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論文

Uranium-plutonium-oxygen phase diagram; Investigating the solvus of fluorite's exsolution

Vauchy, R.; 廣岡 瞬; 堀井 雄太; 小笠原 誠洋*; 砂押 剛雄*; 山田 忠久*; 田村 哲也*; 村上 龍敏

Journal of Nuclear Materials, 599, p.155233_1 - 155233_11, 2024/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)

U$$_{1-y}$$Pu$$_{y}$$O$$_{2-x}$$ (y=0.30および0.45)およびPuO$$_{2-x}$$における蛍石の溶出/再結合は、示差走査熱量測定を使用して調査された。結果は、プルトニアを除いて、文献データと比較的よく一致している。我々の値は、Pu-Oの混和ギャップの臨界温度が以前に報告されたものより30$$sim$$50K低いことを示している。最後に、体系的な実験手順により、低化学量論的U$$_{0.70}$$0Pu$$_{0.30}$$O$$_{2-x}$$、U$$_{0.55}$$Pu$$_{0.45}$$O$$_{2-x}$$、およびPuO$$_{2-x}$$二酸化物に存在するソルバスの軌跡を精密化することができた。

論文

Thermal conductivity measurement of uranium-plutonium mixed oxide doped with Nd/Sm as simulated fission products

堀井 雄太; 廣岡 瞬; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 田村 哲也*; 山田 忠久*; 古澤 尚也*; 村上 龍敏; 加藤 正人

Journal of Nuclear Materials, 588, p.154799_1 - 154799_20, 2024/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:80.03(Materials Science, Multidisciplinary)

MOX燃料の照射により生成する主要なFPであるNd$$_{2}$$O$$_{3}$$及びSm$$_{2}$$O$$_{3}$$、模擬FPとして添加したMOXの熱伝導率を評価した。MOX中の模擬FPの均質性の観点から熱伝導率を評価するため、ボールミル法及び溶融法で作製した2種類の粉末を用いて、Nd及びSmの均質性が異なる試料を作製した。模擬FPが均質に固溶した試料では含有量が増加するにしたがってMOXの熱伝導率が低下するが、不均質な模擬FPは影響を及ぼさないことが分かった。熱伝導率に対するNd及びSmの影響を古典的フォノン輸送モデル$$lambda$$=(A+BT)$$^{-1}$$を用いてNd/Sm依存性を定量的に評価した結果、A(mK/W)=1.70$$times$$10$$^{-2}$$ + 0.93C$$_{Nd}$$ + 1.20C$$_{Sm}$$, B(m/W)=2.39$$times$$10$$^{-4}$$と表された。

論文

Sintering and microstructural behaviors of mechanically blended Nd/Sm-doped MOX

廣岡 瞬; 堀井 雄太; 砂押 剛雄*; 宇野 弘樹*; 山田 忠久*; Vauchy, R.; 林崎 康平; 中道 晋哉; 村上 龍敏; 加藤 正人

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1313 - 1323, 2023/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:87.43(Nuclear Science & Technology)

収率が高く燃料に固溶するFP(模擬FP)としてNd$$_{2}$$O$$_{3}$$及びSm$$_{2}$$O$$_{3}$$を添加したMOXの焼結試験を行い、焼結後の微細組織を評価した。熱膨張計を用いて取得した焼結中の収縮曲線から、模擬FP含有MOXは通常のMOXよりも高温で焼結が進むことが分かった。焼結後の密度評価及び金相組織の観察から、模擬FP含有MOXは通常のMOXよりも粒成長と高密度化が進むことが分かった。これは、添加元素の影響を受けて一部のUが4価から5価に変化し、拡散速度が大きくなったことが原因と考えられる。また、XRDの結果から焼結後の試料は均質に固溶した結晶構造が示されたが、EPMAによる元素マッピングの結果からは模擬FPの濃度が一様でなく、完全には均質に分布していない微細組織が示された。不均質に分布したNd$$_{2}$$O$$_{3}$$含有MOXを微粉砕し、再焼結を行う過程を繰り返すことで、均質性が向上し、密度も十分に高い模擬FP含有MOXペレットを作製することができた。

