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中村 博文; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.183 - 187, 2004/08
被引用回数:27 パーセンタイル:82.75(Materials Science, Multidisciplinary)ITERの熱交換器ステンレス配管を通じた1次冷却水から2次冷却水へのトリチウム透過量を正確に把握するために模擬実験を実施した。実験には、直径6mm,肉厚0.5mm,長さ30cmの316Lステンレス鋼の細管37本を集合させた試験体を用意し、細管の内側に1次冷却水を模擬した7.4MBq/cmのトリチウム水を、外側には純水を充填して、0.9MPa-423Kの条件でトリチウム透過量を測定した。その結果、100時間経過後に有意なトリチウムの透過が観察されはじめ、その後直線的な純水中トリチウム濃度の上昇が観察された。本実験結果から評価される定常状態におけるトリチウムの透過率は、3.4
10
C
A/d(Bq/hr)である。ここで、
C, A, dは、それぞれトリチウム濃度差,細管の表面積及び肉厚である。今回得たトリチウム透過率は、従来用いられてきたガス透過の結果に基づく評価値より約3桁小さい。これは、ガス状態で接した場合の材料表面のトリチウム濃度がSievert's則で規定されるのに対し、水状態で接した場合の表面トリチウム濃度が水中の水素イオンもしくは水酸イオン濃度に規定されているためであると推察される。以上の結果は、これまで評価されてきたITERの2次冷却水中のトリチウム濃度が十分保守的であることを証明するものである。
佐々木 政義*; 森本 泰臣*; 木村 宏美*; 高橋 幸司; 坂本 慶司; 今井 剛; 奥野 健二*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.899 - 903, 2004/08
核融合炉用ミリ波帯高周波加熱システムのトーラス窓(高周波窓)の窓材として、CVDダイアモンドは標準となっている。トーラス窓は、トリチウム障壁としての役割も担うことから、トリチウムやヘリウム,放射性ダスト環境下にあり、したがって、ダイアモンドの化学構造に対する水素同位体等の影響を解明することは重要である。本研究では、窓と同一グレードのCVDダイアモンド試料(=10.0mm, t=0.21mm)を、アルゴンイオンビームスパッタリング(E
=1keV)による酸素等の不純物除去の後に、重水素及びヘリウムイオンを照射した。照射エネルギーはそれぞれ0.25keV, 0.45keVである。照射サンプルをX線光電子分光(XPS)測定によって調べたところ、C1ピークが低エネルギー側にシフトしていることが観測された。この結果は、ダイアモンドがC-D結合によりアモルファス化したことを示唆している。
下村 安夫
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.5 - 11, 2004/08
被引用回数:22 パーセンタイル:78.32(Materials Science, Multidisciplinary)ITER建設の技術的準備は整い、建設開始に向けて、日本,欧州,ロシア,カナダ,中国,米国の参加を得て、政府間協議が進められている。2004年には、ITER計画の建設母体である国際機関が設立され、2014年の運転開始が見込まれている。ITERは人類最初の核融合実験炉である。この装置を用いて、炉心プラズマを開発し50万キロワットの核融合反応出力を得て、安全に信頼性高く運転することを通して、核融合炉の実用化の見通しを得る。またこの装置において、トリチウム生産兼発電用エネルギー取り出し用のプランケットの試験なども行われる。
中村 博雄; Riccardi, B.*; Loginov, N.*; 荒 邦章*; Burgazzi, L.*; Cevolani, S.*; Dell'Ocro, G.*; Fazio, C.*; Giusti, D.*; 堀池 寛*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.202 - 207, 2004/08
被引用回数:14 パーセンタイル:64.96(Materials Science, Multidisciplinary)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、重陽子-リチウム(Li)反応による加速器型中性子源であり、国際協力で3年間の要素技術確証フェーズ(KEP)を2002年末まで実施した。本報告では、液体LiターゲットのKEP活動の結果、それを反映した設計と今後の展望について述べる。液体Li流動特性評価のための水模擬実験及び液体Li流動実験,液体リチウム純化系開発のためのトリチウムと窒素不純物制御用材料特性評価,放射化したターゲットアセンブリの交換のための遠隔交換アームの概念設計と基礎実験,安全性評価,計測系の概念検討等を実施した。KEP活動に続いて、Liターゲットの長時間安定運転を実証するため、移行期間を経てLi試験ループを中心とした工学実証・工学設計フェーズを開始する予定である。
山田 禮司; 井川 直樹; 田口 富嗣
