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中村 博雄; 井田 瑞穂*; 杉本 昌義; 竹内 浩; 湯谷 順明*; IFMIF International Team
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.919 - 923, 2001/11
被引用回数:9 パーセンタイル:55.50(Nuclear Science & Technology)本報告では、国際核融合材料照射施設(IFMIF)の液体リチウムターゲット系の現状について述べる。IFMIFは、核融合炉材料開発のため、照射量200dpaまで照射可能な強力中性子束(2MW/m)を発生可能なD-Li反応方式の加速器型中性子源である。このような中性子発生のため、最大エネルギー40MeV,最大電力250mAの重水素ビームを、最大流速20m/sの液体リチウム流ターゲットに入射させる。1995年から1998年に実施した概念設計に続き、1999年に合理化設計を実施し、当初のIFMIF計画の目的を損なわずにコストを削減し、IFMIFの成立性を高めた。主な偏光は、液体リチウムターゲットの数を2個から1個に削減,リチウムルーム建家高さの半減等である。2000年からは、要素技術確証を開始し、液体リチウムループ実験の検討やリチウム模擬水実験を行った。また、リチウムループ系のシステム設計も開始した。
佐藤 聡; 榎枝 幹男; 黒田 敏公*; 小原 祥裕; 毛利 憲介*; Cardella, A.*
Fusion Engineering and Design, 58-59(1-4), p.749 - 754, 2001/11
被引用回数:5 パーセンタイル:38.55(Nuclear Science & Technology)国際熱核融合実験炉(ITER)遮蔽ブランケットの第一壁は、ステンレス鋼(SUS)と銅合金(DSCu)を、高温等方圧加圧法(HIP)を用いて接合することにより製作される。製作工程簡素化の観点から、HIP接合面の表面粗さが粗い条件での、制作方法が検討されている。そこで表面粗さをパラメータとして、SUS/DSCu,SUS/SUS,DSCu/DSCuHIP接合体を製作し、引張試験、衝撃試験、金相観察を行い、接合特性を評価した。1~40mの範囲の表面粗さに関して調べた。表面粗さが細かくなるほど、SUS/DSCu接合体の衝撃値は高い値を示すものの、引張特性に関しては、全ての試験体で有為な差は見られなかった。HIP圧力を高くすることなどにより、10m程度の表面粗さでのHIP接合体の製作可能性が見いだされた。
荒木 政則; 佐藤 真一*; 仙田 郁夫; 大森 順次*; 荘司 昭朗
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.887 - 892, 2001/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)現在、国際協力で進めているITER工学設計において、より魅力的な工学試験が見込めるトカマク機器の構造概念を提案する。本提案は、ITERの実験を二期に分けて考えた時、後半の10年間でおもに工学機器の試験が予定されている。小型化したITERにおいても、主要な機器を変更することなく、工学試験で要求される中性子束やフルーエンスを現状の2倍程度(従来の大型ITERとほぼ同等)にでき、プラズマ運転と整合する炉概念を提示する。
小林 和容; 林 巧; 岩井 保則; 西 正孝
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.1059 - 1064, 2001/11
被引用回数:11 パーセンタイル:61.46(Nuclear Science & Technology)トリチウムの最終閉じ込め系を構成する建屋内におけるトリチウムの挙動及び雰囲気中からのトリチウム除去に関する研究は、核融合炉の安全性を確保するうえで重要である。原研では、12mの大型気密空間からなるトリチウム安全性試験装置を用い、空間中に放出されたトリチウムの挙動について研究してきた。この結果、放出トリチウム中に水蒸気状のものがある場合には残留汚染が顕著に現れてトリチウム除去速度を遅らせること、また、雰囲気の湿度が結果に大きく影響を与えられることを見いだした。さらに、この現象が、トリチウム蒸気の壁面への吸着・脱離によって説明できることを解析によって明らかにした。
木津 要; 細金 延幸; 平塚 一; 市毛 尚志; 笹島 唯之; 正木 圭; 宮 直之; 本田 正男; 岩橋 孝明*; 佐々木 昇*; et al.
