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口頭

陽子中性子乱雑位相近似法と統計モデルを用いた遅発中性子と中性子スペクトルの研究

湊 太志; 岩本 修

no journal, , 

遅発中性子は原子炉の安定運転に重要な要素の一つである。それに加えて、r-processによる星の中の元素合成や、核構造の研究とも密接につながっている。そのような背景の元で、ORNLやJYFL、GSIなどの実験施設で遅発中性子の新たな測定が行われ始めている。しかし、短寿命の核種を扱うために、全ての遅発中性子のデータを実験的に測定することは、依然として難しい。それゆえ、遅発中性子データを完備するためには、理論モデルと相補的に研究を行うことが要求されている。このため、遅発中性子と中性子スペクトルを理論的に導出することを目的として、陽子中性子乱雑位相近似法(pnQRPA)と統計モデルのハイブリッドモデルを構築した。このモデルは、従来の理論計算には含まれていなかった相互作用の自己無撞着性や変形効果を含んでいるのが特徴である。本研究によって導出された遅発中性子放出率の結果は、典型的な先行核において、従来型モデルの一つであるFRDM+QRPAよりも精度よく実験データを再現することが分かった。本発表ではさらに、遅発中性子の理論計算では、変形効果が重要な役割を演じていることを議論する。

口頭

表面Rashbaスピン・軌道相互作用による垂直磁気異方性とその電界制御の理論

家田 淳一; Barnes, S. E.*; 前川 禎通

no journal, , 

スピン・軌道相互作用は、異方的交換相互作用と反対称交換相互作用の2つの競合する相互作用を導く。同様に、表面Rashbaスピン・軌道相互作用により強磁性金属において、2つの相互作用が生じる。前者は面内磁気異方性を、また後者は垂直磁気異方性を与え、どちらが支配的かは強磁性体の電子状態による。特に超薄膜では、表面Rashbaスピン・軌道相互作用が外部電場で制御が可能なことから、磁気異方性の電場依存性は興味深い。この新しい垂直磁化の発生機構を提示する。

口頭

軟X線レーザーを用いた金属表面のフェムト秒レーザーアブレーション過程の観察,2

錦野 将元; 長谷川 登; 富田 卓朗*; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 大西 直文*; 羽富 大紀*; 伊藤 篤史*; 南 康夫*; 武井 亮太*; et al.

no journal, , 

近年、フェムト秒レーザーアブレーションによるリップル形成、ナノスケールアブレーションやナノ粒子生成などに関する興味深い現象が数多く報告されているが、その基礎的なメカニズムは理解されていない。フェムト秒レーザー照射による金属のアブレーション過程の解明のために、フェムト秒レーザー(波長795nm, パルス幅80fs)ポンプ・ピコ秒軟X線レーザー(波長13.9nm, パルス幅7ps)プローブを構築し、ピコからナノ秒スケールで起きる金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程の観測を行った。フェムト秒レーザー照射直後、数百ピコ秒後までの時間領域のサンプル表面でのアブレーション面の膨張過程についてダブルロイズ鏡を用いた軟X線干渉計測を行い、アブレーションフロントの表面状態について解析を行った。これらの実験結果と分子動力学シミュレーションを用いたフェムト秒レーザーアブレーションに関する結果を比較しアブレーションダイナミクスの検討を行った。これらの解析結果について講演する。

口頭

重い電子系化合物YbCo$$_2$$Zn$$_{20}$$で実現する新奇な磁場誘起秩序

金子 耕士; Raymond, S.*; Ressouche, E.*; 椎名 亮輔*; 竹内 徹也*; 広瀬 雄介*; 本多 史憲*; 大貫 惇睦; Lapertot, G.*