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.497 - 501, 2004/08
被引用回数:33 パーセンタイル:87.07(Materials Science, Multidisciplinary)先進的核融合炉のブランケット用構造材料として高いポテンシャルを有しているSiC繊維強化型SiC複合材料(SiC/SiC)には、高熱負荷下で発生する熱応力をできるだけ低減するため、高い熱伝導率を持つことが期待されている。最近開発された高性能SiC繊維(チラノSA繊維,ハイニカロンタイプS繊維)を用いて、3次元織布並び2次元不織布を作製し、CVI及びPIP/CVIによりSiC/SiC複合材料を作製し、その熱伝導率を測定した。チラノSA繊維強化の場合、室温において3D CVIでは40-50W/mK、3D PIP/CVIでは35-40W/mK、1000Cにおいてそれぞれ、25, 17W/mKの値が得られた。一方、2D不織布の場合、全測定温度範囲で12W/mK以下であった。また、ハイニカロンタイプSでは、35(RT), 20(1000
C)W/mKであった。これらの値は、従来のSiC繊維を用いた場合と比較して2ないし3倍高い値であり、新繊維がより高密度,高結晶性を有することに起因するものである。繊維配向比がSiC/SIC複合材料の熱伝導率に与える効果は低い温度ほど顕著であった。
西谷 健夫; Vayakis, G.*; 山内 通則*; 杉江 達夫; 近藤 貴; 四竈 樹男*; 石塚 悦男; 川島 寿人
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1461 - 1465, 2004/08
被引用回数:16 パーセンタイル:68.73(Materials Science, Multidisciplinary)ITERではプラズマ位置制御用磁気センサーとして無機絶縁(MI)ケーブルを用いた磁気コイルを用いるが、これまでの照射試験においてMIケーブルの中心導体と外皮導体間に数Vの起電力(RIEMF)が発生することが観測されており、磁気計測に与える影響が懸念されていた。そこで磁気コイルをJMTRで照射し、照射中に磁気コイルの中心導体両端に発生する起電力を高感度電圧計で測定した。これまで懸念されていたRIEMFによる中心導体両端間の起電力は十分小さいことを確認したが、中性子フルエンスの増加とおもに熱起電力が発生する現象を観測した。この結果をITERの使用条件に外挿すると、1000秒以上の長時間運転では問題となる可能性があることを指摘した。
落合 謙太郎; 林 孝夫; 沓掛 忠三; 後藤 純孝*; 正木 圭; 新井 貴; 宮 直之; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.836 - 839, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:28.71(Materials Science, Multidisciplinary)FNSでは重陽子加速器ビームによる核反応分析法を用いて、黒鉛実機ダイバータ表面のDとTの保持量及び深さ分布について測定を行った。測定対象である黒鉛ダイバータは2つである。利用核反応と検出荷電粒子はD分布測定の場合、D(d,p)T核反応によるプロトン粒子を、T分布測定の場合はT(d,)n核反応による
粒子である。D(d,p)T核反応によるプロトンとトリトン及び
C(d,p)
Cのプロトンのスペクトルピークが得られており、その検出エネルギーは計算で求まる試料表面からの放出エネルギーとよく一致していることから、重水素が試料表面から
mオーダーで深く堆積していることが明らかとなった。これらの収量から重水素の平均保持量は内側ダイバータで約1
10
cm
であり、トリチウムベータ線の放射能は18kBq/cm
に相当するという結果を得た。また350keV入射のみアルファスペクトルを得ている結果から、トリチウムの深さ分布については母材2
mより深い位置にあると考えられる。
佐藤 聡; 田中 照也*; 堀 順一; 落合 謙太郎; 西谷 健夫; 室賀 健夫*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1648 - 1652, 2004/08
被引用回数:2 パーセンタイル:16.81(Materials Science, Multidisciplinary)バナジウム合金は、良好な機械特性,液体リチウムとの共存性,低放射化特性の観点から、液体リチウムブランケット核融合炉構造体の候補材料である。しかしながら、バナジウム合金の誘導放射能は、不純物によって増加される懸念があり、不純物を考慮した誘導放射能を評価することが重要である。そこでバナジウム合金に対してDT中性子照射実験を行い、誘導放射能を評価した。異なる手法で製作したインゴットから取り出した6種類の試験片に対して、FNSを用いて実験を行った。1010
のフラックスで、10分
15日の期間試験片を照射した。照射後数分
数か月後の誘導放射能を、高純度Gr検出器による
線分析器を用いて測定した。加えて、照射後数か月後の崩壊熱を、全エネルギー吸収スペクトロメーターによって測定した。その結果、
Al,
Mn,
