Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
小島 有志; 梅田 尚孝; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 秋野 昇; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Nuclear Fusion, 55(6), p.063006_1 - 063006_9, 2015/06
被引用回数:45 パーセンタイル:90.00(Physics, Fluids & Plasmas)原子力機構では、JT-60SAやITERで利用する中性粒子入射装置の開発に向けて、大型高エネルギー負イオン源による100秒を超える負イオン生成・加速の実証を目指した研究を進めている。まず、JT-60SA用負イオン源の負イオン生成部のプラズマ閉じ込め用磁石配置を変更することにより、生成されたプラズマの密度分布を一様化することに成功した。これにより、引出領域の83%から一様な負イオンビームを生成し、これまでの最高値17Aを大きく超える32Aの負イオン電流を1秒間引き出すことに成功した。この磁場配位とこれまでに開発した長時間負イオン生成用温度制御型プラズマ電極を適用し、さらに負イオン電流のフィードバック制御手法を用いることにより、15Aの大電流負イオンビームを100秒間維持することに成功した。これは、JT-60SAの定格の68%の電流に相当し、パルス幅は定格を満たしている。また、ITER用高エネルギー加速器の開発に向けては、負イオンビームが加速途中で電極に衝突して生じる熱負荷を低減するだけでなく、負イオンと同時に引き出される電子を熱的に除去することが重要であった。今回、冷却構造を改良することにより従来の5倍の電子熱負荷を許容できると共に、残留磁場で偏向する負イオンビームの軌道制御機構を組み合わせて、新しい引出部を開発した。その結果、700keV、100A/mの負イオンビームを従来の7倍以上長いパルス幅である60秒間維持することに成功した。
梅田 尚孝; 小島 有志; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 平塚 淳一; 渡邊 和弘; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 花田 磨砂也
AIP Conference Proceedings 1655, p.050001_1 - 050001_10, 2015/04
ITER中性粒子入射装置では、1MeV, 40A(電流密度200A/m)の大電流の重水素負イオンビームを3600秒間にわたって加速することが要求されている。この負イオンビーム加速を実証するため、原子力機構のMeV級試験装置で長パルスのビーム加速試験を行っている。今回、冷却性能を上げるため磁石と冷却管位置を変更した長パルス用の引出電極を開発した。さらに、負イオンの衝突と2次電子の発生を抑制するため電子抑制電極の孔径を14mmから16mmに大きくし、電極へのビーム衝突を減らすため孔軸変位量も修正した。これにより負イオンの透過率が上がり、電極全体の熱負荷は14%から11%に低下した。そして、加速電圧700kV、ビーム電流密度100A/mの負イオンビームを装置の限界である60秒間安定に加速することができた。
山中 晴彦; 前島 哲也; 照沼 勇斗; 渡邊 和弘; 柏木 美恵子; 花田 磨砂也
JAEA-Technology 2014-037, 12 Pages, 2014/12
国際熱核融合実験炉の中核加熱装置である中性粒子入射装置で使用する25Cから高温領域の180Cまでの温度範囲における純水の抵抗率を測定した。抵抗率は温度とともに減少するが、100C以上では、純度が異なる9M・cmの純水と5M・cmの純水でもほぼ同じ値で低下することが分かった。180Cにおける抵抗率は0.36M・cmであり、この値は理論純水の計算値と良い一致を示すことを確認した。
柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 小島 有志; 吉田 雅史; 谷口 正樹; 大楽 正幸; 前島 哲也; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B320_1 - 02B320_3, 2014/02
被引用回数:29 パーセンタイル:73.78(Instruments & Instrumentation)ITER, JT-60SA及びDEMO用の核融合炉の加熱・電流駆動に必要なNBIに向けて、高パワー・長パルス用負イオン引出し部の電極を今回新たに開発した。まず、長パルスの間、十分除熱できる電極を熱解析で設計した。次に、負イオン加速試験で、新しい電極の負イオン生成と電子抑制能力について実験的に検証した。その結果、負イオン電流は1.3倍増加し、懸念していた電子電流の増加は抑えることができ、さらにビーム発散角も4mradまで十分低減できることを明らかにした。
梅田 尚孝; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 井上 多加志; 小島 有志; 花田 磨砂也
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B304_1 - 02B304_3, 2014/02
被引用回数:13 パーセンタイル:49.24(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITER中性粒子入射装置用加速器を実現するため、静電5段加速の負イオン加速器の開発を行なっている。これまで目標値のビームエネルギー1MeV、電流密度200A/mの負イオンビーム加速に対して、850keV, 185A/mの加速に成功しているが、高い電極熱負荷によりビームパルス幅は0.4秒に制限されていた。今回、フィルター磁場によるビーム偏向を補正するため、0.5mmの孔軸変位を採用した新たな引出部を開発した。これにより、フィルター磁場によるビーム偏向を6mradから1mradに低減し、負イオンの衝突による電極熱負荷を23%から15%に低減した。この結果、高パワーでの長時間加速が可能となり、ビームエネルギー881keV, 電流密度130A/mの負イオンビームを8.7秒間加速することができ、100MW/mを越えるパワー密度でパルス幅を1桁上げることに成功した。
戸張 博之; 井上 多加志; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; 栗山 正明*; et al.