論文

Liquid phase sintering of alumina-silica co-doped cerium dioxide CeO$$_{2}$$ ceramics

Vauchy, R.; 廣岡 瞬; 渡部 雅; 横山 佳祐; 砂押 剛雄*; 山田 忠久*; 中道 晋哉; 村上 龍敏

Ceramics International, 49(2), p.3058 - 3065, 2023/01

 被引用回数:9 パーセンタイル:63.05(Materials Science, Ceramics)

Pure and low $$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$-SiO$$_{2}$$ co-doped ceria specimens were prepared by conventional ceramic processing using powder metallurgy. The effect of co-doping on the microstructural and structural properties of cerium dioxide was investigated by means of optical microscopy, scanning electron microscopy, X-ray diffraction and Raman spectroscopy. The co-addition of alumina and silica promoted liquid phase sintering (LPS) and significantly contributed to grain growth, even in the small concentrations of the present study (1 wt% and 2 wt%). A glassy-look phase precipitated at the grain boundaries, characteristic of liquid phase sintering. The addition of dopants to the formulation greatly enhanced the grain growth process without disturbing the CeO$$_{2}$$ structure.

論文

Oxygen potential measurement of (U,Pu,Am)O$$_{2 pm x}$$ and (U,Pu,Am,Np)O$$_{2 pm x}$$

廣岡 瞬; 松本 卓; 加藤 正人; 砂押 剛雄*; 宇野 弘樹*; 山田 忠久*

Journal of Nuclear Materials, 542, p.152424_1 - 152424_9, 2020/12

 被引用回数:11 パーセンタイル:73.46(Materials Science, Multidisciplinary)

(U$$_{0.623}$$Pu$$_{0.350}$$Am$$_{0.027}$$)O$$_{2}$$に対しては1,673, 1,773, 1,873K、(U$$_{0.553}$$Pu$$_{0.285}$$Am$$_{0.015}$$Np$$_{0.147}$$)O$$_{2}$$に対しては1,873, 1,973Kにおいて、酸素ポテンシャルの測定を実施した。測定は、熱天秤と酸素センサーを用いる気相平衡法により実施した。Uの代わりにAmを添加した場合、酸素ポテンシャルは大きく上昇した。同様に、Uの代わりにNpを添加した場合も酸素ポテンシャルは上昇したが、上昇の効果はPuやAmを添加した場合と比べても小さいものであった。酸素ポテンシャルの測定結果について、酸素分圧と定比組成からのずれをプロットし、欠陥化学により解析することで、欠陥反応の種類を推定した。推定した欠陥反応における平衡定数を評価し、AmとNpを平衡定数の中のエントロピーに組み込むことで、酸素ポテンシャルの測定結果を再現する評価式を導出した。

口頭

Manufacturing and property measurements of homogeneous simulated FP (Nd/Sm/Gd/Zr)-doped MOX

堀井 雄太; 廣岡 瞬; Vauchy, R.; 林崎 康平; 宇野 弘樹*; 田村 哲也*; 砂押 剛雄*; 大和田 英明*; 山田 忠久*; 村上 龍敏

no journal, , 

核分裂生成物(FP: Fission Product)は、照射された燃料中に生成・蓄積し、燃料の熱物性に影響を与える。照射挙動のシミュレーションの精度を高めるため、FPを含む燃料の物性に関する研究が必要である。しかし、照射燃料の取り扱いの困難さから、照射燃料特性、特にMOX燃料に関する報告は世界的に少ない。また、照射済燃料には数多くのFPが含まれているため、個々のFPの影響を評価することができない。そのため、燃料特性に及ぼすFPの影響を簡便に評価できる手法を提案する必要がある。本研究では、模擬燃焼燃料として模擬FPを添加した試料を作製し、その燃料物性を測定した。評価に当たっては、ウランやプルトニウムと同様に試料中のFPの均質性が重要である。均質な試料を得るために焼結ペレットの粉砕と再焼結の工程を繰り返し、焼結するごとにEPMAとXRDにより均質性を確認した。一連の工程を3回繰り返すことで、測定に適した均質性の高い試料を作製した。模擬FPとしては、照射後のMOX燃料中で主要な固溶性FPであるSm$$_{2}$$O$$_{3}$$、Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$、ZrO$$_{2}$$を使用し、個々のFPが熱伝導率や熱膨張率などの物性に及ぼす影響を評価した。また、複数のランタノイドを含有する際の影響も評価し、比較するため、Nd$$_{2}$$O$$_{3}$$、Sm$$_{2}$$O$$_{3}$$、Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$を含むMOXも作製した。

