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増田 亮; 三井 隆也; 小林 康浩*; 東谷口 聡*; 瀬戸 誠
Japanese Journal of Applied Physics, 48(12), p.120221_1 - 120221_3, 2009/12
被引用回数:8 パーセンタイル:33.37(Physics, Applied)物質からの準弾性散乱の測定用に、放射光メスバウアー放射を用いたneV分解能の分光光学系を開発した。本光学系は、FeOの核分光器とFeステンレススチールの核アナライザーで構成される。本光学系の性能試験として、過冷却状態のグリセリンによる準弾性散乱を、融点近傍で測定した。光学系の装置関数は42.2neVであった。そして、準弾性散乱による11neVのエネルギー広がりが観測できた。
瀬戸 誠; 増田 亮; 東谷口 聡*; 北尾 真司*; 小林 康浩*; 稲葉 千雅*; 三井 隆也; 依田 芳卓*
Physical Review Letters, 102(21), p.217602_1 - 217602_4, 2009/05
被引用回数:57 パーセンタイル:88.05(Physics, Multidisciplinary)放射光を用いてメスバウアー吸収スペクトルを測定する新しい方法を開発した。この方法は、同位体線源を用いた従来の手法では困難な核種等、ほとんどのメスバウアー核種に対して利用可能である。この方法を用いて、同位体線源では不可能なGe核種の68.752keVの励起準位を利用したメスバウアースペクトルを観測することに成功した。この結果は、本方法によって放射光の優れた特徴を生かした先進的メスバウアー測定が可能になることを示すものである。
増田 亮; 三井 隆也; 北尾 真司*; 東谷口 聡*; 依田 芳卓*; 瀬戸 誠
Japanese Journal of Applied Physics, 47(10), p.8087 - 8090, 2008/10
被引用回数:12 パーセンタイル:44.62(Physics, Applied)シングルラインプロファイルの純核ブラッグ散乱を用いて、放射光ベースのneV分解能分光光学系を開発した。その光学系は、放射光からFeメスバウアー放射を取り出すためのFeBO単結晶(ネール温度近傍)と、エネルギー分布を分析するためのシングルラインプロファイルのメスバウアー吸収体(Feを富化したステンレススチール)の2要素からなる。この光学系の性能評価のため、メスバウアー放射を超音波振動を加えたSi結晶によって回折させ、そのエネルギープロファイルを観測した。その結果、超音波振動によるneV幅のエネルギー変調の観測に成功した。
三井 隆也; 瀬戸 誠; 平尾 直久*; 大石 泰生*; 小林 康浩*; 東谷口 聡*; 増田 亮*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 46(16), p.L382 - L384, 2007/04
被引用回数:12 パーセンタイル:44.48(Physics, Applied)エネルギー領域の放射光メスバウアー分光とX線集光装置を利用した新しい顕微分光光学系を開発した。応用として、RIによる従来法では測定困難なホールサイズ20m以下のDAC内で、マルチメガバール領域にまで加圧された鉄含有物質の核共鳴吸収スペクトルの測定を行い、短時間でのメスバウアー吸収スペクトル測定が可能であることを最初に実証した。
三井 隆也; 瀬戸 誠; 菊田 惺志*; 平尾 直久*; 大石 康生*; 武居 文彦*; 小林 康浩*; 北尾 真司*; 東谷口 聡*; 増田 亮*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 46(2), p.821 - 825, 2007/02
被引用回数:33 パーセンタイル:74.29(Physics, Applied)Feを富化した反強磁性体FeBO単結晶のネール温度近傍における純核ブラッグ反射を利用して、SPring-8の日本原子力研究開発機構の専用ビームラインBL11XUにおいて、neVオーダーのエネルギー分解能を持つ超単色のシングルラインX線を12000cpsの世界最高の強度で発生することに成功した。本実験では、得られた超単色X線のビーム特性と放射光メスバウアースペクトル測定におけるパフォーマンスが調べられた。放射光の微小ビームを利用した典型例として、ダイアモンドアンビルセル内の超高圧下における鉄多結晶の圧力誘起磁気転移も観測された。
今井 康彦*; 依田 芳卓*; 北尾 真司*; 増田 亮; 東谷口 聡*; 稲葉 千雅*; 瀬戸 誠
Advances in X-ray/EUV Optics and Components II (Proceedings of SPIE Vol.6705), p.670512_1 - 670512_7, 2007/00
サファイアの(9 1 -10 68)面への垂直入反射を用いる、Te(核共鳴エネルギー35.49keV)の放射光核共鳴散乱用の高分解能分光器を開発した。エネルギー分解能は7.5meVであり、が達成された。このエネルギー域は、通常のSiを用いた高分解能分光器では反射率が低くなってしまうため、新しい分光器が必要とされてきた領域である。この高分解能分光器によって、Teを含む物質に対して、Te元素選択的なダイナミクスの研究や、電子状態の研究が可能になると考えられる。