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.975 - 979, 2013/10
被引用回数:1 パーセンタイル:10.19(Nuclear Science & Technology)日本が調達するITER NB機器の1つであるHVブッシングは、コバールをロウ付け接合したセラミックリングとFRPリングからなる2重絶縁管を、5段積み重ねた多芯絶縁フィードスルーである。0.6MPaの絶縁ガス領域と真空の隔壁となるHVブッシングでは、差圧によって生じる圧力荷重や地震荷重並びに自重をFRPリングで支持することが求められる。また、セラミックロウ付け接合部が真空境界となり、ここでは外部に充填する0.6MPaの空気圧に耐える機械強度が求められる。これらの荷重に耐え、安全係数3.5となる設計案を構築するために、機械構造解析を実施した。FRPについては、発生するせん断力に対する機械強度を増すために繊維を直交させたガラスクロスを周方向に巻いた2次元等方性FRPリングを用いるべきことを明らかにし、またロウ付け接合部については、コバールの形状、固定方法を工夫して応力を低減した。その結果、ITERの要求を満たす構造案を構築できた。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 戸張 博之; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 井上 多加志; DeEsch, H. P. L.*; Grisham, L. R.*; et al.
AIP Conference Proceedings 1515, p.227 - 236, 2013/02
被引用回数:12 パーセンタイル:95.79(Physics, Applied)ITER中性粒子入射装置(NBI)用の5段多孔多段(MAMuG)加速器では、1MeV, 40Aの重水素(D)負イオンビームを1時間に渡り生成する。しかし、電子抑制用の磁場やビーム間に働く反発力でビームが大きく偏向して電極に衝突し、高い熱負荷を生じて運転を妨げることが問題となっていた。そこで3次元のビーム軌道解析を用いて、孔軸をずらしたり金属突起を付けることで、ビーム偏向と逆方向にビームを曲げる電界の歪みを形成してビーム偏向を補正する方法を検討した。磁場によるビーム偏向については、引出し部の直径17mmの孔をわずか0.6mm変位させて電界の歪みを形成することでビーム発散角を維持したまま補正できることを明らかにした。またビーム間の反発による偏向に対しては、引出部裏の多孔領域周辺に取り付けた金属板の厚みを3mmまで増やし、孔位置から徐々に遠ざけて30mmの位置に設置したとき、弱い電界の歪みで緩やかにビーム軌道を曲げて、発散角を維持したままビーム偏向を補正できることを示し、これらの結果をITERの設計に反映させた。
戸張 博之; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 大楽 正幸; 梅田 尚孝; 山中 晴彦; 土田 一輝; 武本 純平; 渡邊 和弘; 井上 多加志; et al.
