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前原 直; Antonio, P.*; 市川 雅浩; 高橋 博樹; 鈴木 寛光; 杉本 昌義
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.561 - 563, 2014/06
IFMIF/EVEDAの原型加速器では、共振周波数175MHzを採用したRFQ線形加速器(0.1-5.0MeV-130mA)の開発を進めている。このRFQでは、8つのRFインプットカプラーを用いてトータル1.38MWの高周波電力入力が要求され、6 1/8インチ同軸導波管をベースにループアンテナを採用した定常化(CW)運転RFインプットカプラーの開発を行っている。ループアンテナの大きさは、実機モデルを模擬した長軸アルミRFQ(L=9.8m)を用いたカップリングファクターの測定により決定した。またCW運転での高周波損失による発熱を除去するためにループアンテナ内部に冷却チャンネルを設けて、ループアンテナでの300Wレベルの熱負荷に対して水冷方式にて数kWレベルの十分な熱除去を可能とした。さらにループアンテナ構造を持つRFインプットカプラーの高周波伝送試験のために、新たにカップリングキャビティを設計し、カップリングキャビティに2つのRFカプラーを接続してRF伝送試験を開始した。本講演では、IFMIF/EVEDA原型加速器のRFQ線型加速器のRFインプットカプラーとカップリングキャビティの工学設計について発表する。
宮脇 信正; 福田 光宏*; 倉島 俊; 柏木 啓次; 奥村 進; 荒川 和夫*; 神谷 富裕
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.500 - 502, 2014/06
サイクロトロンの初期ビーム加速における位相バンチングの発生条件を明らかにすることを目的に、一様磁場中の荷電粒子の軌道から生じる位相差を導出する計算手法を構築した。この手法を用いて位相バンチングについて解析した結果、位相バンチングの強弱は、ディー電極の開き角、第1加速ギャップから第2加速ギャップの間の開き角、加速ハーモニック数(H)、加速電圧のピーク値とイオン源の引出し電圧の比の4つのパラメーターの組合せで変化することを明らかにした。JAEA AVFサイクロトロンにおけるこれら4つのパラメーターを用いて位相バンチングの計算を行った結果、計算値と測定値がよく一致したことから、構築した手法の妥当性が裏付けられた。
大越 清紀; 池上 清*; 小泉 勲; 上野 彰; 高木 昭*; 山崎 宰春; 小栗 英知
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.946 - 949, 2014/06
東日本大震災復旧後のJ-PARCイオン源は、特に大きな故障等も無く順調にビーム供給を行っている。稼働率向上のため運転サイクルを50日に延伸したが、ビーム電流はLaBフィラメントの寿命を考慮して19mAに制限していた。2013年1
2月の利用運転では、ユーザーからビーム電流増加の要望があったため、22mAに上げて運転を行ったが、運転47日目にフィラメントが断線した。断線の約10時間前にフィラメント電流減少率の急増が観測され、これをフィラメント断線の予兆と判断してフィラメント交換のための準備を整えていたため、深夜の断線にもかかわらずフィラメント交換作業と調整運転がスムーズに進み、断線から約8時間後には利用運転を再開できた。また、4月に3GeVシンクロトロンのスタディのために約30mAでの運転を8日間連続で行い、スタディ中はイオン源調整することなく最後まで安定にビームを供給することができた。
神保 光一*; 想田 光*; 中尾 政夫*; 百合 庸介; 頓宮 拓*; 野田 章*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1057 - 1059, 2014/06
A bunched 40-keV Mg beam at an ion storage/cooler ring, S-LSR, Kyoto University, was cooled transversely through synchro-betatron coupling by a co-propagating laser. The cooled ion beams were optically diagnosed with spontaneous emission in the experiment. As the number of ions is smaller in the beam, however, it is more difficult to observe light emitted from the beam. The synchrotron-oscillation signals induced on a parallel-plate pickup were, therefore, investigated spectroscopically to see whether they were useful for beam diagnostics. We discuss the space charge effect of the signals. It is expected that, if the beam temperature is decreased drastically, the space charge effect is enhanced and the peaks related to the synchrotron oscillation are consequently suppressed.
