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小林 和容; 林 巧; 岩井 保則; 山西 敏彦; Willms, R. S.*; Carlson, R. V.*
Fusion Science and Technology, 54(1), p.311 - 314, 2008/07
被引用回数:2 パーセンタイル:16.99(Nuclear Science & Technology)ITER及び将来の核融合炉建設に向けて、環境へのトリチウム放出や作業従事者被ばくを低減し安全を確保する観点から、最終閉じ込め系である建屋内のトリチウムの挙動を把握することは重要である。そこで、本研究では、米国ロスアラモス国立研究所トリチウム試験設備の管理区域を用い、条件を変えて(放出位置や水素同位体量の違いによる影響)計画的に3回のトリチウム放出実験を実施し、建家内のトリチウム挙動に関するデータを取得した。その結果、いずれの条件においても、トリチウム放出直後におけるトリチウムモニターの応答性に違いは見られるものの、均一濃度に達するまでの時間は、30分から40分程度であり、大きな違いは見られなかった。また、その結果を改良した汎用性三次元流体解析コード(FLOW-3D)を用い解析した結果、実験結果をよく反映することが可能となった。
岩井 保則; 山西 敏彦; 中村 博文; 磯部 兼嗣; 西 正孝; Willms, R. S.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(6), p.661 - 669, 2002/06
被引用回数:14 パーセンタイル:65.6(Nuclear Science & Technology)ITERの燃料循環システムでは、水素同位体分離システム(ISS)を構成する深冷蒸留塔内にトリチウムの大部分が滞留することが予想されている。そのため、高い精度を有するISS内水素同位体滞留量解析評価手法が安全確保の観点から強く求められている。ISS内のインベントリー評価手法の確立のために日米協力のもと、ロスアラモス研究所トリチウムシステム試験施設の有するITER規模の深冷蒸留塔を用いた実験を計画し実施した。この結果を評価し、今回提案した数値解析評価手法により深冷蒸留塔内の水素同位体滞留量を精度よく評価できることを確認し、本手法がITER規模の深冷蒸留塔に有効であることを明らかとした。本手法の精度は塔内の濃度分布に依存せず、特に重水素の液ホールドアップ率は塔の形状の違いにほとんど影響されないことを見いだした。またITER規模の深冷蒸留塔では液の滞留量に対してガスの滞留量も無視できないことを見いだした。
岩井 保則; 中村 博文; 小西 哲之; 西 正孝; Willms, R. S.*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.668 - 672, 2002/05
核融合実験炉の燃料循環システムではトリチウムの大部分が水素同位体分離システム(ISS)の深冷蒸留塔に液の形で滞留する。ISSの冷却材喪失事象は塔内の液化水素の異常な蒸発を引起こす。核融合炉の安全性の観点から、冷却材喪失事象時のISSの挙動を把握し、数値評価手法を確立することを目的に、日米協力の下、米国ロスアラモス国立研究所トリチウムシステム試験施設の核融合実験炉規模の深冷蒸留塔で冷却材喪失事象模擬試験を世界で初めて実施した。定常状態における深冷蒸留塔内の水素同位体インベントリーの所在を評価した後、冷凍機を手動で停止させることで冷却材喪失事象を模擬した。また同時に再沸器のヒーター出力を零とした。塔内の圧力が定常時の106.7kPaから液の蒸発とともに上昇し、235kPaに達するまでに90分を要することを観測し、水素吸蔵ベットを用いた水素急速回収等により圧力上昇を防ぐ十分な時間猶予があることを見いだした。
中村 博文; 大平 茂; 舒 衛民; 西 正孝; Venhaus, T. J.*; Causey, R. A.*; Hyatt, D. R.*; Willms, R. S.*
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.2), p.1043 - 1047, 2000/12
