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藤原 武; 照沼 直広; 中山 真一
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物に含まれる主要な発熱性核種であるSr-90及びCs-137を含む元素群(以下、「発熱性元素群」と呼ぶ)を分離・回収し、必要に応じて保管して発熱量を減衰させることによる処分場設計の柔軟性向上の可能性などに着目し、回収した発熱性元素群を含む廃棄物の特性評価を進めている。発熱性元素群の分離回収方法の一つとして、無機イオン交換体(天然ゼオライトと含水チタン酸の混合物)による吸着法が提案されている。SrとCsを吸着した無機イオン交換体を、ホットプレス装置によって圧力をかけながら加熱して成型と焼結を同時に行った結果、無機イオン交換体は成型・焼結の過程で体積が1/2から1/3にまで圧縮され、コンパクトなSr-Cs焼結体とすることが可能であった。本試験で調製した焼結体は、その母材にゼオライトを含む場合には不均質な焼結体となり、チタン酸のみからなる焼結体は外見上均質な焼結体となった。
西川 弘之; 鬼沢 邦雄
no journal, ,
加圧熱衝撃時における原子炉圧力容器の健全性評価手法に関する規格・基準の妥当性確認に資することを目的に、原子力機構では確率論的破壊力学解析コードPASCAL2の整備を進めている。本研究では、肉盛溶接部に着目したPASCAL2の解析機能のうち、き裂進展評価法の改良を行った。改良したPASCAL2コードを用いて、き裂進展モデル及び肉盛溶接により生じる残留応力分布が破壊確率に及ぼす影響を評価した。この結果、過渡事象の種類に対応して、これらのモデル及び分布は、破壊確率に対し2倍以上の影響を及ぼすことが示された。
瀬川 麻里子; 甲斐 哲也; 酒井 卓郎; 篠原 武尚; 中村 龍也; 松林 政仁; 原田 正英; 及川 健一; 前川 藤夫; 大井 元貴; et al.
no journal, ,
非破壊での2次元可視化元素分析技術は基礎科学,応用科学,産業分野などからその開発・高度化が期待されている。本研究はパルス中性子を用いた2次元TOFイメージングによる核種毎の可視化・計測を目指した新技術の確立を目的とする。これまで原子力機構が開発した高速度撮像中性子ラジオグラフィ技術(HFR-NR)を基盤技術として、高速度カメラを使用した連続TOFイメージング実験をJ-PARCで実施した。本実験により中性子の共鳴特性を利用することで元素同定が可能であることを実証した。
近藤 賀計; 桂井 清道; 鷲谷 忠博; 明珍 宗孝
no journal, ,
再処理工程で発生が予想される代表的なスラッジであるモリブデン酸ジルコニウムを高速炉燃料溶解時の模擬溶解液の濃度条件により生成し、その生成挙動と水酸化ナトリウム,シュウ酸並びに過酸化水素による洗浄性を評価した。また、モリブデン酸ジルコニウムの金属面への付着量についても検討した。
中山 雅; 佐藤 治夫; 伊藤 誠二
no journal, ,
一般に、地下構造物の支保工としてセメント材料が用いられるが、セメント材料中に含まれる高アルカリ成分が地下水に溶出するため、高レベル放射性廃棄物処分場においては、条件によっては緩衝材や周辺岩盤を変質させる可能性がある。このような影響を緩和するため、原子力機構ではシリカフューム(SF)とフライアッシュ(FA)のポゾラン反応による低アルカリ化を指向したセメント(HFSC: Highly Fly ash contained Silica fume Cement)の開発を行っている。本報告では前報(2009年春の年会)で示した原位置試験計画に基づき実施したHFSCの吹付けコンクリートとしての施工性について述べる。圧縮強度試験の結果から、HFSCは幌延URLの設計基準強度を上回ることが確認され、HFSCは吹付けコンクリートとして、幌延URLにおいて施工可能であることが示された。
高井 俊秀; 中桐 俊男; 稲垣 嘉之
no journal, ,
原子力機構では、水を原料とした高速増殖炉用水素製造技術として、硫酸の合成・分解反応を組合せた熱電併用プロセス(ハイブリッド熱化学法)に基づく工学試験装置を開発し、システム成立性を確認するための実験を進めている。本報では、システム高効率化のため試作した改良型SO
