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Tang, J.*; 山本 達*; 小板谷 貴典*; 吉越 章隆; 徳永 拓馬*; 向井 孝三*; 松田 巌*; 吉信 淳*
Applied Surface Science, 480, p.419 - 426, 2019/06
被引用回数:10 パーセンタイル:49.82(Chemistry, Physical)他のPd合金よりも水素拡散係数が高く経済的に低コストなPdCu合金の水素吸着および吸収プロセス中の物質移動を調べた。この研究では、bcc構造の規則相(B2相)とfcc構造およびB2構造の混合相との比較が行われた。放射光を用いたその場超高真空X線光電子分光法および雰囲気X線光電子分光法を実施し、温度に対するPdおよびCu原子の化学状態を追跡した。初期吸着過程と吸収過程は2相で類似していたが、バルクへの水素拡散速度は混合相よりも規則相の方が高かった。水素吸着/吸収過程におけるPdとCu原子のダイナミクスは温度に大きく依存した。水素雰囲気では、Pd原子は373Kより下では表面偏析し、Cu原子は373Kより上で表面偏析した。本結果は理論計算とよく一致し水素透過材料の開発に向けた有益な情報となる。
森下 祐樹; 山本 誠一*; 百瀬 琢麿; 金子 純一*; 根本 典雄
Radiation Protection Dosimetry, 178(4), p.414 - 421, 2018/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)二酸化プルトニウム(PuO)は高速炉に用いるMOX燃料の製造に用いられる。PuOを包蔵するグローブボックスに欠陥、例えばグローブやビニールバッグの破損があった場合、プルトニウム(Pu)の空気汚染が生じる可能性がある。もし作業者がPuO粒子を吸引した場合肺に沈着し、肺癌を引き起こす可能性がある。鼻スミヤやnose blowがPuOの摂取の確認に用いられるが、鼻腔内のPuの定量的な放射能は評価できなかった。また、鼻腔内の直接測定が可能な線検出器も存在しなかった。そこで我々は作業者の正確な内部被ばく評価のため、鼻腔内の直接測定が可能な鼻モニタの開発を行った。22の角柱ライトガイドを用いて1つの検出器ブロックを構成し、ZnS(Ag)シンチレータを表面に貼りつけ、光検出器には88のSilicon photomultiplierを用いた。開発した鼻モニタの評価のため、実際のPuO粒子を鼻モニタで測定した。鼻モニタの5.5MeV線に対する平均の検出効率(4方向)は左鼻が11.43%で右鼻が11.58%であった。線と線の影響は無視できる程度であった。Puの放射能を鼻モニタと線用放射能測定装置で評価した結果、差異は4.0%以内であった。以上の評価結果より、開発した鼻モニタは作業者の内部被ばくの正確な評価に有用であると考える。
石井 克典; 鈴木 政浩; 山本 琢磨; 木原 義之; 加藤 良幸; 栗田 勉; 吉元 勝起; 安田 正俊*; 松坂 修二*
Journal of Chemical Engineering of Japan, 42(5), p.319 - 324, 2009/05
被引用回数:7 パーセンタイル:29.75(Engineering, Chemical)振動細管式流動性測定法のMOX粒子への適用性を評価するために、振動細管式流動性測定装置により、直径が大きな粒子の流動性測定試験を実施した。模擬粒子は直径が850ミクロン以下の非放射性のジルコニア粒子であり、5種類の異なる粒径のサンプルを準備した。また細管の排出口径としては2mmから4mmのものを使用した。細管の排出口径は流動性の測定特性に大きな影響を与えた。4mmの排出口径の細管を用いることにより、すべての粒子径の模擬粒子を測定することができた。細管の傾斜角度も流動性測定特性に影響を与えた。粒子の排出が開始される流動開始加速度、すなわち流動性の評価ファクターは、カーの流動性指数と相関がある。高感度,測定時間の短さ,操作の容易さ等の利点を考慮すると、振動細管法はMOX粒子の遠隔流動性測定への適用が期待される。
鈴木 政浩; 石井 克典; 山本 琢磨; 木原 義之; 加藤 良幸; 栗田 勉; 吉元 勝起; 藤井 寛一
Proceedings of Global Congress on Microwave Energy Applications (GCMEA 2008/MAJIC 1st), p.501 - 504, 2008/08
天然資源の乏しい日本において、エネルギー開発を着実に進めることは非常に重要である。石油やウラン資源なども枯渇する心配がある今日、原子力の位置づけが非常に高まっており、FBR開発こそが日本のエネルギー問題を解決する手段である。そのために、マイクロ波加熱の技術を利用し、再処理溶液を脱硝転換することでMOX原料が製造される。現在までに混合転換によりPuO/UOの良品の粉末を2kgMOX/batch規模で実証してきた。今後、量産化開発として1バッチで5kgU/hを目指した研究開発を進める。