被引用回数:5 パーセンタイル:37.66(Materials Science, Multidisciplinary)タングステンを銅ヒートシンクに接合したモジュール内に加圧水を入れておき、実際のダイバータを模擬した温度で高粒子束のトリチウムプラズマ照射を行い、定期的に水をすべて抜き出しサンプリングすることによりプラズマ対向機器でのトリチウムの透過量評価の工学的実証が可能であることが、実際の実験の実施及び予備解析により確認された。本実験は日米協力研究により、ロスアラモス国立研究所にてトリチウムプラズマ実験装置(TPE)を用いて実施された。照射条件は、入射エネルギー:100eV、入射フラックス:410D・T/m/S、温度:473Kであった。プラズマ照射開始から6~9時間にトリチウム透過の立ち上がりが観測された。この実験結果はTMAP4コードの計算結果によく一致している。透過挙動に及ぼすタングステン中のトラップの影響についても検討した。
河村 繕範; 榎枝 幹男; Willms, R. S.*; Zielinski, P. M.*; Wilhelm, R. H.*; 西 正孝
Fusion Technology, 37(1), p.54 - 61, 2000/01
核融合炉のヘリウム放電洗浄排ガスやブランケットスウィープガスからのトリチウム回収方法としてモレキュラーシーブ5Aという吸着材を用いた低温吸着法の適用が検討されている。しかし、トリチウムに関する吸着データは不十分である。そこで、日米核融合研究協力協定に基づき、米国ロスアラモス国立研究所、トリチウムシステム試験施設において、液体窒素温度におけるモレキュラーシーブ5A,モレキュラーシーブ4A,活性炭の純トリチウム吸着量を測定した。吸着量は2つのラングミュア式の和で精度良く表現できた。
林 巧; 小林 和容; 岩井 保則; 山西 敏彦; 西 正孝; 奥野 健二; Carlson, R. V.*; Willms, R. S.*; Hyatt, D. R.*; Roybal, B.*
Fusion Technology, 34(3), p.521 - 525, 1998/11
大空間内のトリチウム挙動の実データを蓄積することを目的として、日米協力プログラムに基き、米国ロスアラモス研究所のTSTAにおいて、3000mの容積をもつ放射線管理室内にて、37GBのトリチウム計画放出実験を実施した。放出トリチウムは室内の空気の挙動により拡散し、30分から40分で均一濃度となった。室内の換気(1時間あたり5度,室内空気が換気される速度で換気)開始後、室内のトリチウム濃度は下がっていき、開始後1時間でバックグランドのレベルとなった。残存表面汚染レベルを測定した結果、最大で1Bq/cmとなり、材質の違いでは表面汚染レベルの大きい順にリノリウム,エポキシ材,アクリル樹脂,ブチルゴム,ステンレスの順となった。また、これらの表面汚染は換気開始後、数日で消えた。
大平 茂; Steiner, A.*; 中村 博文; R.Causey*; 西 正孝; Willms, S.*
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.990 - 997, 1998/00
被引用回数:14 パーセンタイル:73.06(Materials Science, Multidisciplinary)タングステンはその高熱抵抗からITERのダイバータの候補材としてあげられているが、トリチウムの滞留量評価に必要なデータには大きなばらつきが見られる。この原因としては、表面酸化膜の存在、焼結圧延の際に生成する格子欠陥の生成、入射粒子の性状による滞留挙動の違いによるものが大きいと考えられる。これらの影響を明らかにするため、電流、イオンエネルギーの異なる水素イオン源、中性粒子を発生するRFプラズマ源等を使用し、様々な条件(温度、照射量等)の下で、タングステン試料中のトリチウム滞留挙動を観測した。その結果、イオンで打込まれた水素同位体は、昇温脱離スペクトルにおいて600C及び1200Cに2つのピークとなり焼結圧延された試料から脱離するが、中性粒子照射の試料、あるいは焼鈍前処理された試料においては高温側の脱離ピークは見られず、欠陥のトラップと粒子エネルギーの相関が示唆された。
榎枝 幹男; 山西 敏彦; 山田 正行; 小西 哲之; 奥野 健二; Willms, R. S.*; Taylor, D.*; W.Harbin*; Bartlit, J. R.*; Anderson, J. L.*
JAERI-Research 95-034, 29 Pages, 1995/05