電解器の試験運転結果について報告する。
狩野 茂; 小林 秀和; 山下 照雄; 捧 賢一
no journal, ,
先進サイクルシステムにおいて発生が予想される高レベル放射性廃液に対する現行固化技術であるホウケイ酸ガラス固化の適用性について、ルツボによる非放射性固化ガラス試料を作製することにより確認した。高含有化に伴いMo含有率が増加していくが、廃棄物含有率20
30wt%においてはMo固溶上限以下であり、均質な固化ガラスが得られる組成範囲内に収まる見通しが得られた。しかしながら廃棄物含有率が30wt%を超えると、Mo固溶上限に近づき、35wt%においては上限を超え、Mo酸塩が析出しやすい領域に至ってしまうことがわかった。Moの含有量を分離等により低減させることができれば30wt%超の高含有化を達成でき、廃棄体発生量をさらに減少させることが可能であることがわかった。
月森 和之; 菖蒲 敬久; 高瀬 和之; 村松 壽晴
no journal, ,
ナトリウム(Na)冷却高速増殖炉の実用化段階では、現行軽水炉と同等以上の保守・補修性の確保が求められる。本研究は、3次元微細加工が可能なファイバーレーザー照射による微細金属粉溶融技術を実用化段階におけるNa冷却高速増殖炉の蒸気発生器の伝熱管に対する保守・補修技術として確立することを目的としている。
吉村 公孝*; 岡崎 幸司*; 大里 和己*; 中嶋 智*; 大澤 健二*; 藪内 聡; 山中 義彰; 茂田 直孝
no journal, ,
陸域から海域にかけて連続的に地下深部までの地質環境に関する情報を得る物理探査手法については、適用可能な既存技術のみでは得られる情報が十分ではないため、陸域あるいは海域で適用可能な手法の組合せなどにより、必要な質・量の情報を取得できるよう技術の高度化を図る必要がある。このため、このような沿岸域を対象とした物理探査手法の高度化を目的として、北海道幌延町で陸域から海域にかけて連続した電磁法探査の適用試験を実施した。適用試験の結果、得られた比抵抗構造から陸域から海域に渡る褶曲構造を推定することができた。また、海岸線付近から陸域にかけての深度1km以浅に認められる高比抵抗部分は、塩分濃度が異なる地下水の分布を示唆するものと考えられる。このように沿岸域における地質構造や地下水性状に関する情報を得ることができ、沿岸域における地質環境調査技術としての本電磁法探査技術の有効性を示すことができた。
西森 信行; 永井 良治; 飯島 北斗; 山本 将博*; 武藤 俊哉*; 本田 洋介*; 宮島 司*; 栗木 雅夫*; 桑原 真人*; 奥見 正治*; et al.
no journal, ,
エネルギー回収型リニアック(ERL)による次世代放射光源のための電子銃開発の現状を報告する。ERL放射光源の要求である、平均電流10-100mA,規格化エミッタンス0.1-1mm-mradを満たす電子銃として、NEA半導体を光陰極とするDC電子銃を提案し、実機用の500kV電子銃のための、500kV高電圧発生装置,セラミック加速管,絶縁タンク,光陰極準備容器の組み立てを行っている。発表ではこれら電子銃開発の最新状況を報告する。
石田 倫彦; 稲野 昌利; 青嶋 厚; 須藤 俊幸; 村松 健; 上田 吉徳*
no journal, ,
機器故障率データはPSAの重要な要素であるが、再処理施設を対象とした機器故障率データで公開されているものはほとんどなく、原子力発電所の機器故障率データを援用しているのが現状である。一方、東海再処理施設では、1977年のホット運転開始以降の設備保全記録を「東海再処理工場設備保全管理支援システム」(TORMASS)としてデータベース化してきている。そこで、再処理施設を対象とした機器故障率データの整備に資するため、H17年度よりJNESからの受託業務として、TORMASSの保全データに加え同施設の運転データや運転にかかわる知見を活用した機器故障率算出を実施していることから、同故障率算出業務の概要を報告する。
鈴木 大輔; 國分 陽子; Lee, C. G.; 間柄 正明; 木村 貴海; 篠原 伸夫