no journal, , 

同一結晶構造のもとで現れる多様な物性は、系統的な理解を可能にする、魅力的な研究対象である。スクッテルダイトに続き、新たに1-2-20で表される立方晶$$AT_2X_{20}$$において、超伝導や軌道秩序など多彩な物性の発現が明らかとなる中、Ybで構成される6つの化合物Yb$$T_2$$Zn$$_{20}$$ ($$T$$: Fe, Co, Ru, Rh, Os, Ir)は、全て重い電子状態を示す。中でもYbCo$$_2$$Zn$$_{20}$$は、電子比熱係数が8J/mol K$$^2$$を超える、極めて重い電子状態を基底に持つことから、常圧で既に臨界点近傍に位置していると考えられる。実際、加圧により反強磁性秩序が現れる他、磁場では約0.6Tの弱磁場でのメタ磁性転移や、急激な有効質量の減少に加え、$${langle}111{rangle}$$方向に印加した場合にのみ、新たな秩序状態の実現が見出された。今回、大型単結晶を用いた磁場中中性子回折実験により、圧力誘起相の秩序波数とは異なる位置に、特徴的な磁気応答が現れることを見出した。本発表では、観測されたパターンと共に、考えられる磁場誘起秩序相の秩序変数について報告する。

口頭

$$mu$$SR法で探るペロブスカイト酸化物中の不純物水素状態

伊藤 孝; 髭本 亘; 幸田 章宏*; 西山 樟生*; 下村 浩一郎*

no journal, , 

ペロブスカイト型構造を持つ酸化物の物性は、一般に微量の欠陥や不純物により大きく変化することが知られている。本研究では最もありふれた不純物である水素に着目し、ペロブスカイト酸化物BaTiO$$_3$$, SrTiO$$_3$$, LaAlO$$_3$$における格子間水素の電子状態を$$mu$$SR法を用いて微視的な観点から調べた。実験の結果から、格子間水素はBaTiO$$_3$$およびSrTiO$$_3$$において浅いドナー準位を形成し、一方でLaAlO$$_3$$においては深い不純物準位を形成すると考えられる。

口頭

レーザー共鳴イオン化を用いたラドン除去手法の開発状況

岩田 圭弘; 関谷 洋之*; 伊藤 主税

no journal, , 

レーザー共鳴イオン化質量分析法をベースとした高速炉用タギング法破損燃料位置検出(FFDL)システムを実用化する上で、(1)真空紫外(VUV)光の1光子励起によるクリプトン及びキセノン共鳴イオン化効率の向上、(2)レーザーシステムの安定化・操作性向上の2点が必要不可欠である。VUV光を用いた希ガス分析に関連した研究として、東京大学宇宙線研究所と共同でキセノンガスに含まれる不純物ラドンの安定的な除去に関する研究を行っている。ラドンは希ガス元素の中で共鳴励起波長が最も長くVUV光生成が容易であることから、まずはラドン共鳴イオン化を実証し、クリプトン及びキセノンに適用する計画を立てている。発表では、共鳴イオン化した希ガス不純物を電場で安定的に除去する手法について開発状況を報告する。主成分ガスの循環ラインの一部にレーザー照射及び電場印加領域を設けて、不純物イオンを垂直方向にドリフトし冷却活性炭又は冷却ガラス管に吸着する。アルゴンガス中のクリプトン又はキセノンで電場除去の原理を検証した後、キセノンガス中のラドンに適用する。

口頭

複数GPUを用いた大規模3次元Swendsen-Wangマルチクラスターアルゴリズムの開発

小村 幸浩; 岡部 豊*

no journal, , 

GPUを用いた数値計算は、現在計算科学の分野で注目されている技術である。本講演では古典スピン系のポッツモデルに対し、複数のGPUを用いた大規模3次元Swendsen-Wangマルチクラスターアルゴリズムを提案する。2次元のアルゴリズムは既に提唱をしているが、それを3次元に拡張しただけでは効果的な計算ができないため、幾つかの工夫を施すことで効果的なアルゴリズムを実現する。

口頭

X線移送子を用いた放射光偏光メスバウアー分光法の開発研究

三井 隆也; 今井 康彦*; 瀬戸 誠*; 平尾 直久*; 松岡 岳洋*; 壬生 攻*

no journal, , 

円偏光や直線偏光を用いたメスバウアー分光は、共鳴元素のスピン配向の決定や$$gamma$$線円二色性及び核共鳴に寄与する準位の選択的な励起を利用した高精度な超微細構造解析に極めて有用であることがこれまでの基礎研究から明らかだが、通常のRI線源から照射される$$gamma$$線には偏光性が全くないため、偏光メスバウアー分光が実材料研究に有効利用されているとは言えない状況にある。一方、高輝度放射光X線と核分光器を利用した放射光メスバウアー分光法においては、X線移送子を併用することで極めて簡単にプローブ$$gamma$$線の偏光状態を制御した測定を実施できる。本報告では、我々が開発に成功した直線・円偏光に加えて無偏光の$$^{57}$$Feメスバウアー$$gamma$$線を生成して利用できる移送子と核モノクロメーターから成る核共鳴回折光学系の原理と実証実験を紹介すると共に、精密スピン構造解析における有効性を明らかにする。また、応用研究として、RI線源による測定では実施困難なダイアモンドアンビルセルを用いたGPa級超高圧水素下における希土類鉄フェリ磁性体のスピン再配列現象を初めて観測した実験の結果についても報告する。

