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論文

Effects of hydrophilic groups of polymer on change in hydrogen-bonding structure of water in hydrogels during dehydration

杉山 仁志*; 加藤 謙一*; 関根 直子*; 関根 由莉奈; 渡邉 友亮*; 深澤 倫子*

Chemical Physics Letters, 856, p.141655_1 - 141655_8, 2024/12

 被引用回数:0

ハイドロゲル中の水の構造に対する高分子側鎖の疎水性の影響を調べるために、DSCとXRD測定を実施した。ポリアクリルアミド(PAA)ゲルに含まれる中間水の量はポリ-$$N,N$$-ジメチルアクリルアミド(PDMAA)と比べて少量であった。PAAゲルの場合、束縛水はポリマー鎖表面に存在しているのに対して、PDMAAゲルでは架橋因子として機能していることが明らかになった。

論文

Initial verification and validation of a new CASMO5 JENDL-5 nuclear data library for typical LWR applications

渡邉 友章; 須山 賢也; 多田 健一; Ferrer, R. M.*; Hykes, J.*; Wemple, C. A.*

Nuclear Science and Engineering, 198(11), p.2230 - 2239, 2024/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

先進的格子計算コードCASMO5用の新しい核データライブラリをJENDL-5に基づいて作成した。JENDL-5では、従来の軽水炉解析に不可欠な多くの核種の核データが最新の評価に基づいて更新されている。新しいJENDL-5ベースのCASMO5ライブラリは、現行のCASMO5用ENDF/B-VII.1ベースのライブラリの核データを可能な限りJENDL-5に置き換えることにより作成された。本研究では、この新しいライブラリの検証と妥当性の確認を行った。OECD/NEA燃焼度クレジット臨界安全ベンチマークフェーズIII-Cに基づき検証を行い、計算されたk$$_{inf}$$及びBWR燃料集合体の燃料組成を報告されているベンチマーク結果と比較した。また、同じベンチマークモデルを用いてMCNP6.2の結果との比較も行った。さらに、TCA臨界実験と高浜3号照射後試験を検証に用いた。その結果、新しいライブラリは、軽水炉システムの反応度及び燃料組成の予測において、ENDF/B-VII.1ベースのライブラリと同等かつ良好な性能を示した。

報告書

Proceedings of the 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023); October 1-6, 2023, Sendai International Center, Sendai, Miyagi, Japan

須山 賢也; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大; 島田 和弥; 藤田 達也; 植木 太郎; Nguyen, H.

JAEA-Conf 2024-001, 40 Pages, 2024/07

JAEA-Conf-2024-001.pdf:1.28MB
JAEA-Conf-2024-001-appendix(CD-ROM).zip:163.97MB

第12回臨界安全性国際会議(ICNC2023)は2023年10月1日から10月6日に仙台国際センター(〒980-0856宮城県仙台市青葉区青葉山)において、日本原子力研究開発機構(原子力機構)の主催、日本原子力学会炉物理部会と経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の共催によって開催された。最終的に査読を通過した224件の発表と273名のテクニカルセッション参加登録があり、同伴者を含めた総登録数は289名であった。テクニカルツアーもi)東京電力福島第一原子力発電所及び中間貯蔵工事情報センター、ii)原子力機構原子力科学研究所(STACY更新炉及びFCA)、iii)東北大学ナノテラス(放射光施設)及び東北電力女川原子力発電所の3コースで実施された。会議の概要とともに、発表された論文で予稿集掲載に合意されたものを本報告書に取り纏めた。

論文

Power profile analysis of criticality accidents involving fissile solution boiling with considering evaporation

渡邉 友章; 山根 祐一

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(7), p.958 - 966, 2024/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

核分裂性溶液の沸騰を伴う臨界事故では、沸騰中に比較的高い核分裂出力が継続するため、放出される総核分裂エネルギーが高くなる傾向がある。このような場合において総核分裂エネルギーを推定するためには、沸騰中の核分裂出力変化を正確に模擬することが必要不可欠と考えられる。沸騰時の核分裂出力は、核分裂性物質の濃度や溶液の蒸発に伴う体積によって変化する。本研究では、長時間の沸騰における核分裂生成物濃度と体積の変化が総核分裂エネルギー推定に与える影響を調査した。改良準定常法に核分裂性溶液の蒸発を計算するモデルを導入し、沸騰中の出力変化を模擬した。3つのCRAC実験と1959年のIdaho Chemical Processing Plant(ICPP)臨界事故を解析した。その結果、沸騰時の濃度と体積変化を考慮して得られたエネルギー計算値は、エネルギー測定値をよく再現した。