飛田 教光; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 佐伯 理生二; 岡部 晃大; 金正 倫計; 竹田 修*; 武藤 正義*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.915 - 919, 2014/06
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)で用いる荷電変換フォイルは、厚み約1mの炭素製薄膜であり、ビームが照射され続けることで放射化する。また一般的に、フォイル自体も劣化が進み壊れやすくなると考えられている。しかし、照射後のフォイルを取扱う際には、フォイルが飛散することによる汚染や体内被ばくといった危険性への対策が課題の一つである。そこでRCSでは、放射化したフォイルを安全かつ確実に回収するためのフォイル交換ブースを設置した。仮にフォイルを飛散させた場合でも、放射化したフォイルをブース内にだけ閉じ込め、作業員の被ばくや作業エリアの汚染を防ぐことができるようになった。また、フォイルの性能向上の観点から見ると、回収したフォイルの分析・観察は重要な課題の一つである。そこで、ビーム照射後の放射化したフォイルを観察するため、フォイルフレーム単体で密閉できる透明の保護ケースを開発した。本発表では、ビーム照射後の荷電変換フォイルを回収するために開発した装置や確立した手法について詳しく発表する。
佐伯 理生二; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 飛田 教光; 岡部 晃大; 金正 倫計; 竹田 修*; 武藤 正義*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.523 - 526, 2014/06
RCSは、ビーム運転期間中でもフォイルが破損したときに短時間で交換できるように、予備を含めて15枚のフォイルを装置内に装填している。フォイルは厚さ約1mの薄膜でできており、そのままでは扱うことが困難である。そこでSiCファイバーを張り付けたフレームにフォイルを固定して、フォイルに触れずフレームだけを掴んで操作できるようにした。新規フォイル入れ替え作業として次のような準備作業が必要となる。(1)ガラス基板に蒸着しているフォイルの剥離と回収。(2)剥離したフォイルの乾燥及び切り出し。(3)SiCワイヤの準備とフレームへの張り付け。(4)フォイルをフレームへ固定。(5)マガジンラックへの装填は、これまですべて手作業で行っていたが作業工数が多く、準備したフォイルの品質にばらつきがあった。そこで再現性を確保するために必要な装置の開発を行った。同時に作業を効率的に行うための手法を確立した。本発表ではこれまで確立した手法や、開発した治具について詳しく発表する。
高橋 博樹; 小島 敏行; 成田 隆宏; 前原 直; 榊 泰直; 鈴木 寛光
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.724 - 727, 2014/06
国際核融合材料照射施設(IFMIF)に関する工学実証及び工学設計活動(EVEDA)におけるプロトタイプ加速器(Linear IFMIF Prototype Accelerator: LIPAc)は、定常運転モードで9MeV/125mAの重陽子イオンビームを加速する。LIPAc制御システムの人員保護システム(PPS), 機器保護システム(MPS)及びタイミングシステム(TS)は、安全上及び機器動作上重要なシステムであり、ハードワイヤにより加速器サブシステム(入射器, RFQなど)と信号の授受を行うことから、インターフェース及び信号授受後の動作シーケンスの調整が重要である。また、不具合が見つかった場合の対応に時間がかかることから、EUから日本に輸入される前にEU側所掌の機器との組合せ試験の実施が必須である。そこで、これら確実な動作を実現するために加速器制御系開発当初から実機に用いるPLC, MPSユニット, TSモジュールを使ったテストベンチの開発に着手した。そしてEUで行われた入射器の動作試験において、開発したテストベンチを入射器と接続し、インターフェースの確認試験、並びに、信号授受後の動作確認試験を実施した。本件ではEUにて実施した入射器とPPS, MPS, TSのインターフェース試験について報告する。
山本 風海; 林 直樹; 畠山 衆一郎; 佐伯 理生二; 岩間 悠平
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1060 - 1064, 2014/06
大強度陽子加速器施設(Japan Proton AcceleratoR Complex: J-PARC)の3GeVシンクロトロン(Rapid Cycling Synchrotron: RCS)では、300kW相当のビーム出力を物質科学生命実験施設(Material and Life Science Facility: MLF)及び主リング(Main Ring: MR)に供給している。このような大強度のビーム運転では、ほんの少しのビームロスが発生するだけで機器の放射化を引き起こし、安定運転や保守作業の妨げとなる。そこで、運転時のビームの状態を監視し、安定な運転を継続するためには、ビームロスモニタ(BLM)は非常に重要な機器である。また、BLMは設定をきちんとすれば全ビーム量に対して非常に微量の(10以下の割合の)ロスも検知することができるため、ビーム調整時の目としても使いやすくパラメータ毎によるビーム状態の比較が容易である。RCSでは、比例計数管(Proportional counter type BLM: PBLM)及びプラスチックシンチレータ+光電子増倍管(Scintillator type BLM: SBLM)をBLMとして調整時及び供給運転に利用している。本発表では、これらBLMの使用状況について報告する。
野田 章*; 中尾 政夫*; 想田 光*; 頓宮 拓*; 岡本 宏巳*; 大崎 一哉*; 百合 庸介; 神保 光一*; Grieser, M.*; He, Z.*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.143 - 145, 2014/06
