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大谷 恭平; 塚田 隆; 上野 文義
Materials Transactions, 62(6), p.763 - 769, 2021/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、低合金鋼上に気液交番環境下で形成された鉄さび層を、断面観察および分析により調査し、気液交番環境下での低合金鋼の腐食加速機構を明らかにした。断面観察および分析より、赤さび層(FeOOH),クラスト層(FeO),内部結晶(FeO)、および内部鉄さび層からなる多層の鉄さび層が低合金鋼上に形成されたことがわかった。この多層鉄さび層が酸素の還元反応を加速したことにより、低合金鋼の腐食速度が加速されたと考えられる。
塚田 隆; 相馬 康孝
保全学, 19(4), p.37 - 44, 2021/01
我が国初の軽水型発電炉であるJPDR(Japan Power Demonstration Reactor)において発生した二つの主要な腐食割れ損傷経験を解説する。第一の事例は1966年に発見されたJPDR圧力容器上蓋クラッド部におけるヘアークラックである。ヘアークラックは初臨界から7335時間の運転を経た第1定期点検において圧力容器上蓋の低合金鋼に肉盛りされたSUS304相当の層(クラッド部)において発見された。同損傷は各種分析に供され、割れは200箇所に渡り一部は厚さ6.4mmのクラッドを貫通して低合金鋼に達していること、並びに不適切な手溶接によると思われる金属相中のフェライト量の低下が確認された。これらの結果に基づいて種々の対策が施され、以後日本では同種の損傷が発生することを防止することができた。この事象はクラッドを貫通した割れが圧力容器低合金鋼の疲労破壊にどのように関連するかという安全上の重要課題を惹起し、その後の国際研究協力や規格策定に係わる「環境助長割れ」研究へと繋がって行った。第2の事例は1972年に発見された原子炉圧力容器ノズルセーフエンドと配管の溶接部における割れ現象である。この配管割れ現象は一次冷却水の漏洩を招いたため、各種の詳細調査が行われた。その結果、割れは高い応力,溶接熱影響による鋭敏化、および溶存酸素を含む高温水という因子が重畳して発生した応力腐食割れであると結論された。この損傷はその後商業用BWRに多発した一次冷却系配管のSCCと共通する現象であったと考えられる。
大谷 恭平; 塚田 隆; 上野 文義; 加藤 千明
材料と環境, 69(9), p.246 - 252, 2020/09
本研究では、気液交番環境における炭素鋼の腐食速度に及ぼす人工海水濃度の影響を調査し、更に人工海水濃度により異なる炭素鋼の腐食機構を明らかにすることを目的とした。その結果より、純水から200倍希釈人工海水までの薄い濃度領域では濃度の増大に伴って腐食速度は加速し、20倍希釈から無希釈人工海水までの濃い濃度領域では濃度の増大に伴って腐食速度は減少することを見出した。濃度の高い人工海水中で炭素鋼の腐食が抑制された理由は、腐食による表面近傍のpH増大に伴い人工海水中のMgやCaイオンが反応界面に析出して表面を覆うことで、酸素還元反応が抑制されたためであると考えられる。
大谷 恭平; 塚田 隆; 上野 文義
材料と環境, 68(8), p.205 - 211, 2019/08
本研究では、気相と液相を繰り返す環境で低合金鋼の表面に形成する鉄さび層を断面観察および分析により解析し、気相と液相を繰り返す環境における低合金鋼の腐食加速機構を解明することを目的とした。結果より、気液交番環境で低合金鋼には外側から赤さび層(-FeOOH), クラスト層(FeO), 内部結晶(FeO), 内部鉄さび層から成る多層の鉄さび層が形成することを見出した。鉄さび層は低合金鋼が水膜環境下に暴露されることで形成し、その構造に起因してカソード反応は常時水中に浸漬された場合よりも加速された状態を維持していたため、低合金鋼の腐食速度は増大したと考えられる。
端 邦樹; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 上野 文義; 塚田 隆; 岩瀬 彰宏*
Proceedings of Symposium on Water Chemistry and Corrosion in Nuclear Power Plants in Asia 2017 (AWC 2017) (USB Flash Drive), p.304 - 314, 2017/09
NaClとNaBrの混合水溶液についてラジオリシス計算を実施し、過酸化水素生成量についてこれまでの線照射実験結果との比較を行った。計算結果は実験結果をほぼ再現したが、高純度NaCl水溶液に対しては酸性条件で過小評価される傾向にあった。各化学反応に対する感度解析を実施したところ、塩化物イオン(Cl)とOHラジカル(OH)との反応の初期の3反応(Cl + OH ClOH、ClOH Cl + OH、ClOH + H Cl + HO)の速度定数の変化によって過酸化水素量は大きく変化した。本結果はこれらの化学反応の速度定数の正確な評価が海水のようなNaClを含む水溶液のラジオリシス計算の信頼性向上に重要であることを示している。さらに低合金鋼SQV2Aを用いた線照射下浸漬試験も実施し、NaClやNaBrが鋼材の照射下腐食に与える影響について調べた。基本的には腐食速度の変化は過酸化水素発生量の変化に追随したが、アルカリ性条件ではpH11付近で腐食速度が極大値をとり、12以上では高い過酸化水素濃度であるのに腐食がほとんど進行しなくなった。これは不働態皮膜が形成しているためであると考えられた。
