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松谷 悠佑; 佐藤 志彦; 浜田 信行*; 伊達 広行*; 石川 正純*; 佐藤 達彦
no journal, ,
2011年の福島第一原子力発電所事故後、不溶性放射性微粒子(Cs含有微粒子)が発見されている。Cs含有微粒子によるエネルギー付与は線の寄与により微粒子周辺細胞で高くなる。しかし、そのような長期的な局所被ばく下での生物学的効果の報告は未だない。そこで本研究は、Cs-137
線を使用した均一被ばくとの比較の中で、Cs含有微粒子による長期的な被ばく後に誘発されるDNA損傷を調査した。モンテカルロシミュレーションを用いた線量計算ならびに均一照射下の細胞実験結果との比較から、微粒子から離れた細胞における数個のDNA損傷と周辺細胞におけるDNA損傷誘発の低減の両方が観察された。DNA損傷数の増加は1% DMSOの添加によって抑制され、活性酸素種の関与が示唆された。これら知見ならびに微粒子による微量な臓器線量を考慮すると、従来の放射線リスク評価で十分であることが考えられる。これらの知見は、不溶性放射性微粒子による長期間の不均一被ばく下の線量率と核内DNA損傷の関係を定量化した初めての報告である。
岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 小野 拓実*; 田巻 廣明*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性核種は、ヒトや動物に放射線影響を与えると考えられ、詳細な線量評価が求められている。我々はESR装置で歯の炭酸ラジカルを測定することでヒトや動物の外部被ばく線量を推定しようとしているが、従来のESR法の検出限界は146mGyとされており、検出限界の引き下げが必要であった。本研究では、新規エナメル質抽出方法を開発し、炭酸ラジカル強度と線量の関係(検量線)を詳細に作成したところ、検出限界を43mGyにまで引き下げることができた。この検量線を用いて、福島県で捕獲されたニホンザルの外部被ばく線量の推定を行った結果を報告するとともに、アライグマについての検量線の作成と外部被ばく線量の推定の取り組みも報告する。
高橋 玲*; 嵯峨 涼*; 松谷 悠佑; 長谷川 和輝*; 福井 呂満*; 細川 洋一郎*
no journal, ,
放射線照射後の炎症反応は抗酸化活性を誘導し、癌細胞に放射線抵抗性をもたらす。先行研究において、ヒアルロナン合成阻害剤(4-MU)が炎症反応を抑制することを観察したが、そのメカニズムはまだ解明されていない。そこで、細胞致死モデルを用いて、4-MUにより誘導される放射線増感メカニズムを解明することを目的とした研究を進めた。研究では実験も行い、培養されたヒト線維肉腫細胞に対して、100M 4-MUならびに細胞間シグナル阻害剤(1%DMSOまたは40
M c-PTIO)を添加処理後にX線を照射し、コロニー形成法によって線量対生存率の関係を測定した。また、非標的効果を考慮するよう開発された統合型細胞致死モデル(IMKモデル)を用いて、実験結果を解析した。細胞実験の結果から、4-MU処理と照射の組み合わせは細胞生存を有意に減少させることがわかり、生存率の低下は、DMSOまたはc-TPIOの存在下で抑制された。一方、このような細胞死の増強は主に非標的効果によるものであることがモデル解析によって示され、この結果から4-MU治療によって促進される放射線増感が主に非標的効果の蓄積に起因することも示唆された。
神崎 訓枝; 島田 幹男*; 柳原 啓見*
no journal, ,
DNA損傷の修復エラーが生じた場合に、そのDNA損傷は突然変異として残存し、発がん等の原因となる。被ばくによってどのような突然変異が起こるかは、放射線の種類や細胞の種類に依存することが報告されているが、まだ完全には明らかになっていない。つまり、放射線による突然変異の特徴把握は放射線生体影響を知る上で重要である。本研究では、種々の放射線による突然変異の特徴を把握するためのデータ解析手法構築の基礎的検討を行うことを目的とする。演習用のデータセットは、既存の論文データを参考にして作成した。データはトランジションまたはトランスバージョンの6種類の点突然変異、挿入、欠失の8つの項目に対する各突然変異率を持たせた。本実験では、機械学習の一種で、非線形のデータ解析について低次元されたマップによる視覚的表現が優れていると言われている自己組織化マップ(SOM)を用いて、クラスタリングによる特徴抽出と予測を行い、主成分分析等の類似の多変量解析法と比較検討した。SOMの出力マップ上では、似通ったデータが近くに配置され、データ各々の突然変異の種類毎の特徴を一目で把握できるよう分類可能であることがわかった。
片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 石田 毅; 田中 裕史; 花元 克巳*; 寺東 宏明*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*
no journal, ,
ラドン吸入が抗酸化機能の亢進によりマウスの諸臓器中で酸化損傷を抑制すると報告してきた。この機能には、ラドン吸入によって生成された活性酸素種が関わっていると考えられる。そこで、本研究では、ラドン(1,000Bq/mまたは10,000Bq/m
で24時間)吸入後のマウスの脳, 肺, 心臓, 肝臓, 胃, すい臓, 腎臓, 小腸, 大腸での過酸化水素と抗酸化物質(スーパーオキシドディスムターゼ, カタラーゼ, トータルグルタチオン)、過酸化脂質を分析した。例えば、肝臓(1,000Bq/m
と10,000Bq/m
)や心臓(1,000Bq/m
)で有意に過酸化脂質量の減少が見られ、酸化ストレスが抑制されていた。一方で、肺(10,000Bq/m
)でのみ、過酸化脂質量と過酸化脂質が有意に増加していた。以上のことから、高濃度のラドン吸入では肺を除いて、酸化ストレスが誘導されないことが示唆された。