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石塚 悦男; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 27, p.263 - 268, 1995/00
被引用回数:14 パーセンタイル:77.87(Nuclear Science & Technology)球状ベリリウムの製造技術、熱及び機械特性を調べた。製造技術では、回転電極法が最も優れており、電極材料を変えることで製造コスト及び不純物が改善された。熱特性に関しては、熱膨張係数及び比熱を測定した結果、バルク材と同等の値であることが明らかとなった。また、機械的特性に関しては、圧潰強度を測定した結果、中性子照射による脆化が認められた。
今野 力; 前川 藤夫; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.745 - 752, 1995/00
中性子輸送計算コードとJENDL-3.1の核データの検証のために、D-T中性子源を用いて、銅に関するベンチマーク実験を行った。実験体系は、直径629mm、厚さ608mmの銅平板で、D-T中性子源から200mmに設置された。数keV以上の中性子スペクトルとNb(n,2n)Nb,In,Au(n,)Au等の放射化反応率を14mmのNE213、小型の反跳陽子ガス比例計数管、放射化箔を用いて測定した。実験解析は、DOT3.5とMCNP-4で行い、核データセットはJENDL-3.1から作られたものを用いた。また、DOT3.5の場合は、群定数による自己遮蔽の影響も調べた。すべての計算は、測定された10MeV以上の中性子データと10%以内で一致した。自己遮蔽の影響は0.1MeV以下で現われ、その補正が不十分であることが明らかになった。また、10MeV以下の中性子データに関しては、実験と解析の間に30%以上の差があり、JENDL-3.1の銅のデータにまだ問題があると考えられる。
池田 裕二郎; A.Kumar*; 小迫 和明*; 今野 力; 大山 幸夫; 前川 藤夫; M.Z.Youssef*; M.A.Abdou*; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.769 - 775, 1995/00
核発熱は核融合炉設計における基本的な核的パラメータである。カロリメーターを用いて開発した直接測定法により、14MeV中性子が支配的な場での主要構造材を対象とした測定データが、関連する核データの妥当性検証に有効であることを日米共同実験で示した。本件研究では、14MeV中性子のみならず、低エネルギー中性子及び2次線が支配的な遮蔽構造材SS304鋼中の核発熱率分布測定とその解析を示す。測定プローブとして、505050mmのSS304ブロックを用い、中性子照射に伴う温度上昇からSS304体系中の表面から深さ200mmまでの核発熱率を求めた。実験体系中の急な中性子束勾配に伴う熱流速の時間依存性を考慮し、ADINAT核熱結合計算コードを用いた計算値と測定値を比較した結果、20%以内で良く一致し、JENDL-3に基づくKERMA係数の妥当性が実験的に示された。
池田 裕二郎; 今野 力; 前川 藤夫; 宇野 喜智; 大山 幸夫; 小迫 和明*; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.449 - 456, 1995/00
先の核融合中性子場における誘導放射能の実験解析の結果、放射化断面積データの不備のみならず、中性子スペクトル計算の不確定性が、放射化計算の予測精度の誤差要因であることが示された。そこでD-T中性子を入射したSS316の大型体系中の、特に14MeV以下熱中性子エネルギーに及ぶ低エネルギー領域の中性子が支配的な場での誘導放射能を測定し実験解析を行った。放射能の内、中性子源に近い領域では、14MeV中性子によるしきい反応の寄与が大きいが、深くなるに従って、(n,)反応の寄与が支配的になることが示され、中性子スペクトルが柔らかい場でのベンチマークデータとしての有効性が示された。誘導放射能計算コード、ACT4、REAC3、放射化断面積ライブラリー、JENDL-3,REAC3,FENDL/A1.1,EAF-3を用いて実験解析を行い、生成放射性核種ごとの測定値との比較を行った。
