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論文

高放射性廃液貯槽の廃液撹拌用三方弁等交換時における作業員の被ばく低減対策

礒崎 尚彦; 森本 憲次; 古川 竜一; 坪井 雅俊; 矢田 祐士; 三好 竜太; 内田 豊実; 池澤 和美*; 黒澤 健二*

日本保全学会第16回学術講演会要旨集, p.225 - 228, 2019/07

東海再処理施設では、使用済燃料の再処理の過程で発生した高放射性の廃液をガラス固化するまで貯蔵している。貯蔵に当たっては不溶解残渣等の沈降を防ぐために、定期的に槽内の液を圧縮空気により脈動させて撹拌している。撹拌を行うために三方弁やボール弁が設置されているが、これらの弁を保全のために交換する際に作業員の放射線被ばくが高くなる問題があったことから被ばく低減に取り組んだ内容を報告する。

論文

Corrosion evaluation of uranyl nitrate solution evaporator and denitrator in Tokai Reprocessing Plant

山中 淳至; 橋本 孝和; 内田 豊実; 白土 陽治; 磯崎 敏彦; 中村 芳信

Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 6 Pages, 2011/12

東海再処理工場(TRP)はPUREX法を採用し、1977年以降、1140tHMの使用済燃料を処理してきた。再処理プロセスでは、溶液中の硝酸濃度,U, Pu,核分裂生成物等のイオン濃度及び温度が異なることから、さまざまな腐食環境の中にあり、耐食性を考慮のうえ各機器の材料にステンレス鋼やチタン鋼を選定している。材料の腐食環境の厳しさは溶液の硝酸濃度と温度に依存し、溶液中のUは、ステンレス鋼の腐食に与える影響は小さく、チタン鋼の腐食速度を抑制するとされている。TRPで硝酸ウラニル溶液を取扱う機器は硝酸濃度も低く、これまで腐食故障を経験していない。しかしながら、U濃度の上昇に伴い、ステンレス鋼の腐食速度が若干増加する報告もある。TRPで硝酸ウラニル溶液を取扱う機器として、U濃度を最大約1000gU/lまで高める蒸発缶や約320$$^{circ}$$Cの高温でUO$$_{3}$$粉末に転換する脱硝塔は、高濃度かつ高温のUを取扱うため、腐食の進行の程度を把握しておくべきであると考える。これらの機器について厚さ測定により評価を行った結果、その腐食速度はわずかであり、今後も健全に使用できることを確認した。

口頭

東海再処理工場のTi製ウラン溶液蒸発缶の腐食評価

白土 陽治; 磯崎 敏彦; 岸 義之; 磯部 洋康; 中村 芳信; 内田 豊実; 妹尾 重男

no journal, , 

再処理プロセスでは硝酸濃度,使用温度,U, Pu等の金属イオンの存在により腐食環境が異なるため構造材もその環境に応じたものを使用しており、1000gU/Lと高濃度の硝酸ウラニル溶液を扱う、ウラン溶液蒸発缶ではTi材が用いられている。ウラン存在下での硝酸溶液中のTi材の腐食評価はこれまでも報告されているが、高濃度のウラン溶液の試験データの報告例は少ない。そこで、東海再処理工場にあるウラン溶液蒸発缶(第2段)での腐食評価を行った。評価項目として、蒸発缶胴部の肉厚測定及び内部の腐食状況の目視観察を実施し、その結果、気相部の減肉量は約0.13mmで、運転時間(約20000時間)から求めた腐食速度は約0.06mm/yであり、液相部の減肉量は0.03mmで、超音波接触子の精度$$pm$$0.1mmを考慮すると腐食はほとんどないことがわかった。また、蒸発缶の内部観察の結果では、減肉が認められた気相部表面にはざらつきが見られたものの、減肉していない液相部及び伝熱管では金属光沢を呈していた。今回の試験結果から蒸発缶の腐食しろがなくなるまで今後10年以上運転が可能であるが、予防保全の観点から今後も継続して腐食評価を行っていく。

