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池田 隆司
no journal, ,
土壌からCs-137等の放射性同位元素を効率的に分離回収する技術の開発は、福島の本格除染を実施する上で喫緊の技術課題となっている。本研究では、土壌から放射性セシウムをより効率的に分離回収するための技術開発に資することを目的に、第一原理分子動力学に基づいた化学反応シミュレーションにより、福島の土壌に豊富に含まれる放射性セシウムが吸着しやすい粘土鉱物へのセシウムイオンの吸脱着過程等を原子・分子レベルで調べている。本講演ではバーミキュライトの層間水の構造と層間に含まれるイオン種との関係等について報告する。
安居院 あかね; 櫻井 浩*; 鈴木 宏輔*
no journal, ,
磁気コンプトン散乱とSQUID・VSM等の測定と組み合わせた、スピン選択磁気ヒステリシス曲線(SSMH)および軌道選択磁気ヒステリシス曲線(OSMH)の測定が報告されている。さらに、我々は磁気コンプトンプロファイル)を解析し、元素選択磁気ヒステリシス曲線(ESMH)を測定する手法を開発した。これまでに希土類-遷移金属薄膜について行ったSSMH, OSMHおよびESMHの測定結果を報告する。
Si
でのFermiと非Fermi液体状態神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; Lapertot, G.*; 松田 達磨*; Flouquet, J.*; Knebel, G.*; Walstedt, R. E.*
no journal, ,
最近、強相関電子系金属でのT=0Kの量子相転移(QCPT)に対する関心が強くなっている。初期の実験的な結果から、近藤格子系YbRh
Si
のQCPTは、Ce系で観察される普通のスピン密度波(SDW)不安定性でなく、新しい局所的QCPTと考えられている。ここで報告される新しい観察において、共存している静的フェルミ液体(FL)と非フェルミ液体(NFL)の共存がYbRh
Si
のQCPTの鍵となる特徴であることがわかった。そのような共存相はCe系の場合は、短い時間スケールのために隠されていると考えられる。共存層の相対比率に関して見いだされた新しいスケーリング則は、近藤格子システムに広く適用できると考えられる。
(
=Al, Ga)で実現する対照的な基底状態金子 耕士; 川崎 卓郎; 仲村 愛*; 茂吉 武人*; 宗像 孝司*; 中尾 朗子*; 花島 隆泰*; 鬼柳 亮嗣; 大原 高志; 及川 健一; et al.
no journal, ,
価数揺動など多彩な物性を示すEuT
化合物の母物質であるEuX
(
=Al,Ga)では、Euは2価の電子状態を取り、S=7/2で記述される物性を示す。EuGa
では、T
=16Kの反強磁性転移を示すのに対し、EuAl
は、基底状態に至るまでに5つの転移点を持つ、複雑な物性を示す。この両者における各転移の詳細な描像に関して、単結晶中性子回折を用いて明らかにしたので、報告する。
針井 一哉; 中堂 博之; 小野 正雄; 松尾 衛; 家田 淳一; 岡安 悟; 齊藤 英治; 前川 禎通
no journal, ,
力学的回転とスピンの間には、スピン-回転相互作用と呼ばれる相互作用が働く。近年、測定系を回転させながら核スピン共鳴を測定することで、この相互作用の直接観測に成功した。ここで、回転軸を外部磁場軸から傾けると、測定系に時間変化する磁場を印加できる。時間変化する磁場により生じた幾何学的位相(Berry位相)は核スピン共鳴周波数のシフトとして観測される。この共鳴シフトについて、実験と計算の結果を報告する。
Ru
AlPospisil, J.; 芳賀 芳範; 立岩 尚之; 山本 悦嗣
no journal, ,
UCoAl and URuAl remain paramagnetic at temperatures at least down to 30 mK. At He temperatures, UCoAl shows a metamagnetic transition at a magnetic field of 0.6 T applied along the c-axis. Despite the paramagnetism of parent compounds a huge dome of stable ferromagnetism exists over a wide concentration range of pseudoternary UCo
Ru
Alcompounds. For x
0.4, there seems to exist two ferromagnetic phases depending on temperature. We have grown three single crystals of the representative composition x = 0.56, 0.70 and 0.78, respectively, and investigated the character and temperature range of stability of the two ferromagnetic phases. A scenario will be discussed considering different coherence of the two magnetically ordered phases.