増田 亮*; 東谷口 聡*; 北尾 真司*; 小林 康浩*; 瀬戸 誠*; 三井 隆也; 依田 芳卓*; 春木 理恵*; 岸本 俊二*
Journal of the Physical Society of Japan, 75(9), p.094716_1 - 094716_4, 2006/09
被引用回数:2 パーセンタイル:19.46(Physics, Multidisciplinary)Yb核種の放射光核共鳴散乱を初めて観測することに成功した。励起準備はYbの第二励起状態及びYb, Yb, Ybの第1励起状態の4つである。それぞれの励起状態のエネルギーと半減期は、Ybの第二励起状態、Yb, Yb, Ybの第1励起状態の順に、75.8780.007keV, 1.550.12ns, 78.7370.004keV, 1.710.13ns, 76.4650.006keV, 1.760.04ns, 82.1540.006keV, 1.820.09nsと見積もられた。Ybの放射光核共鳴散乱は、Ybを含む物質の研究に有益な測定手段となることが期待される。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を使用して、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めている。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材,緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
被引用回数:7 パーセンタイル:22.95(Physics, Fluids & Plasmas)超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30 mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を用いて、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めた。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材、緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
徳永 朋祥*; 谷口 真人*; 嶋田 純*; Zhang, J.*; 稲葉 薫; 三枝 博光; 岩月 輝希
JNC TY7400 2003-003, 142 Pages, 2003/05
高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発や一般の廃棄物処分事業において安全性を評価する上での重要な課題は、廃棄物中に含まれる有害物質が地下水とともに移行し、生物圏に到達する可能性を評価することである。最近の陸水循環系の検討からは、海底からの淡水性地下水の直接湧出があることが明らかにされてきている。従って、沿岸域における海底地下水湧出の実態を明らかにすることは、物質の生物圏への放出経路を知る上で重要な課題の一つと捉えられる。また、沿岸域における地下水流動とそれに伴う物質移行問題に関しても明らかにすることが重要である。本研究では、上述のように重要な課題が多々あるのにもかかわらず、総合的な検討がなされてこなかった沿岸域の地下水流動系と海底からの地下水湧出現象を明らかにすることを目的とした研究を試みた。調査地域としては、陸域を対象とした総合的な地下水調査が過去になされてきている富山県黒部川扇状地およびその沖合とし、以下の検討を行ない、成果を得た。1)海底からの淡水性地下水湧出地点を把握する手法の構築と現地での適用 2)海底からの淡水性湧出地下水を採取する手法の構築と現地での適用3)海底からの地下水湧出量の計測 4)沿岸域の地下水流動系を明らかにするための水文学的、地球化学的検討 5)淡水性地下水湧出の起源を明らかにするための陸域と海域の両者を考慮した地球化学的検討 6)メタン濃度およびメタンの炭素同位体比に基づいた地下水流動・沿岸地下水湧出の検討 7)数値解析的アプローチを用いた沿岸域における地下水流動評価
正木 圭; 谷口 正樹; 三代 康彦; 櫻井 真治; 佐藤 和義; 江里 幸一郎; 玉井 広史; 逆井 章; 松川 誠; 石田 真一; et al.
Fusion Engineering and Design, 61-62, p.171 - 176, 2002/11
被引用回数:19 パーセンタイル:74.77(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所では、JT-60改修計画として、臨界プラズマ条件クラスのプラズマを電流拡散時間よりも十分長く維持することが可能な超伝導トカマク装置を検討している。この改修装置のダイバータターゲット開発のため、高い熱除去効率が期待されるスクリュウ管を採用した直接冷却ダイバータターゲットの試験体を製作し、耐熱試験及び熱伝達特性の評価を行った。試験体構造は、直接M10ネジ穴(スクリュウ構造)を加工したCu-Cr-Zrのヒートシンクに無酸素銅(OFHC)間挿材を挟み、CFCタイルと一体で銀ロウ付けしたものである。熱負荷試験条件は、1MW/m~13MW/mで、それぞれ30秒間入射を行った。また、冷却水の流速は、4m/s(0.93MPa),5.6m/s(0.88MPa),8m/s(0.74MPa)と変化させた。試験体に取り付けた熱電対の温度とFEMの解析結果とを比較することにより、スクリュウ管の熱伝達係数を評価した。解析に用いた熱伝達係数は、評価式の確立した平滑管の2倍,3倍,4倍とした。その結果、上記3つの冷却条件において、スクリュウ管の熱伝達係数は、平滑管の約3倍となることがわかった。これは、スクリュウ管の1.5倍に相当する。熱サイクル試験では、10MW/m15秒,1400回の照射においても熱電対の温度変化に異常は見られず、ロウ付け部の損傷もなかった。