大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 前川 藤夫; 前川 洋; 山口 誠哉; 津田 孝一; 中村 知夫; M.A.Abdou*; Bennett, E. F.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 28, p.716 - 723, 1995/00
被引用回数:5 パーセンタイル:49.46(Nuclear Science & Technology)核融合ブランケット中性子工学についての日米共同実験を通じて開発または応用された測定手法について述べ、評価を行なう。これらはトリチウム生成率、中性子スペクトル、反応率、ガンマ発熱である。最も重要な、トリチウム生成率には6つの方法、即ち、2つのオンライン法と3つの液体シンチレーション法そして一つのTLD法が開発・適用された。スペクトルではNE213とガス比例計数管、反応率では放射化反応の組合せが選ばれ、ガンマ発熱では、TLD内挿法とNE213による荷重関数法が適用された。これらの測定誤差はトリチウム生成率で3-5%、スペクトルで5-10%、反応率で3-6%、そしてガンマ発熱で10-20%と見積られた。核融合炉装置での実験適用性では、放射化箔法を除いて、高温高磁場環境に直ちに適用できるものはなく、新しい測定技術の開発が必要である。
大山 幸夫; 小迫 和明*; 今野 力; 池田 裕二郎; 前川 藤夫; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.636 - 641, 1995/00
核融合ブランケットに関する日米協力計画の基で1984年以来、模擬ブランケットを用いた種々の積分中性子工学実験を行ってきた。この中のフェーズII実験では、炭酸リチウム包囲層を用いた第2段階の核融合炉模擬を行いターゲット室壁からの反射中性子の抑制と入射スペクトル模擬を行った。この計画では、離散座標コードDOT3.5とモンテカルロコードMORSE-DDを用いて解析を行ったが、本論文ではDOT3.5の計算パラメータの選択が計算結果に及ぼす影響を比較計算によって調べた。計算比較はフェーズIIの4つの体系について行い、計算パラメータとして群構造、ルジャンドル展開次数、角度分点、空間メッシュのサイズを取り上げた。結果は、粗い群では、体系深さとともに高エネルギー中性子を過小、低エネルギー中性子を過大評価し、粗い空間メッシュでは低エネルギー中性子に対して最大20%の影響を与えた。その他のパラメータの効果は1-2%であった。
前川 藤夫; 大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.753 - 761, 1995/00
核融合炉の超伝導磁石での核発熱は、ITER等の次期核融合装置の主要遮蔽設計パラメータであり、これには銅の2次線データが深く係わる。そこで銅体系についてD-T中性子場での積分実験を行い、線スペクトル、核発熱を測定した。また、輸送計算コードMCNP,DOTとJENDL-3.1を使った解析を行い、JENDL-3.1の銅の2次線データの検証を行った。その結果、D-T中性子によるしきい反応からの2次線データは妥当であるが、低エネルギー中性子の捕獲反応により放出される線については、そのスペクトルの形とエネルギーバランスに問題があることがわかった。
林 克巳*; 半田 宏幸*; 今野 力; 前川 藤夫; 前川 洋; 真木 紘一*; 山田 光文*; 阿部 輝夫*
Fusion Engineering and Design, 28, p.525 - 533, 1995/00
核融合装置の遮蔽設計に用いられる設計コードと核データの検証に遮蔽ベンチマーク実験は非常に有効である。効果的な実験体系を選定するためには予備解析が重要になる。今回、FNSで計画されているボイド実験、補助遮蔽体実験、超伝導電磁石(SCM)模擬実験について予備解析を行った。予備解析ではGRTUNCLコードにより作成された初回衝突線源を基に二次元輸送計算コードDOT3.5を用いた。群定数はJENDL-3から作られたFUSION-40を使用した。ボイド実験ではボイドの形状・サイズ・配置について検討し、補助遮蔽体実験では補助遮蔽体候補のBC/Pb、W、BC/Wの厚さと配置について調べた。また、SCM模擬実験では液体ヘリウム及びSCMの組成を実験的にどのように模擬したらよいかを検討した。これらの検討結果を基に、検出器の効率及び測定時間を考慮して最終的な実験体系を決定した。
今野 力; 大山 幸夫; 前川 藤夫; 池田 裕二郎; 小迫 和明*; 前川 洋; M.A.Abdou*; A.Kumar*; M.Z.Youssef*