論文

PHYSOR2024参加報告

渡邉 友章

炉物理の研究(インターネット), (77), 3 Pages, 2024/06

2024年4月にサンフランシスコで開催された炉物理国際会議PHYSOR2024に参加した。本報告では、会議の様子や会議参加を通じて得られた所感等について述べる。

論文

Application of Monte Carlo solver Solomon to critical mass calculation of fuel randomization system

渡邉 友章; 植木 太郎; 須山 賢也

Proceedings of International Conference on Physics of Reactors (PHYSOR 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/04

原子力機構が開発中のモンテカルロソルバーSolomonは、燃料デブリの臨界性評価を目的とした複数の物質の乱雑体系における臨界性の計算が可能である。本研究では、Solomonを用いて燃料乱雑体系の臨界量計算を実施することにより、燃料デブリの臨界量計算へのSolomonの適用性を検討した。臨界量計算では、燃焼度の異なる燃料と水が乱雑に分布するような燃料乱雑体系に対してSolomonの不完全確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF)モデルあるいはボクセル形状によりモデル化された。また、単純な均質系及び不均質系の臨界量計算を行い、燃料乱雑体系の臨界量と比較した。その結果、燃料の乱雑化によって臨界量が大きく変化することが分かった。得られた臨界量は正規分布に近い分布をしており、臨界量の不確かさをSolomonにより得られた標準偏差により推定できる見通しが得られた。また、燃料の乱雑さによる不確かさを考慮した場合、Solomonによって得られた臨界量は単純な非均質体系のものよりも小さくなるケースが見いだされた。この結果から、Solomonが燃料デブリの臨界安全評価において妥当な安全裕度の推定などに有用である可能性が示された。

論文

Impact of nuclear data revised from JENDL-4.0 to JENDL-5 on PWR spent fuel nuclide composition

渡邉 友章; 多田 健一; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1386 - 1396, 2023/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:80.03(Nuclear Science & Technology)

使用済み燃料の核種組成を計算する燃焼計算は核データに大きく依存する。日本における最新の評価済み核データJENDL-5では多くの核種がJENDL-4.0から修正されており、その修正は燃焼計算に影響を及ぼす。本研究では、燃焼計算におけるJENDL-5の妥当性を確認した。検証には高浜3号機のPIEデータを使用した。JENDL-4.0からJENDL-5への例えば断面積や核分裂収率等のパラメータ変更が核種組成に与える影響を定量的に調査した。計算の結果、JENDL-5はJENDL-4.0と同程度の性能を有することがわかった。また計算結果から、アクチニド核種の断面積、核分裂収率、H$$_{2}$$O中の水素の熱中性子散乱則データの変更がPWR使用済燃料の核種組成に影響を与えることが明らかになった。

論文

Study on criticality safety control of fuel debris for validation of methodology applied to the safety regulation

須山 賢也; 植木 太郎; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大; 山根 祐一; 井澤 一彦; 長家 康展; 菊地 丈夫; et al.

Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 6 Pages, 2023/10

2011年の福島第一原子力発電所の事故により発生した燃料デブリの臨界安全性評価において採用される手法の妥当性を臨界実験で得られたデータに基づいて検証するため、NRAからの委託により原子力機構は2014年から関連研究開発プロジェクトを実施している。このプロジェクトにおいては、i)燃料デブリの臨界特性の網羅的計算とデータベース化(燃料デブリ臨界マップの開発)、ii)新しい連続エネルギーモンテカルロコードの開発、iii)臨界事故の評価、iv)臨界安全性評価手法の検証実験のための臨界集合体STACYの改良などが行われている。前回のICNC2019以降、本プロジェクトは2024年5月に正式運転を開始するSTACYの改造やパワースペクトルに準拠した空間ランダム分布を持つ物質の臨界計算に適したモンテカルロコード「Solomon」の開発で大きな進展があった。本発表では、この研究開発プロジェクトの全体像と各技術トピックの状況について紹介する。

論文

Comparison of neutronic characteristics of BWR burnup fuel between JENDL-4.0 and JENDL-5