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.331 - 335, 2001/11
被引用回数:16 パーセンタイル:72.72(Nuclear Science & Technology)JT-60Uではプラズマの高密度化を目的とした遠心加速方式のペレット(固体重水素)入射装置本体の開発を実施した。さらに、従来のトーラス外側からの入射に加えて、トーラスの内側からの入射を可能とするガイド管も開発した。本装置の開発では、ペレットの射出方向をばらつかせる原因の一つである重水素昇華ガスを効率的に取り除くようにした。さらに、ペレットの壁との衝突による破壊モデルを考慮した管径、テーパー角度、曲率を持ったガイド管を設計した。これらにより1.9mm立方体のペレットを周波数10Hz、速度600m/sの条件で8割以上の高効率での連続射出が可能となった。本装置を用いたプラズマへのペレット入射実験の結果、ガスパフでの供給に比べよりプラズマ中心側への燃料供給が可能なこと、100m/sのペレットであればガイド管を通してのトーラス内側からの入射が可能であることを確認した。
小西 哲之
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.1103 - 1107, 2001/11
被引用回数:6 パーセンタイル:43.67(Nuclear Science & Technology)核融合炉の電力以外の多目的利用について検討した。核分裂炉と異なり、ブランケットがプラズマと独立に設計できることから、ブランケット構造材にODSフェライト鋼を使用することで超臨界水や過熱水蒸気などの一般の工業熱源に多く使われる400~500度のプロセススチームが発生でき、各種化学工業への利用が考えられる。ことに温室効果ガスの低減が地球環境問題から重視されており、将来のエネルギー需給においては分散電源や水素など合成燃料の比率が高まると想定されているため、核融合炉はこのような社会では水素製造により、燃料電池などの分散電源や輸送用燃料の供給に寄与することが重要と考えられる。核融合は、多目的熱利用により送配電網の完備していない社会へも導入が可能であり、核拡散抵抗性を生かして発展途上国での利用可能性がある。
土谷 邦彦; 兜森 俊樹*; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.401 - 405, 2001/11
被引用回数:10 パーセンタイル:58.56(Nuclear Science & Technology)JMTRでは、核融合炉ブランケット構造を模擬した「部分モジュールインパイル照射試験」を計画している。本試験のためのトリチウム回収系には、取り扱いが容易でかつ常温付近でも良好なトリチウム回収性能を有するゲッタ材の開発が必要である。そこで、ZrNi合金に着目し、Niの一部をほかの元素で置換したゲッタ材を試作し、単体時及び充填時における特性評価を行った。単体時特性評価より、ZrNiCoFe組成のゲッタ材は室温時における水素平衡解離圧が金属ウランと同等の平衡解離圧(3.510Pa以下)になることを明らかにした。また、充填時特性評価により、ZrNiCoFeは、常温でも水素を十分吸収し、その破過帯長さは空塔速度に対して直線的に増加することを明らかにした。
河村 繕範; 小西 哲之; 西 正孝
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.389 - 394, 2001/11
被引用回数:26 パーセンタイル:84.66(Nuclear Science & Technology)核融合炉燃料サイクルの研究開発において、水素同位体の分離分析は必要不可欠である。低温ガスクロマトグラフは、感度や再現性においてほかの分析手段に勝るが、分析時間が長く、急激な組成変化をともなう系や分析結果をもとにプロセス制御を行う場合には対応できない。その解決方法として、小型高速ガスクロマトグラフの低温仕様への改造を提案し、既に良好な結果を得ている。今回は分離カラムを充填カラムからキャピラリーカラムにかえて分離分析性能を調べた。キャピラリーカラムの使用でさらに分析時間を充填カラムの半分以下に短縮できた。また低温吸着の知見をもとに実際には分析を行っていないトリチウムを含む成分の出現位置も予測できるようになり、水素同位体全6成分の実用レベルでの短時間分離分析への見通しを得た。
