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口頭

イオン温度勾配駆動乱流のプラズマサイズおよび加熱パワー依存性

井戸村 泰宏; 仲田 資季

no journal, , 

ジャイロ運動論的full-fオイラーコードGT5Dを用いてイオン温度勾配駆動乱流における熱輸送のプラズマサイズおよび加熱パワー依存性を調べた。系統的な加熱パワースキャンによって、Lモードプラズマにおける加熱パワーによる閉じ込め劣化現象を第一原理モデルで初めて再現することに成功した。加熱パワーをプラズマサイズに比例して増大させると、従来のジャイロ運動論的delta-fコードがジャイロボーム則に漸近する輸送係数を与える大型装置領域においても、加熱パワーによる閉じ込め劣化現象によって輸送係数がボーム則を示すことを発見した。

口頭

重粒子線照射で生成するプラズマ中での再結合の役割り,2

森林 健悟

no journal, , 

重粒子線の水への照射で生じた分子イオンの電場で二次電子が粒子線の軌道付近に捕獲されプラズマが生成する。プラズマ中では衝突電離など様々な原子過程が起きるが、イオン・電子間の再結合もその1つである。前回の講演では(1)再結合により電子のエネルギーはもう1つの電子に移行し、(2)再結合は軌道上で最もよく起き、これにより、(3)高エネルギー電子が軌道より1nm以内の少し離れた場所を動き回り、(4)電子温度を高くすることを示した。今回の講演では再結合過程が動径線量を増加させることを報告する。これは、電子温度が高くなると電離や励起を起こす能力が増えるためである。

口頭

UPd$$_5$$Al$$_2$$におけるU$$^{4+}$$(5$$f$$$$^2$$)局在状態

目時 直人; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣

no journal, , 

近年NpPd$$_5$$Al$$_2$$が重い電子超伝導体であることが報告されたが、UPd$$_5$$Al$$_2$$の粉末試料について中性子非弾性散乱実験を行ったところ、顕著な結晶場励起ピークが観察され、ウラン化合物としては非常に珍しく、5$$f$$電子が局在的な性格を持つことが明らかとなった。U$$^{4+}$$イオンを仮定して結晶場解析を行ったところ、非クラマース(5$$f$$$$^2$$)一重項基底状態をとることが明らかになった。一方、同じ結晶構造を持つPuやAm化合物はで3価が実現していて、Np化合物の磁化測定及びバンド計算では3価と4価の中間、メスバウアーでも同位体シフトの3価からの大きなずれが報告されている。したがってアクチノイド元素の価数がNp化合物近傍で不安定であり、この価数の臨界的な揺らぎがNpPd$$_5$$Al$$_2$$の重い電子超伝導状態と関連している可能性があることがわかった。

口頭

$$mu$$SR法で探るペロブスカイト酸化物中の不純物水素状態

伊藤 孝; 髭本 亘; 幸田 章宏*; 西山 樟生*; 下村 浩一郎*

no journal, , 

ペロブスカイト型構造を持つ酸化物の物性は、一般に微量の欠陥や不純物により大きく変化することが知られている。本研究では最もありふれた不純物である水素に着目し、ペロブスカイト酸化物BaTiO$$_3$$, SrTiO$$_3$$, LaAlO$$_3$$における格子間水素の電子状態を$$mu$$SR法を用いて微視的な観点から調べた。実験の結果から、格子間水素はBaTiO$$_3$$およびSrTiO$$_3$$において浅いドナー準位を形成し、一方でLaAlO$$_3$$においては深い不純物準位を形成すると考えられる。

