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石塚 悦男; 中道 勝*; 内田 宗範*; 河村 弘; 神永 勝男; 坪井 一明; 楠 秀彦
JAERI-Conf 2004-006, p.262 - 264, 2004/03
照射済ベリリウムの保管及び処理は、世界の試験研究炉において問題となっている。ベリリウムは貴重な資源であるため、その照射済ベリリウムのリサイクル手法を確立する必要がある。今回は、JMTRにおける照射済ベリリウムの反射体枠のリサイクルに関する予備的調査の結果について報告する。JMTRは、熱出力50MWd,1サイクル30日間で、年間6サイクル運転される。高速中性子束(E1MeV)及び熱中性子束(E
0.6826eV)の最大値は約4
10
n/m
/sである。ベリリウム反射体枠は、約6, 7年ごとに交換が行われ(高速中性子照射量(E
1MeV):約1
10
n/m
)、現在まで4世代の照射済ベリリウム反射体枠がカナル内の水中で未処置のまま保管されている。今回は、これらカナルで保管されている照射済ベリリウム反射体枠の数量を確認し、放射化量等を調査した。また、塩素ガスを利用したリサイクルプロセスの可能性について考察するとともに、技術的な課題について検討した。
宗像 健三*; 河村 弘; 内田 宗範*
JAERI-Conf 2004-006, p.210 - 215, 2004/03
核融合ブランケット用中性子増倍材料として検討されているBeTiについて、安全性に影響を与える水蒸気反応性について評価した。Be
Tiディスクは白金製メッシュで石英反応管内に保持された。水蒸気濃度を調整したArガスを流しながら1000
Cまで加熱を行い、生成する水素,酸素及び水蒸気の濃度を質量分析計で測定した。水蒸気との反応は500
Cで開始され、1000
Cで終了した。ベリリウム金属の水蒸気反応で観察されるブレークアウェイ現象は起こらず、水素の生成量も極めて小さかった。Be
Tiは水蒸気との反応が小さく、安全性の観点からメリットがあると言える。
宇田 実*; 岩立 孝治*; 内田 宗範*; 山田 弘一*; 中道 勝*; 河村 弘
JAERI-Conf 2004-006, p.60 - 65, 2004/03
ITER遮蔽ブランケットの第一壁アーマ材料の候補であるベリリウム(Be)とヒートシンク材料の候補である銅合金(CuCrZr)を高温等法圧プレス(HIP)法で接合することが提案されている。本研究では、使用後のリサイクル性を向上させることを目的に開発された、中間層としてAlの箔とCrの蒸着層の複合層を用いたHIP接合体の熱サイクル特性を評価した。熱サイクル試験では、JMTRホットセル内の熱負荷試験装置(OHBIS)に試験体を装着して、電子ビームを照射し、試験体の表面温度,内部温度,外観及び接合部の変化を測定・観察することにした。表面熱負荷は5MW/cm、熱負荷時間は15秒として、最大1000サイクルまでの熱サイクルを与えた。その結果、開発された試験体は、1000サイクルまで良好に除熱性能を維持した。会議においては、実験結果の詳細及びHIP条件が熱サイクル特性に与える影響についても報告する。
三島 良直*; 山本 啓介*; 木村 好里*; 内田 宗範*; 河村 弘
JAERI-Conf 2004-006, p.184 - 189, 2004/03
脆性を有するBeXからなる結晶構造を有するベリリウム金属間化合物の室温延性を発現することを目的として、Be固溶体(
相)を有するBe-Ti及びBe-V系におけるミクロ組織と機械的特性の関係について研究した。アーク溶製された試料について高温圧縮試験を実施した結果、3at%及び5at%TiあるいはVを添加した合金は室温で延性を示したものの、1000
Cでの機械的強度は100MPa以下と小さくなったが改善の方向性を示した。
大沼 郁雄*; 貝沼 亮介*; 宇田 実*; 岩立 孝治*; 内田 宗範*; 河村 弘; 石田 清仁*
JAERI-Conf 2004-006, p.172 - 183, 2004/03
先進中性子増倍材料として期待されているベリリウム金属間化合物について、特にBe-Ti, Be-Vの2元系状態図について研究した。中性子増倍材料として実用可能な高Be側(Be-523at%Ti,Be-5
25at%V)の試料をアーク溶解法で作成し、1200
1450
