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矢野 康英; 上羽 智之; 丹野 敬嗣; 吉武 庸光; 大塚 智史; 皆藤 威二
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(4), p.521 - 529, 2024/04
被引用回数:1 パーセンタイル:35.82(Nuclear Science & Technology)高速実験炉「常陽」で中性子照射したPNC316の引張特性に及ぼす中性子の影響を評価した。PNC316被覆管とラッパ管は、照射温度400ら735Cで照射量21から125dpaで照射された。照射後の引張試験は室温と照射温度で実施された。照射材の著しい硬化と軟化は確認されたが、照射後の引張延性は工学的なレベルを維持できていた。また、400から500Cの範囲で110dpa照射されたPNC316ラッパ管の最大スエリング量は2.5%であり、10%以上のスエリングが生じたPNC316や15Cr-20Ni鋼のような日本の20%冷間加工材は、塑性不安定は小さかったけれども、十分な延性と加工硬化性能を維持していることが分かった。
大塚 智史; 丹野 敬嗣; 岡 弘; 矢野 康英; 舘 義昭; 皆藤 威二; 橋立 竜太; 加藤 章一; 古川 智弘; 伊藤 主税; et al.
2018 GIF Symposium Proceedings (Internet), p.305 - 314, 2020/05
酸化物分散強化型(ODS)鋼は、先進原子力システム用の高強度・耐照射性材料として、世界的に研究開発が進められてきた。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、ODS鋼をナトリウム冷却高速炉(SFR)の高燃焼度被覆管の最有力候補材と位置づけ研究開発を進めてきた。ODS鋼適用による高燃焼度化の達成により、SFRの経済性向上および放射性廃棄物の減容・有害度の低減が可能となる。本稿は、JAEAにおけるSFR高燃焼度被覆管用ODSマルテンサイト鋼の開発状況とその展望について取りまとめたものである。
田中 康介; 須藤 光雄; 大西 貴士; 圷 葉子; 吉武 庸光; 山下 真一郎; 関岡 健*; 石ヶ森 俊夫*; 大林 弘; 小山 真一
JAEA-Research 2013-036, 31 Pages, 2013/12
東京電力福島第一原子力発電所(1F)の事故では、原子炉の冷却機能維持のために建屋の外部から注水が行われた。その際、緊急措置として一時的に海水が使われ、燃料と海水が有意な時間直接的に接触する状態が生じた。この状態においては燃料から核分裂生成物(FP)等が海水中に溶出することが想定されることから、その溶出・浸出挙動を把握しておくことは、圧力容器,格納容器等構造物の健全性に与える影響を評価する上での基礎的な情報として有用である。そこで、本研究においては、FP等の海水への浸出挙動に係る基礎的な知見を得ることを目的として、照射済燃料を人工海水中で浸漬させて得られた溶液の組成を分析する試験を行った。その結果、海水成分は浸漬試験の前後で大きな変動は確認されなかった。また、浸漬試験後の溶液中における被覆管成分は検出されず、これらの元素の溶出は確認されなかった。FP成分についてはCs, Cd, Mo等が、燃料由来成分についてはU, Pu及びAmがそれぞれ検出された。溶液中で検出された核種において溶出率を評価した結果、地下水を想定した溶液に照射済燃料を浸漬させた試験結果と類似する傾向にあることがわかった。
矢野 康英; 大塚 智史; 山下 真一郎; 小川 竜一郎; 関根 学; 遠藤 敏明; 山県 一郎; 関尾 佳弘; 丹野 敬嗣; 上羽 智之; et al.