千々松 正和*; 谷口 航; 鈴木 英明*; 西垣 誠*
土木学会論文集, (687), p.9 - 25, 2001/09
本論は、土木学会論文集に投稿予定の原稿である。高レベル放射性廃棄物の地層処分における廃棄体定位置後のニアフィールドでは、廃棄体からの放熱、周辺岩盤から人工バリアへの地下水の侵入、地下水の侵入による緩衝材の膨潤圧の発生、周辺岩盤の地圧変化などの現象が相互に影響することが予想される。このような、熱-水-応力連成現象を評価することは、ニアフィールド環境の明確化の観点から重要な課題の一つである。本論では、緩衝材の水分移動等を考慮できるように改良した熱-水-応力連成モデルを用い、廃棄体定位置後の緩衝材の再冠水挙動に関する検討を行なった。また、連成解析と非連成解析との比較も実施した。
三井 隆也; 瀬戸 誠; 東谷口 聡*
no journal, ,
Feを富化した高品質の反強磁性体FeBO単結晶をネール温度直前で純核共鳴ブラッグ反射させると、放射光の優れたビーム特性「狭発散角,微小サイズ,偏光性,パルス性」を維持したまま、neV程度のバンド幅を持つシングルラインの超単色X線を高出力で取り出すことが可能になる。これをプローブ光に利用すれば、放射光によるエネルギー領域のメスバウアー分析が可能だが、これまでの研究ではエネルギー走査法として試料をドップラー振動させて測定する必要があった。しかしながら、極端条件下測定や回折実験を行う場合には、試料を固定して測定できることが望まれる。このためわれわれは、結晶・核モノクロメーター自身をドップラー振動させることで、試料を固定した状態でのメスバウアー分析の可能性を検証した。本発表では、この分光法の原理と実験結果を紹介する。
増田 亮; 三井 隆也; 北尾 真司*; 東谷口 聡*; 依田 芳卓*; 瀬戸 誠
no journal, ,
核分光器を用いて超単色化した放射光を用いて、neVのオーダーの非弾性散乱スペクトルが観測可能な光学系を開発した。この光学系は超単色化を実現する核分光器と、試料からの散乱のエネルギーを分析する核吸収体によって構成される。核分光器には、シングルライン構造の純核ブラッグ散乱をする、磁化の方向をそろえたネール温度近傍のFeBOの単結晶の(3 3 3)面を用い、核吸収体には、シングルラインの吸収スペクトルを持つFeを富化したステンレススチール箔を用いた。この分光光学系の性能評価のため、水晶振動子によって数十MHzの超音波振動を励起させたSi結晶の(3 3 3)面の非弾性散乱の、-500neVから+600neVの範囲のエネルギースペクトルを、約50neVの分解能で観測した。観測されたスペクトルには、超音波振動によって励起された音響振動による成分が明瞭に観測された。
谷口 直樹; 山口 真; 内藤 守正; 建石 剛*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物処分環境における炭素鋼オーバーパックの腐食に及ぼす放射線の影響を明らかにすることを目的として80Cの人工海水を用いて45Gy/hの線照射下における浸漬試験,自然電位測定,アノード/カソード分極測定を実施した。人工海水単独系では線照射による自然電位貴化,腐食量増加,カソード電流の増加が観察されたが、ベントナイト共存下では線照射による影響はほとんど認められなかった。
谷口 直樹; 山口 真; 内藤 守正; 建石 剛*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分における炭素鋼オーバーパックの腐食速度に対し、ガラス固化体からの線による地下水の放射線分解が与える影響を評価するため、線照射下で炭素鋼腐食試験を行った。人工海水中では80C, 30-50Gy/hの線量率で腐食速度の上昇が認められ、腐食電位の上昇及びカソード分極電流密度が増加したことから、過酸化水素などの放射線分解生成物のカソード反応への寄与により、腐食速度が増加した可能性が示唆された。一方、ベントナイト緩衝材中では、溶液中でみられたような線照射の効果は認められなかった。さらに、緩衝材の密度を変えても腐食速度はほとんど変化しなかった。ベントナイトによる線照射影響の抑制作用の発現機構について考察した。
谷口 直樹; 山口 真*; 建石 剛*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物地層処分におけるオーバーパック候補材料として炭素鋼が挙げられており、地層処分環境における炭素鋼の腐食挙動に関する検討が進められてきた。高レベル放射性廃棄物から発生する放射線(主に線)は、地下水の放射線分解を引き起こし、オーバーパックの腐食挙動に影響を与える可能性がある。そこで模擬地下水として海水系地下水を想定した人工海水を用いて線照射下での炭素鋼の腐食挙動を検討しており、本報では線の線量率による影響について検討した。その結果、人工海水単独系では線量率の大きいほど腐食速度も大きくなった。一方、緩衝材共存系では線量率による腐食速度への影響は認められなかった。