とURhGeの強磁性転移に伴う臨界現象について立岩 尚之; 芳賀 芳範; 松田 達磨*; 山本 悦嗣; Fisk, Z.
no journal, ,
ウラン強磁性超伝導物質UGe
とURhGeの強磁性転移に伴う臨界現象を磁化測定により調べた。スケーリング理論等を用いた解析からこれらウラン系強磁性超伝導物質の臨界現象は非従来型であることが明らかになった。その起源について議論する。
Al
(T:遷移金属)の物質探索と電子状態芳賀 芳範; 松本 裕司*; 立岩 尚之; 山本 悦嗣; Fisk, Z.; 播磨 尚朝*; 本間 佳哉*; 本多 史憲*; 青木 大*
no journal, ,
UT
Al
(T:遷移金属)は立方晶CeCr
Al
型結晶構造をとる。我々はT=Cr, Ti, Mo, Wについて単結晶育成に成功し、その物性を調べた。これらの物質は全てパウリ常磁性を示し、磁気秩序は持たないことがわかった。このことは、ウランサイトが多数のAlに取り囲まれ、その結果混成が大きく、5f電子が遍歴電子となっていることを意味している。
家田 淳一
no journal, ,
近年、厚さ数原子層からなる強磁性超薄膜の特異なスピン状態に注目が集まっている。強磁性超薄膜の垂直磁気異方性(PMA)の発現とその電界制御の根本メカニズムの解明は、材料開発の指針を得るために重要である。これまでに様々な角度から理論的説明が試みられているが、特に高電界下のPMAの挙動は統一的な理解がまだ得られていない。これまでに提案されたモデルは、以下の3つに大別される。(モデル1)強磁性超薄膜界面へのドーピング効果:強磁性超薄膜界面へのドーピングによってバンドの占有率が変わるため、PMAも変化するというモデル。(モデル2)強磁性超薄膜のバンド分裂効果:高電界下では、強磁性超薄膜のバンドが分裂するために、その変化に伴いPMAも変化するというモデル。(モデル3)強磁性超薄膜界面におけるラシュバ効果:界面のラシュバ効果が強磁性体の交換分裂と競合することでPMAが発現し、ラシュバ効果の電界依存性を通じてPMAが変化するというモデル。本講演では、我々が見いだした第3のモデルについて、ラシュバスピン軌道相互作用と強磁性のストーナー模型に基づいた理論とそのポイントを紹介する。
永井 佑紀; 篠原 康*; 二村 保徳*; 太田 幸宏; 櫻井 鉄也*
no journal, ,
銅酸化物高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されているが、これらの超伝導体を利用したマイクロデバイスを設計するためには量子力学的挙動も含めて正確に取り扱うことが必要である。本研究では、上記課題に対し、スペクトル直交多項式展開とSakurai-Sugiura法を併用した並列性の極めて高い数値計算手法を開発したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたっては、その並列計算性能を示すために、スーパーコンピュータBX900に最適化した超大規模並列計算コードを開発することに成功した。これらの結果は、超伝導体のシミュレーションのみならず、実空間第一原理計算等の巨大な系を扱える手法の一つとしても有用であり、さまざまな系に適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。
永井 佑紀; 太田 幸宏; 町田 昌彦
no journal, ,
銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。特に、従来と異なった電磁応答や熱応答を示すトポロジカル超伝導体と呼ばれる物質群が注目を集めており、その基礎物性を調べることは重要である。本発表では、トポロジカル絶縁体Bi