Plasma Science and Technology, 15(2), p.179 - 183, 2013/02
被引用回数:1 パーセンタイル:4.21(Physics, Fluids & Plasmas)ITER NBI用負イオン加速器及びHVブッシング開発において1MV真空絶縁が共通課題である。HVブッシングでは、外径1.56mのセラミックリングとその外周にFRPリングを二重配置し、これを5段積み重ねて1MVを絶縁する。二重構造ゆえ絶縁体周辺に三重点が複数存在する。これら三重点の電界を同時に低減するために、電界解析により形状を選定した3つの電界緩和部品の組合せる電界緩和構造を考案した。これを1段分の実規模モックアップに適用し耐電圧試験を実施したところ、定格の120%の-240kVを安定に保持し、ITERで要求される絶縁性能を実証した。MeV級加速器では、加速器内に存在する段差や端部における局所的な電界集中により十分な耐電圧性能が得られていなかった。そこで、電極間距離の延伸,端部曲率の増大を図り、電界を低減させ、真空中で1MVの安定保持を達成した。また、加速器内の磁場及び空間電荷反発によりビーム偏向を補正する電極を用いることで、ビームの電極への衝突を抑制し、ITER要求値をほぼ満足する980keV, 185A/mの負イオンビーム加速に成功した。
谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 武本 純平; 戸張 博之; 土田 一輝; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 小島 有志; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B121_1 - 02B121_3, 2012/02
被引用回数:11 パーセンタイル:45.67(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITER NBIで要求される1MeV, 200A/mの負イオン加速実証のため、MeV級加速器の開発を行っている。このような高パワー加速実現のためには、加速器の耐電圧向上が一つの鍵となる。本研究では、MeV級加速器の耐電圧特性試験で得られた知見に基づき、電極間ギャップの延長や支持枠角部の曲率を増加させるなど、耐電圧改善のための改造を行った。その結果、真空中での1MV保持に成功した。さらに、磁場や空間電荷反発により偏向するビーム軌道を電子抑制電極の孔ずれにより補正した結果、ビームの電極への衝突が抑制され、ビーム電流が増加するとともにビーム加速時の耐電圧が向上した。これらの加速器改良により、負イオンビームのエネルギー,電流はITER要求値にほぼ相当する980keV, 185A/mまで増加した。
柏木 美恵子; 井上 多加志; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; Grisham, L. R.*; 大楽 正幸; 武本 純平; 戸張 博之; 土田 一輝; 渡邊 和弘; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.457 - 465, 2011/09
被引用回数:9 パーセンタイル:88.26(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)原子力機構では、5段の多孔多段電極(MAMuG)加速器を用いて、ITERの設計値である1MeV, 200A/mの水素負イオンビーム加速を目指している。最近の耐電圧試験で加速器内の局所的な電界集中を低減するために金属間ギャップを延長した結果、真空耐電圧が大幅に改善し、1MVで4000秒の電圧保持に成功した。これに伴い、ビームエネルギーも800keVから900keVレベルに増加したが、ギャップ長を長くしたために磁場と空間電荷反発で生じるビーム偏向が加速器内で顕著になり、ビームが電極に衝突し、絶縁破壊を誘発していることが明らかとなった。そこで、3次元マルチビームレット解析で、ビーム偏向量を明らかにし、その補正方法を検討した。この結果、磁場による偏向補正のために電子抑制電極の各孔に0.8mmの孔軸変位を、さらに空間電荷反発の補正のために孔部周辺に厚み1mmの電界補正板を設けることで、1MeVのビームを補正できる見込みを得た。この偏向補正法を加速器に組み込み、偏向試験を進めており、これらの結果を報告する。
谷口 正樹; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; 戸張 博之; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 土田 一輝; 小島 有志; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.449 - 456, 2011/09