Na等の放射性同位体が検出でき、バナジウム合金中の不純物濃度を同定した。NIFS製のバナジウム合金中のAl濃度は70wppmであるのに対し、ANL及びSSWIP製中のAl濃度は各々、170及び380wppmであった。NIFS製に関しては、設計目標値の91wppm以下であることがわかった。モンテカルロ計算によって崩壊熱を求めた結果、計算値は実験値と15%以内で一致することがわかった。
西 宏
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1567 - 1570, 2004/08
被引用回数:9 パーセンタイル:51.61(Materials Science, Multidisciplinary)先に行ったステンレス鋼とアルミナ分散強化銅接合継手の低サイクル疲労試験の破壊点と疲労寿命について検討するため、弾塑性有限要素解析を用いて継手に引張変形及び繰返し変形を負荷したときの変形挙動を明らかにし、低サイクル疲労試験結果と比較した。その結果、次の結論を得た。(1)ステンレス鋼と分散強化銅の組合せは若干であるが応力特異性を有し、塑性域では弾性域に比べ特異性は減少するが、界面にひずみ集中が起こる。(2)解析より疲労試験片にはひずみ集中が起こり、ひずみ範囲が小さい時は界面近傍のアルミナ分散強化銅にひずみが集中し、ひずみ範囲が大きい場合は界面より離れたアルミナ分散強化銅側にひずみが集中する。(3)解析による接合継手の破壊点,疲労寿命は実験結果と一致し、接合継手の破壊点,疲労寿命は母材の疲労寿命から推定可能である。
安堂 正己; 若井 栄一; 沢井 友次; 谷川 博康; 古谷 一幸; 實川 資朗; 竹内 浩; 岡 桂一朗*; 大貫 惣明*; 香山 晃*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(2), p.1137 - 1141, 2004/08
被引用回数:55 パーセンタイル:94.31(Materials Science, Multidisciplinary)F82H鋼の開発にあたり、高照射域(100dpa)での照射脆化に及ぼすヘリウムの効果を調べることは、構造材料の寿命を見通すうえで非常に重要である。一般的に照射によって生じる脆化と硬化の間には正の相関関係があることから、損傷により生じる硬化に加え、ヘリウムが存在する場合での硬化の促進作用の有無について把握しておく必要がある。本研究では、イオン照射法を用いて、総ヘリウム量5000appmまでの同時照射実験(Feイオンによる損傷導入+ヘリウム注入)を行い、微小押込み試験により照射後の硬さ変化について調べた。その結果、約500appmのヘリウム量では、硬化量の促進はほとんど認められず、ミクロ組織も損傷のみの場合と同様の組織が観察された。このことから500appmまでのヘリウム同時照射は、照射硬化の促進には寄与しないことがわかった。
土谷 邦彦; 菊川 明広*; 星野 毅; 中道 勝; 山田 弘一*; 八巻 大樹; 榎枝 幹男; 石塚 悦男; 河村 弘; 伊藤 治彦; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1248 - 1251, 2004/08
被引用回数:10 パーセンタイル:54.82(Materials Science, Multidisciplinary)チタン酸リチウム(LiTiO
)は、核融合炉ブランケットで用いるトリチウム増殖材料の有望な候補材の1つである。大小2種類(直径2mm及び0.3mm)のLi
TiO
微小球を混合充填した充填体を中性子パルス運転が模擬できる照射試験体に装荷し、中性子吸収体を回転させた後一定出力とした時と、中性子吸収体を一定間隔でパルス運転した時のトリチウム生成回収特性を調べるための照射試験をJMTRを用いて行った。その結果、R/G(トリチウム回収率との生成率の比)はパルス運転に伴って、波を描きながら増加したが、マクロ的なトリチウム生成回収挙動は一定出力運転させたものと時定数がほとんど変わらないことがわかった。この原因は、トリチウム回収速度の時定数がパルスの周期より十分長いためで、パルス運転の影響はほとんどないことに起因しているものと考えられる。
杉本 昌義; 竹内 浩
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.198 - 201, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:28.71(Materials Science, Multidisciplinary)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は加速器型中性子源で核融合炉材料開発を行うものであり、安定連続運転の実現が重要である。稼働率向上には、ビーム損失による構成機器の放射化を防ぎ、保守作業開始までの冷却時間の短縮が要である。重陽子及び2次中性子線による放射化を考慮し、1日程度の冷却で保守作業可能な放射線レベルとなるよう、材料選定を行った。加速器には工学的理由から空洞用に銅,ビームダクト用にアルミが使用される。これらが定常的ビーム損失で強く放射化しないよう、損失量を5nA/mまで抑える。その実現にはビームサイズに対し、ビーム通過孔に十分な余裕を持たせるとともに、ビーム径方向に広がる分布のすそ野をカットするためのスクレーパが必要である。候補材としては高Zであるタンタルがよいことがわかり、スクレーパの設置場所や構造,周囲の遮蔽等を決定した。加えて、施設寿命後の放射化量の減衰まで考慮すると、空洞やビームダクトへの低放射化材料コーティング等が重要となる。
Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; Klix, A.; 佐藤 聡; 和田 政行*; 山内 通則*; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1337 - 1341, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:28.71(Materials Science, Multidisciplinary)これまで濃縮チタン酸リチウム,ベリリウム及び低放射化フェライト鋼F82Hから構成された多層ブランケット模擬体系に対して14MeV中性子源FNSを用いた核特性系積分実験を実施してきたが、実測されたトリチウムの生成率はモンテカルロ中性子輸送計算コードMCNPと核データJENDL-3.2による計算値よりトリチウム増殖層平均で20%小さかった。その主要な原因として、ベリリウム中の微量不純物(B, Li, Gd等)が寄与していると考察し、FNSを用いて中性子透過実験を行い、実験的評価を行った。大きさの異なるベリリウム単体の体系にパルス状DT中性子を入射し、BF3中性子検出器により、熱中性子束の減衰時間を測定した。全ての試験体で、測定した熱中性子の減衰時間は計算値より早かった。これはベリリウム中の微量不純物により熱中性子束が吸収されるためと考えられる。熱中性子の減衰時間から実行的な吸収断面積を評価した結果、核データから評価した断面積より30%大きな値が得られた。不純物の主要成分を検討し、トリチウム増殖率への影響を評価している。
谷川 尚; 田中 知*; 榎枝 幹男; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 329-333(2), p.1291 - 1294, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:28.71(Materials Science, Multidisciplinary)水素同位体と照射欠陥との相互作用を明らかにするために、酸化リチウム単結晶に対して赤外吸収分析を行った。重水素イオン照射下において、FT-IRを用いて酸化リチウム固体内のO-D伸縮振動を観察した。照射中と照射後には、O-D伸縮振動領域に複数のピークが観察され、これらのピークは照射条件に対して異なる挙動を示した。観察されたピーク挙動の解析からは、照射によって酸化リチウム中に導入された重水素のほとんどがO-D結合をしないで固体内に存在していることが示され、これは照射欠陥との相互作用によるものだと示唆された。
廣瀬 貴規; 芝 清之; 沢井 友次; 實川 資朗; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.324 - 327, 2004/08
被引用回数:55 パーセンタイル:94.31(Materials Science, Multidisciplinary)核融合発電実証プラントにおける増殖ブランケット製作技術開発の一環として、製造プロセスにおける熱履歴が低放射化フェライト鋼の材料特性に及ぼす影響について評価を行った。低放射化フェライト鋼に対して、熱間等方圧加圧(HIP)相当の熱履歴与えたところ、0.04%のTaを含むF82H鋼は1313K以上のHIP相当熱処理により結晶粒の粗大化が認められたが、F82H-0.1%Ta添加材では粒成長が抑制された。これは粒成長が粒界の移動を阻害する炭化物(TaC)の溶解によるものであることを示唆している。より高温における接合を考慮した場合、1373K以下での熱処理では、炭化物の分布状況に起因する熱処理以前の粒径の影響が残っていることから、接合処理後の細粒化には、均質化及びTaCの溶解温度以下での焼きならしの2段階の熱処理が必要である。F82H鋼においては、1423K以上における均質化、並びにTaC溶解温度以下(1243K)での焼きならし処理により、加工を伴うことなく結晶粒度7程度の細粒組織が得られることを確認した。
江里 幸一郎; 鈴木 哲; 佐藤 和義; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.820 - 824, 2004/08
被引用回数:8 パーセンタイル:47.77(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉用高熱流束機器用高性能冷却管開発の一環として、冷却内面に三角フィンを加工した冷却管を提案している。この冷却管では、三角フィンを簡単なねじ切り加工で形成しており、スクリュウ管と呼ばれる。本研究では、これまでの実験の結果、最も高い限界熱流束が得られたM10ピッチ1.5のスクリュウ管の熱疲労実験を実施した結果を報告する。供試体は銅合金(CuCrZr)熱シンクにネジを切った冷却管を用い、ダイバータ形状を模擬した熱シンクには1.5mm幅のスリット加工を施している。熱疲労試験は原研にある電子ビーム照射装置で、核融合炉条件を模擬した片側からの熱負荷条件(20及び30,10秒加熱・10秒冷却)で実施した。冷却管スリット部からの水漏れは熱負荷