土谷 邦彦; 菊川 明広*; 八巻 大樹; 中道 勝; 榎枝 幹男; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.679 - 682, 2001/11
被引用回数:9 パーセンタイル:55.50(Nuclear Science & Technology)核融合炉増殖炉ブランケット開発の一環として、ITERに設置されるテストポートを利用した増殖ブランケット・テストモジュールの照射試験が計画されている。このテストモジュールを設計するために、JMTRを用いて、中性子照射下におけるリチウムタイタネート(LiTiO)微小球充填体からのトリチウム放出測定を行った。スイープガス流量に対するトリチウム放出挙動評価から、見かけのトリチウム脱離係数は、スイープガス中の水素分圧が10Paまでは増加することが明らかになり、トリチウム脱離効果は表面反応が律速であることを明らかにした。また、照射温度に対するトリチウム放出挙動評価から、LiTiO微小球充填体の見かけのトリチウム拡散係数は約10cm/sであり、これまで報告されたディスク状LiTiOの拡散係数とほぼ同じオーダであった。
中道 勝; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.719 - 723, 2001/11
被引用回数:13 パーセンタイル:64.13(Nuclear Science & Technology)核融合炉においては、ブランケット部と支持構造部間を電気的に絶縁する必要がある。そのために、構造材であるステンレス鋼上に電気絶縁材としてのセラミックコーティング被膜を施工することが考えられており、電気絶縁性等の観点からセラミックコーティング被膜材としてAlOが候補材として挙げられている。ステンレス鋼母材上にAlOを施工する場合、母材とAlOとの熱膨張差によりAlO被膜に剥離が発生する。このため、母材とAlO間にアンダーコーティング被膜を施工することを考案し、アンダーコーティング被膜材としては、熱膨張率がほぼ両者の中間であるSUS410及び80Ni-20Crの2種類を選定した。今回は、照射後特性評価に先立ち、炉外においてこれらアンダーコーティング被膜材がAlO被膜の基本的特性(耐熱衝撃性、密着力性、電気絶縁性及び耐機械的衝撃性)に及ぼす影響について調べた結果を報告するものである。
高橋 良和; 加藤 崇; 布谷 嘉彦; 安藤 俊就; 西島 元; 中嶋 秀夫; 檜山 忠雄; 杉本 誠; 礒野 高明; 小泉 徳潔; et al.
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.93 - 97, 2001/11
被引用回数:11 パーセンタイル:61.46(Nuclear Science & Technology)ITER計画において、13T-46kA定格性能を有するCSモデルコイルが開発され、実験が行われている。超電導コイルにおいて、電源と接続し電流を供給する窓口であるターミナル・ジョイントは、そのコイルの性能を決める重要なものの1つである。モデル・コイルは、真空容器の中で組立てられた。この時、ジョイントは垂直方向に組立てられるので、通常用いられるハンダは使用できないので、インジウム線を用いた組立て技術を開発した。開発にあたって、3組の短尺サンプルを製作し、実験を行った。その結果、十分に小さな電気抵抗であったので、モデル・コイルにこの技術を適用した。モデル・コイルの実験において、5n以下という低抵抗であり、その温度上昇は0.06K以下であった。これらの結果を報告する。
小泉 徳潔; 東 克典*; 土屋 佳則; 松井 邦浩; 高橋 良和; 中嶋 秀夫; 西島 元; 布谷 嘉彦; 安藤 俊就; 礒野 高明; et al.