口頭

レーザー共鳴イオン化を用いたラドン除去手法の開発状況

岩田 圭弘; 関谷 洋之*; 伊藤 主税

no journal, , 

レーザー共鳴イオン化質量分析法をベースとした高速炉用タギング法破損燃料位置検出(FFDL)システムを実用化する上で、(1)真空紫外(VUV)光の1光子励起によるクリプトン及びキセノン共鳴イオン化効率の向上、(2)レーザーシステムの安定化・操作性向上の2点が必要不可欠である。VUV光を用いた希ガス分析に関連した研究として、東京大学宇宙線研究所と共同でキセノンガスに含まれる不純物ラドンの安定的な除去に関する研究を行っている。ラドンは希ガス元素の中で共鳴励起波長が最も長くVUV光生成が容易であることから、まずはラドン共鳴イオン化を実証し、クリプトン及びキセノンに適用する計画を立てている。発表では、共鳴イオン化した希ガス不純物を電場で安定的に除去する手法について開発状況を報告する。主成分ガスの循環ラインの一部にレーザー照射及び電場印加領域を設けて、不純物イオンを垂直方向にドリフトし冷却活性炭又は冷却ガラス管に吸着する。アルゴンガス中のクリプトン又はキセノンで電場除去の原理を検証した後、キセノンガス中のラドンに適用する。

口頭

複数GPUを用いた大規模3次元Swendsen-Wangマルチクラスターアルゴリズムの開発

小村 幸浩; 岡部 豊*

no journal, , 

GPUを用いた数値計算は、現在計算科学の分野で注目されている技術である。本講演では古典スピン系のポッツモデルに対し、複数のGPUを用いた大規模3次元Swendsen-Wangマルチクラスターアルゴリズムを提案する。2次元のアルゴリズムは既に提唱をしているが、それを3次元に拡張しただけでは効果的な計算ができないため、幾つかの工夫を施すことで効果的なアルゴリズムを実現する。

口頭

X線移送子を用いた放射光偏光メスバウアー分光法の開発研究

三井 隆也; 今井 康彦*; 瀬戸 誠*; 平尾 直久*; 松岡 岳洋*; 壬生 攻*

no journal, , 

円偏光や直線偏光を用いたメスバウアー分光は、共鳴元素のスピン配向の決定や$$gamma$$線円二色性及び核共鳴に寄与する準位の選択的な励起を利用した高精度な超微細構造解析に極めて有用であることがこれまでの基礎研究から明らかだが、通常のRI線源から照射される$$gamma$$線には偏光性が全くないため、偏光メスバウアー分光が実材料研究に有効利用されているとは言えない状況にある。一方、高輝度放射光X線と核分光器を利用した放射光メスバウアー分光法においては、X線移送子を併用することで極めて簡単にプローブ$$gamma$$線の偏光状態を制御した測定を実施できる。本報告では、我々が開発に成功した直線・円偏光に加えて無偏光の$$^{57}$$Feメスバウアー$$gamma$$線を生成して利用できる移送子と核モノクロメーターから成る核共鳴回折光学系の原理と実証実験を紹介すると共に、精密スピン構造解析における有効性を明らかにする。また、応用研究として、RI線源による測定では実施困難なダイアモンドアンビルセルを用いたGPa級超高圧水素下における希土類鉄フェリ磁性体のスピン再配列現象を初めて観測した実験の結果についても報告する。

口頭

蓄積リングS-LSRにおける極低温ビーム生成シミュレーション

大崎 一哉*; 岡本 宏巳*; 想田 光*; 野田 章*; 中尾 政夫*; 百合 庸介

no journal, , 

京都大学の蓄積リングS-LSRで行われているレーザー冷却と共鳴結合に基づく3次元ビーム冷却実験では、運動エネルギー40keVのMgイオンビームを用いて既に10K程度の低温ビームの生成が観測されている。この実験をさらに進めて超高品質ビームであるクリスタルビームを実現するため、S-LSRの実験環境を想定したレーザー冷却に関する系統的な分子動力学シミュレーション研究を行い、レーザーのスポットサイズや周波数を最適化した。さらに、最適化された条件下でのレーザー冷却後に高周波電圧を徐々に下げ粒子密度を低減してクーロン散乱による加熱効果を抑制するというシミュレーション結果に基づき、ビームの極低温化に伴う10mm以上の長い1次元クリスタルビームを生成する可能性について考察した。

