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徳永 興公
放射線利用国際シンポジウム論文集, 0, p.E110_1_1 - E110_1_5, 1994/00
放射線を用いた排煙や廃水浄化技術の開発が行われてきた。その結果、この排煙処理・廃水処理法は従来用いられている方法にない優れたいくつかの特長を有していることが明らかとなった。排煙処理については、石炭燃焼排煙や都市ごみ燃焼排煙を処理するためのパイロット試験によって充分な除去性能、プラントの信頼性が実証され、実用規模装置の設計・建設の見通しが得られた。また、放射線による自動車用トンネルの換気ガスの脱硝のためのパイロット試験も実施中である。一方、廃水処理については、従来の方法では処理されにくい汚染物の分解除去や殺菌を放射線で行う技術の開発が進められた結果、これらの汚染物は効果的に分解されること、きわめて効率的に殺菌できることが明らかとなった。
伊藤 均
放射線利用国際シンポジウム論文集, 0, p.F110_1_1 - F110_1_6, 1994/00
食品照射が消費者に不安感を与える理由として放射線と放射能の混同がある。食品に用いられる放射線のエネルギーは10MeV以下と規制されてり、誘導放射能の生成は自然放射能の20万分の1以下である。放射線の食品内での作用はフリーラジカルによる化学反応であり、水分解によって生じる水酸化基の寄与が大きい。生物に対する作用は細胞分裂能の欠失であり、細胞内の活性は照射後にも残存している。食品照射は低線量処理、中線量照射、高線量照射に分類されており、照射による食味劣化防止技術も確立されている。放射線による食品の分解生成物は1~10ppmと非常に少く、生成物は加熱と類似している。無菌の実験動物飼料が25年にわたって実用化されていることも、照射食品の安全性を証明している。照射施設は人体に危険がないように管理されており、処理コストも従来技術に対抗できる。