口頭

蓄積リングS-LSRにおける極低温ビーム生成シミュレーション

大崎 一哉*; 岡本 宏巳*; 想田 光*; 野田 章*; 中尾 政夫*; 百合 庸介

no journal, , 

京都大学の蓄積リングS-LSRで行われているレーザー冷却と共鳴結合に基づく3次元ビーム冷却実験では、運動エネルギー40keVのMgイオンビームを用いて既に10K程度の低温ビームの生成が観測されている。この実験をさらに進めて超高品質ビームであるクリスタルビームを実現するため、S-LSRの実験環境を想定したレーザー冷却に関する系統的な分子動力学シミュレーション研究を行い、レーザーのスポットサイズや周波数を最適化した。さらに、最適化された条件下でのレーザー冷却後に高周波電圧を徐々に下げ粒子密度を低減してクーロン散乱による加熱効果を抑制するというシミュレーション結果に基づき、ビームの極低温化に伴う10mm以上の長い1次元クリスタルビームを生成する可能性について考察した。

口頭

スピン波による一方向性熱輸送の理論

安立 裕人; 前川 禎通

no journal, , 

近年、熱によってスピントロニクス素子を操作しようという研究が盛んに行われ、スピンカロリトロニクスという一分野を形成しつつある。ごく最近になって、磁性体表面を一方向にしか進まない特殊なスピン波による一方向性の熱輸送現象が実証され、大きな注目を集めている。講演では、フォノンによる左右対称な熱拡散と、Daman-Eshbachスピン波に伴う一方向性の熱ドリフトとの競合でこの実験を解釈できることを議論する。

口頭

レーザー駆動型重イオン源の可能性

西内 満美子; 榊 泰直; 西尾 勝久; 佐甲 博之; Pikuz, T. A.; Faenov, A. Ya.*; Esirkepov, T. Z.; Pirozhkov, A. S.; 松川 兼也*; 前田 祥太; et al.

no journal, , 

クオーク物質研究や超重元素の合成過程の解明研究のために現状の大規模加速器施設の次世代計画が世界各国で進んでいる。高電荷・高エネルギーの重イオンをいかに高電流にするかが重要課題である。実際問題としては、いかに小型の装置を作るかが建設コスト削減の上で、またランニングコストを抑える上で重要である。したがってできるだけ加速器の初段において、高電荷質量比(Q/M)を持つビームを生成できるかが問題となってくる。しかし、既存の加速器技術におけるイオン源で達成できるQ/Mは現状$$<$$0.2程度にとどまっている。一方、原子力機構関西光科学研究所においては、高コントラスト超高強度短パルスレーザーJ-KARENを用いてレーザー駆動イオン加速研究を行っている。レーザー自身の高い電場強度によってプラズマ中のイオンは高いQ/Mを実現し、かつ同時に高エネルギーにまで加速することが可能である。最適化を行えば、既存の加速器のイオン源のみならず初段の線形加速器までの置き換えが可能であることを示唆する。本講演では、薄膜と超高強度短パルス高コントラストレーザーとの相互作用によって、高エネルギーイオンの加速に成功したことについて報告する。

口頭

2次元磁区パターン形成におけるランダムネスの影響,2

横田 光史

no journal, , 

前回、交換相互作用と双極子相互作用のあるイジング系における2次元磁区パターン形成について、局所項と交換相互作用にランダムネスがある場合について、ランダムネスの種類によるパターン形成への影響についてシミュレーションで調べた。今回は、磁場中の振る舞いやパターンの相違について、さらに調べていく。