We have experimentally demonstrated transverse indirect laser cooling utilizing synchro-betatron resonance coupling in the ion accumulation cooler ring S-LSR. However, its efficiency was rather poor for relatively high beam intensity of ions in the ring due to beam heating by intra-beam scattering and its cooling time was as long as 100 s. By application of beam scraping and optimization of laser detuning together with equilibrium deceleration with the use of an induction accelerator, we could reach the lowest transverse temperatures ever attained by laser cooling as 7.0 K and 2.1 K for the horizontal and vertical directions, respectively. The prospect of generating an ultra-low-temperature beam and realizing beam crystallization will be discussed on the basis of the present result.
小泉 勲; 上野 彰; 大越 清紀; 池上 清*; 高木 昭*; 山崎 宰春; 小栗 英知
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.920 - 923, 2014/06
J-PARC第2ステージの要求を満たすイオン源としてセシウム添加高周波駆動(RF)負水素イオン源の開発を行っている。現在テスト中のRFイオン源は、J-PARC実機イオン源をベースに改良を施している。ソースプラズマは30MHz-RFを連続的に印加し、2MHz-RFをパルス的に重畳して生成している。200C
240
Cに加熱されたオーブン内の蒸気化されたセシウム(Cs)は、圧空バルブ開によりプラズマ生成室内に導入される。ビーム強度は、圧空バルブ開時間によるCs量の最適化、冷却板への圧空量によるPE温度、軸磁場補正用(AMFC)コイル電流による軸磁場補正等により最大化が図られる。無酸素銅製プラズマ真空容器を使用したプロトタイプイオン源で、上記の目標が達成可能であるとの実験結果を2012年報告した。2013年は、ステンレス鋼製プラズマ真空容器の実験結果を報告する。ステンレス鋼製プラズマ真空容器は軽量化を目的に採用しており、あらかじめ真空リークテスト可能なプラズマ電極から天板まで一体化されたプラズマ真空容器をイオン源に組込むことにより、稼働中のJ-PARC実機イオン源と同様、短時間での交換が可能となる。観測された両生成室間の相違点についても報告する。
堀 利彦; 佐藤 文明; 篠崎 信一; 千代 悦司; 小栗 英知; 二ツ川 健太*; 福井 佑治*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1001 - 1003, 2014/06
2012年夏期メンテナンス以降のビーム利用運転において、324MHzクライストロン用直流高圧電源の停止頻度が高くなり、加速器の稼働率を低下させていた。高圧停止時の過渡的な波形データより、アノード短絡現象が電源停止の一次的要因であることがわかった。アノード短絡の際に生じる電磁・輻射ノイズによって、モニタ用のNIMモジュールが誤動作しており、これによって高圧電源は正常動作しているにも関わらず出力を停止していた。NIMモジュール誤動作の有無は短絡時ノイズレベルの大小によって決定されているが、我々はクライストロン高圧・低圧制御盤に実装されているトリガー分配用NIMモジュールの誤動作対策を行うことで、高圧停止頻度の改善を図った。NIM基盤のアースライン強化やフォトカプラーを用いた入出力信号の電気的絶縁などの改造を行った結果、モジュール単体での誤動作回数は大幅に低減された。一方交換したクライストロンの使用状況から、アノード短絡の原因はクライストロン電子銃部のアノードとボディ間の放電であることが判明した。我々はこの放電時のノイズレベルを低減する又は放電回数を低減する方策を現在検討中である。
渡辺 泰広; 谷 教夫; 井上 圭吾*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.628 - 631, 2014/06
J-PARC RCSの主電磁石電源は、2台の偏向電磁石電源と7台の四極電磁石電源及び32台のチョークトランスと44台の共振コンデンサバンクから構成されている。これら電源全体の制御システムは、電源及び共振負荷のインタロック制御を行うインタロックシステム、J-PARC全体のタイミング系に同期させるためのタイミングシステム、電源の出力電流波形及び出力電圧波形を定期的にモニタするためのモニタシステム、電流フィードバック制御を計算機制御するための電流制御システムから構成されている。これら多数の制御装置は、LANを介して3台のPCで遠隔制御しており、制御プログラムはLabviewを用いている。本論文では、電磁石電源制御システムの開発と運用結果について報告する。
川村 真人*; 千代 悦司; 堀 利彦; 篠崎 信一; 佐藤 文明; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*; 山崎 正義*; 佐川 隆*; 宮嶋 教至*; et al.