口頭

スピン波による一方向性熱輸送の理論

安立 裕人; 前川 禎通

no journal, , 

近年、熱によってスピントロニクス素子を操作しようという研究が盛んに行われ、スピンカロリトロニクスという一分野を形成しつつある。ごく最近になって、磁性体表面を一方向にしか進まない特殊なスピン波による一方向性の熱輸送現象が実証され、大きな注目を集めている。講演では、フォノンによる左右対称な熱拡散と、Daman-Eshbachスピン波に伴う一方向性の熱ドリフトとの競合でこの実験を解釈できることを議論する。

口頭

レーザー駆動型重イオン源の可能性

西内 満美子; 榊 泰直; 西尾 勝久; 佐甲 博之; Pikuz, T. A.; Faenov, A. Ya.*; Esirkepov, T. Z.; Pirozhkov, A. S.; 松川 兼也*; 前田 祥太; et al.

no journal, , 

クオーク物質研究や超重元素の合成過程の解明研究のために現状の大規模加速器施設の次世代計画が世界各国で進んでいる。高電荷・高エネルギーの重イオンをいかに高電流にするかが重要課題である。実際問題としては、いかに小型の装置を作るかが建設コスト削減の上で、またランニングコストを抑える上で重要である。したがってできるだけ加速器の初段において、高電荷質量比(Q/M)を持つビームを生成できるかが問題となってくる。しかし、既存の加速器技術におけるイオン源で達成できるQ/Mは現状$$<$$0.2程度にとどまっている。一方、原子力機構関西光科学研究所においては、高コントラスト超高強度短パルスレーザーJ-KARENを用いてレーザー駆動イオン加速研究を行っている。レーザー自身の高い電場強度によってプラズマ中のイオンは高いQ/Mを実現し、かつ同時に高エネルギーにまで加速することが可能である。最適化を行えば、既存の加速器のイオン源のみならず初段の線形加速器までの置き換えが可能であることを示唆する。本講演では、薄膜と超高強度短パルス高コントラストレーザーとの相互作用によって、高エネルギーイオンの加速に成功したことについて報告する。

口頭

2次元磁区パターン形成におけるランダムネスの影響,2

横田 光史

no journal, , 

前回、交換相互作用と双極子相互作用のあるイジング系における2次元磁区パターン形成について、局所項と交換相互作用にランダムネスがある場合について、ランダムネスの種類によるパターン形成への影響についてシミュレーションで調べた。今回は、磁場中の振る舞いやパターンの相違について、さらに調べていく。

口頭

汚染水問題と海洋拡散の状況

小林 卓也

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所の事故から約3年が経過した現在、事故起因の放射性物質の拡散状況が少しずつ明らかになってきた。本稿では、海水中の事故由来の放射性核種について、放出状況と分布の概況、今後の課題について解説する。福島第一原子力発電所から海洋への放射性物質の放出状況として主なものは、(1)大気中に放出された放射性核種の海表面沈着、(2)2011年4月1日から6日にかけて、2号機ピットからの漏洩、(3)4月4日から10日にかけて比較的低濃度の汚染水の漏洩、(4)5月10日から11日にかけて3号機取水口付近からの漏えい、(5)12月4日の蒸発濃縮装置からの漏えい、がある。汚染水の海洋における分布の概況として、原子力機構が実施した福島沿岸、日本近海、太平洋規模の予測シミュレーション結果と、様々な研究機関が実施した海洋観測結果を時系列で見ると、事故発生直後に大気へ放出された放射性物質の海表面沈着による太平洋規模の広域汚染があり、その後、海洋への直接放出による沿岸域の高濃度汚染、そして黒潮続流による東方への輸送が続く。汚染水の今後の課題として福島第一原子力発電所に滞留・貯留している汚染水が漏洩する可能性に備える必要がある。