Cにて熱処理したものについて、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて生成する相を詳細に固定した。その結果、今まで不明であった特にBe-rich側での同系の状態図を明らかにした。
宇田 実*; 岩立 孝治*; 内田 宗範*; 中道 勝*; 河村 弘
JAERI-Conf 2004-006, p.190 - 195, 2004/03
BeTiを活用した中性子増倍材料の実用化として、その延性を改善する手段として
Be相とBe
Tiの混合相を利用することは有効である。本法を用いて回転電極法に供する電極棒を真空誘導溶解と真空鋳造により試作試験を実施した。炉材の評価結果よりBeOが反応,損耗少なく良好であることを明らかにした。また、鋳型底部強度に冷却による鋳造欠陥改善効果も得られた。
岩立 孝治*; 内田 宗範*; 三島 良直*; 藤田 明次*; 河村 弘; Shestakov, V.*; 宮川 勝*
JAERI-Conf 2004-006, p.196 - 202, 2004/03
ベリライドは比重が約3であり、融点は1500C以上と軽量耐熱材料として優れた特徴を有する。これを発電用ガスタービンに適用できれば運転温度上昇によるCO
削減などの効果が期待できる。Be
Tiをベースにした新材料の開発を日本ガイシ(株)が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けて国際プロジェクトとして実施した。製造技術開発として真空溶解による
80mm
80mmのインゴットを試作評価した。また、特性評価として、機械的特性,両立性,耐酸化性を評価し、従来材料であるインコネル738よりも優れることを明らかにした。
佐藤 芳幸*; 内田 宗範*; 河村 弘
JAERI-Conf 2004-006, p.203 - 209, 2004/03
BeTiの高温での酸化挙動を明らかにするため、空気中において、800
C, 1000
Cにおける24時間までの酸化実験を行った。熱間等方加圧法(HIP)製
8mm
200mmディスクを流量40cm
/minの空気中で酸化させ熱天秤により酸化増量を測定し、生成した酸化膜の構造解析をX線回折,走査型電子顕微鏡(SEM)等で行った。その結果、Be
Tiの酸化増量はBe及びTiに比べて小さくブレークアウェイを起こさなかった。Ni基超合金をしのぐ耐酸化特性を示した。また、表面にはBeOだけからなる密な酸化皮膜生成しており、これが良好な耐酸化特性を示す理由と考えられた。Ti添加の及ぼすBeO皮膜安定化のメカニズムに着いて考察した。
柴山 環樹*; 中道 勝*; 内田 宗範*; 河村 弘; 木下 博嗣*; 鬼柳 善明*; 高橋 平七郎*; 野村 直之*
JAERI-Conf 2004-006, p.216 - 219, 2004/03
Beは中性子増倍材料の候補材料であるが、14MeVの中性子照射を受けるブランケット内では、はじき出し損傷だけではなく核変換による劣化も起こる。近年、BeTiがBeよりも優れた機械的特性を有する材料として開発された。本研究ではBe
Tiの20000appmHe, 700
CまでのHe照射効果、特にミクロ組織の挙動をマルチビーム超高圧電子顕微鏡を用いてその場(In-situ)観察で評価した。また、機械的特性をナノインデンタで評価した。その結果、Be
TiはBeに比べてHe及び電子線の照射による欠陥生成が少ないことを明らかにした。また、機械的特性の劣化が小さいことを明らかにした。
岩切 宏友*; 吉田 直亮*; 内田 宗範*; 河村 弘
JAERI-Conf 2004-006, p.220 - 224, 2004/03
BeTiは耐熱性にすぐれ、プラズマ対向材としてもその応用が期待されている。トリチウム保持特性を評価することを目的に8KeVの加速電圧で重水素イオンを打ち込んだBe
Ti試料(5mm
10mm
0.1mm)を1K/secの昇温速度で1700Kまで加熱し、放出される重水素を測定した。2
10
ions/m
, 300Kでは10%保持したのに対し、温度を上げると放出し、673Kでは5%しか保持しなかった。また、900Kにおいてほとんどが放出した。一方、Beの場合は83%が300Kで保持し、673Kでも66%が残っていた。以上の結果、Be
TiはBeに比べて重水素保持が少ないことを明らかにした。