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上田 祐生
no journal, ,
溶媒抽出法において使用する揮発性の有機溶媒の代替物として、イオン液体(IL)が注目されている。これまでに白金族金属(PGM)の分離を目的としたILを用いた抽出系は多数報告されているが、単一の抽出剤を使用した抽出系における、PdとPtの個別分離が可能な系は報告されていない。本研究では、PdおよびPtの個別分離を目的として、ウレア基を有する新規イミダゾリウム系ILを合成し、PdおよびPtに対する抽出能の評価を行った。その結果、従来のILでは達成されていなかったPdとPtの個別分離が達成された。さらに、抽出機構の解析から、PdとPtそれぞれの抽出機構の違いを明らかにした。
下条 晃司郎
no journal, ,
溶媒抽出法は金属イオンの分離精製において有効な技術である。その分離効率は抽出剤が鍵を握るため、これまでに数々の新規抽出剤が開発されている。本研究ではDODGAAおよびTONAADAという酸性アミド型抽出剤を新規に開発し、56種の金属イオンに対する抽出特性を網羅的に調査した。その結果、DODGAAは56種の金属イオンの中でも希土類金属に対して高い抽出能を有し、特に重希土に対して選択性を示した。また、軽希土間の相互分離において、従来の抽出剤よりも優れた分離能をもっていることが明らかとなった。一方、TONAADAはほとんどの金属イオンに対してDODGAAよりもさらに高い抽出能を有し、酸性抽出剤としてだけでなく、カチオン性抽出剤としても機能する2面性を示した。