条件で約4500サイクル、30
条件で約1400サイクルにて発生した。これらの疲労寿命は有限要素解析結果をもとにしたManson-Coffin則による寿命評価とよく一致している。断面観察の結果、疲労亀裂はスリット部外側加熱側から生じ、管断面を冷却面側へ進展していることが判明した。本冷却管をダイバータに適用する際に懸念されていた冷却管内面のネジ谷からの亀裂発生がないことを実験的・解析的に示した。
工藤 祐介; 逆井 章; 濱田 一弥; 高野 克敏*; 中嶋 秀夫; 奥野 清; 松川 誠; 玉井 広史; 石田 真一
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.634 - 638, 2004/08
被引用回数:5 パーセンタイル:34.47(Materials Science, Multidisciplinary)本研究の目的は現在設計を進めている超伝導磁石システムを用いたトカマク型核融合装置JT-60SCにおいて、センターソレノイドに用いるケーブルインコンジット型のNbSn導体のコンジット材料SUS316LNに、汎用オーステナイト系ステンレスワイヤが適用可能であるかを解明することである。4Kで引張試験,破壊靱性試験,疲労き裂進展試験を溶接材について実施し、熱処理(923K
240時間)の有無で比較評価した。熱処理を施した溶接材の引張特性はJT-60SCの要求を満足した。疲労き裂進展試験は9.0
10e4回の運転要求を十分に保障した。しかし、熱処理を受けた溶接材の破壊靱性値は不安定にき裂が進展したために有効な値にならなかった。ゆえに、熱処理を受けた溶接材の破壊靱性の改善がセンターソレノイドコンジットにおける構造健全性の向上に必要である。
飛田 健次; 西尾 敏; 小西 哲之*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1610 - 1614, 2004/08
被引用回数:12 パーセンタイル:60.57(Materials Science, Multidisciplinary)埋設処分すべき放射性廃棄物を低減するため、核融合炉がとるべき実用的方策の検討を行った。低アスペクト炉は炉の構成に必要な鉱物資源総量が少ないため、廃棄物という観点だけでなく、地球規模の鉱物資源節約という長期的視野でみたとき優位である。遮蔽強化により遮蔽外部の重量構造物をクリアランス廃棄物化することは、核融合廃棄物のリサイクル市場を拡大するうえで重要である。また、中性子遮蔽,液体金属増殖材は廃棄処分する場合にはその大部分を余裕深度管理しなければならないが、再利用するとすればこれらは比較的簡単な処理ののち次世代炉での利用が可能と考えられる。これらの方策を統合すると、低アスペクト炉VECTORから発生する埋設処分すべき廃棄物は、1,685トンまで低減できる。
近藤 浩夫*; 藤里 敦史*; 山岡 信夫*; 井上 正二*; 宮本 斉児*; 佐藤 文信*; 飯田 敏行*; 堀池 寛*; 松下 出*; 井田 瑞穂*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.208 - 212, 2004/08
被引用回数:13 パーセンタイル:62.79(Materials Science, Multidisciplinary)本論文では、IFMIFターゲット流の挙動を研究するための模擬実験においてリチウム流の自由表面に現れた航跡に焦点を当て、理論との比較を交えて論じた。航跡の形状は、静止水面上を等速度で移動する点状擾乱からの航跡の形状として予測されたものとよく一致した。本実験での航跡の発生源はノズル出口に付着したリチウム化合物及びノズル出口と側面壁との角である。後者による航跡はIFMIFターゲットでも発生し得るものの、重陽子ビームの照射領域にまで達することがないことを明らかにした。
伊尾木 公裕*; 秋場 真人; Barabaschi, P.*; Barabash, V.*; Chiocchio, S.*; Daenner, W.*; Elio, F.*; 榎枝 幹男; 江里 幸一郎; Federici, G.*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.31 - 38, 2004/08
被引用回数:15 パーセンタイル:67.12(Materials Science, Multidisciplinary)ITER主要コンポーネントの発注仕様書の準備が現在進行中である。製造方法や非破壊検査法などを考慮しつつ炉構造機器(真空容器や容器内機器)の詳細設計を現在行っている。R&D開発については、20度あるいは30度の入射角の超音波試験,2チャンネルモデルによる流量配分の試験,第一壁のモックアップやパネルの製造及び試験,ハウジングを含めた全システムとしてのフレキシブル支持構造の試験,リーク試験のための予備真空領域を設けた同軸冷却管接続の試験,ダイバータの垂直ターゲットのプロトタイプの製造と試験などが行われた。こうした結果により、設計の成立性について確信を与えるとともに、低コストの代替え製造法の可能性を示すものである。