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.1 - 5, 2001/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.35(Nuclear Science & Technology)13T-46kAステンレスコンジット導体NbAlを開発し、その臨界電流性能を評価した。NbAlは強度が高いために、ステンレスコンジットを使用しても、そこにかかる歪は0.4%以下と評価できる。これによる臨界電流の劣化度は10%と小さい。実験では、サンプル製作の都合上、NbAlに熱歪がかからなかった。本サンプルの臨界電流値には劣化がなく、実際のコイルの導体でも、この測定値より10%程度低い臨界電流値となる。よって、臨界電流値は100kAと予想され、十分な裕度がある。
西 宏; 衛藤 基邦; 橘 勝美; 小泉 興一; 中平 昌隆; 高橋 弘行*
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.869 - 873, 2001/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.35(Nuclear Science & Technology)ITERの真空容器は2重壁構造を採用して2重壁内側からの溶接ができないため、不溶着部を有する構造となる。本研究では、ITERに採用予定の部分溶込み溶接継手について、継手や溶接金属の疲労試験より疲労特性を明らかにするとともに、有限要素法による継手部の弾塑性応力解析を行い、破壊力学的手法を用いた疲労寿命の予測を行った。得られた結論は以下の通りである。(1)不溶着部はき裂と同様な挙動を示し、溶接継手の疲労寿命の大部分はき裂伝播寿命であった。(2)継手の疲労き裂伝播速度はき裂発生時に加速する。これは不溶着部を切欠きと考えたときの切欠き効果と考えられる。(3)溶金のき裂伝播速度から破壊力学的手法を用いて継手の疲労寿命を予測できる。(4)不溶着部の長さが短くても不溶着部は継手の疲労強度を大きく低下させる。
石塚 悦男; 菅 智史*; 河村 弘; 小野澤 仁*
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.517 - 521, 2001/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.35(Nuclear Science & Technology)ポリイミド巻線を使用した耐放射線小型モータを開発し、JMTRを用いて照射試験を実施した。耐放射線小型モータには、フィールドコイルとしてポリイミド巻線、マグネットとしてNd-Fe、ベアリング等の潤滑剤としてポリフェニルエーテルを用い、フィールドコイルはMgO,AlOを充填したシリコン樹脂で固定した。耐放射線小型モータは約50で照射し、線量率と高速中性子束はそれぞれ7.410Gy/sと6.610n/m/sであった。モータの回転試験を実施した結果、線量及び高速中性子照射量が3.110Gy/sと2.810n/mまで正常に回転した。また、フィールドコイルの絶縁抵抗及び導体抵抗を測定した結果、線量及び高速中性子照射量が3.110Gy及び2.810n/mにおいても導体抵抗及び絶縁抵抗が110及び12であり、照射開始時より顕著な劣化は観察されなかった。
鶴 大悟; 閨谷 譲; 荒木 隆夫*; 野元 一宏*; 大平 茂; 丸尾 毅; 橋本 正義*; 羽田 一彦; 多田 栄介
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.985 - 989, 2001/11
被引用回数:4 パーセンタイル:33.16(Nuclear Science & Technology)コンパクトITERの固有の安全性を踏まえた安全確保の考え方の構築の一環として、全冷却系が機能してない条件下での崩壊熱による各機器の温度上昇を見積もることにより非常用冷却系の必要性を検討した。全冷却系の全冷却材が瞬時に喪失し、機器間は輻射により熱伝達され、クライオスタットがヒートシングとなるといった極端に仮想的な条件にも関わらず、真空容器の最高温度は500近辺に留まり、なおかつ温度上昇は非常に緩やかで最高温度に到達するのが100日後であった。以上の結果より、コンパクトITERでは崩壊熱密度の小ささから、非常用冷却系が無くても輻射により崩壊熱が除去可能である見通しを得た。併せて、第一壁が一体型である場合及び真空容器冷却系が機能している場合の温度上昇に関して感度解析を行った。
前川 藤夫; 落合 謙太郎; 柴田 圭一郎*; 春日井 好己; 和田 政行*; 森本 裕一*; 竹内 浩
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.595 - 600, 2001/11