JAEA-Research 2013-030, 57 Pages, 2013/11
安全性並びに経済性に優れた高速増殖炉を実現させるためには、燃料の高性能化が不可欠であり、そのためには高温・高燃焼度条件での使用に耐えうる炉心材料の開発と照射挙動(=照射健全性)の把握が重要な課題である。このため、耐スエリング性能に優れるフェライト鋼を炉心材料に選定し、被覆管材料としてはODSフェライト鋼、ラッパ管材料としては11Cr-フェライト/マルテンサイト鋼(PNC-FMS)を第一候補材料として開発を実施している。そこで、照射挙動評価に資するために、「常陽」MK-III炉心材料照射用CMIR-6で照射したODSフェライト鋼の照射後強度特性並びに組織観察を行い、挙動評価を行った。
矢野 康英; 小川 竜一郎; 山下 真一郎; 大塚 智史; 皆藤 威二; 赤坂 尚昭; 井上 賢紀; 吉武 庸光; 田中 健哉
Journal of Nuclear Materials, 419(1-3), p.305 - 309, 2011/12
被引用回数:22 パーセンタイル:82.64(Materials Science, Multidisciplinary)高速実験炉「常陽」のCMIR-6で照射したODS鋼被覆管のリング引張特性に及ぼす照射効果に関して調査を行った。照射条件範囲は、照射温度6931108Kと照射量1633dpaであった。照射温度923K未満では強度特性に変化は見られなかったが、1023Kでは20%の強度低下が見られた。一方、照射後の一様伸びは、すべての照射条件で2%以上確保されていた。本照射条件範囲ではODS鋼被覆管は、一般的な11Crフェライト/マルテンサイト鋼であるPNC-FMS被覆管と比較しても優れた引張特性を維持していることが明らかになった。
松井 義典; 高橋 広幸; 山本 雅也; 仲田 祐仁; 吉武 庸光; 阿部 和幸; 吉川 勝則; 岩松 重美; 石川 和義; 菊地 泰二; et al.
JAEA-Technology 2009-072, 144 Pages, 2010/03
日本原子力研究開発機構は、平成17年10月に日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構との統合によって誕生した。この統合を最大限に利用したプロジェクトが、旧電源開発促進対策特別会計法及び特別会計に関する法律(エネルギー対策特別会計)に基づく文部科学省からの受託事業「長寿命プラント照射損傷管理技術に関する研究開発」である。この「長寿命プラント照射損傷管理技術に関する研究開発」において、材料の照射損傷評価指標の確立に重要な、世界で類のない、高速実験炉「常陽」と研究用原子炉であるJRR-3を利用した組合せ照射材を平成18年から平成19年の約2年間の短期間で取得した。本報告は、これら常陽,JRR-3の実験炉施設及びWASTEF, JMTRホットラボ,MMF, FMFのホット施設を利用した組合せ照射における作業計画から作業結果及び照射試験における照射温度と照射量の評価をまとめたものである。
高屋 茂; 永江 勇二; 吉武 庸光; 根本 義之; 中野 純一; 上野 文義; 青砥 紀身; 塚田 隆
E-Journal of Advanced Maintenance (Internet), 1(1), p.44 - 51, 2009/05
中性子照射されたモデル合金についてSSRT試験により評価されたIASCC感受性と磁束密度を比較した結果、SCCへの中性子照射の影響が確認される場合については、両者の間に、照射量や化学組成によらない関係が認められた。さらに、非照射模擬劣化材について磁束密度の測定を行い、磁束密度が増加するためには、化学組成の変化だけでなく、欠陥の導入も必要であることを示した。これらの結果は、磁束密度測定によるIASCC感受性の非破壊評価の可能性を示している。
矢野 康英; 山下 真一郎; 吉武 庸光; 赤坂 尚昭; 高橋 平七郎
まてりあ, 47(12), P. 625, 2008/12
