during the biooxidation of divalent manganese

Yu, Q.; 大貫 敏彦; 田中 万也; 香西 直文; 山崎 信哉*; 坂本 文徳; 谷 幸則*

Geochimica et Cosmochimica Acta, 174, p.1 - 12, 2016/02

 被引用回数:19 パーセンタイル:55.71(Geochemistry & Geophysics)

微生物細胞には希土類に対する高い吸着能がある。しかし、環境中での希土類の移行挙動に微生物がどのように影響するのかはわかっていない。本研究では、希土類元素の化学状態に及ぼす微生物活動の影響を調べた。Mn(II)酸化菌であるAeremonium strictumとMn(II)を含む水溶液に希土類元素を入れた。Mn(II)酸化菌からCe(IV)と特異的に結合する生体分子が放出され、その結果、Mn酸化物からのCe(IV)が脱離した。この生体分子は、3価の希土類元素や鉄とは結合しなかったので、休眠細胞から放出されることが知られている、金属に非特異的な有機物とは異なる。

論文

Thermal expansion of a Au-Al-Yb intermediate valence quasicrystal

綿貫 徹; 柏本 史郎*; 石政 勉*; 町田 晃彦; 山本 真*; 田中 幸範*; 水牧 仁一朗*; 河村 直己*; 渡辺 真仁*

Solid State Communications, 211, p.19 - 22, 2015/06

 被引用回数:7 パーセンタイル:29.96(Physics, Condensed Matter)

Au-Al-Yb中間価数準結晶の熱膨張をX線回折によって調べた結果、50K以下でゼロ膨張を示すことが明らかとなった。Au-Al-Tm準結晶との比較によって、中間価数状態であるYbの効果を抽出することができ、その結果、温度を下げるにつれてYbが2価に向かって価数が変化することによる負の熱膨張成分が、通常の格子系の正の熱膨張を打ち消していることが明らかとなった。

論文

Intermediate-valence icosahedral Au-Al-Yb quasicrystal

綿貫 徹; 柏本 史郎*; 川名 大地*; 山崎 照夫*; 町田 晃彦; 田中 幸範*; 佐藤 卓*

Physical Review B, 86(9), p.094201_1 - 094201_6, 2012/09

 被引用回数:66 パーセンタイル:89.54(Materials Science, Multidisciplinary)

Au-Al-Yb正20面体型準結晶において準周期配列するYbが2価と3価の間の中間価数状態をとることをYb $$L$$$$_{3}$$端吸収分光測定により見いだした。これは、通常環境下で中間価数状態をとる希土類系準結晶として初めての例である。Ybの平均価数は2.61価であるが、局所構造の異なる2種類のサイトにおいて互いに価数が異なる電荷分離が起きており、このうち主要サイトは2.8価程度であることを結論付けた。磁化測定の結果、中間価数を引き起こしているYb 4$$f$$電子系が100K以上ではキュリーワイス則に従うような局在的な振舞いをしていることが明らかとなった。また、10K以下の低温では比熱などの測定から非フェルミ液体的な振舞いをすることが明らかとなった。

論文

Specific sorption behavior of actinoids on biogenic Mn oxide

田中 万也*; 谷 幸則*; 大貫 敏彦

Chemistry Letters, 40(8), p.806 - 807, 2011/08

 被引用回数:8 パーセンタイル:32.00(Chemistry, Multidisciplinary)

生物起源Mn酸化物へのTh, U, Npの吸着を調べた結果、吸着の序列は、合成Mn酸化物についての結果と異なり、Thの吸着が合成Mn酸化物に比べて小さかった。この原因は微生物が排出する有機物にThが配位したことであると考えられる。

論文

A Specific Ce oxidation process during sorption of rare earth elements on biogenic Mn oxide produced by Acremonium sp. strain KR21-2

田中 万也; 谷 幸則*; 高橋 嘉夫*; 谷水 雅治*; 鈴木 義規*; 香西 直文; 大貫 敏彦

Geochimica et Cosmochimica Acta, 74(19), p.5463 - 5477, 2010/10

 被引用回数:101 パーセンタイル:89.81(Geochemistry & Geophysics)