原研は、日米核融合研究協力協定Annex IV延長に基づき米国ロスアラモス国立研究所のTSTAにおいて非定常運転対応核融合炉燃料循環系実証試験及び増殖ブランケットトリチウム回収系模擬試験を行ってきた。本試験は、TSTA FCUの低温モレキュラーシーブ塔とJFCUのパラヂウム拡散器を組み合わせた世界初の増殖ブランケットトリチウム回収系に関するトリチウムを用いた、模擬実証試験であった。試験の結果、トリチウムを含む模擬ブランケットパージガス(流量12.6l/min)を低温吸着方式で3時間以上にわたって精製回収し、回収されたトリチウムガスを3時間以内にパラヂウム拡散器で純化する運転が可能であることが実証された。本報告は、この試験結果について詳細に解析、検討したものである。
小西 哲之; 山西 敏彦; 榎枝 幹男; 林 巧; 大平 茂; 山田 正行; 鈴木 卓美; 奥野 健二; Sherman, R. H.*; Willms, R. S.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 28, p.258 - 264, 1995/00
被引用回数:4 パーセンタイル:43.46(Nuclear Science & Technology)米国ロスアラモス国立研究所のトリチウムシステム試験施設(TSTA)は核融合炉燃料循環系の模擬試験施設であり、原研との日米協力によって100グラムレベルのトリチウムを用いて最長25日間の定常運転に成功した。しかし近未来のトカマクはパルス運転が想定され、また現実の装置では起動、停止など非定常条件にも対応する必要がある。この燃料循環系の非定常条件での挙動の研究を行うため、2年間協定を延長して実験を行っている。深冷蒸留による同位体分離システムはフィードバック流を用いた流路と1~2本に蒸留塔を減らした配位を用い、また自動制御を加えた。原研製燃料精製システム(JFCU)は新たに模擬プラズマ排ガスをバッチ処理する配位を用い、インベントリーを大きく低減することが確認された。TSTAループは満足すべき運転の柔軟性を示したが、制御上のいくつかの問題も摘出された。
林 巧; 中村 博文; 小西 哲之; 井上 雅彦*; 平田 一弘*; 奥野 健二; 成瀬 雄二; Anderson, J. L.*; Sherman, R. H.*; Willms, R. S.*; et al.
JAERI-M 93-083, 54 Pages, 1993/03
原研は日米核融合研究協力協定AnnexIVに基づき、米国ロスアラモス国立研究所TSTAにおいて核融合燃料ループの実証試験を行っている。本試験は、TSTAループ全体の長期間安全定常運転の実証を最大の目的として、92年4-5月に行われたもので、AnnexIV最大のマイルストーンであった。試験は25日間におよぶ昼夜連続運転であったがISS(深冷蒸留水素同位体分離装置)、FCU(燃料精製・捕集装置)J-FCU(JAERI-燃料精製捕集装置)等すべてのサブシステムが安定に制御された。また、マグネシウムベッドを用いたFCU、及びJ-FCUは、はじめての全TSTAループとの連続運転であったが、不純物を含む模擬プラズマ排ガスを安全かつ安定に連続処理できることを実証した。本報告書は、上記試験における詳細試験計画と結果の概要をまとめたものである。
林 巧; 中村 博文; 小西 哲之; 山西 敏彦; 井上 雅彦*; 平田 一弘*; 奥野 健二; 成瀬 雄二; Anderson, J. L.*; Barnes, J. W.*; et al.
JAERI-M 93-081, 35 Pages, 1993/03
原研は日米核融合研究協力協定AnnexIVに基づき、米国ロスアラモス国立研究所のTSTAにおいて核融合炉燃料ループの実証試験を行っている。本試験は、J-FCUとISSを連結した初の実験で、1)両システム連結運転上の制御特性、問題点の調査と2)レーザーラマン分光法によるISSの動特性測定を主目的として91年10月に行われた。試験中、上記連結上の問題はなく、ループ流量として2~10SLPM程度の領域で安定に運転できた。レーザーラマン分光測定は、短時間で非常に有効に作動し、ISSの動特性に関する知見を得た。本報告書は、上記試験の詳細結果をまとめたものである。
小西 哲之; 林 巧; 山西 敏彦; 中村 博文; 成瀬 雄二; 奥野 健二; Sherman, R. H.*; Willms, R. S.*; Barnes, J. W.*; Bartlit, J. R.*; et al.