Fusion Engineering and Design, 28, p.708 - 715, 1995/00
核融合ブランケット中性子工学に関する原研/米国DOE共同研究の中で、トカマク型核融合炉のトーラス構造を模擬した円環ブランケットと疑似線状線源を用いて、中性ビーム入射ポートのような大開口部が、核パラメーターに与える影響を調べる実験を行った。実験体系は、酸化リチウム層と炭酸リチウム層から成る円環ブランケットの中心に大開口部をあけたものである。酸化リチウムブランケット内のトリチウム生成率、中性子スペクトル、放射化反応率を測定し、開口部のない体系の実験結果との比較から、開口部が円環ブランケットのキャビティ内の低エネルギー中性子を減少させ、開口部と反対側のブランケット前部でのLiによるトリチウム生成率も減少させることがわかった。また、JENDL-3を用いたGMVPの計算は、3次形状の複雑な体系にもかかわらず、測定値と10%以内で一致した。
菅谷 信一*; 川崎 弘光*; 山田 光文*; 関 泰
Fusion Engineering and Design, 27, p.269 - 274, 1995/00
核融合炉の設計において、トリチウムを固体トリチウム増殖材から回収するためには温度制御が必要で、そのためにはブランケット内での温度分布を精度良く求める必要がある。またプラズマ対向機器などで冷却能力が喪失した場合にも温度変化を精度良く求める必要がある。このような温度分布の時間変化を精度良く求めることを目的として2次元の核熱結合計算コードシステムを開発した。このシステムは2次元放射線輸送計算コードDOT-3.5を、核発熱計算コードAPPLE-3を介して、有限要素に基づく非線型温度解析コードADINATに結びつけたものである。この計算システムを使用して、FNSにおいて測定した黒鉛および炭酸リチウム試料中の核発熱による温度変化を計算した。計算と実験の良い一致により、計算システムの妥当性を示した。
宇田 達彦*; 小川 益郎; 関 泰; 功刀 資彰; 青木 功; 本多 琢郎*; 岡崎 隆司*; 西野 信博*
Fusion Engineering and Design, 29, p.238 - 246, 1995/00
被引用回数:5 パーセンタイル:49.46(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉のプラズマ対向材として黒鉛が有望であるが、真空容器内で冷却管が破損した場合には高温黒鉛と水蒸気の反応による生成ガス組成や圧力を評価する必要がある。このような事故時の安全解析用基礎データを得る目的で実験と解析を行った。実験では、気密性の加熱炉に黒鉛試料を置き、一定時間水蒸気と反応させた後、前後の重量差から反応速度を求めた。その結果(1)反応速度は温度の関数で表わせ、反応の活性化エネルギーは1300Cを境に高温側で低くなる。(2)C/Cコンポジット材の反応速度は等方性黒鉛の約1/2で、材料依存性がある。(3)反応生成ガスはH,CO,COでその組成比も1300C付近で変化する。この組成変化は、水蒸気と各種生成ガスの相互反応速度式を解くことで解析的に再現できた。これらの成果を今後真空容器内LOCA解析に活用していく。
林 巧; 山田 正行; 小西 哲之; 松田 祐二; 奥野 健二; J.E.Nasise*; R.S.Dahlin*; Anderson, J. L.*
Fusion Engineering and Design, 28, p.357 - 361, 1995/00
被引用回数:11 パーセンタイル:71.91(Nuclear Science & Technology)核融合炉におけるトリチウム含有ガスの排気・移送に有効な真空ポンプを試作。4段圧縮往復動型で二重のベローシールと炭素含浸ポリイミド製ピストンリングで完全オイルフリーとした。初期の原研(TPL)でのコールドガス(H,D,N,He等)排気性能試験の結果、市販の同容量のスクロール型のポンプと比し、水素・重水素の排気速度が良好であり、特に吐出圧が高い(2400Torr)条件では性能の差が大きくなることを確認している。本報告は、上記試験後、純トリチウム等を用いたホット試験(トリチウム排気性能と長期使用耐久性等)の結果(日米協力のもと米国ロスアラモス国立研・TSTA)をまとめる。純トリチウムの排気速度は、7120m/hr(4Torr吸込圧,500Torr吐出圧)で、到達真空度は0.8Torr(500Torr吐出圧)であった。約1gのトリチウムを使用し、約3ヶ月間ポンプ非連続運転を行ったが、排気性能に希化はなかった。