口頭

パーコレーションモデルによる$$SF_6$$ガス中の放電の特性の解析

佐々木 明; 鳥居 建男; 加藤 進*; 高橋 栄一*; 岸本 泰明*; 藤井 隆*; 金澤 誠司*

no journal, , 

パーコレーションモデルによる、SF$$_6$$ガス中の放電の解析について報告する。SF$$_6$$ガスの電離係数、付着係数を用いて求めた、媒質中の電離領域の生成、消滅の確率を用いてシミュレーションを行なうと、電極付近の短いストリーマが生成、消滅を繰り返す放電の前駆現象から、ステップドリーダーが成長して短絡するまでの過程を再現することができ、放電開始の遅れ時間の実験的な傾向を再現することができる。放電媒質の電離メカニズムに照らし、パーコレーションモデルの適用範囲についても考察する。

口頭

重い電子系反強磁性体CeRh$$_2$$Si$$_2$$における磁気揺らぎ異方性

酒井 宏典; 徳永 陽; 神戸 振作; 松本 裕司*; 芳賀 芳範

no journal, , 

Ising的な磁気秩序モーメントをもつ反強磁性体CeRh$$_2$$Si$$_2$$に注目し、スピン揺らぎの異方性を$$^{29}$$Si-NMR法を用いて詳細に調べた。$$^{29}$$Si核の自然存在比が4.7%と低いため、単結晶NMR測定は一般に困難であるが、$$^{29}$$Si核を約50%に濃縮したCeRh$$_2$$Si$$_2$$単結晶を用いた。磁場を結晶の$$a$$軸、及び$$c$$軸方向に印加し、ナイトシフト、核スピン-格子緩和率を測定した。常圧におけるスピン揺らぎの異方性、及び圧力依存性について報告する。

口頭

AmO$$_2$$における磁気相転移と自己照射損傷効果のNMRによる研究

徳永 陽; 西 剛史; 中田 正美; 酒井 宏典; 神戸 振作; 本間 佳哉*; 本多 史憲*; 青木 大*

no journal, , 

AmO$$_2$$の低温の磁気相転移の起源は発見から30年近くたった現在も未だに謎である。帯磁率では8.5K付近で明確な異常が観測されるが、中性子やメスバウアー分光測定では磁気双極子の秩序は観測されていない。このためNpO$$_2$$と同じ高次多極子の秩序の可能性も指摘されている。今回我々は新たに$$^{17}$$O核を置換したAmO$$_2$$を準備し、それをできる限り短時間でNMR実験サイトへと運び測定を行った。これにより自己照射効果がほぼ存在しない場合の電子状態を確認することができた。さらに同試料を極低温状態に一か月保管することで、自己損傷効果が急激に進み、それによって非常に短時間で磁気秩序相のNMRスペクトルが変化していく様子を観測することができた。本研究により初期の自己損傷効果を微視的に評価をすることができた。講演ではこれらの結果を基にAmO$$_2$$の磁気相転移の起源について議論する予定である。

口頭

レーザー駆動粒子線加速における電子温度計測手法の確立

榊 泰直; 西内 満美子; 前田 祥太; 石田 祥大*; 山下 智弘*; 片平 慶*; Pikuz, T. A.; Faenov, A.*; Esirkepov, T. Z.; Pirozhkov, A. S.; et al.

no journal, , 

原子力機構が研究を進めているレーザー駆動イオン加速においては、高強度フェムト秒レーザーによって数十MeVのイオン加速というや、アルミを高電荷状態にして10MeV/核子に加速するなど、世界でトップクラスのイオン加速が可能な状況になっている。レーザー駆動粒子線加速(陽子や重イオン)を効率的行うためには、その加速メカニズムに寄与するパラメータの一つである電子温度を、イオンの加速エネルギーと関連づけて解析する必要がある。我々は、現在利用している電子温度診断の手法を高度化し、多角的に計測することで精度の高い診断を行うことを目指している。その進捗について講演する。

口頭

共鳴非弾性X線散乱による電子ドープ型銅酸化物超伝導体の磁気・電荷励起

石井 賢司; 藤田 全基*; 佐々木 隆了*; Minola, M.*; Dellea, G.*; Mazzoli, C.*; Kummer, K.*; Ghiringhelli, G.*; Braicovich, L.*; 遠山 貴己*; et al.