石井 克典; 鈴木 政浩; 山本 琢磨; 木原 義之; 安田 正俊*; 松坂 修二*
粉体工学会誌, 45(5), p.290 - 296, 2008/05
ペレット燃料製造に用いるMOX粒子の流動性評価への、振動細管法の適用性評価試験を実施した。本実験では、数百ミクロンの直径のジルコニア粒子を模擬粒子として使用した。サンプルとなる粒子は、異なる粒子径,異なる形状を有する粒子を混合して準備した。実験の結果、微細粒子を除去することは、粒子表面の機械的処理よりも、流動性の向上に有益であることがわかった。さらに、振動細管法は、Carrの流動性指数による方法と比較して、粒子流動性の違いを、より簡便かつ容易に識別できることがわかった。
山本 英明; 吉澤 道夫; 村上 博幸; 百瀬 琢麿*; 辻村 憲雄*; 金井 克太*; Cruz-Suarez, R.*
Radiation Protection Dosimetry, 125(1-4), p.88 - 92, 2007/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)国際原子力機関(IAEA)の地域協力協定(RCA)に基づき、東アジアの16か国から25の個人線量評価機関が参加して第3期外部被ばく線量計測相互比較が実施された。旧原研及び旧サイクル機構で放射線の基準照射を行った個人線量計を各参加国で計測し、得られた外部被ばく線量評価値を持ち寄り相互比較した。その結果、すべての参加国の評価値は放射線防護の実務上必要とされる充分な正確さを有していることがわかった。これにより参加各国における外部被ばく線量評価技術の妥当性が確認できた。
辻村 憲雄; 百瀬 琢麿; 吉澤 道夫; 山本 英明; Cruz-Suarez, R.*; 村上 博幸
no journal, ,
IAEA/RCAプロジェクトはアジア・太平洋地域で1988年から始まり、そのプロジェクトの一つとして、3フェーズからなる個人線量計測相互比較プログラムを1990年から2004年にかけて実施してきた。このプロジェクトには17か国延べ38の研究所が参加した。この発表では、これらの相互比較プログラムの歴史的経緯と評価結果の要約について紹介する。
石井 克典; 鈴木 政浩; 山本 琢磨; 木原 義之; 松坂 修二*; 安田 正俊*; 砂 孝行*; 栗田 勉; 加藤 良幸
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、簡素化ペレット法による高速増殖炉MOX燃料の製造技術開発を行っている。簡素化ペレット法製造工程の一部である脱硝・転換・造粒工程では、直径数百mのMOX粒子が製造されるが、ペレット成型用ダイスへの良好な充填性を有する必要がある。流動性の評価は現在Carrの流動性評価法を用いて行われているが、遠隔性と保守性に優れた流動性評価手法になりうる振動細管法の適用性に関して、模擬物質を用いて試験検討を実施した。粒度分布,粒子形状(ボールミルで処理することにより形状を変化させた)をパラメーターとし、ジルコニア粒子の振動細管法による流動性プロファイルを測定したところ、流動性の向上に効くのは、約100m以下の粒子をカットすること、約50m以下の粒子をカットすること、粒子形状を丸くすることの順であることがわかった。
石井 克典; 鈴木 政浩; 山本 琢磨; 木原 義之; 栗田 勉; 加藤 良幸; 安田 正俊*; 松坂 修二*; 吉元 勝起
no journal, ,
振動細管式流動性評価法のMOX原料粉末への適用性検討を実施している。本実験では、850ミクロン以下の粒子径を有するジルコニア粒子を模擬粒子として使用した。異なる粒子径の成分を混合することにより、測定サンプルを調製した。細管排出口径と細管の傾斜角を調整することにより、45ミクロンから850ミクロンまで、安定的な流動性評価が可能であることが実験的に示された。
加藤 良幸; 栗田 勉; 松本 正喜; 鈴木 政浩; 石井 克典; 山本 琢磨; 木原 義之; 吉元 勝起; 藤井 寛一
no journal, ,
FBR燃料サイクルをできるだけ早期に完成させることは、石油資源を節約するだけでなく温室効果を抑制することによる環境保護の観点から最重要の課題である。マイクロ波加熱(MH)はこのFBRサイクルのメインストリームにおいてMOXの製造プロセスに採用されている。われわれはMHをFBRサイクルにさらに適したものにしようとしている。本発表では、PuとUを含む使用済核燃料をリサイクルするためのMOX燃料製造の実際について述べる。MHは、硝酸と水を蒸発させることにより混合溶液を固体化する目的で採用されており、このプロセスは脱硝と呼ばれる。本発表では、MHで作られたMOX粉末の物理的特性と微細構造の優位性を正確な測定と詳細な観察に基づいて説明する。そしてMHオーブンの設計とMHパワーの制御及び補助熱源の併用の観点からMHの最適化について議論する。