no journal, ,
表面電離型質量分析装置による同位体比測定では、分子イオンの影響がほとんどないことから高精度の測定が可能である。しかし、保障措置環境試料の場合、分析対象とするウラン量が極微量のため、従来の表面電離型質量分析法を適用した場合、測定前に試料が消費されてしまうなど、測定困難な場合がある。本研究ではミクロンサイズ粒子に相当する数pg(10
g)レベルのウランの精密な同位体比測定を可能にする表面電離型質量分析装置を用いた連続昇温法の開発を行った。フィラメント電流値を徐々に上げ高いイオン強度を保ち、そのデータから同位体比を算出するなど測定条件及び同位体比算出法を明確に定めることにより精度の高い同位体比測定が可能となった。
藪内 聡; 山中 義彰
no journal, ,
地層処分にとって重要な地質環境特性を調べる地質環境調査を適切に進めるうえでは、目的に沿って柔軟に調査,解析,評価の一連の流れを適宜最適化することが必要であり、これまで蓄積されてきた経験やノウハウなどに基づく知識を活用することが重要である。このような知識をデータベースとして保管し、活用するシステムの構築を目指して、地質環境調査のうち物理探査を対象として、計画の立案からデータ取得,解析に至るまでの作業の流れをタスクフローとして整理したうえで、北海道幌延町の沿岸域において実施された物理探査を事例として一連の作業に伴うノウハウや判断根拠等の抽出・整理を行った。高密度反射法地震探査の計画立案では、既往の探査結果における不十分な情報を補うという基本的な考えや調査対象とする地質構造に直交する方向に探査測線を計画する点が重要なノウハウとして抽出された。海域電磁探査のデータ取得に関しては、漁業の操業や航行船舶の運行あるいは天候などの状況確認や波浪や海流の影響によるノイズの発生など海域探査特有の知見が得られた。
堀口 賢一; 菅谷 篤志; 田中 憲治; 圷 茂
no journal, ,
廃溶媒を処理する際に発生するリン酸廃液は、リン酸二水素ナトリウム(以下、NaH
PO
とする)を主成分とするpH4程度の酸性廃液である。当該廃液をセメント固化する場合、リン酸塩がセメント水和反応を阻害するため硬化不良の原因となる。そのためNaH
PO
充填率が低いことが問題であった。そこで、セメント系材料を使用せず、かつ廃棄物であるリン酸イオンを固化剤として利用できるリン酸マグネシウム固化方法を検討した。本報告では、ビーカー規模の固化試験結果及び固化体物性について報告する。
玉置 等史; 吉田 一雄; 石田 倫彦; 村松 健; 上田 吉徳*
no journal, ,
再処理施設の運転経験を反映した故障率はほとんど公開されていないため、再処理施設を対象としたPSAにおける評価対象事象の発生頻度評価では、原子力発電所等で整備した故障率を援用して評価を行っている。援用の適否の判断は、専門家に依存する部分が大きいことから、援用の適切性の判断の参考情報として、援用故障率の候補である他施設の既存機器故障率や機器バウンダリ等の基本情報の調査及び故障率援用に関する注意事項を整理し、専門家に提供することで、発生頻度評価の品質向上が図れる。本報告ではこのような観点から実施している援用故障率データの調査・整理・分析について述べる。
星野 貴紀; 荻野 英樹; 荒井 陽一; 加瀬 健; 中島 靖雄
no journal, ,
原子力機構では、遠心抽出器の開発を進めている。本報告では、小規模試験をターゲットとした小型遠心抽出器(ロータ内径13mm)の設計をし、その性能とロータ設計方法の検証のため実施した流動性能評価試験について報告する。
永井 晴康; 寺田 宏明; 西沢 匡人; 中山 浩成
no journal, ,
