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吉井 賢資; 米田 安宏; Jarrige, I.*; 福田 竜生; 西畑 保雄; 鈴木 知史; 伊藤 嘉昭*; 寺嶋 孝仁*; 吉門 新三*; 福島 整*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 75(3), p.339 - 343, 2014/03
被引用回数:10 パーセンタイル:40.37(Chemistry, Multidisciplinary)強誘電体BaTiO3について、共鳴X線発光(RXES)及び部分蛍光法を用いたX線吸収分光(PFY-XAS)により電子状態を分析した。実験はSPring8の原子力機構ビームラインBL14B1と物質・材料研究機構ビームラインBL15XUで行った。Ba L
吸収端でのPFY-XASスペクトルは、過去の文献とは異なり、キュリー点上下で変化しなかった。これは、Ba
イオンの位置はキュリー点で変位しないか変位が小さいことを示唆する。また、Ti K吸収端でのRXESスペクトルからは、発光ピークのエネルギーは入射光エネルギーによらずほぼ一定であった。この結果は、Ti 3d軌道が非局在的な性質を持っており、それによりTiイオンが変位して電気双極子の生成して強誘電体となるという、理論計算から提案された機構を支持することが分かった。
吉井 賢資; 米田 安宏; Jarrige, I.*; 鈴木 知史; 伊藤 嘉昭*; 吉門 新三*; 福島 整*
no journal, ,
強誘電体BaTiOの電子状態を観測するため、Ba-L
及びTi-K吸収端において放射光共鳴発光測定を行った。Ba吸収端において、共鳴発光を用いた部分蛍光法による吸収スペクトルをキュリー点上下で測定した。過去の文献では、温度によりスペクトルに違いが見られ、それによりこの物質の相転移起源について示唆がなされた。しかし本研究では、温度を変えてもスペクトルはほとんど変化しなかった。よって、スペクトル変化の存在の有無については、今後さらに検討が必要である。Ti-K吸収端での測定からは、Tiの共鳴発光ピークは吸収端近傍でそのエネルギーは一定であった。これは通常元素分析で用いられる蛍光過程によるものであり、励起された電子が速やかに非局在化することを示す。非局在化はTiのp及びd軌道で起こっており、Ti-Oの強い混成によって軌道が遍歴的になっていることを示す。この結果は、BaTiO
の強誘電性がTi-Oの強い混成による歪みに由来することを示すものであり、過去の理論計算などと定性的に一致する。
吉井 賢資; 米田 安宏; Jarrige, I.*; 福田 竜生; 西畑 保雄; 鈴木 知史; 伊藤 嘉昭*; 吉門 新三*; 福島 整*
no journal, ,
BaTiOの強誘電性の起源を探るため、Ba-L
およびTi-K吸収端において放射光共鳴発光測定を行い電子状態を観測した。Ba吸収端においては、共鳴発光を用いた部分蛍光法による吸収スペクトルをキュリー点上下で測定した。過去の文献では、温度によりスペクトルに違いが見られ、それによりこの物質の相転移がいわゆる変位型によるとの示唆がなされた。しかし本研究では、温度を変えてもスペクトルはほとんど変化しなかった。よって、スペクトル変化の存在の有無については、今後さらに検討が必要である。Ti K吸収端での測定からは、Tiの共鳴発光ピークは吸収端近傍でそのエネルギーは一定であった。これは通常元素分析で用いられる蛍光過程によるものであり、励起された電子が速やかに非局在化することを示す。非局在化はTiのp及びd軌道で起こっており、Ti-Oの強い混成によって軌道が遍歴的になっていることを示す。この結果は、BaTiO
の強誘電性がTi-Oの強い混成による歪みに由来することを示すものであり、過去の理論計算などと定性的に一致する。