石井 克典; 山本 琢磨; 鈴木 政浩; 木原 義之; 加藤 良幸; 栗田 勉; 吉元 勝起; 吉村 忠宏*
no journal, ,
FaCTプロジェクトにおいて、簡素化ペレット法による燃料製造技術の成立性見通しを得るために、脱硝・転換・造粒の量産化開発を実施している。本報告では、これまでの小規模なウラン試験結果を踏まえ、量産に適した方式の選定結果について報告する。
石井 克典; 鈴木 政浩; 山本 琢磨; 木原 義之; 栗田 勉; 加藤 良幸; 吉元 勝起; 安田 正俊*; 松坂 修二*
no journal, ,
高速増殖炉燃料製造用原料MOX粉末への振動細管式流動性測定装置の適用を目指した試験検討を実施している。流動性測定の効率化の観点から、試料の小量化が望ましい。本研究では、サンプル量が流動性プロファイルに与える影響等を調べることにより、振動細管法における測定試料の少量化の可能性について検討した。
福井 国博*; 有満 直樹*; 山本 徹也*; 吉田 英人*; 山本 琢磨*; 石井 克典; 鈴木 政浩
no journal, ,
現在、原子力発電におけるウラン資源の有効利用を図るため、高速増殖炉サイクルの実用化に向けた研究開発が進められている。軽水炉の使用済燃料を再処理して得られる硝酸プルトニウムと硝酸ウラニル溶液を混合後、マイクロ波脱硝法により酸化物に転換され、原子力発電所の燃料として再利用される。マイクロ波脱硝法の利点として、活性度の高い酸化物粉末が得られることや主な装置構造が簡易であり、操作性に優れること等が挙げられる。その一方、脱硝時の投入エネルギーが大きいという問題点も存在する。そこで、本研究では、脱硝反応機構を解明し、エネルギー効率を向上させるためのコールド試験を行ったところ、加熱源となる酸化物粒子を添加することが有効であること、また断熱材を用いることが有効であることがわかった。
佐伯 佑太*; 福井 国博*; 山本 徹也*; 吉田 英人*; 山本 琢磨*; 石井 克典; 鈴木 政浩
no journal, ,
現在、原子力発電におけるウラン資源の有効利用を図るために、高速増殖炉サイクルの実用化に向けた研究が進められている。軽水炉の使用済燃料を再処理して得られる硝酸プルトニウム溶液は硝酸ウラニル溶液と混合後、マイクロ波脱硝法により酸化物に転換され、原子力発電用燃料として再利用される。しかし、マイクロ波脱硝法では、生成する酸化物粒子の粒子径が小さいため流動性が悪く、燃料製造工程での酸化物粒子の取り扱いが難しいという問題がある。そこで、本研究では脱硝プロセスにおける加熱方法や加熱速度が生成酸化物粒子の粒子径に与える影響を比較することで、マイクロ波脱硝法による粒子径を増大させる手法を検討した。
水野 崇; 南條 功; 山本 信幸; 宮川 和也; 村上 拓馬
no journal, ,
北海道幌延地域を対象として、地球化学トレーサーに基づいた地下水の水質形成プロセスの把握を試みた。その結果、ガスハイドレートの分解や上位層(勇知層)から下位層(声問層,稚内層)への間隙水の浸透により水質が形成されている可能性を示した。
森下 祐樹; 山本 誠一*; 百瀬 琢麿; 金子 純一*; 根本 典雄
no journal, ,
二酸化プルトニウム(PuO)は高速増殖炉のためのMOX燃料製造に用いられる。プルトニウム粒子による空気汚染が生じた際、作業者が摂取したプルトニウムの放射能は迅速に評価されなければならない。鼻スミヤ法は、現場で迅速にプルトニウムを摂取したかどうか評価できる有効な方法である。しかし、この方法は、PuOのふき取り効率がふき取り圧力等によって異なってしまうため、プルトニウムの定量的な放射能の評価ができない。鼻腔内の直接測定が可能な線検出器はこれまで開発されていない。そこで、我々は作業者の内部被ばくの正確な評価のため、鼻腔内の直接測定が可能な鼻モニタの開発を行った。検出器は、ZnS(Ag)シンチレータを 寸法3mm3mm20mmの角柱型のライトガイドの表面に貼り付けた構成とした。シリコン光電子増倍管のアレーをシンチレーション光検知のための光検出器として用いた。Am線源を2mm5mmにコリメートしたものを線源として用い、鼻モニタの効率を評価した。線を左右の鼻モニタの3つの異なる面から照射した。加えて、線及びベータの影響も評価した。左右の鼻腔は線の二次元分布上識別できていた。鼻モニタの左鼻腔用検出器の効率は21.8%、右鼻腔用は38.0%であった。線及びベータの影響は無視できるほど小さく、プルトニウムのモニタリングに影響はなかった。我々が開発した鼻モニタを用いることで、鼻腔内のプルトニウムの放射能の直接かつ迅速な測定が可能となる。