福井 寿樹*; 牧 隆*; 三浦 信之; 塚田 毅志*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 23(2), p.169 - 173, 2016/12
次世代再処理ガラス固化技術基盤研究は、低レベル廃棄物をより安定した廃棄体とするためのガラス固化技術の基盤整備およびその知見を反映した高レベル廃液成分をより多くガラスに取り込む技術の開発を目的として、平成26年度から平成30年度までの5年間実施する計画である。
端 邦樹; 佐藤 智徳; 本岡 隆文; 上野 文義; 塙 悟史; 笠原 茂樹; 塚田 隆
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(8), p.1183 - 1191, 2016/08
被引用回数:6 パーセンタイル:48.81(Nuclear Science & Technology)Radiolysis calculations of simulated seawater were conducted using reported data on chemical yields and chemical reaction sets to predict the effects of seawater constituents on water radiolysis. Hydrogen, oxygen, and hydrogen peroxide were continuously produced from simulated seawater during -ray irradiation. The concentration of molecular hydrogen exceeded its saturation concentration before it reached the steady-state concentration. The production behavior of these molecules was significantly promoted by the addition of bromide ions because of the high reactivity of bromide anion with the hydroxyl radical, an effective hydrogen scavenger. It is also shown that the concentrations of these molecules were effectively suppressed at dilution levels of less than 1%.
端 邦樹; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 岩瀬 彰宏*; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 上野 文義; 塚田 隆
Nuclear Technology, 193(3), p.434 - 443, 2016/03
被引用回数:13 パーセンタイル:76.68(Nuclear Science & Technology)radiolysis experiments of solutions, which consisted of a mixture of NaCl and NaBr, were conducted to confirm the validity of radiolysis calculations of seawater simulated solutions and to determine the importance of Br in the production of HO via water radiolysis. The steady-state concentration of HO in each solution was measured after irradiation and compared to that obtained by radiolysis calculations. It was found that the calculated and experimental results were in good agreement. The concentration of HO in the 0.6 M NaCl solution increased approximately three times by the addition of 1 mM NaBr. The result showed that Br plays an important role in the production of HO by water radiolysis, presumably due to the reactions of Br with hydroxyl radical. The HO production of 1 mM NaCl solutions increased when the pH was either higher or lower than 8. It was considered that hydrated electron also plays an important role in HO production in these acidic and alkaline conditions.