渡邉 友章; 多田 健一; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*

Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 10 Pages, 2023/10

2021年に公開された最新の日本の評価済み核データライブラリであるJENDL-5では、U-235を始めとした重核種や可燃性毒物として燃料に含まれるGd-155及びGd-157の断面積が修正されている。また、燃焼燃料の特性把握に必要不可欠な核分裂収率や崩壊データが全面的に見直されている。本研究では、JENDL-5の妥当性確認の一環として、これらJENDL-5において修正された核データが燃焼燃料の核特性に与える影響を調査した。BWRの9$$times$$9型STEP-3燃料に基づくOECD/NEA燃焼ベンチマークPhase III-CをJENDL-4.0とJENDL-5を用いて解析を行い、両者のk$$_{inf}$$を比較した。その結果、JENDL-5は燃焼を通じてk$$_{inf}$$を小さく評価し、12GWd/tのk$$_{inf}$$のピークあたりで約600pcmの大きな差異が生じること、また20GWd/t以降は燃焼度の増加につれて差異が拡大し、50GWd/tで約600pcmに達することが分かった。また本研究では、核種毎にJENDL-4.0からJENDL-5に核データを入れ替えて計算を行うことで、k$$_{inf}$$の差異にどの核種の核データが寄与しているかを調査した。

論文

Inter-codes and nuclear data comparison under collaboration works between IRSN and JAEA

郡司 智; 荒木 祥平; 渡邉 友章; Fernex, F.*; Leclaire, N.*; Bardelay, A.*; 須山 賢也

Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 9 Pages, 2023/10

フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)と日本原子力研究開発機構(JAEA)は、臨界安全分野において長年のパートナーシップを築いている。今回の共同研究でIRSNとJAEAは、JAEAが更新する新しい臨界実験装置STACYを用いた共同実験を計画している。STACY実験の計画で両機関が使用するコード(MVP3, MORET6など)や核データ(JENDL, JEFF)を比較するため、両機関がかつて所有していた臨界集合体であるApparatus BとTCAのICSBEPハンドブックからのベンチマーク、新しいSTACYの計算モデルについて計算結果の比較が実施された。新STACYの計算モデルを含め、数種類の中性子減速条件と臨界水高さを含む計算を行い、その計算結果には、核データライブラリの処理や形式に起因すると思われるわずかな系統的な差異があった。しかし、新しいコードと新しい核データを含む計算結果は、概して実験値とよく一致することがわかった。したがって、双方の有する計算ツールを新STACYの実験設計に利用することに問題はない。加えて、JENDL-5に含まれる新しいTSLデータが実効増倍率に与える影響についても計算解析で調査した。これらの計算結果に対する実験的検証は、両研究機関共同による新STACYの臨界実験によって行われる予定である。

論文

Revision of the criticality safety handbook in light of the reality of the nuclear fuel cycle in Japan; With a view to transportation and storage of fuel debris

須山 賢也; 植木 太郎; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大

Proceedings of 20th International Symposium on the Packaging and Transportation of Radioactive Materials (PATRAM22) (Internet), 5 Pages, 2023/06

1990年代以降計算機能力が向上して連続エネルギーモンテカルロコードが広く使用されるようになってから、どのような複雑な体系であっても必要なときに高精度な臨界計算が可能となり、臨界安全評価におけるハンドブック類の存在意義は大きく変化した。大量の計算をあらかじめ行ってデータを整理しておくことの価値は低下したため、1999年に第2版が公刊されて以降、過去四半世紀近く我が国では臨界安全ハンドブックの改訂は行われて来なかった。2011年に福島第一原子力発電所事故が発生した我が国では、複雑な構成元素を含む燃料デブリの輸送や貯蔵における臨界安全問題を取り扱う必要に迫られており、そのような複雑な物質の臨界安全管理のためのデータの整理が喫緊の課題となっている。また、燃焼度クレジットの分野では、事故の影響のために到達燃焼度の低い燃料集合体の輸送や貯蔵も課題となる。そして、連続エネルギーモンテカルロコードの入力となる核データは1990年代から数回改訂されてJENDL-5が2021年末から利用できるようになるなど、その取り入れも現場のニーズとして上がってきている。本報告では我が国における最新の臨界安全研究の概要と、輸送や貯蔵分野に適用することも可能な我が国における臨界安全ハンドブックの改訂計画について報告する。

論文

Design and actual performance of J-PARC 3 GeV rapid cycling synchrotron for high-intensity operation

山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:72.25(Nuclear Science & Technology)

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。

論文

Progress of criticality control study on fuel debris by Japan Atomic Energy Agency to support Secretariat of Nuclear Regulation Authority

外池 幸太郎; 渡邉 友章; 郡司 智; 山根 祐一; 長家 康展; 梅田 幹; 井澤 一彦; 小川 和彦

Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09

福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに係る臨界管理は、臨界を防止する決定論的な管理ではなく、臨界による影響を緩和するリスクの考え方に基づいた管理になる可能性がある。この課題に取り組むため、原子力規制委員会・規制庁は、2014年から、日本原子力研究開発機構に委託して研究開発を進めてきている。燃料デブリの臨界特性解析、臨界解析コードの整備、臨界実験の準備、リスク解析手法の開発の進捗について報告する。