口頭

MOX燃料物性試験に供する均質な模擬FP(Nd$$_{2}$$O$$_{3}$$/Sm$$_{2}$$O$$_{3}$$/Gd$$_{2}$$O$$_{3}$$/ZrO$$_{2}$$)含有MOXの作製

堀井 雄太; 廣岡 瞬; Vauchy, R.; 林崎 康平; 宇野 弘樹*; 田村 哲也*; 砂押 剛雄*; 大和田 英明*; 山田 忠久*; 村上 龍敏

no journal, , 

MOX燃料の照射により燃料中に生成・蓄積する核分裂生成物(FP: Fission Product)は、MOXの燃料物性に影響を与える。これまで、未照射のMOX燃料物性については数多く報告されているが、FPが蓄積した燃焼燃料に関する報告例は少ない。燃焼燃料の物性評価において、実際に原子炉で照射した燃料は取り扱いが困難であることから、FPとして含まれる元素をMOXに添加した模擬燃焼燃料を研究することが有効な手段である。模擬FPの影響評価にあたっては、模擬FPが均質であることが重要である。本研究では、乾式での試料作製方法として考案した溶融法と粉砕混合法の2つの手法について、模擬FPを含む試料の作製方法としての適性を評価した。

口頭

均質性を考慮した模擬FP含有MOXの熱伝導率測定

堀井 雄太; 廣岡 瞬; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 山田 忠久*; 古澤 尚也*; 村上 龍敏

no journal, , 

高燃焼度燃料及び将来の低除染燃料に関する研究の一環として、固溶性の模擬FPとしてSm等を含有したMOX燃料の熱伝導率の測定を行った。均質性の観点から模擬FPがMOX熱伝導率に与える影響を評価するため、均質な試料と不均質な試料を作製した。模擬FPが均質に固溶した試料の熱伝導率は通常のMOXと比較して低下し、模擬FPが不均質な試料では熱伝導率は低下しなかった。

口頭

Phase separation and recombination in U1-yPuyO$$_{2}$$-x with y = 0.30, 0.45, and 1.00

Vauchy, R.; 小笠原 誠洋*; 山田 忠久*; 砂押 剛雄*; 田村 哲也*; 堀井 雄太; 廣岡 瞬; 加藤 正人; 村上 龍敏

no journal, , 

The locus of MOX and plutonia fluorite phase separation and recombination into two structures was investigated using a combination of differential scanning calorimetry (DSC) and differential thermal analysis (DTA) at the Plutonium Fuel Development Center of JAEA, Tokai-mura, Japan. The systematic cross-experiment procedure allowed refining the limits of the solvus existing in hypostoichiometric dioxides, MOX and plutonia. This allows to better understand the crystallographic behavior, and associated redox properties, of MOX fuel for fast reactors during manufacturing, and its subsequent storage.

口頭

MOX燃料の熱伝導率における燃焼度の影響評価,1; 模擬FP添加MOXの熱伝導率評価

堀井 雄太; 廣岡 瞬; Vauchy, R.; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 山田 忠久*; 村上 龍敏

no journal, , 

MOX燃料中に生成・蓄積する固溶性のFPは、燃料マトリクスに均質に固溶することで、MOXの熱伝導率を大きく低下させる。本研究では、主要な固溶性FPであるNd$$_2$$O$$_3$$、Sm$$_2$$O$$_3$$、Gd$$_2$$O$$_3$$を模擬FPとして添加したMOXペレットを作製し、レーザーフラッシュ法を用いて、熱拡散率を測定した。それらの結果から、個々のFPがMOX燃料の熱伝導率に与える影響を系統的に評価し、FPの影響を考慮した熱伝導率の評価式を導出した。

口頭

Phase separation/recombination in hypostoichiometric uranium-plutonium mixed oxide U$$_{1-y}$$PuyO$$_{2-x}$$ (y= 0.30; 0.45; and 1.00) using DSC