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.605 - 607, 2014/06
J-PARCリニアック用クライストロン電源システムについて、過去1年間の運転状況等を報告する。181MeVリニアック運転対応として、2012年9月下旬より2013年5月下旬まで、年末年始の中断や、スケジュール化されたメンテナンス等を除き連続運転を行った。その間、AVR盤内制御線等のノイズ対策不備、アノード変調器内の電極部接触不良等の不具合による運転の中断があり、不具合の考察と対策などを行った。運転と並行して、2012年7月初めまで運転していたアノード変調器のうち、未改修分15台を改修して放電対策を施した。エネルギー増強対応として、震災により中断していた972MHzテストスタンドの再立上げ、HVDCPS#10とACS#16ステーション、HVDCPS#11とACS#17ステーションの立上げを行った。エネルギー増強対応の機器については、972MHzテストスタンドを6月18日に運転再開し、ACS#16, #17の両ステーションも近日運転を再開する予定である。
菅沼 和明; 富樫 智人; 金正 倫計
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.870 - 872, 2014/06
J-PARC 3GeVシンクロトロン用キッカーテストスタンドでサイラトロンCX2004Xの検査を開始した。CX2004Xは現在使用中のCX1193Cに比べ重水素ガスの充填量が多く長寿命化が見込まれている。長寿命化の可能性を調べるため重水素ガスタンクに付随するヒーターの電圧-電流の関係を調べた。結果、CX1193Cとはヒーターの特性が異なるものの、ヒーターの結線の変更のみで寿命の延長が可能となると考えられ、サイラトロンの保守時間の低減に貢献できる見通しを得た。
松田 誠; 長 明彦; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; et al.
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.307 - 309, 2014/06
2012年度の加速器の運転は2度のマシンタイム期間で行われ、運転日数は113日であった。最高運転電圧は18MVで9日間の利用があった。利用されたイオン種は16元素(19核種)であり、C分子イオンも加速された。また、Xeと
Cを同時に試料に照射するデュアルビーム加速を実現した。高電圧端子内に設置されたECRイオン源からのビーム利用が多く全体の48%を占めた。超伝導ブースターは4日間運転され、現在は予算削減のため休止状態となっている。主な整備事項では、2012年度交換を完了しなかったひびの入った残りの加速器の絶縁カラムを支えるセラミクスポストの交換を実施した。最終的には、240本中38本にひびが生じていた。また先の大地震で被害を受けた建屋の補修工事を2012年の11月から約3か月に渡り実施し、建屋の壁や柱のひび割れの補修を行った。現在は、大型静電加速器としての特徴を活かすべくビーム開発を実施しているところである。
川瀬 雅人*; 高橋 博樹; 加藤 裕子; 菊澤 信宏; 大内 伸夫
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.731 - 734, 2014/06
J-PARC LINAC/RCSでのデータ収集は、EPICS Channel Accessで得た時系列データの収集と、ビームに同期した波形データ収集の2種類ある。時系列データはIOCから得たデータ収集時刻をタイムスタンプとしてPostgreSQLによるデータベースに格納している。一方、ビームに同期した波形データは、Wave Endless Recorder (WER)によって収集している。WERでは入力されるトリガをカウントし、上位層でこのトリガ番号を管理するトリガカウンタを開発し、LAN経由で複数台のWERのトリガ番号を同期することが可能となっている。現在、この波形データ同期システムを本格導入するために、テストベンチによる検証を進めている。本発表では、波形データ同期システムの検証結果と将来の収集システムの構成などについて報告する。
百合 庸介; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 吉田 健一; 石堀 郁夫; 奥村 進
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.138 - 142, 2014/06