Proceedings of 15th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering, p.204 - 207, 1993/00
Tritium Systems Test Assembly(TSTA)は米国ロスアラモス国立研究所の実験炉規模の核融合炉燃料循環系の模擬装置であり、原研とDOEの米国協力により運転されている。1992年4月~5月にかけて、100gレベルのトリチウムを用いて25日間の連続試験を行った。模擬プラズマ排ガスとしてHDT,He,CH,N混合ガスを用い、連続的に不純物の処理と同位体分離を行った。不純物処理は米国の精製系では低温吸着と金属マグネシウムによる水分解,原研製装置J-FCUでは、パラジウム透過と固体電解質セルによる水蒸気電解を用いた。同位体分離は4塔の深冷蒸留により、ラマン分光分析による連続分析を用いて安全な運転が行われた。一連の結果によりITERの1/5規模での定常燃料循環系の運転が実証されるとともに、高純度トリチウムが回収された。
吉田 浩; 福井 裕*; 平田 慎吾*; 山西 敏彦; 内藤 大靖*; Anderson, J. L.*; Bartlit, J. R.*; C.R.Walthers*; Sherman, R. H.*; D.O.Coffin*; et al.
JAERI-M 88-242, 73 Pages, 1988/12
本報は、1987年6月に発足した核融合燃料技術に関する日米協力(Annex IV)の下で実施された大量トリチウムによる実模擬D-Tガス循環試験(1988年6月実施分)の結果をまとめたものである。Annex IV第1年目は、約100グラムのトリチウムを使用したループ試験を6回、サブシステム(深冷蒸留塔、複合クライオポンプ、D-Tガス精製系)試験を6回実施した。本試験は、日米協力1年目の活動を総合したものであり、模擬トーラス、複合クライオポンプ、D-Tガス精製系、NBIガス循環系、同位体分離系等の主要系統を連結し連続運転することを目的としたものである。
吉田 浩; 平田 慎吾*; 内藤 大靖*; 山西 敏彦; Anderson, J. L.*; Bartlit, J. R.*; R.V.Carlson*; D.O.Coffin*; Sherman, R. H.*; Willms, R. S.*
JAERI-M 88-205, 60 Pages, 1988/10
本報告は、日米協力として米国ロスアラモス研究所のトリチウムシステム試験施設で開始された(昭62年6月)TSTA共同試験(7月実施)の概要を述べたものである。本試験は前月に実施したマイルストン・ランを補足するものであり、約100グラムのトリチウムを使用して1週間3交代の直勤務体制で行われた。従事した人員は原研側の4名を含めて約25人(施設オペレータ、装置オペレータ、放射線管理等安全担当者、等を含む)であった。
吉田 浩; 平田 慎吾*; 内藤 大靖*; 山西 敏彦; Anderson, J. L.*; Bartlit, J. R.*; R.V.Carlson*; D.O.Coffin*; Sherman, R. H.*; Willms, R. S.*
JAERI-M 88-204, 102 Pages, 1988/10
日米核融合研究協力の一環として、原研と米国エネルギー省との間で実規模核融合炉トリチウム技術の開発・実証研究を進めるための実施協定が昭62年6月に調印された。本協力研究は、ロスアラモス研究所のトリチウムシステム試験施設を使用して、D-T燃料流量約1~2kg/日のループ試験を行い核融合炉トリチウム燃料のプロセス及びシステム技術の開発を進め、併せて大量トリチウム安全取扱いシステムの実証データの蓄積、同施設の運転経験を取得しようとするものである。本報は、協力計画第1年目に実施した世界で初めての実規模D-T流量による核融合炉トリチウムシステムの試験結果を説明するものである。