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Fugate, G.*; 竹下 健二*; 松村 達郎
Separation Science and Technology, 43(9&10), p.2619 - 2629, 2008/07
新規配位子であるTPEN(N,N,N',N'-tetrakis(methylpyridyl)-1,2-ethylenediamine)には、アメリシウム(III)とユウロピウム(III)の間に高い分離係数を既に見いだしている。しかし、分離に有効な液性がpH4-6であることや、酸性条件における水相への高い溶解度が、TPENの核燃料サイクル分野への応用を非常に限定的なものにしている。本研究では、この分離係数を維持しつつ、有効となるpHを低下させるとともに水相への配位子の溶解度を下げることを目的として、多種の物質の合成を行った。これらのTPEN類縁体の構造設計は、TPENのエチレンジアミンを、芳香族化合物に置換したものと、2つ以上のピリジル基を他の官能基に置換したものである。これらの新しい化合物の分離特性を評価した。その結果、後者にAm/Eu分離性能を持つものを見いだし、TPEN類縁体におけるAm/Eu分離においては、分子構造のフレキシビリティが重要であることが明らかとなった。
竹下 健二*; 尾形 剛志*; 中野 義夫*; 松村 達郎; 森 敦紀*
no journal, ,
TPEN誘導体であるTPPEN(N,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine)をNIPA(poly-N-isopropylacrylamide)と共重合した感温性ゲルを用いた温度スイング抽出法によって、Am(III)とEu(III)の抽出分離を試みた。ゲル膨潤状態(5C)においてEu(III)からのAm(III)の分離が観察され、その分離係数はpH5.2において18であった。この抽出されたAm(III)の90%以上が、膨潤状態(5C)から収縮状態(40C)へのゲルの体積相転移に伴って放出された。このゲルによるAm及びEuの抽出に対する放射線の影響について、線照射(10kGy)と核種(Cm)の長期吸着試験によって評価した。その結果、このTPPEN-NIPAゲルは、これらの試験において損傷は観察されなかった。これらの結果は、この温度スイング抽出法が分離変換技術の確立に不可欠なMA分離プロセスに適用可能であることを示唆している。