小松 篤史; 塚田 隆; 上野 文義; 山本 正弘
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 4 Pages, 2015/05
希釈人工海水中における炭素鋼の腐食速度に及ぼす溶存酸素と過酸化水素の影響について調査した。酸素と過酸化水素の拡散係数と定常拡散層厚さを電気化学的方法により測定し、拡散限界電流を求めた。また、酸素と過酸化水素が存在する323Kの希釈人工海水中で炭素鋼の腐食試験も実施した。323Kにおいて過酸化水素の拡散係数は酸素の約0.8倍であり、定常拡散層厚さは同程度であった。同濃度で比較すると過酸化水素の拡散限界電流は酸素の約0.4倍と求まった。重量減測定より求めた炭素鋼の腐食速度を、酸素濃度に過酸化水素濃度の0.4倍を加えた値で整理すると良い相関関係が得られた。
本岡 隆文; 小松 篤史; 塚田 隆; 山本 正弘
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 18, 2015/03
人工海水でのジルカロイ2の孔食発生に対する線照射による水質変化の影響を調査した。人工海水への線照射により生成した過酸化水素が不動態被膜を形成し、その不動態被膜により孔食発生が困難になっていることを、溶液分析、電気化学試験並びに表面分析の結果から明らかにした。
端 邦樹; 塙 悟史; 本岡 隆文; 塚田 隆
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 22, 2015/03
福島第一原子力発電所では事故後の対応として炉内や使用済燃料プールへの海水注入が実施された。注入された海水は放射線に曝されるため、水の放射線分解生成物が発生すると考えられる。放射線分解生成物の中でも過酸化水素(HO)は鉄鋼材料の腐食に影響を与える酸化剤である。本研究では、照射された海水中に発生する過酸化水素の濃度が海水中のどの成分によって決められるのかということを明らかにするため、線照射した人工海水中のHO濃度を調べ、これまでのラジオリシス計算結果と比較検討した。個々の海水成分を添加した水溶液についても同様に調べ、HO生成に寄与する成分の同定を試みた。その結果、海水の放射線分解におけるHOの生成がClとBrの照射下での振る舞いに起因することを示した。
佐藤 智徳; 山本 正弘; 塚田 隆; 加藤 千明
材料と環境, 64(3), p.91 - 97, 2015/03
沸騰水型軽水炉(BWR)一次冷却系の冷却水は、水質管理により高純度な水質が維持される。さらに、水の放射線分解により生成される過酸化水素が酸化剤種として存在している。そこで、このような高温水中でのステンレス鋼のさらされている腐食環境を評価するため、支持電解質を添加せず、過酸化水素のみを添加した高温純水中に浸漬させたステンレス鋼の電気化学インピーダンス測定を実施した。過酸化水素の濃度条件を変えて測定した結果、測定された電気化学インピーダンスに顕著な変化が確認された。取得した結果の等価回路解析により、溶液抵抗、分極抵抗を同定した。同定された溶液抵抗をもとに、作用極と対極間の電流線分布に関して3次元有限要素法による解析を実施し、セル定数の補正を実施した結果、導電率として4.410S/cmが取得された。過酸化水素濃度を変化させた時の分極抵抗の変化から、分極抵抗の逆数が過酸化水素濃度の一次関数となることが示された。これは、ステンレス鋼表面の腐食電流が過酸化水素の拡散限界電流により決定されていることを示している。過酸化水素の高温水中での拡散係数の同定を実施した結果、1.510cm/sが取得された。これは沸騰水型軽水炉条件における過酸化水素の拡散係数として従来用いられた酸素の高温水中での拡散係数の約2倍となった。
山本 正弘; 中野 純一; 小松 篤史; 佐藤 智徳; 塚田 隆
Proceedings of 19th International Corrosion Congress (19th ICC) (CD-ROM), 6 Pages, 2014/11
福島第一原子力発電所事故対応において、圧力容器や格納容器の腐食が重要な課題である。現状不確定な要因としてこれらの金属の腐食に対する放射線の影響がある。そこで、線照射下でのこれらの金属の腐食試験を実施した。また、試験後の酸素や過酸化水素量も測定した。試験結果より、放射線の影響で腐食量が増加すること、また腐食と酸素や過酸化水素の量が対応していることが明らかになった。さらに、電気化学的試験より、過酸化水素の拡散係数は酸素の0.75倍であり、酸素と過酸化水素量より腐食速度が予測可能であることが分かった。
本岡 隆文; 塚田 隆
Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2014/10