口頭

大規模数値対角化によるカゴメ格子反強磁性体の磁化過程の研究

坂井 徹; 中野 博生*

no journal, , 

京コンピューターなどによる大規模数値対角化を用いて、等方的なS=1/2カゴメ格子量子ハイゼンベルグ反強磁性体の磁化過程を解析したところ、飽和磁化の3分の1のところで新しい磁場誘起量子相転移を発見し、磁化ランプと名付けた。また格子歪みを導入して、その歪みに対する磁化3分の1位における量子相転移を調べたところ、一様なカゴメ格子反強磁性体はちょうど量子臨界点の直上にあることが判明した。

口頭

銅酸化物高温超伝導物質に対するL吸収端共鳴非弾性X線散乱の理論的研究

筒井 健二; 遠山 貴己*; 森 道康; Khaliullin, G.*

no journal, , 

銅酸化物高温超伝導物質における銅L吸収端共鳴非弾性X線散乱スペクトルを、ハバード模型やd-p模型の有限サイズクラスタに対する数値的厳密対角化法により計算し、ホール・ドープ系の入射X線のエネルギー依存性等を議論する。

口頭

ジグザグ鎖構造を持つバナジウム酸化物のスピン軌道状態

大西 弘明

no journal, , 

バナジウム酸化物CaV$$_{2}$$O$$_{4}$$は、$$S$$=1ジグザグスピン鎖の候補物質と考えられていたが、最近の実験で軌道自由度が低温物性に寄与している可能性が指摘されている。本研究では、バナジウム酸化物でどのようなスピン軌道状態が実現するのかを明らかにするために、バナジウム酸化物に対する有効多軌道模型の基底状態を数値的手法を用いて解析した。縮退軌道の結晶場分裂により軌道状態が変化して、その軌道状態に応じて、スピン状態は単純な有効スピン模型に基づいて理解できる。特に、正方晶結晶場の場合は強磁性$$J_{1}$$-反強磁性$$J_{2}$$$$J_{1}$$-$$J_{2}$$ハイゼンベルグ鎖(CaV$$_{2}$$O$$_{4}$$の高温相に対応)、斜方晶結晶場の場合は反強磁性梯子格子系(CaV$$_{2}$$O$$_{4}$$の低温相に対応)とみなせることが分かった。講演では、磁場効果によるスピン軌道状態転移についても議論する。

口頭

テラヘルツ発振の3次元シミュレーション; 接合長$$cdot$$接合数と発振モードの相関

太田 幸宏; 町田 昌彦; 羽多野 毅*; 小山 富男*; 松本 秀樹*

no journal, , 

層状銅酸化物超伝導体はテラヘルツ周波数領域の連続光を発振する機能性材料として注目を集めており、その発振機構の解明はデバイス特性予測やデバイス設計のため重要な課題である。本成果の目的は、その課題解決と関連して、超伝導材料の幾何的特性(幅,超伝導層の数など)と発振モードの間の相関を、大規模シミュレーションにより明らかにすることである。メサ長とメサ幅の比がおよそ8:1という非常に非対称な材料について3次元動的シミュレーションを実行した結果、長さの短いメサ幅で特徴付けられる発振が支配的になることを明らかにした。この成果は、今後の系統的なデバイス設計に向けて大きな知見となることが期待される。

口頭

レーザー波長より薄い薄膜からの陽子加速

余語 覚文*; 近藤 公伯; Bulanov, S. V.; 森 道昭; 桐山 博光; 小倉 浩一; 金崎 真聡; 神野 智史; 福田 祐仁; 榊 泰直; et al.