論文

Criticality characteristics of fuel debris mixed by fuels with different burnups based on fuel loading pattern

渡邉 友章; 大久保 清志*; 荒木 祥平; 外池 幸太郎

Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 8 Pages, 2019/09

The fuel debris produced by the accident of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) is probably in a state of mixture of burned fuels with different burnups each other. In such a case, the mixing ratio of burned fuels in fuel debris would affect its criticality. This report shows computation results of criticality characteristics of fuel-debris compositions prepared by mixing nuclide compositions of burned fuels in various patterns based on a fuel loading pattern. The results indicate that fuel debris is potentially subcritical when 1-cycle fuels, whose average burnup is several GWd/t, are included homogeneously in fuel debris because remaining $$^{155}$$Gd and $$^{157}$$Gd in 1-cycle fuels works to reduce neutron multiplication. The results also indicate that $$^{155,157}$$Gd/$$^{235}$$U ratio well characterize criticality of fuel debris.

論文

理研超伝導加速空洞用ビームエネルギー・位置モニターのマッピング測定

渡邉 環*; 外山 毅*; 花村 幸篤*; 今尾 浩司*; 上垣外 修一*; 鴨志田 敦史*; 河内 敏彦*; 小山 亮*; 坂本 成彦*; 福西 暢尚*; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1105 - 1108, 2019/07

現在、仁科加速器研究センターにおいて、超伝導加速空洞を建設中である。破壊型ビーム診断装置を用いたビーム測定は脱ガスを発生するため、超伝導加速空洞の性能を示すQ値や表面抵抗値を、長期的に維持することが難しくなる。そのために、非破壊型のビーム診断装置による測定が必須となる。そこで、斜めに四分割した静電型ピックアップを用いたビーム位置モニターシステム(BEPM)の開発を行い、計11台を完成させた。このシステムは、BEPM間の距離を正確に測定した2台のBEPMを用いて、ビームの飛行時間(TOF)を測定し、ビームの位置情報と同時に、ビームエネルギー値も得られるという利点を有する。終段のBEPMは、ビームエネルギーの情報が非常に重要になる、超重元素探索装置GARIS IIIや、医療用RIアスタチンの製造に使用される予定である。2019年度は、BEPM内にワイヤーを張り、上下左右に動かすことにより、そのワイヤーの位置と各電極の出力の相関を測定する校正作業(マッピング)を行うため、BEPMを固定する冶具とワイヤーを囲むダミーダクトの設計と製作を行った。校正装置本体は、J-PARC 50GeVシンクロトロンMRのマッピング用に開発された校正装置を利用させて頂いた。今回の学会では、マッピングによる測定の結果とその考察にについて発表をする。

論文

A Radiation hardened CMOS image sensor with almost zero dark current increase during radiation

渡辺 恭志*; 武内 伴照; 小沢 治*; 駒野目 裕久*; 赤堀 知行*; 土谷 邦彦

Proceedings of 2019 International Image Sensor Workshop (IISW 2019) (Internet), 4 Pages, 2019/06

耐放射線性イメージセンサは、過去数十年にわたって世界中で開発されてきた。これまでのほとんどの論文では、放射線照射前後の特性変化の議論に終始しており、放射線照射中の画質についてはほぼ検討されていない状況であった。我々は、新しいタイプの耐放射線性ピクセルを開発し、130万ピクセルかつ18ビットデジタルのCMOSイメージセンサに仕上げた。ピクセル領域は数種類の異なるサブタイプのセンサーを搭載しており、センサーは1kGy/h以上の線量率で、積算で200kGyまでのガンマ線照射を実施し、照射中の挙動を調べた。その結果、あるサブタイプのピクセルでは、全照射期間で暗電流の増加がほとんどゼロであることが判明した。

論文

Development of radiation resistant monitoring camera system

武内 伴照; 大塚 紀彰; 渡辺 恭志*; 田中 茂雄*; 小沢 治*; 駒野目 裕久*; 上野 俊二*; 土谷 邦彦

Proceedings of 2017 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC 2017) (Internet), 3 Pages, 2018/11