荒井 長利; 日野 竜太郎; 武藤 康; 中平 昌隆; 渋井 正直*; 古谷 一幸; 多田 栄介; 関 昌弘
Fusion Engineering and Design, 28, p.103 - 112, 1995/00
被引用回数:1 パーセンタイル:17.51(Nuclear Science & Technology)原研はJT-60に続いて核融合実験炉(FER)の建設を目指した研究開発を行っている。炉心構造の一つであるダイバータは厳しい熱負荷/粒子負荷を受けキーコンポートネントである。その構造要素の一つである支持具は強度設計及び交換容易性の観点から詳細化と最適化が必要である。本研究では、ダイバータ管路の熱機械的特性との関連を調べるため、改良型支持機構を装着した1/1スケールの冷却管路ユニットを製作し、高速水流動条件下の管路圧力損失特性と流体誘起振動特性の測定を行い、概要を把握した。主な結果は次の通りである。1)通常時定路流速10m/sにおける全圧力損失は、水温20Cで約0.7MPaであった。CDAの設計値はほぼ妥当であった。2)管路折返しベンド部は上下管間の拘束具を装着した条件で、流速が10m/s以上において振動現象が急激に著しくなる。
小西 哲之; 山西 敏彦; 榎枝 幹男; 林 巧; 大平 茂; 山田 正行; 鈴木 卓美; 奥野 健二; Sherman, R. H.*; Willms, R. S.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 28, p.258 - 264, 1995/00
被引用回数:4 パーセンタイル:43.46(Nuclear Science & Technology)米国ロスアラモス国立研究所のトリチウムシステム試験施設(TSTA)は核融合炉燃料循環系の模擬試験施設であり、原研との日米協力によって100グラムレベルのトリチウムを用いて最長25日間の定常運転に成功した。しかし近未来のトカマクはパルス運転が想定され、また現実の装置では起動、停止など非定常条件にも対応する必要がある。この燃料循環系の非定常条件での挙動の研究を行うため、2年間協定を延長して実験を行っている。深冷蒸留による同位体分離システムはフィードバック流を用いた流路と1~2本に蒸留塔を減らした配位を用い、また自動制御を加えた。原研製燃料精製システム(JFCU)は新たに模擬プラズマ排ガスをバッチ処理する配位を用い、インベントリーを大きく低減することが確認された。TSTAループは満足すべき運転の柔軟性を示したが、制御上のいくつかの問題も摘出された。
功刀 資彰; 江里 幸一郎*; 横峯 健彦*; 清水 昭比古*
Fusion Engineering and Design, 28, p.63 - 71, 1995/00
核融合炉における高熱流束負荷機器の除熱研究の一環として、プラズマジェットを熱源とした実験を計画している。特に、実験上大気圧下で作動することを想定しているため、本報では、大気圧アルゴンプラズマジェットを取り上げ、伝熱実験上必要となる狭隘な平行平板間に噴出するアルゴンプラズマの熱流動特性の数値シミュレーションを試みた。流路壁材料としては、原研が提案しているSSTR(Steady State Tokamak Reactor)の候補構造材であるSiCを想定し、このSiC板をプラズマジェットとは逆側から固気混相流で冷却する条件を想定した。シミュレーションは、アルゴンプラズマの非平衡性を考慮した2温度1流体モデル及び電子のマクロ挙動を考慮した西沢モデルを用いて行い、SiC壁の冷却方法によって、プラズマ側の熱伝達特性が著しく変化することを示した。
功刀 資彰; 安田 英典*
Fusion Engineering and Design, 28, p.162 - 169, 1995/00
被引用回数:1 パーセンタイル:17.51(Nuclear Science & Technology)プラズマ対向材料(例えば、炭素、タングステン及びベリリウムなど)の超高温域(例えば、10000K以上)における真空中での蒸発・凝縮速度及び蒸気圧力などはそれほど明確にされていない。本報告は、これらプラズマ対向材料の蒸発・凝縮速度を評価するために開発した2つのコード、(1)BKW方程式に基づく差分コード及び(2)直接シミュレーションモンテカルロ法を用いた粒子コードに関するものであり、2手法間の解析結果の比較検討を行うとともに、プラズマ対向材料の候補である炭素、ベリリウム、タングステンについて既存の蒸気圧曲線と解析値との比較を行い解析値の妥当性が示された.