福島第一原子力発電所(1F)では、2011年3月に海水が使用済燃料プールに注入された。ジルカロイ-2は1Fで燃料被覆管材として採用されているが、ジルカロイ-2を含むジルコニウム合金は、酸化性の塩化物水溶液で孔食の影響を受けやすい。本研究では、海水成分を含む水の放射線分解生成物が、ジルカロイ-2の孔食生起に及ぼす影響を調査した。線照射の前後に、海水成分を含有する水の組成変化を分析した。また、ジルカロイ-2の孔食電位測定を実施した。さらに、ジルカロイ-2表面に形成された酸化膜の特性をX線光電子分光法により評価した。海水成分を含む水の溶液分析では、線照射での過酸化水素の発生が示された。線照射下で皮膜形成したジルカロイ-2の孔食電位は非照射下のそれより高かった。ジルカロイ-2の酸化皮膜は酸化ジルコニウムであり、これは線照射中に厚くなることがわかった。線照射下で生成した皮膜を有するジルカロイ-2の孔食電位が高くなった原因は線照射下で酸化皮膜形成が進行することで説明された。
山本 正弘; 片山 英樹*; 佐藤 智徳; 塚田 隆
Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2014/10
福島第一発電所事故初期において、海水や河川水が冷却水として注入された。当初は、海水による腐食が懸念されたが、現在は脱塩化処理が進み、その懸念は小さくなっている。しかしながら、微生物の繁殖を抑える観点での処理が行われていないため、微生物腐食が懸念される。そこで、腐食電位を測定することによる微生物腐食の発生可否の評価を試みた。微生物の栄養分を添加した溶液ではすべての試験片の電位上昇が認められた。溶接部はより電位上昇に敏感であった。電位の変化は試験片面へのバイオフィルムの付着に影響を受けていることがわかった。100日間の浸漬では、微生物腐食の発生可否の判断はできず、より長い浸漬期間が必要と考えられる。
本岡 隆文; 小松 篤史; 塚田 隆; 山本 正弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(7-8), p.987 - 995, 2014/07
被引用回数:8 パーセンタイル:53.05(Nuclear Science & Technology)We investigated the effect of radiolysis on pit initiation of zircaloy-2 in water containing sea salt. Changes in the composition of water containing sea salt were analyzed as well, both before and after -ray irradiation. The characteristics of the resultant oxide films formed on zircaloy-2 were evaluated by X-ray photoelectron spectroscopy and electrochemical impedance spectroscopy. The experimental results showed that the pitting potential under irradiation was slightly higher than that under conditions in which no radiation was present, and that the pitting potential decreased with increasing chloride concentration in the presence as well as the absence of radiation. Solution analyses for water containing sea salt showed that hydrogen peroxide was generated by irradiation. The oxide film was composed of zirconium oxide and was made thicker during the irradiation. Under -ray irradiation, the zircaloy-2 surface with an oxide film formed by radiolysis products was found to be resistant to pitting in the presence of chloride.