福島第一原子力発電所事故の教訓から、過酷事故時の環境でも原子炉建屋内の監視が可能な耐放射線性カメラシステムの開発を開始した。本研究は、カメラを構成する部品の要素技術開発を行い、カメラシステムの試作・性能を評価した。まず、要素技術開発として放射線環境下において100Gy未満で使用不能となるイメージセンサの劣化主因が暗電流増加であることを明らかにし、トランジスタの数を4つから3つに減らすとともに光電変換構造としてフォトゲート型を採用することで暗電流の軽減を図った。その結果、イメージセンサの耐放射線性は200kGy以上にまで向上した。また、光学系については、石英とフッ化カルシウムを用いた耐放射線プリズムとズームレンズにすることにより、1MGy照射後においても十分な性能を有することを示した。一方、その他の電子部品については、100kGy未満で故障するものもあり、一部に遮蔽構造を採用した。これらの結果を踏まえ、開発したカメラシステムが900kGy以上の照射線量でも良好な画像を取得できることを明らかにした。

論文

原子力発電所の廃炉技術最前線; 福島第一原発の廃止措置に向けた取り組み,4; 耐放射線性イメージセンサの開発

渡辺 恭志*; 小澤 治*; 武内 伴照

電気学会誌, 138(8), p.529 - 534, 2018/08

放射線環境下でも使用可能な観察・通信機器開発の一環として、耐放射線性カメラの開発に取り組んでいる。本研究では、放射線によるカメラ画質劣化の主因であるイメージセンサ内の暗電流を抑制するため、イメージセンサの光電変換部近傍にフォトゲートを有する素子を試作し、$$gamma$$線を照射して暗電流と光電変換感度を測定した。その結果、一般的なフォトダイオードを有する素子よりも、照射後における暗電流特性及び光電変換感度が優れていることが分かった。また、カメラ光学系に関して、石英を主体とするレンズ及びプリズムを試作し、耐放射線性が大幅に向上することが分かった。これらの成果から、遮蔽が不要な200kGy以上の耐放射線性を有するカメラの実現に目途を付けた。

論文

理研超伝導加速空洞用ビームエネルギー・位置モニターの開発

渡邉 環*; 今尾 浩士*; 上垣外 修一*; 坂本 成彦*; 福西 暢尚*; 藤巻 正樹*; 山田 一成*; 渡邉 裕*; 小山 亮*; 外山 毅*; et al.

Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.49 - 54, 2018/08

現在、仁科加速器研究センターにおいて、超伝導加速空洞を建設中である。超伝導加速空洞の性能を示すQ値や表面抵抗値を維持するためには、脱ガスを発生するビーム診断装置は使用できず、非破壊型のビーム診断装置による測定が必須となる。そこで、斜めに四分割した静電型ピックアップを用いたビーム位置モニターシステムの開発を行ってきた。このシステムは、モニター間の距離を正確に測定した2台のモニターを用いて、ビームの飛行時間(TOF)を測定し、ビームの位置情報と同時に、ビームエネルギー値も得ることができるという特色を持つ。平成29年度は、このプロトタイプを完成させ、仁科センターのビーム輸送系に設置した。信号処理系やLabVIEWによるソフトウエアの開発も同時に進め、RIBFにおけるウランビーム加速時に試験を行ってきた。その結果、常時リアルタイムによる測定や測定結果の表示・保存が可能となった。今回の学会では、超伝導加速空洞用に開発を進めているビームエネルギー・位置モニターシステムについて発表をする。

論文

SFCOMPO-2.0; An OECD NEA database of spent nuclear fuel isotopic assays, reactor design specifications, and operating data

Michel-Sendis, F.*; Gauld, I.*; Martinez, J. S.*; Alejano, C.*; Bossant, M.*; Boulanger, D.*; Cabellos, O.*; Chrapciak, V.*; Conde, J.*; Fast, I.*; et al.

Annals of Nuclear Energy, 110, p.779 - 788, 2017/12

 被引用回数:71 パーセンタイル:99.17(Nuclear Science & Technology)

SFCOMPO-2.0 is the new release of the NEA database of experimentally measured assays, i.e. isotopic concentrations from destructive radiochemical analyses of spent nuclear fuel samples, complemented with design information of the fuel assembly and fuel rod from which each sample was taken, as well as with relevant information on operating conditions and characteristics of the host reactors, which are necessary for the modelling and simulation of the isotopic evolution of the fuel during irradiation. SFCOMPO-2.0 has been developed and is maintained by the OECD Nuclear Energy Agency (NEA) under the guidance of the Expert Group on Assay Data of Spent Nuclear Fuel (EGADSNF) of the NEA Working Party on Nuclear Criticality Safety (WPNCS). In this paper, the new database is described. Applications of SFCOMPO-2.0 for computer code validation, integral nuclear data benchmarking, and uncertainty analysis in nuclear waste package analysis are briefly illustrated.

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