原子力緊急時対応システムとして開発したSPEEDI, WSPEEDIを発展させ、さまざまな環境研究に適用可能な数値環境システムSPEEDI-MPの開発を進めている。SPEEDI-MPの大気拡散モデル開発では、現有モデルの精度向上と機能拡張を進めるとともに、新規モデルの開発や導入により適用範囲の拡張を図っている。現有モデルの機能拡張として、WSPEEDIの大気力学モデルと粒子拡散モデルについて、六ヶ所再処理施設の環境影響評価に適用するための改良と性能評価を進めている。また、新規モデルとして、施設近傍での建造物の影響を受けた気流・乱流・拡散場を数m程度の計算格子で再現可能な高分解能大気拡散モデルを構築し、施設近傍での詳細拡散予測や安全審査における風洞実験の代替手段としての利用のほか、都市域での有害物質拡散予測に適用することを目指している。さらに、全球化学物質輸送モデルMOZART2の導入を行い、過去約50年間に世界の再処理施設から放出されたI-129の全球スケールの拡散解析を進めている。
Cm
O
の熱伝導度西 剛史; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 荒井 康夫
no journal, ,
マイナーアクチノイド(MA)含有酸化物燃料の研究開発では、Cm添加に伴う燃料の物性変化を評価することが重要な課題の一つと考えられている。そこで本研究では、Cm含有酸化物の熱物性取得の一環としてPu
Cm
酸化物固溶体を調製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率を、投下型熱量法により比熱を測定し、実測に基づく熱拡散率と比熱の値からPu
Cm
O
及びPu
Cm
O
の熱伝導度を算出した。473, 523, 573Kにおける熱伝導度の経時変化で見られる熱伝導率の低下は、
崩壊による格子欠陥の蓄積の影響を考慮したフィッティング曲線と良い一致を示したため、
Cmの
崩壊による格子欠陥の蓄積に起因していることが明らかとなった。また、未損傷状態の理論密度におけるPu
Cm
O
の熱伝導度はPu
Cm
O
の熱伝導度よりも大きいことが観察され、酸化物で一般的に見られる酸素欠陥による熱伝導度の低下についても観察された。さらに、Pu
Cm
O
の熱伝導度はPuO
の熱伝導度と大きな差がないことも明らかとなった。
菅原 隆徳; 大林 寛生; 西原 健司; 佐々 敏信; 大井川 宏之
no journal, ,
加速器駆動未臨界システム(ADS)の成立性にかかわる課題の一つとして、加速器と未臨界炉の境界を成すビーム窓の成立性が挙げられる。本検討では、陽子ビームの径方向プロファイルに着目し、これまでの設計検討で採用してきたガウス分布形状から、放物線形状,フラット形状に変えた場合に、どの程度温度条件が変化し、その結果座屈に対する耐性がどの程度変化するかを検討した。陽子ビームプロファイルの変化に伴うターゲット領域の発熱分布を粒子輸送計算コードPHITSにより計算し、この発熱分布を用いて熱流動解析コードSTAR-CDにより詳細な熱流動解析を行った。熱流動解析の結果から得られたビーム窓の温度分布を使用して、有限要素法解析コードFINASにより座屈解析を行った結果、座屈に至ると見込まれる外圧(座屈圧力)は、ガウス分布の場合には4.11MPa、放物線分布の場合には4.89MPa、フラット分布の場合には4.08MPaとなった。すなわち、ビームの入射形状をこれまで採用してきたガウス分布から放物線分布に変えることで、座屈圧力を約20%向上させることができる。
國分 陽子; 鈴木 大輔; Lee, C. G.; 間柄 正明; 木村 貴海; 篠原 伸夫
no journal, ,
保障措置環境試料分析法のパーティクル分析技術の開発では、今後利用の拡大が予想されるMOXから生成する粒子の分析法開発が重要な課題となってきているが、MOX粒子の同位体比同時測定法は開発されていない。本研究では、原子力機構で開発した表面電離型質量分析装置による測定法「連続昇温測定法」の昇温条件を最適化することにより、極微量MOX試料中に含まれるプルトニウムやウランを化学分離することなく、両元素の同位体比を同時に測定する方法を開発した。プルトニウム同位体比標準溶液及びウラン同位体比標準溶液を混合した試料を用いて測定条件の最適化を行った。種々の検討により決定した昇温条件で測定したところ、
Pu/
Pu比及び
U/
Uはそれぞれ保証値と一致し、各同位体のイオン強度も最大を示した。このように、連続昇温法の適用によりMOX中の極微量のPuとUを化学処理することなく、両元素の同位体比の同時測定が可能になり、この結果は保障措置環境試料パーティクル分析のための有効な手法として期待される。