被引用回数:12 パーセンタイル:64.13(Nuclear Science & Technology)核融合炉の低放射化構造材料として考えられているSiCについて、原研FNSのD-T中性子源を用いた中性子工学ベンチマーク実験を行った。断面積457457mm,厚さ711mmの実験体系に14-MeV中性子を入射し、体系内において中性子及び線に関する諸量を測定した。実験解析をMCNP-4B輸送計算コード、及びJENDL3.2, JENDL Fusion File, FENDL/E-1.0, FENDL/E-2.0の評価済み核データファイルを用いて行い、これら核データの精度評価を行った。その結果、(1)FENDL/E-1.0はkeVMeVエネルギーの中性子束を大幅に過小評価する。(2)FENDL/E-2.0は1MeV以上の中性子束を深さとともに多少低めに計算する一方、(3)JENDL-3.2とJENDL Fusion Fileは全体にわたり実験値と良い一致することがわかった。
小野塚 正紀*; 伊尾木 公裕*; Sannazzaro, G.*; Utin, Y.*; 吉村 秀人*
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.857 - 861, 2001/11
被引用回数:15 パーセンタイル:70.74(Nuclear Science & Technology)ITER-FEAT真空容器の構造設計と熱流動特性に関する考察に関する最近の成果について報告する。ブランケットモジュールが真空容器に直接指示されるために、モジュールの支持構造は二重容器内部に設置され、二重壁の補強リブの一部を削減し、真空容器構造の簡素化が図られる。真空容器の構造健全性はリブと部分的に付加された補強リブ付きのモジュール支持構造体により確保される。製作性と準拠する設計基準を考慮した詳細設計についても紹介する。熱応力を抑えるために、真空容器冷却には高い熱除去能力が必要とされる。容器壁への熱負荷により冷却水に自然循環が期待され、低流速領域において熱伝達率の向上が図られる。
安藤 俊就; 加藤 崇; 牛草 健吉; 西尾 敏; 栗原 良一; 青木 功; 濱田 一弥; 辻 博史; 長谷川 満*; 内藤 秀次*
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.13 - 16, 2001/11
被引用回数:10 パーセンタイル:58.56(Nuclear Science & Technology)核融合動力炉A-SSTR2のトロイダル・コイルを高温超伝導導体を用いて設計した。その設計思想,具体的設計例,今後の高温超伝導導体の開発ターゲットについて紹介する。
長尾 美春; 中道 勝; 土谷 邦彦; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.673 - 678, 2001/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットのトリチウム増殖材の候補であるリチウムタイタネイト微小球充填体の中性子照射下での温度及びトリチウム放出特性を評価するため、インパイルモックアップによる炉内照射試験をJMTRを用いて行った。本照射試験は、世界で初めて数百g規模の充填体を用いるため、従来の数g規模の照射試験とは異なり、温度分布の評価が重要となる。そのため、充填体内に熱電対を計33個計装して、照射試験炉の内部温度分布測定を行った。また、中性子及び線分布を求めるための核特性解析には連続エネルギーモンテカルロコードMCNPを用い、その結果得られた試験体内の発熱分布に基づき3次元温度計算コードTRUMPを用いた熱解析を行った。その結果、温度分布の計算値は熱電対による測定値と一致し、本解析手法は核融合炉ブランケット照射試験体の設計に十分有効であることがわかった。
今野 力; 前川 藤夫; 和田 政行*; 池田 裕二郎; 竹内 浩
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.961 - 965, 2001/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ITERのダイバーターでのタングステンの崩壊熱の精度の良い評価がITERの安全性の大きな課題の一つになっている。タンクステンの崩壊熱の大半はW(n,)W反応でできる。Wが占め、タングステンの崩壊熱評価の精度は、W生成の評価精度によってその大部分が決まる。そこで、原研FNSで実施したITERを模擬した中性子場でのタングステン崩壊熱実験のうち12.6mm厚のタングステン中のW生成分布データをDORTコードで解析し、多群ライブラリーを用いたW生成評価計算の精度を調べた。多群ライブラリーはFENDL/E-1.1からNJOY,TRANSXコードで作成した。比較計算としてFENDL/E-1.1を用いたMCNP計算も行った。その結果、自己遮蔽補正をすればDORT計算でもMCNP計算と同程度の精度でW生成を評価できるものの、実験値を20%過小評価することがわかった。