実用化段階の高速炉用炉心材料として開発された11Crフェライト/マルテンサイト鋼について、高速実験炉「常陽」を用いて照射温度7731013K,照射量11117dpaで照射した後、引張試験及び微細組織観察を実施した。117dpaまでの重照射環境においても、照射温度873Kまでは、旧オーステナイト粒界に炭化物の優先的析出は観察されるが、ラス組織は維持されていた。高温照射の938Kではラス組織の回復,再結晶が促進されていた。照射後の引張強度は、照射温度873Kまでは強度低下が小さく、903K以上では顕著な強度低下が生じていた。これらの結果を考慮すると、本鋼の強度は本照射範囲では照射量に依存せず、873Kまではラス組織の回復が抑制され強度低下が小さいこと、及び938K以上ではラス組織の回復,再結晶が促進される結果、強度低下が生じることが明らかになった。873Kまでのラス組織の回復の抑制は、粒内の過飽和な炭素が優先的に炭化物として旧オーステナイト粒界に析出し、粒内の炭素が最適化され、コットレル雰囲気を形成し、その結果、転位がトラップされ転位の上昇運動が抑制されることによると推察される。
矢野 康英; 吉武 庸光; 山下 真一郎; 赤坂 尚昭; 小野瀬 庄二; 渡辺 精一*; 高橋 平七郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(12), p.1535 - 1542, 2007/12
被引用回数:12 パーセンタイル:62.85(Nuclear Science & Technology)高速実験炉「常陽」で燃料照射をした高強度フェライト/マルテンサイト鋼(PNC-FMS)及びHT9M被覆管の照射後強度試験、具体的には、引張及び急速加熱バースト試験を実施し、両鋼の照射後強度特性評価を行った。
矢野 康英; 吉武 庸光; 山下 真一郎; 赤坂 尚昭; 小野瀬 庄二; 高橋 平七郎*
Journal of Nuclear Materials, 367-370(1), p.127 - 131, 2007/08
被引用回数:11 パーセンタイル:60.31(Materials Science, Multidisciplinary)被覆管の引張特性及び急速加熱バースト特性に及ぼす高速中性子照射効果の影響を調査した。試験片は、材料照射リグを用いて照射した。照射温度は、7731013Kで、照射量は11102dpaであった。照射後引張試験と急速加熱バースト試験を実施した。873K以下の照射温度では、引張強度と破裂強度の低下は見られなかった。このように強度を維持した理由は析出物が優先的に旧オーステナイト粒界に析出し、粒界強化に寄与したためだと考えられた。また、903K以上の照射温度では、両強度とも低下していた。これは、ラス組織の回復と再結晶に起因していると考えられる。
矢野 康英; 岡 桂一朗*; 赤坂 尚昭; 吉武 庸光; 阿部 康弘; 大貫 惣明
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(6), p.648 - 654, 2006/06
被引用回数:4 パーセンタイル:30.14(Nuclear Science & Technology)実用化段階の高速炉炉心材料としては、耐スエリング性に優れたフェライト鋼を候補材として研究開発を進めている。一方、フェライト鋼を炉心材料として適用する上では高速中性子照射に伴う材料の照射脆化挙動評価が重要な課題である。そこで、「常陽」で照射したPNC-FMS鋼のシャルピー衝撃試験及び微細組織観察を行い、衝撃特性に及ぼす組織の影響について評価した。
上野 文義*; 永江 勇二; 根本 義之*; 三輪 幸夫*; 高屋 茂; 星屋 泰二; 塚田 隆*; 青砥 紀身; 石井 敏満*; 近江 正男*; et al.
JNC TY9400 2005-013, 150 Pages, 2005/09
原研とサイクル機構との融合研究として進めてきた、照射環境によって生じる構造材料の照射劣化現象を対象とした機構解明、早期検出及び評価方法の開発に関する最終報告書である。
上野 文義; 永江 勇二*; 根本 義之; 三輪 幸夫; 高屋 茂*; 星屋 泰二*; 塚田 隆; 青砥 紀身*; 石井 敏満; 近江 正男; et al.