口頭

東海再処理施設のウラン脱硝塔の運転経験

磯崎 敏彦; 白土 陽治; 蔦木 浩一; 吉野 保之; 内田 豊実; 中村 芳信

no journal, , 

ウラン脱硝塔は、硝酸ウラニル溶液(以下、UNH)を、流動層を用いた直接脱硝法により三酸化ウラン粉末(以下、UO$$_{3}$$)に転換する装置であり、高濃度のUNHを取り扱うため晶結しやすく、施設建設当初に設置の分離精製工場のウラン脱硝塔(MP脱硝塔)では、噴霧ノズル(以下、ノズル)の先端部での閉塞を防止するなどの課題があった。このため、流動層の安定化及びノズルの挿入位置の最適化により噴霧状態の安定化を図り、ノズルの閉塞防止及びノズルケーキの生成を抑制させ、連続運転を可能とした。一方、ノズルケーキの影響を少なくするためにUO$$_{3}$$粉末の抜き出しにオーバーフロー方式を採用した新設のウラン脱硝施設のウラン脱硝塔(DN脱硝塔)は、MP脱硝塔で得られた知見を反映させ、噴霧エア流量とUNH供給流量の流量比の最適化を図るとともにノズルの製作及び組立精度を向上させるためのノズル先端部外筒の削り出し一体加工及び外筒内へのUO$$_{3}$$粉末の巻き込みを防ぐためのフラットタイプ型外筒を採用するなどの技術改良を行った。これらによりノズルの閉塞防止を図り1か月以上の安定した連続運転を可能とした。

口頭

回収ウラン粉末の物性調査

村上 学; 山中 淳至; 中澤 豊; 後藤 雄一; 白土 陽治; 内田 豊実

no journal, , 

使用済燃料から回収したウラン粉末には、ごく微量のU-232が含まれており、このU-232の娘核種であるBi-212, Tl-208が$$gamma$$線源となり、ウラン粉末を貯蔵する容器表面の線量率を上昇させるため、当該ウラン粉末を再利用する際の作業員の外部被ばくが問題となる。このため、貯蔵期間の異なるウラン粉末のBi-212, Tl-208含有量と線量率の関係を調査した。さらに、ウラン粉末は高い吸水性を有していることから、長期貯蔵下における、ウラン粉末中の含水率も調査した。調査の結果、Bi-212, Tl-208の含有量はORIGEN値をもとに計算した結果と分析値がおおむね一致し、貯蔵容器の表面線量率と、ウラン粉末中のBi-212, Tl-208の含有量に良い相関があることが認められた。また、含水率については貯蔵容器への充填時のデータと比較しても上昇は見られず、ウラン粉末長期貯蔵下における貯蔵容器の気密性に問題のないことを確認した。

口頭

高放射性廃液貯蔵工程オフガス処理系の運転管理

蔦木 浩一; 吉野 保之; 青山 和明; 富山 祐弘; 内田 豊実; 中村 芳信

no journal, , 

高放射性廃液貯槽のオフガスは、洗浄塔で洗浄されフィルタでろ過された後、主排気筒から放出される。高放射性廃液貯蔵場では、当初、純水を連続供給しオフガスの洗浄を行っていたが、廃液が多く発生するとともにオフガス系へ移行した硝酸根を除去しきれず高性能フィルタが目詰まりすることがあった。このため、廃液及び廃棄物の低減を目的とし水酸化ナトリウム水溶液での洗浄に変更した。洗浄塔をアルカリ管理することで廃液発生量を従来の1/10以上に低減し、さらにフィルタの目詰まりを防止することができた。また、オフガス系フィルタの交換実績からフィルタの線量上昇を与えている原因を特定し、作業手順の標準化を図ることで交換回数及び廃棄物を低減し、さらに作業員への被ばく量を低減することができた。フィルタ交換に際し、被ばくに寄与する核種を検証するため、高放射性廃液貯槽の貯蔵中の高放射性廃液からオフガス系に移行する放射性核種の調査を行った結果、洗浄塔で捕集される放射性核種は、$$^{137}$$Cs, $$^{134}$$Cs, $$^{106}$$Ruがほとんどを占め、移行率についてはいずれも10$$^{-10}$$オーダー(1/day)で、揮発性とされるルテニウムにも違いは認められなかった。

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