中野 純一; 加治 芳行; 山本 正弘; 塚田 隆
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(7-8), p.977 - 986, 2014/07
被引用回数:4 パーセンタイル:30.65(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所(1F)の1、2および3号機では、海水が炉心に注入された。原子炉容器鋼の腐食が進行することが懸念されている。原子炉容器鋼耐久性を評価するために、50Cでの希釈海水中で腐食試験を線照射下で行った。10mg/Lおよび100mg/L NHを希釈海水中に添加した。NH無添加の希釈海水中において、0.2kGy/hで照射された鋼材の重量減少は非照射のそれと同等であり、4.4kGy/hで照射された鋼材の重量減少は非照射鋼材の約1.7倍まで増加した。NHを含む希釈海水中で照射された鋼材の重量減少はNH無添加の希釈海水中でのそれと同等であった。フラスコの気相をNで置換した場合、鋼材の重量減少、および希釈海水中のOおよびHO濃度は減少した。
鈴木 和博; 本岡 隆文; 塚田 隆; 寺川 友斗; 市瀬 健一; 沼田 正美; 菊池 博之
JAEA-Technology 2014-004, 29 Pages, 2014/03
東日本大震災の影響により、東京電力福島第一原子力発電所の2号機, 3号機及び4号機では、緊急冷却策として海水が冷却水として使用済燃料プールへ注入された。海水成分の塩化物イオンは金属材料に孔食を起こす原因物質であることから、使用済燃料プール内の燃料被覆管に孔食が発生・成長した場合、孔食部からの放射性物質の漏えいが懸念される。そこで、海水成分を含む使用済燃料プール水における燃料被覆管の閉込機能の健全性を評価するため、照射済燃料被覆管の孔食発生条件を孔食電位測定により調査することとした。本報告では、高放射性の使用済燃料から孔食電位測定用の試料を作製する技術の開発について報告する。専用機器の開発と作製手順の確立により、専用施設でのマニプレータによる遠隔操作によって、照射済燃料被覆管の孔食発生条件の調査を可能とした。
中野 純一; 山本 正弘; 塚田 隆
日本原子力学会和文論文誌, 13(1), p.1 - 6, 2014/03
東京電力福島第一原子力発電所(1F)の1, 2および3号機では、海水が炉心に注入された。炭素鋼と低合金鋼の腐食に及ぼす線照射の影響を調べるために、50Cでの希釈海水中で腐食試験を4.4kGy/hと0.2kGy/hの線量率の線照射下で行った。加えて、ヒドラジン(NH)を希釈海水中に添加した。NH無添加の希釈海水中において、0.2kGy/hで照射された鋼材の重量減少は非照射のそれと同等であり、4.4kGy/hで照射された鋼材の重量減少は非照射鋼材のそれの約1.7倍まで増加した。NHを含む希釈海水中で照射された鋼材の重量減少はNH無添加の希釈海水中でのそれと同等であった。線照射試験中、Nをフラスコの気相に導入した場合、鋼材の重量減少は減少した。
中野 純一; 佐藤 智徳; 加藤 千明; 山本 正弘; 塚田 隆; 加治 芳行
Journal of Nuclear Materials, 444(1-3), p.454 - 461, 2014/01
被引用回数:3 パーセンタイル:23.66(Materials Science, Multidisciplinary)沸騰水型原子炉(BWR)の運転温度よりも低い温度において、ステンレス鋼(SS)の応力腐食割れ(SCC)に及ぼす過酸化水素(HO)の影響を評価するため、HOを含む561423Kの高温水中でき裂進展試験を行った。小型コンパクト・テンション(CT)試験片を熱鋭敏化304SSから作製した。100ppbのHOを含む561Kの高温水中での試験では、CT試験片のサイドグルーブ近傍に粒界型SCC(IGSCC)の小さな領域が認められたにもかかわらず、423及び453KではCT試験片の中央部までIGSCC領域が拡大した。SCCに及ぼすHOの影響はBWR運転温度よりも低い温度で著しく現れた。き裂中の環境を評価するため、破面及び疲労予き裂上の外層酸化物分布をレーザーラマン分析により調べるとともに熱平衡計算を行った。