被引用回数:2 パーセンタイル:52.46(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)原子力機構では、ITER中性粒子入射加熱装置(NBI)用として多孔多段型負イオン加速器(MeV級加速器)の開発を行っている。現在までに、MeV級加速器では796keV, 140A/mの負イオン加速に成功したが、ITER要求値である1MeV, 200A/mの負イオン加速達成には加速器の耐電圧性能改善が不可欠である。JT-60用加速器やMeV級加速器においてさまざまな加速器体系で実施した耐電圧試験の結果、実機の保持電圧は電極支持枠部の段差や角部における電界集中により、加速器の設計に用いた理想的電極での試験結果より50%低下することが明らかとなった。これらの知見に基づき、電極間ギャップの延長や支持枠角部の曲率を増加させるなど、電界集中を抑制するための改造を行った。その結果、真空下での保持可能電圧は835kVから1MVに向上し、加速された負イオンの電圧,電流は879keV, 157A/mに増加した。
土田 一輝; 渡邊 和弘; 戸張 博之; 武本 純平; 山中 晴彦; 井上 多加志
電気学会研究会資料,原子力研究会(NE-11-001004・006010), p.17 - 22, 2011/09
ITERプラズマの加熱と電流駆動のために大電力の中性粒子ビーム入射装置(NBI)が計画されており、日本は1MVの発生,伝送,サージ抑制にかかわる主要な機器(超高圧直流発生器,高電圧ブッシングなど)の技術開発と調達を担当している。講演では、NB電源システム開発の全貌と、1MV絶縁のための冷却水用絶縁配管,世界最大径の大型セラミックを用いたブッシングなどの要素技術開発の進展を報告する。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 小島 有志; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; Hemsworth, R. S.*; 水野 貴敏*; 武本 純平; 田中 政信*; 田中 豊*; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
原子力機構の多孔多段加速器では、ITERの中性粒子入射装置に必要な1MeV, 200A/mの負イオンビーム加速を目指している。耐電圧試験では、加速器の耐電圧は理想的な電極の耐電圧の半分程度であることがわかった。複雑な構造を有する電極や電極支持部の局所的な電界集中が問題であると考え、電極間ギャップを延長し、電極支持部の端部の曲率を大きくして電界集中を抑えた。その結果、真空耐電圧が改善し、1MVで4000秒の電圧保持を達成した。ビーム加速でも、従来の796keV, 0.32A (140A/m)から879keV, 0.36A (157A/m)に大きく進展した。一方、ビーム加速試験では、磁場とビーム間の空間電荷反発によりビームが曲げられて電極に衝突し、ビームエネルギー・電流減少の原因となっていた。3次元ビーム解析において、このビームの偏向量を明らかにして孔ずれと電界補正板を用いたビーム偏向補正方法を設計し、加速器試験でこの補正法が有効に機能することを確認した。
戸張 博之; 井上 多加志; 花田 磨砂也; 大楽 正幸; 渡邊 和弘; 梅田 尚孝; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 山中 晴彦; 武本 純平; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
ITER NBI用高電圧(HV)ブッシングは、ガス絶縁方式である-1MV高圧電源伝送系と真空中に設置する負イオン源及び静電加速器の間の圧力隔壁であり、かつ電力を絶縁導入する重要な機器である。原子力機構では、これまでに5段重ねのHVブッシングの絶縁材に用いる世界最大(外径1.56m)の大口径セラミックの開発に成功した。また、サンプル試験や強度解析を行い、セラミックと金属を一体化する接合技術の開発を進めてきた。そして今回、この大口径セラミックに適用可能な厚肉コバール材を用いたロウ付け接合技術の開発に成功した。さらに、大口径セラミック,金属フランジなどを一体に組み上げHVブッシングの1段分を実サイズで模擬したモックアップを試作し、耐電圧試験を実施した。その結果、1段あたりの定格電圧の20%上回る240kVを1時間以上に渡り安定に保持し、ITER NBIで要求される絶縁性能を実証した。
山本 昌則; 渡邊 和弘; 山中 晴彦; 武本 純平; 山下 泰郎*; 井上 多加志
JAEA-Technology 2010-029, 60 Pages, 2010/08
ITER用中性粒子入射装置電源は、エネルギー1MeVで電流40Aの負イオンビームを加速するための-1MV超高電圧直流電源システムである。原子力機構はITER国内機関(JADA)として、-1MV超高電圧発生部,冷却水絶縁供給用高電位デッキ2, -1MV絶縁トランス,電力トランスミッションライン,サージ抑制機器,現地での電源試験のための機器等、主要な超高電圧機器の調達を担当する。中性粒子入射装置を安定に動作させるためには、イオン源加速部で発生する放電破壊時に電源から加速部へ流入するサージエネルギーを抑制し、加速部が放電破壊によって損傷されることを防ぐことが必要である。このために、電源回路にはサージ抑制機能が必要となる。ITER中性粒子入射装置電源のサージ特性について、最新のITERサイト機器配置等の諸条件を考慮した等価回路を作成し、回路解析コードEMTDCを用いてサージ抑制機器の最適化設計を行った。その結果、放電破壊の際のイオン源加速部への流入エネルギーをITERの要求値50J以下に対して25J程度に抑制できることを確認した。これによって、ITER用NBI電源における要求性能を満足するサージ抑制機能の実現の見通しを得た。