Vauchy, R.; 小笠原 誠洋*; 山田 忠久*; 砂押 剛雄*; 田村 哲也*; 堀井 雄太; 廣岡 瞬; 村上 龍敏

no journal, , 

低化学量論のウランとプルトニウムの混合酸化物で起こる相分離/再結合は、製造から照射挙動までの技術的応用にとって重要である。体系的な相互実験手順により、低化学量論的U$$_{1-y}$$PuyO$$_{2-x}$$およびPuO$$_{2-x}$$二酸化物に存在するソルバスの限界を精緻化し、高速炉用MOX燃料の製造および貯蔵中の酸化還元挙動をより深く理解することができた。

口頭

MOX燃料製造におけるU$$_{3}$$O$$_{8}$$粉末の利用に関する検討

土持 亮太; 廣岡 瞬; 砂押 剛雄*; 山田 忠久*

no journal, , 

U$$_{3}$$O$$_{8}$$粉末をMOX燃料製造の原料粉末として直接利用すると、U$$_{3}$$O$$_{8}$$からUO$$_{2}$$への還元に伴う体積収縮によって、成型体が割れる懸念がある。そこで、U$$_{3}$$O$$_{8}$$粉末及びU$$_{3}$$O$$_{8}$$と(U, Pu)O$$_{2}$$の混合粉末(以下、混合粉末)の成型体を、割れ等を発生させずにUO$$_{2}$$へ還元し、焼結するための最適な条件について検討を行った。U$$_{3}$$O$$_{8}$$粉末及び混合粉末の双方について成形圧200MPaで成形し、還元雰囲気下、熱処理温度450$$^{circ}$$C $$sim$$ 500$$^{circ}$$Cの条件で熱処理することにより、割れることなくUO$$_{2}$$へ還元させることに成功した。混合粉末を用いた還元試験では、成形圧500MPaの成型体においてもペレットの形状を保ったまま還元することができた。還元した混合粉末の成型体の焼結を行ったところ、最も高いもので密度約94%T.D.の焼結体が得られた。

口頭

Measurement and modelling of properties of (U,Pu)O $$_{2}$$ doped with simulated FP elements

廣岡 瞬; 堀井 雄太; Vauchy, R.; 林崎 康平; 大和田 英明*; 古澤 尚也*; 山田 忠久*; 砂押 剛雄*; 宇野 弘樹*; 永沼 正行; et al.

no journal, , 

Studies on modelling fuel properties as a function of burn-up are limited to thermal conductivity and still rely on the experimental data reported in the 1970s using simulated irradiated fuels doped with fission-product (FP) elements. The use of simulated irradiated fuels rather than real irradiated fuels is an efficient approach to studying the intrinsic effect of FP on the fuel properties because the other factors such as microstructural evolution and accumulation of radiation damage during irradiation also have significant influences on the properties. In this study, we fabricated simulated MOX pellets by adding soluble FP elements (Nd, Sm, Zr, Ce, Gd, La) and measured thermo-physical properties. The results of property measurement such as thermal conductivity will be presented as an ongoing project together with literature data for comparison. Also, property changes with increasing burn-up are analyzed based on the FP yields calculated by ORIGEN2.

口頭

模擬FP及び不純物含有MOXの熱伝導率測定

堀井 雄太; 廣岡 瞬; 加藤 正人; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 田村 哲也*; 山田 忠久*; 奥村 和之

no journal, , 

低除染燃料ペレットの熱物性研究の一環として、添加元素によるMOXの熱伝導率への影響について評価した。MOXに固溶するFPであるSm$$_{2}$$O$$_{3}$$及びNd$$_{2}$$O$$_{3}$$を添加した結果、熱伝導率は低下した。一方、燃料製造工程等で混入する不純物元素でありMOXに固溶しないAl$$_{2}$$O$$_{3}$$及びSiO$$_{2}$$を添加した結果、熱伝導率は上昇した。