no journal, , 

原子力機構に設置された10TW級チタンサファイアレーザー装置JLITE-Xの高コントラスト化により、背景光強度をプラズマ化しきい値より低い$$10^9$$W/cm$$^{2}$$程度に抑えることで、厚さが数百nmの薄膜と高強度レーザーの相互作用を実験的に検証することが可能となった。パルス時間幅45fs、集光強度$$3times10^{18}$$W/cm$$^{2}$$のレーザーを45度の角度から入射し、薄膜裏面から加速される陽子のエネルギーを測定したところ、レーザーの偏光方向をpからsへ回転させると、偏光の回転角度に依存して陽子のエネルギーが減少し、p偏光では最大2.3MeVであったものが、s偏光では検出限界以下まで低下する結果が得られた。レーザー背景光の比較的高い過去の実験では、s偏光時の陽子エネルギーはp偏光と比べて約30%しか低下しなかったことと比較すると、本研究の結果は表面に急峻な密度勾配を持つ薄膜とレーザーの相互作用に特徴的な現象であると考えられる。講演では、この陽子加速機構に関して議論する。

口頭

高温高圧力下における鉄の重水素化過程のその場中性子回折

町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝; 綿貫 徹; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.

no journal, , 

高温高圧力下における金属の水素化反応を利用することによって、これまで新規水素化物の探索や水素誘起超多量空孔形成に関する研究が多く実施されている。水素-金属系で観測される現象の理解には格子間水素の情報が必要であるが、これまで高温高圧力下における結晶構造のその場観察は放射光X線回折実験に限られており、格子間水素の情報を得ることができなかった。我々はJ-PARC・MLFに建設された超高圧中性子回折装置PLANETを利用して、高温高圧力下での鉄の重水素化反応過程における中性子回折その場観察を実施し、反応過程の中性子回折パターンの取得に成功した。約680$$^{circ}$$Cにおける回折パターンに対してリートベルト解析を行い、この温度圧力条件での重水素組成と占有サイトの最適化を試みた。これらの結果について詳細に報告する。

口頭

強磁場下におけるスピン偏極低速陽電子ビームを用いた磁性体評価

前川 雅樹; 河裾 厚男; 深谷 有喜; Zhang, H.; Li, H.

no journal, , 

これまで我々は高スピン偏極陽電子放出同位体元素Ge-68を開発し、スピン偏極陽電子ビームの開発を行ってきた。この線源から発生した陽電子を静電レンズによりビームに形成・試料まで輸送したところ、47%の偏極率であることが分かった。これは従来からビーム発生に利用されているNa-22線源を使った装置よりも1.5倍以上高い偏極率であり、より高い精度で材料中の余剰スピンを検出するためにはGe-68線源が有利であることを実証した。さらに最大1Tの磁場中にビームを打ち込み、磁場印加下その場測定が行えるシステムを開発した。これを用いて強磁性材料のドップラースペクトルの磁場反転効果を測定したところ、明瞭な磁場反転非対称性が測定できた。現在、鉄などの薄膜磁性体材料に加え、ハーフメタル系材料CoMnSi等のスピントロニクス材料の測定を行っている。

口頭

軟X線磁気円二色性によるUCoAlの元素選択的磁化測定

竹田 幸治; 斎藤 祐児; 岡根 哲夫; 山上 浩志; 松田 達磨*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦*; Fisk, Z.

no journal, , 

UCoAlは温度T=15K以下で、磁場H=1T以上で常磁性状態から磁場誘起強磁性状態へのメタ磁性転移を示す。磁気コンプトン散乱(MCS)実験において、メタ磁性転移に伴いスピン磁気モーメント(MS)の増大が観測される。一方で、MCSの磁場依存性測定からはMSはH=3Tで消失する様子が観測されている。この原因は判然としておらず、元素ごとの磁性の研究が望まれていた。そこで本研究では、軟X線内殻吸収磁気円二色性(XMCD)により、UとCo元素に対して元素選択磁化測定を行った。XMCDスペクトル形状からは、UとCoのMSは互いに逆の方向を向いていることが分かり、XMCD強度の磁場依存性からは、磁気モーメントの磁場に対する増加率はUの方がCoよりも大きいことが分かった。以上のことによりMCS実験でのMSの消失に対して定性的な説明を与えることができた。さらにXMCD強度の詳細な温度依存性も測定し、磁場依存性だけでなく温度依存性についても元素ごとに異なる振る舞いを示していることが明らかになった。

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