原子力機構高崎量子応用研究所のイオン照射施設TIARAでは、イオンビーム利用研究に資するため、AVFサイクロトロンにおける重イオンの新たな大面積均一照射を目的に、多重極電磁石を用いた横方向ビーム強度分布の均一化に関する研究開発を行っている。本手法は、8極電磁石等の作る非線形集束力によりガウス型強度分布の裾野を内側へ折り畳むことで均一な強度分布を形成するもので、照射野全体を同時に均一照射できるという特長を持つ。サイクロトロンから引き出されるビームは複雑な横方向強度分布を有するが、均一ビーム形成の前提として、薄膜による多重クーロン散乱を利用したビーム強度分布のガウス様分布化を実現した。また、大面積ビームの面積や均一度の評価の手段にラジオクロミックフィルムが有用であることを、そのイオン照射応答を調べることにより明らかにした。これを用いて、核子あたり413MeVのアルゴンイオンビームに関して、均一ビームの形成を確認することに成功した。このようなビームは、超低フルエンスの効率的な均一照射を必要とするイオン穿孔膜創製の研究等に利用される予定である。
畠山 衆一郎; 吉本 政弘
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1082 - 1084, 2014/06
J-PARC RCS(Rapid Cycling Synchrotron)では、入射ビームの軸合わせを行うためにL3BTラインに2台、周回リングの荷電変換フォイルの前後に3台、H0ダンプラインに2台の計7台のマルチワイヤプロファイルモニタ(MWPM)が設置されている。平成25年度にはLINACからのビームパワーが増強される予定で、入射機器付近のロスがより深刻になると考えられる。加速器を安定に運転するためには、入射部近傍のビームロス低減が不可欠であるため、入射軌道をより詳細に測定するために新たに1台のMWPMをH0ダンプラインに設置する。そのデータ処理系として今回新しく多チャンネルのデジタイザーを用いたシステムを開発した。特徴として以前のマルチプレクサを用いた方法と比較してS/N比を改善したこと、導入コストを抑えられることを述べる。また既存のMWPM2を用いたビーム試験の結果も述べる。
平野 耕一郎; 伊藤 崇; 近藤 恭弘; 篠崎 信一; 千代 悦司; 三浦 昭彦; 森下 卓俊; 池上 雅紀*; 久保田 親*; 杉村 高志*; et al.
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.858 - 861, 2014/06
J-PARCリニアックの運転パラメータは、ピーク電流17mA、マクロパルス幅500s、繰り返し25Hz、ビームエネルギー181MeVである。マクロパルスビームは、RFQ下流のMEBT領域にあるRFチョッパ空洞の電界によって、その一部が蹴りだされ、櫛形構造を持つビームに整形される。この整形されたビームは、パルス幅600nsの中間パルスが1066nsの間隔で並んだ構造である。一方、蹴りだされたビームは、RFチョッパ空洞から約70cm離れた場所にあるスクレーパに負荷される。今後、イオン源、及び、RFQの改造、並びに、加速管の増設を行い、ビーム電流を50mA、ビームエネルギーを400MeVに増強する計画である。ビーム電流を50mAに増加すると、ビームがチョッパ空洞の電極やビームパイプにあたるシミュレーション結果が得られている。また、スクレーパの損傷が懸念される。そこで、ビーム電流50mAに対応したMEBTビームラインに改造する計画である。今回は、チョッパ空洞やスクレーパ等に関するチョッパシステムの改造について報告する。
永井 良治; 羽島 良一
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.781 - 783, 2014/06
エネルギー回収型リニアック加速器技術を基盤としたレーザーコンプトン散乱による線源を用いた非破壊核種分析システムの開発を行っている。これまで以上に単色性の優れた
線源が実現できれば、この分析システムの精度を飛躍的に向上でき、核内励起状態の探求といった新たな分野を切り開くことも可能となる。そこで、放物面鏡を用いた非対称型ファブリペロー共振器をレーザーコンプトン散乱用の光共振器として利用した、単色
線の発生法を提案している。本報告では、この光共振器を実現するために必要とされる面精度及びアライメント精度を明らかにするために、レイトレイス法用いて面精度(加工誤差)及びミスアライメントの影響についての評価を行ったので、その結果について報告する。