口頭

乾式回収MOX粉末の焼結挙動

中道 晋哉; 砂押 剛雄*; 宇野 弘樹*; 山田 忠久*; 奥村 和之

no journal, , 

MOX粉末のような混合粉末の焼結の場合、成形体は昇温中に収縮を開始したのち、一旦収縮速度が低下し、その後さらに高温となった際に再度収縮速度が増加する挙動を示す。特に低温側ではUO$$_{2}$$同士の粒子間の拡散に伴う収縮が、高温側でUO$$_{2}$$-PuO$$_{2}$$間の固溶体形成のための拡散に伴う収縮が生じるとされている。一方、乾式回収粉末は燃料仕様から外れた焼結体を乾式法にて粉砕処理し再粉末化したもので、製造過程において原料とともに所定量混合し再利用される粉末であるが、一度焼結を経験しているため焼結前から固溶体を形成した粉末とみなすことができる。本研究では、乾式回収粉末の焼結性を理解するため、乾式回収粉末単独の試験体を用いて、熱膨張計による収縮挙動を評価した。乾式回収粉末は一般的な混合粉末の収縮挙動とは異なり、昇温時において2段階の収縮挙動を示さず、UO$$_{2}$$のような未混合粉に近い挙動を示した。

口頭

Thermal conductivity of MOX with simulated fission products

堀井 雄太; 廣岡 瞬; 加藤 正人; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 田村 哲也*; 山田 忠久*

no journal, , 

新型高速炉サイクルにおいて、有意量の核分裂生成物(FP)を含んだ低除染燃料が検討されている。これにより、再処理工程を削減することによる経済性の向上と、高線量のFPを含有することによるPuの核拡散抵抗性の向上が期待されている。しかし、MOX中に存在するFPはMOXの物性値に影響を及ぼすと考えられている。特に、燃料設計において最も重要な物性値の一つである熱伝導率に対しても影響を及ぼし、マイナーアクチニド(Am, Np)による影響評価がこれまでに報告されている。一方で、FPに関する報告はほとんどなく、Nd, Eu, Zr程度である。本研究では、低除染燃料に多く含まれると予想されるNd$$_{2}$$O$$_{3}$$及びSm$$_{2}$$O$$_{3}$$をMOXに対して所定量添加し、焼結ペレットの熱拡散率を測定することにより熱伝導率を評価した。マイクロ波加熱脱硝により得られた20%Pu-MOXの原料粉に対してNd$$_{2}$$O$$_{3}$$及びSm$$_{2}$$O$$_{3}$$を添加し、ボールミル混合を行った。得られた混合粉末を成型、焼結することで焼結ペレットを作製した。熱拡散率はレーザーフラッシュ法により973Kから1673Kまでの範囲で100Kごとに測定を行った。算出した熱伝導率は1400Kまでの範囲について、古典的フォノン輸送モデル$$lambda$$=(A+BT)$$^{-1}$$により、A(m・K/W)=2.0$$times$$10$$^{-3}$$+4.8$$times$$10$$^{-1}$$C$$_{Nd,Sm}$$, B(m/W)=2.5$$times$$10$$^{-4}$$と評価した。これらの結果から先行研究と同様に、Nd$$_{2}$$O$$_{3}$$あるいはSm$$_{2}$$O$$_{3}$$を添加することでフォノン散乱が促進され、熱伝導率が低下することが確認された。

口頭

マイナーアクチニド含有低除染燃料による高速炉リサイクルの実証研究,9; 模擬FP含有MOXの微細組織及び熱伝導率

堀井 雄太; 廣岡 瞬; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 田村 哲也*; 山田 忠久*; 古澤 尚也*; 中道 晋哉; 村上 龍敏; 加藤 正人

no journal, , 

高速炉燃料サイクルにおいて、有意量の核分裂生成物(FP)を含有することで、プルトニウムの核拡散抵抗性の向上及び再処理コストの低減を目的とした低除染燃料が検討されている。低除染燃料ペレットの熱物性研究の一環として、MOXに対して模擬FPとしてNd$$_{2}$$O$$_{3}$$とSm$$_{2}$$O$$_{3}$$を添加し、それらがMOX燃料の熱伝導率へ与える影響を評価した。熱拡散率測定及びEPMAによる元素分析の結果から、MOX中の模擬FPが不均質である場合は熱伝導率への影響は見られなかったが、均質に分布することで熱伝導率が低下することを確認した。

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