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堅田 元喜; 永井 晴康; Wrzesinsky, T.*; Klemm, O.*; Eugster, W.*; Burkard, R.*
Journal of Applied Meteorology and Climatology, 47(8), p.2129 - 2146, 2008/08
被引用回数:30 パーセンタイル:57.93(Meteorology & Atmospheric Sciences)陸面と大気の間の熱・水交換を詳細に予測するために、植生への霧水捕集過程を考慮した陸面モデルを開発した。植生への霧水沈着量を計算するための新しいスキームを陸面モデルに考慮した。森林上の熱及び霧水フラックスの計算値と測定値を比較によってモデルの性能を確認した。また、このモデルは広く用いられている霧水沈着モデルに比べて霧水の乱流及び重力フラックスをより高精度に予測した。加えて、観測値と計算値との両方において、森林上の水平風速と沈着速度の間に線形関係を見いだした。葉の種類(針葉樹及び広葉樹)と森林構造(葉面積指数(LAI)及び樹高)が沈着速度へ及ぼす影響を調べるために、数値実験を実施した。LAI及び樹高が同じ場合、葉の大きさが小さい広葉樹は針葉樹よりも大きな霧水を捕集しうる。ある葉面積密度(LAD)における霧水に対する大気及び森林のコンダクタンスの関係は、沈着速度に強く影響を与えた。この結果から、LAD0.1mmの樹木が霧水を最も効率的に捕集することが見いだされた。実験から得られた霧水沈着量のLADに対する勾配の簡易予測式は、広域における全霧水沈着量を予測するうえで有用である。
堅田 元喜; 永井 晴康; Wrzesinsky, T.*; Klemm, O.*; Eugster, W.*; Reto, B.*
no journal, ,
幾つかの観測的研究によって、乾燥・半乾燥地域において雲水(霧水)が水資源として重要な役割を果たすことが示唆されている。植生への霧水沈着量を高精度に予測するために、植生への霧水沈着過程を含む鉛直1次元の植生モデルを開発した。ドイツのWaldsteinのトウヒ林で観測された森林上の地表面フラックス及び霧水フラックスと計算値を比較することによって、このモデルは検証された。このモデルを用いて、霧水沈着の植生種及び植生構造への依存性に関する数値実験を実施した。実験の結果、葉の形状及び大きさは霧水沈着に大きく影響すること、また霧水沈着は樹高と葉面積指数(LAI)の季節変化に伴い大きく変動することが示された。