JAERI-Research 2005-023, 132 Pages, 2005/09
原研とサイクル機構は、平成15年度から研究開発の効率的推進と研究の相乗的発展を目指す「融合研究」を開始した。本研究は、「融合研究」の一つとして、高速炉や軽水炉環境などの照射環境において生じる構造材料の照射劣化現象を対象に、劣化機構の解明,早期検出及び評価方法の開発を目的とした。平成1617年度は、本研究に用いる照射材対応の遠隔操作型の微少腐食量計測装置,腐食試験装置及び漏えい磁束密度測定装置を整備し、SUS304の照射後及び非照射クリープ試験片や照射後高純度モデル材を共通試料とし、両手法を用いた劣化検出を試みるとともに、比較のための非照射劣化模擬試料を用い、基礎的なデータを取得した。これらの結果に基づき、本研究において提案した劣化評価法の適用性を検討した。
山下 真一郎; 吉武 庸光; 赤坂 尚昭; 鵜飼 重治; 木村 晃彦*
Materials Transactions, 46(3), p.493 - 497, 2005/05
被引用回数:5 パーセンタイル:43.24(Materials Science, Multidisciplinary)酸化物分散強化型(ODS)鋼をさまざまな製造パラメータで製造し、照射挙動評価のため「常陽」で中性子照射試験した。応力-歪線図から、当該鋼は673Kで優れた照射後材料挙動を示した。すなわち、それは照射硬化による引張強度の増加及び全伸びの保存に見られる。また、引張特性の照射温度依存性からは、高温での引張特性の低下(照射下での相安定性と密接に関係)は、化学組成,メカニカルアロイング中の不活性ガス種,熱処理温度及び初期母相などの製造パラメータを最適化することで回避可能となることが示された。
山下 真一郎; 吉武 庸光; 赤坂 尚昭; 鵜飼 重治; 大貫 惣明
The fifth Pacific Rim International Conference on, 0 Pages, 2005/00
3種類のODS鋼被覆管(マルテンサイト系1鋼種とフェライト系2鋼種)を高速実験炉「常陽」で中性子照射し、照射下におけるナノ-メソ構造変化、リング引張強度変化をそれぞれ評価した。内部構造、とりわけ結晶粒の形態あるいは転位構造などのマクロ構造については、明確な照射後変化が認められなかったが、炭化物や酸化物分散粒子などのナノ構造については、全てのODS鋼で照射後変化が認められた。一方、リング引張特性に関しては、各種ODS鋼の照射温度依存性に有意な変化が現われた。これは、鋼種毎に微細構造変化が異なることを反映した結果と考えられる。
栗下 裕明*; 山本 琢也*; 鳴井 實*; 吉武 庸光; 赤坂 尚昭
JNC TY9400 2004-006, 48 Pages, 2004/04
高速実験炉「常陽」で照射された高強度フェライト/マルテンサイト鋼(PNC-FMS(2WFK、63WFS))および酸化物分散強化型マルテンサイト鋼(H35)のハーフサイズと微小サイズ(1.51.520mm)試験片について計装化シャルピー衝撃試験を行い、照射脆化を評価した。また、照射脆化に及ぼす熱時効と組織の効果を検討した。次に、シャルピー衝撃試験における延性脆性遷移温度(DBTT)に及ぼす試験片サイズ・ノッチ形状の効果を解明するために、塑性拘束係数を次式で定義する。a=s*/sy*ここで、s*はへき開破壊の臨界応力、sy*はDBTTにおけるシャルピー衝撃試験と同一ひずみ速度での単軸降伏応力である。s*とsy*を評価する方法を示し、その方法により2WFKの試験片サイズ・ノッチ形状の異なる計12種類の試験片についてaを評価した。 aは試験片サイズを表す (A*/b2) と次の関係にあることが示される。a=a0.k(A*/b2)0.4但し、A*はs*に対応する臨界面積、bはリガメントサイズである。また、a0とkはa/W(aはノッチ深さ、Wは試験片の幅)に依存する定数であり、a/W が大きいほどaは大きい。
矢野 康英; 赤坂 尚昭; 吉武 庸光; 阿部 康弘
JNC TN9400 2003-118, 30 Pages, 2004/03