Mn酸化真菌KR21-2株により形成させた生物性Mn酸化物を用いてCe(III)酸化実験を行った。その結果、pH3.8$$sim$$7の水溶液中において生物性Mn酸化物によりCe(III)がCe(IV)へと酸化されることが明らかとなった。さらにpHが中性付近では微生物が分泌した有機配位子と酸化されたCe(IV)が結合し、水溶液中で安定化することが明らかとなった。

口頭

Adaptive interactions between Live Acremonium strictum KR21-2 Fungus and REEs during Mn(II) bio-oxidation

Yu, Q.; 大貫 敏彦; 田中 万也*; 香西 直文; 山崎 信哉*; 坂本 文徳; 谷 幸則*

no journal, , 

真菌が活性化でMn(II)を酸化する過程でREE元素をMnO$$_{2}$$に吸着することを明らかにした。一方、水溶液にクエン酸を添加することにより、MnO$$_{2}$$派生性したが、希土類の吸着は減少した。REEのパターンを調べたところCeに負の異常が見られた。Ceの酸化数は4価であることから、Ce(IV)を優先的に溶出する有機物が存在することが分かった。

口頭

Fungus activity promoted transformation of REEs during bio-oxidation of Mn(II)

Yu, Q.; 大貫 敏彦; 田中 万也*; 香西 直文; 坂本 文徳; 谷 幸則*

no journal, , 

It is well known that microorganisms possess high sorption capability for REEs. However, the biological effect of metabolically active fungus on the transformation of REEs in aquatic environment is unclear. This study compared the biotransformation of REEs during biooxidation of Mn(II) in the absence of trisodium citrate versus that in the presence of trisodium citrate. In the absence of trisodium citrate, one of the biomolecules released from the fungus associated only with Ce and not with the other REEs or Fe, suggesting that this biomolecule specifically associates with Ce(IV) and is different from siderophore like substances. In contrast, in the presence of trisodium citrate, release of the specific Ce(IV) binding biomolecule was not observed. The present findings highlight that microbe adaptation and defense mechanisms could convert Ce to a more mobile form at the water Mn oxide interface.

口頭

中間価数Yb系準結晶の価数決定と物性測定

綿貫 徹; 川名 大地*; 町田 晃彦; 柏本 史郎*; 田中 幸範*; 石政 勉*; 山崎 照夫*; 佐藤 卓*; Tsai, A. P.*

no journal, , 

非整数価数イオンが準周期配列した系は、電荷・スピンの自由度を持っており、価数揺動、あるいは、準周期電荷秩序や電荷ガラス、準周期磁気秩序やスピングラスなどさまざまな新奇な状態の出現が期待される。われわれは、Yb系準結晶に着目して中間価数準周期系の創出及び探索を行っている。最近合成されたAu-Al-Yb準結晶についてはX線吸収分光測定の結果、Ybが2.61価と常圧でも中間価数状態を取っていることを明らかにした。これは、通常環境下で中間価数状態をとる希土類系準結晶として初めての例である。Ybの平均価数は2.61価であるが、局所構造の異なる2種類のサイトにおいて互いに価数が異なる電荷分離が起きており、このうち主要サイトは2.8価程度であることを結論付けた。磁化測定の結果、中間価数を引き起こしているYb 4f電子系が100K以上ではキュリーワイス則に従うような局在的な振舞いをしていることが明らかとなった。また、10K以下の低温では比熱などの測定から非フェルミ液体的な振舞いをすることが明らかとなった。

口頭

Au-Al-Yb中間価数系準結晶

綿貫 徹; 柏本 史郎*; 山崎 照夫*; 川名 大地*; 町田 晃彦; 田中 幸範*; 石政 勉*; 佐藤 卓*

no journal, , 

Au-Al-Yb準結晶について、X線吸収分光測定を行った結果、Yb価数が2.61価であった。これは中間価数4f電子系が常圧の準結晶において実現した初めて例である。この系は「準」周期アンダーソンモデルを具現化したものであり、周期系での代表的な基底状態であるフェルミ液体及び磁気秩序が自明な基底状態ではないため、特に、遍歴と局在との間の領域での性質は興味深い。磁化測定の結果、帯磁率は100K以上においてCurie-Weiss則に従い、この系のYb 4f電子系が局在的性質を持つことが判明した。100K以下では帯磁率は冷却とともに急激に増大した。20K以下ではベキ発散が観測され、最低温の2Kでもスピン揺らぎが残っていることが判明した。さらに0.38Kまで冷却して比熱測定をした結果、C/Tも冷却とともにベキ発散をし続けた。つまり、極低温においてもフェルミ液体や磁気秩序状態を取らず、非フェルミ液体的挙動を示すことが明らかとなった。