Se
に銅を導入して作成される超伝導体の不純物に対する耐性を調べた。上記課題の解決にあたり、トポロジカル超伝導体の不純物耐性が銅の導入量によって大きく変化することを見いだし、数値計算によってその振る舞いを確かめた。これらの結果は、超伝導体の基礎物性を明らかにするのみならず、良い物性を持つデバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。
森林 健悟
no journal, ,
電場による脳腫瘍の治療の臨床実験が行われたが、その治療のメカニズムとして電場が細胞中の極性分子を活発に運動させるためと考えられている。そこで、重粒子線照射で強い電場が生じることを以前のシミュレーション研究で明らかにしたが、この電場も極性分子に影響与える可能性があると考え、極性分子の運動の研究を行うことにした。最初の研究として、極性分子のうち細胞中に最も多い水分子を取り扱い、重粒子線照射で生じる水分子イオンのクーロン爆発及び水分子イオンが作りだす電場による中性分子の回転、並進運動のシミュレーションを行った。その結果、イオンの運動では、照射後100フェムト秒程度で移動をはじめ、電場は重粒子線の軌道付近では減少させるが、軌道から1nm以上離れた場所では、変化しないことがわかった。また、中性の水分子は重粒子線の軌道方向に運動すること及び軌道付近において中性の水分子の密度が増加することもわかった。すなわち、重粒子線で生じる電場は、極性分子に大きな影響を与える可能性があることを明らかにした。
深谷 有喜; 圓谷 志郎; 境 誠司; 前川 雅樹; 望月 出海*; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 河裾 厚男
no journal, ,
グラフェンは、現在最も注目されている新物質であり、その物性評価が精力的に進められている。これまでに様々な基板上で、グラフェンの合成が試みられているが、その物性に大きくかかわる基板との距離を実験的に決定した例は意外と少ない。本研究では、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、Cu(111)表面上のグラフェンの原子配置を決定した。ロッキング曲線の測定と動力学的回折理論に基づく強度解析から、グラフェンとCu基板との間隔を3.3Aと決定した。解析においては、グラフェンのバックリングの効果も考慮に入れたが、計算結果に優位な改善は見られなかった。したがって、グラフェンは平坦な構造であり、そのCu基板との間隔は、グラファイトの層間距離に近いことがわかった。
As
の磁気形状因子の面内異方性樹神 克明; 石角 元志*; 脇本 秀一; 木方 邦宏*; Lee, C.-H.*; 伊豫 彰*; 永崎 洋*; 社本 真一
no journal, ,
鉄系超伝導体の母相における磁気形状因子の面内異方性を調べる目的で、双晶構造をもたないBaFe
As
単結晶を用いて中性子回折実験を行った。反強磁性状態における磁気散乱強度から見積もられた磁気形状因子は、3d
軌道の電子が40%、それ以外の4つの3d軌道の電子が15%ずつ磁気モーメントに寄与するとして説明できる。このような磁気形状因子の面内異方性は、これまで鉄系超伝導体の母相の反強磁性相で観測されてきた異方的ふるまいの理解につながるものと考えられる。
山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 松本 裕司*; Fisk, Z.