実用化段階の高速炉炉心材料としては、耐スエリング性に優れたフェライト鋼を候補材として研究開発を進めている。一方、フェライト鋼を炉心材料として適用するうえでは高速中性子照射に伴う材料の照射脆化挙動評価が重要な課題である。そこで、「常陽」MK-II MARICCO-1で照射したPNC-FMS(2WFK)のシャルピー衝撃試験後の試験片いついて微細組織観察を行い、照射後衝撃特性に及ぼす組織の影響について評価した。
山下 真一郎; Oka, K.*; 吉武 庸光; 赤坂 尚昭; 鵜飼 重治; 大貫 惣明
Effects of Radiation on Materials (ASTM STP 1447), 391- Pages, 2003/00
常陽にて中性子照射した初期型薄肉細管ODSフェライト鋼(1DS,1DK)の照射後微細構造観察を行い、微細分散酸化物の分跳溶解・再折出が中性子照射によって誘起され、粒子の分散状態が変化することを明らかにした。同時に行った照射前後のODSフェライト鋼に対する濃度分析により、TiとYで構成される複合酸化物の形状は、外皮層がTiとYの複合酸化物、粒子核がTi酸化物のような二重構造を有し、マトリックスとミスマッチを低減させているとの考えを示した。
赤坂 尚昭; 山下 真一郎; 吉武 庸光; 鵜飼 重治; 木村 晃彦*
Proceedings of 11th International Conference on Fusion Reactor Materials (ICFRM-11), 0 Pages, 2003/00
ODSフェライト鋼並びにマルテンサイト鋼はFBR燃料被覆管や核融合炉の構造材として有望である。燃料被覆管用のODS鋼はJNCにて開発されてきた。開発初期のODS鋼は強い強度異方性を有していた。現在、結晶粒を等軸晶に制御することにより、この欠点が克服されている。3種類のODS鋼を「常陽」にて照射し、その組織変化挙動を検討した。分散粒子及び転位組織は照射下でも非常に安定であった。ODS鋼の組織が照射下において安定である理由は、分散粒子が点欠陥シンクとして作用するためと考えられる。
矢野 康英; 吉武 庸光; 阿部 康弘
JNC TN9400 2003-028, 44 Pages, 2002/12
実用化段階の高速炉炉心材料としては、耐スエリング性能の観点からフェライト系ステンレス鋼が有望である。そのためサイクル機構では、被覆管材として酸化物分散強化型鋼(Oxide Dispersion Strengthened: ODS)(12Crフェライト系と9Crマルテンサイト系の2鋼種を開発)を、ラッパ管材としては高強度フェライト/マルテンサイト鋼(PNC-Ferritic/Martensitic Steel;PNC-FMS)をそれぞれ候補材料として開発を進めている。 フェライト系ステンレス鋼を高速炉炉心材料として適用するうえでは、中性子照射に伴う材料の脆化が課題であり、その挙動評価が重要な評価項目となる。そこで、フェライト鋼の照射脆化の評価に資するために、「常陽」MK-II炉心材料照射用反射体CMIR-5及び温度制御型材料照射装置MARICO-1で照射したPNC-FMS鋼(2WFK)とODSマルテンサイト鋼(H35)のミニチュアサイズ及びハーフサイズシャルピー衝撃試験を行い、両鋼の照射後衝撃特性を評価した。本試験を通して得られた主な結果は以下の通りである。(1)本照射条件範囲(最大照射量: 1.810の26乗n/平方メートル、温度範囲:376659度C)において、すべての2WFK照射材は、照射量より照射温度に依存して衝撃特性が変化した。すなわち、照射温度が400500度Cでは、顕著な衝撃特性の変化が見られなかったのに対し、659Cの照射材では明らかな衝撃特性の低下が観察された。(2)熱時効材の結果を考慮すると、照射温度495Cの2WFK照射材の衝撃特性に顕著な変化が見られなかったのは、熱時効による改善と照射による低下が相殺されたためと考えられる。また、照射温度659Cの2WFK照射材では、650C熱時効材の衝撃特性と比較して、顕著な低下が見られた。これは、熱時効効果に加えて照射誘起析出や照射促進拡散等の照射による組織変化に起因するものと推察される。このような2WFK衝撃特性変化は、熱時効及び照射に伴う組織変化挙動、特に析出挙動から解釈できると考えられる。(3)H35では、シャルピー衝撃特性に著しい異方性が見られなかった。これは、/変態を利用した組織改善を図った効果であると考えられる。また、非照射材と比較して、本試験条件範囲では照射に伴う衝撃特性の低