口頭

価数揺動準結晶Au-Al-Ybの価数の圧力依存性

綿貫 徹; 町田 晃彦; 川名 大地*; 田中 幸範*; 石政 勉*

no journal, , 

価数揺動準結晶Au-Al-Ybの価数の圧力依存性を高圧下Yb-L3端近傍X線吸収分光実験により決定した。32GPaまでの加圧により、常圧で2.61価であったYbを2.97価とほぼ3価にまで価数増加させることができた。10GPa程度までの圧力で、顕著な価数増加がみられた一方で、高圧領域では増加が鈍り、最高圧付近ではほとんど変化が見られないという圧力依存性を示した。

口頭

Intermediate-valence Yb-based quasicrystals and approximants

綿貫 徹; 山田 庸公*; 中村 洋子*; 田中 幸範*; 町田 晃彦; Tsai, A. P.*; 石政 勉*

no journal, , 

Au-Al-Yb準結晶がYb中間価数系であることを見出した。今回は、Alを他の元素に置換することにより、新たな中間価数系の探索を行った。Al-Sn-Yb近似結晶およびAl-Ge-Yb近似結晶について、放射光を用いたYb-L3吸収端X線吸収分光測定を行なった結果、Yb価数がそれぞれ2.27価, 2.24価であり、これらの近似結晶が中間価数系であることを見出した。

口頭

中間価数Yb系近似結晶の価数の温度依存性

綿貫 徹; 山田 庸公*; 中村 洋子*; 田中 幸範*; 新田 清文*; 水牧 仁一朗*; 町田 晃彦; Tsai, A. P.*; 石政 勉*

no journal, , 

Au-Al-Yb準結晶および近似結晶においてYbは中間価数状態をとる。今回、Alを他元素に置換した系Au-M-Yb(M=Sn, Ge, Ga)の近似結晶について、Yb-L3端近傍の放射光X線吸収実験によってYb価数評価を行った結果、いずれの系においてもYbは中間価数状態をとることが明らかとなった。ただし、Yb価数値は2価に近く、また、その価数の温度変化が観測されなかったことから、これらの系は、量子臨界点直上、あるいは、近傍に位置するAu-Al-Yb系とは異なり、量子臨界点から離れた価数揺動状態であることが示された。

口頭

Yb系準結晶における中間価数状態の実現

綿貫 徹; 川名 大地*; 町田 晃彦; Tsai, A. P.*; 田中 幸範*; 柏本 史郎*; 石政 勉*

no journal, , 

Yb系準結晶を加圧することにより、準結晶の中間価数系を実現した。例えば、Cd-Yb正二十面体型準結晶では、準周期配列するYbが2価・3価の中間価数をとる。ここで電荷が遍歴的な場合は、すなわち、準周期系の価数揺動状態であり、また、局在的な場合は、準周期的電荷秩序、あるいは、電荷ガラス状態を意味する。一般にYb化合物では、価数増加は4f-hole数増加に対応し(2価は4f-holeなし)、それに応じて電子相関が強くなり4f-holeの性質が遍歴性から局在性を持つように変化する。よって、中間価数の準周期系の研究には、2価から3価までのさまざまな価数値の系を実現させることが重要となる。われわれは、Cd-Yb準結晶及びCd-Mg-Yb準結晶について加圧しながらYb価数測定をYb-LIII端X線吸収実験により行ったところ、Cd-Yb準結晶では、加圧とともに価数が増加し、常圧の2価から最高圧の32GPaでは2.33価となった。また、Cd-Mg-Yb準結晶では、33GPaで2.64価となり、Cd-Yb準結晶の2倍の圧力効果が現れた。ただし、より高圧では変化が鈍り、最高圧の58GPaでは2.71価となった。ここで到達した2.7価は周期系では、遍歴-局在のクロスオーバーが見られている価数値である。

31 件中 1件目~20件目を表示