山中 晴彦; 林 和彦; 本橋 純; 川島 和人; 市村 俊幸; 玉井 和夫; 竹内 光男
JAERI-Tech 2001-084, 110 Pages, 2002/01
JRR-3における炉心反応度の管理は、制御棒校正結果を用いて行っている。制御棒校正は、年1回の定期自主検査時等に、6本の制御棒の全駆動範囲について逆動特性法(IK法)を用いた反応度測定により行っている。IK法による反応度の測定は、従来のペリオド法(PP法)に比し作業時間が大幅に短縮できる長所がある。JRR-3では、約10年間のIK法を用いた反応度測定の実績を活かした測定装置の高機能化及び測定結果の信頼性向上を図った逆動特性法を用いる制御棒校正用装置を製作し、実用できることを確認した。本報は、JRR-3における制御棒校正の方法,製作した制御棒校正用装置の機能,性能及び平成12年度JRR-3定期自主検査時の制御棒校正データを用いて行った本装置の機能及び性能の検証結果について報告する。
渡邊 和弘; 山中 晴彦; 前島 哲也; 井上 多加志; 花田 磨砂也; 田中 滋*; 門脇 慎*
no journal, ,
ITER NBIでは負イオンを-1MVの電位上で生成し接地電位に向けて加速することから、負イオン生成電源は大地から-1MVの絶縁を持たせることが必要であり、そのために直流-1MVの絶縁変圧器が必要である。しかしながらこのような絶縁変圧器は未経験領域にあり、その直流絶縁特性を実証する必要があった。このためITERの受託研究開発タスクとして絶縁変圧器試験体を試作し耐電圧試験を行った。その結果、すべての試験を満足し、実機絶縁変圧器製作を確実なものにした。
山中 晴彦; 渡邊 和弘; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 前島 哲也; 花田 磨砂也; 照沼 勇斗
no journal, ,
ITERではプラズマ加熱・電流駆動装置の建設に先立ち、実機と同一仕様のNB試験装置(NBTF)をイタリア・パドバに建設する。これらNB装置には、これまでにない-1MV, 60A, 3600秒出力の直流超高圧大出力電源システムが必要であり、日本はこの電源システムの高電圧機器を調達している。特に1MV超高圧発生器、1MV絶縁変圧器、1MVの電送ライン、直流フィルター、冷却水を1MVの絶縁をして供給する高電位デッキなど、これまでに未経験の超高圧機器であり、R&Dを実施しながらその設計を進めてきた。これまでに伝送系、絶縁変圧器、高電位デッキに関する開発を行い、絶縁性能を確認し設計のデータベースを確立した。現在、それらのデータを反映しつつ、-1MV伝送ラインや直流フィルターなどの機器の設計を終えて製作に着手する段階である。
大楽 正幸; 戸張 博之; 阿部 宏幸; 関 則和; 花田 磨砂也; 渡邊 和弘; 柏木 美恵子; 山中 晴彦; 梅田 尚孝
no journal, ,
ITER中性粒子入射装置実機試験施設(NBTF)の建設がイタリア・パドバで進行中であり、日本はHVブッシング及び1MV電源高圧部の調達を担当している。HVブッシングは、最大1MVが印加された電力供給用導体を真空中のビーム源に繋ぎ込む絶縁碍子である。本発表では、基本構造はITER中性粒子入射装置用HVブッシングと同一ながら、品質確認を検証するために要所をO-リングシールを用いて分解可能構造としたNBTF用HVブッシングの工学設計と性能検証試験の結果について報告する。
戸張 博之; 花田 磨砂也; 渡邊 和弘; 柏木 美恵子; 小島 有志; 大楽 正幸; 関 則和; 阿部 宏幸; 梅田 尚孝; 山中 晴彦; et al.
no journal, ,
ITERおよびJT-60SAの中性粒子入射装置(NBI)に向けた技術開発の進展を報告する。ITER NBIの高電圧電源用1MV絶縁変圧器開発では、1MVを変圧器から引き出すブッシング開発が課題であった。従来技術では製作不可能な巨大な碍子が必要となったため、新たに絶縁ガスを封入したFRP絶縁管の内部に碍子製の小型コンデンサーブッシングを装着する同軸構造の複合型ブッシングを考案した。これにより安価で入手製の高い1MV絶縁変圧器を実現した。また、直流1MV高電圧導体を真空中に導入するHVブッシング開発では、内部に設置される大面積の円筒電極間の耐電圧特性を詳細に調べ、面積の効果を考慮した絶縁特性をモックアップ試験で明らかにし、HVブッシングの絶縁設計指針を構築した。また、負イオンの長時間生成と加速に向けて、高沸点の流体を用いた負イオン源内のプラズマ電極の温度制御技術の開発、並びに負イオンの偏向を補正する電極を組み込んだ冷却性能強化型負イオン引出部を開発した。その結果、15Aの負イオンビームを100秒生成および従来の2ケタ増となるビームエネルギー密度40MJ/mを達成した。