no journal, ,
正方晶希土類・アクチノイドホウ化物(AnB
)は一般に磁気秩序を示すが、その中でUB
だけは非磁性基底状態を持つ。このUB
のUサイトをYなどの非磁性原子で置換することによりU濃度の薄いエリアで微弱強磁性が誘起されることが知られている。我々はこのU
Y
B
の単結晶育成を行い、その基礎物性測定を行った。
大西 弘明
no journal, ,
バナジウム酸化物CaV
O
は、
=1ジグザグスピン鎖のギャップレスカイラル相が実現する候補物質として研究されたが、最近の実験でその可能性は除外され、この物質の磁性を理解する上で軌道自由度の重要性が指摘されている。つまり、各サイトで三重縮退した
軌道に二個電子が詰まってスピン
=1を形成するため、軌道自由度が低温物性に寄与する。本研究では、バナジウム酸化物の軌道自由度を取り込んだ有効多体電子模型を構築して、その基底状態を数値的手法を用いて解析する。軌道がクエンチしている場合は、軌道状態に対して磁場は二次の摂動でしか効かないが、軌道が縮退している場合は、磁場により軌道状態が顕著に変化する。軌道の空間異方性を反映して、磁場方向に応じて異なる軌道状態の変化が生じることが分かった。
IrGeの合成と磁性山内 宏樹; 社本 真一; 近藤 啓悦; 石角 元志*
no journal, ,
近年、結晶構造と磁性とが密接に結びついた特異な物理現象が数多く報告されている。カイラル結晶格子系におけるカイラルな磁気秩序はその一例である。B20型立方晶構造を取るらせん磁性体MnSi, Fe
Co
Si, FeGe等や同じ空間群
213に属する構造を取るCu
OSeO
は、いずれも中心対称性のないカイラルな結晶構造であり、これらで確認されているスカーミオンと呼ばれる渦状の新しいスピン状態は、非常に高い関心を集めている。このような空間群
213の結晶における磁気カイラリティの存在は、Dzyaloshinskii-守谷相互作用に由来するものであり、強磁性交換相互作用との競合で新奇な磁性を発現する可能性が極めて高いことを示している。こうした背景を踏まえ、我々は新たに空間群
213に属する化合物Mn
IrGeを合成し、磁性の評価を試みた。試料は、アーク溶解または1100
C焼結の後、900
Cアニール処理を経て合成した。SEM/EDXによる試料分析の結果、ほぼMn:Ir:Ge=3:1:1組成比の化合物が得られていることがわかった。また、粉末X回折で空間群
213に属する構造を持つほぼ単一相の多結晶試料が得られていることを確認した。得られた試料で行った磁化
-温度
測定では、225Kに反強磁性秩序を示すカスプを観測し、1Tまでの磁化(
)-磁場(
)曲線(4.2K, 100K, 200K)では、いずれも零から印加磁場に比例する直線的な磁化の振る舞いを観測した。
髭本 亘; 伊藤 孝; 高畠 敏郎*; 末國 晃一郎*
no journal, ,
カゴ状構造を有する化合物におけるカゴ内部のゲスト原子の運動は、熱電変換物質の変換効率を上げる機構という観点からも重要であり、近年大きく理解が進んだ。本研究では、微視的な実験手法であるミュオンスピン緩和法を用いて、I型クラスレート化合物Ba
Ga
Si
の局所運動の研究を行ったのでその結果について報告する。
SR法で探るペロブスカイト型酸化物中の不純物水素状態,2伊藤 孝; 髭本 亘; 幸田 章宏*; 西山 樟生*; 下村 浩一郎*
no journal, ,
ペロブスカイト型構造を持つ酸化物の物性は、一般に微量の欠陥や不純物により大きく変化することが知られている。本研究では最もありふれた不純物である水素に着目し、ペロブスカイト酸化物BaTiO
, SrTiO
, LaAlO
等における格子間水素の電子状態を微視的な観点から調べるために正ミュオンと電子の束縛状態であるミュオニウムを用いて実験を行った。ミュオニウムは水素の軽い同位体と見なせるため、ミュオニウムの電子構造から格子間水素のそれを類推することができる。実験の結果、BaTiO
, SrTiO
、およびLaAlO
におけるミュオニウムの不純物準位が明らかになり、BaTiO
およびSrTiO
においては浅いドナー準位を、一方LaAlO
においては深い不純物準位を形成することがわかった。これらの結果に基づき、ペロブスカイト酸化物におけるミュオニウムおよび水素準位のユニバーサリティについて議論する。
松尾 衛; 家田 淳一; 針井 一哉; 大沼 悠一*; 横井 直人*; 前川 禎通
no journal, ,
本講演では、結晶中の転移(刃状転移、螺旋転移)のスピン流へ の影響を調べ、転移によってスピンホール効果が引き起こされるこ とを理論的に示す。転移のある結晶格子のダイナミクスは、ゲージ場として記述でき ることが知られており、刃状転移や螺旋転移はカルタンの捩率 とよばれる幾何学量によって表される。我々は、このゲージ場中の 電子の基礎方程式を導き、捩率とスピンが相互作用することを示す。