no journal, , 

銅酸化物超伝導体において、母物質の反強磁性モット絶縁体からキャリアドープにより金属・超伝導体化していく過程で磁気・電荷励起がどのように変遷してくか、また、それがホールドープと電子ドープでどのように異なるかは、超伝導のみならず強相関電子系のより基本的で重要な問題である。磁気励起については、これまで主に利用されてきた中性子非弾性散乱(INS)に加えて、銅のL$$_3$$吸収端を利用した共鳴非弾性X線散乱(RIXS)が有力な実験手法となってきている。RIXSは高エネルギー磁気励起を広いブリルアンゾーンに渡って観測でき、INSとの相補性が高い。一方、電荷励起のエネルギー・運動量空間での全容解明は、RIXSで研究が可能になったことで緒に就いたばかりである。本講演では、RIXSを用いた電子ドープ型銅酸化物超伝導体Nd$$_{2-x}$$Ce$$_x$$CuO$$_4$$の磁気・電荷励起の研究結果について報告する。

口頭

光陰極電子銃を用いたスミスパーセル放射光実験

西森 信行; 永井 良治; 松葉 俊哉; 羽島 良一

no journal, , 

原子力機構では光陰極電子銃を用いたスミスパーセル放射光実験の準備を進めている。当初使用を予定していた500kV電子銃はコンパクトエネルギー回収リニアック(cERL)に移設され、コミッショニングに利用されている。そこで、運転を休止していた原子力機構250kV-50mA光陰極電子銃の再立ち上げを行い、マイクロバンチ不安定性の研究を目的としたプリバンチスミスパーセル実験、テラヘルツ光源を目的としたスミスパーセルFEL実験の準備を行っている。図に実験セットアップを示す。現状を報告する。

口頭

スピネル化合物LiMn$$_2$$O$$_4$$における電荷の短距離秩序による局所構造歪み

樹神 克明; 井川 直樹; 社本 真一; 池田 一貴*; 大下 英敏*; 金子 直勝*; 大友 季哉*; 鈴谷 賢太郎; 星川 晃範*; 石垣 徹*

no journal, , 

LiMn$$_2$$O$$_4$$は立方晶スピネル構造をもち、すべてのMnサイトは結晶学的に等価で+3.5の平均価数をもつ。この系は約260K以下で電荷秩序に伴い斜方晶へと構造相転移を示すが、電気伝導性は転移温度の上下でともに非金属的である。我々は高温立方晶相での非金属的電気伝導の起源を知る目的で粉末中性子回折実験を行い、そのデータを原子対相関関数に変換して局所構造解析を行った。その結果、高温立方晶相は低温斜方晶と同様の局所構造歪みをもち、電荷の短距離秩序が存在しており、それが非金属的電気伝導の原因になっていることがわかった。また原子対相関関数の温度依存性を調べたところ、低温斜方晶相を含む200Kから450Kの広い温度範囲において局所構造歪みおよびMn-O距離はほとんど温度変化しないことがわかった。

口頭

$$^{12}$$C標的を用いたハイパー核$$gamma$$線分光,2

細見 健二

no journal, , 

KEK-E566実験は、我々が1998年から行ってきた一連のハイパー核$$gamma$$線分光実験の1つであり、$$^{12}$$C$$(pi^{+},K^{+})$$反応によって生成された$$^{11}_{Lambda}$$Bと$$^{12}_{Lambda}$$Cの$$gamma$$線分光を目的として行ったものである。物理目的は$$p$$-shellハイパー核における$$Lambda$$N相互作用を調べることである。実験では、2つの磁気スペクトロメータ(SKS, K6ビームスペクトロメータ)を使って$$^{12}$$C$$(pi^{+},K^{+})$$反応のミッシングマスを測定し、Ge検出器群Hyperball2を使って$$(pi^{+},K^{+})$$に同期した$$gamma$$線を測定した。初期の解析で計6本の$$gamma$$線遷移を同定していたが、解析手法の改良を続けた結果、新たに$$^{12}_{Lambda}$$Cからの6MeV$$gamma$$線遷移を同定することに成功した。測定されたスピン2重項のエネルギー間隔は、過去の実験結果から導かれる$$Lambda$$N相互作用で説明できるが、コア核励起によるエネルギー間隔は説明できないことが分かった。

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