小川 益郎; 功刀 資彰
Fusion Engineering and Design, 29, p.233 - 237, 1995/00
被引用回数:9 パーセンタイル:66.22(Nuclear Science & Technology)トカマク真空容器への冷却材侵入事象は、核融合実験炉で過酷な結果を生じる最も重要な事象のうちの1つである。冷却材侵入事象(ICE)は、真空容器内での冷却材配管破断に始まり、真空中への水侵入、高温プラズマ対向壁との水の衝突、化学反応を伴う蒸発へと進展する。このとき圧力上昇によって真空容器が破れ、放射性物質が真空容器外へ洩れ出る可能性がある。それ故、ICE時のこの圧力上昇を評価する必要がある。そこで、真空中での水の蒸発と高温面での水の蒸発による圧力上昇を調べるため、真空容器内への水噴出に関する実験を行った。小破断を模擬して水噴出口の直径は、0.5,1.0,2.0,5.0mmとし、噴出圧力を0.2~0.6MPaまで変えた。真空中での水噴出の水力学的挙動を調べ、水性の凍結を確認した。また、300Kまでの過熱度に対して、高温壁面上での水の蒸発による圧力上昇速度特性を得た。従来の相関式は本実験結果を予測できなかった。
野田 健治; 中沢 哲也; 大山 幸夫; 前川 洋; 金田 潤也*; 木下 智見*
Fusion Engineering and Design, 29, p.448 - 454, 1995/00
被引用回数:10 パーセンタイル:69.18(Nuclear Science & Technology)核融合炉には多くのセラミックス絶縁体が使用される。核融合炉の運転中、これらの絶縁体は14MeVまでのエネルギーをもつ中性子にさらされ、照射誘起電気伝導(RIC)によりその絶縁抵抗が低下する。本研究では、原研の核融合中性子工学用14MeV中性子源(FNS)を用い、世界で初めて、アルミナの14MeV中性子照射下における絶縁抵抗の挙動をその場測定した。本発表では、測定に用いた測定用照射チェンバーの概要を述べるとともに、これを利用して測定した室温における最初の予備的測定結果を示す。
小泉 興一; 渋井 正直*; 中平 昌隆; 高津 英幸; 多田 栄介; 関 昌弘; 常松 俊秀
Fusion Engineering and Design, 27, p.388 - 398, 1995/00
核融合実験炉の炉内機器の設計には遠隔保守との整合性を有することが要求される。特にプラズマからの高熱負荷と粒子負荷、ディスラプション時の巨大電磁力を受ける第一壁の場合には局所的な熱負荷のピーキングにより損傷を受ける可能性が大きく、遠隔保守によって容易に交換可能な構造が不可欠である。この要求を満足する概念として原研では大型・大重量構造物であるブランケットから機械的に分離された第一壁構造を提案している。本構造の特徴は、(1)軽量で組立・分解時の取扱いが容易、(2)休止時間の短縮が可能、(3)高い熱流束から分離してブランケットの熱応力が低減できる、(4)ブランケットより高温で第一壁の運動が可能である事である。構造は、フェイル・セーブ機能をもつ金属メッシュが挿入された信頼性の高い二重壁シェル構造を基本としており、0.3MW/m以上の高熱負荷条件でも低熱応力で運転が可能である。現在SS316のキルティング構造について検討を進めているが、Cu合金の採用も可能でありディスラプション時の電磁力低減のための電気接続にも効果的である。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 森 清治*; 橋本 俊行*; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 常松 俊秀; 関 昌弘; 河村 弘; et al.
Fusion Engineering and Design, 27, p.449 - 456, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.15(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉(ITER,FER)で増殖ブランケットとして、セラミックスの層状構造ブランケットが採用されている。このセラミックスブランケットの設計および研究開発に関する最近の原研での研究成果を発表する。ブランケットの設計ではブランケット第1壁の冷却チャンネル中の冷却水停止時の温度上昇および熱応力の解析をおこなうと共に、冷却水の圧力損失の評価をおこなった。ブランケット設計を支援するR&Dではブランケット筐体の製作およびHIP接合部の機械試験を行い、実機製作への見通しを得ると共に有意義なデータベースを取得した。ペブル(Be)充填層の熱伝導度測定および増殖セラミックスの熱サイクル試験、構造材と増殖材の両立性試験後の引張試験データなどを評価解析して発表する。