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小野田 忍; 大島 武; 平尾 敏雄; 菱木 繁臣; 岩本 直也; 児島 一聡*; 河野 勝泰*
Materials Science Forum, 600-603, p.1039 - 1042, 2009/00
炭化ケイ素(SiC)半導体のイオン照射効果を明らかにするため、15MeV-O及び260MeV-Neマイクロビームを使用して六方晶(6H)SiC npダイオード中で発生する過渡電流の電圧依存性を調べた。双方のイオンについて、印加電圧の増加とともに、ピーク値が増加し、立上り及び立下り時間が減少する結果を得た。ピーク値の増加と立上り及び立下り時間の減少が補償することから、電荷収集効率(CCE:Charge Collection Efficiency)の電圧依存性はないことがわかった。15MeV-Oと比較して260MeV-NeによるCCEは非常に小さいことがわかった。この違いは線エネルギー付与(LET:Linear Energy Transfar)及び飛程の違いに由来するものと考えられる。15MeV-OのLETが7.29MeVcm/mgであるのに対し、260MeV-NeのLETが2.95MeVcm/mgと低いため、CCEが小さくなったと考えられる。さらに、15MeV-Oの飛程が空乏層よりも短いのに対し、260MeV-Neの飛程は空乏層よりも長い。そのため、260MeV-Neでは、入射エネルギーの一部しかダイオード中に付与されず、CCEが小さくなる。このように、過渡電流及びCCEのエネルギー依存性をマイクロビーム照射実験から明らかにした。
岩本 直也; 小野田 忍; 菱木 繁臣; 大島 武; 村上 允*; 中野 逸夫*; 河野 勝泰*
Materials Science Forum, 600-603(Part 2), p.1043 - 1046, 2009/00
炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた耐放射線性の粒子検出器の開発の一環として、SiCエピ膜上に作製したnpダイオードの電荷収集効率(CCE)の電子線照射による低下を調べた。室温にてエネルギー1MeVの電子線を最大610/cm照射した。CCEの評価は酸素15MeVマイクロビームを用いたイオン誘起過渡電流(TIBIC)評価により行った。評価の結果、電子線未照射試料では93%という非常に高いCCEを観測し、110/cmの電子線照射後もCCEの低下は観測されなかった。しかし、それ以上の線量ではCCEの低下が観測され、510/cmの電子線照射によりCCEは約65%となった。ダイオードへ印加する逆方向電圧とCCEの関係を解析することでダイオード中の少数キャリア(電子)の拡散長を見積もったところ、未照射では2.5mであった拡散長が電子線照射により徐々に低下し、その結果としてCCEが低下することが判明した。
菱木 繁臣; 岩本 直也; 大島 武; 伊藤 久義; 児島 一聡*; 河野 勝泰*
Materials Science Forum, 600-603, p.707 - 710, 2009/00
炭化ケイ素(SiC)半導体は優れた耐放射線性を有するため高い線量下での動作が期待できる。これまでn型六方晶(6H)SiCを用いたnチャンネル金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の線照射による特性変化がゲート酸化膜作製後の熱処理により異なることを明らかにしている。このようにMOSFETの放射線耐性は作製手法によって影響されるため、素子作製プロセスと特性変化の関係を明らかにすることが重要となる。今回、異なる注入後熱処理により基板表面の荒さ(RMS)が0.67nmと1.36nmとなったnチャンネル6H-SiC MOSFETを作製し、線照射による電気特性の変化を調べた。その結果、基板表面の荒れが大きなMOSFETは1MGy程度でチャンネル移動度が減少するのに対し、荒れの小さなものは3MGyまでチャンネル移動度の減少がなく、耐放射線性に優れていることが明らかとなった。
梅田 享英*; 森下 憲雄; 大島 武; 伊藤 久義; 磯谷 順一*
Materials Science Forum, 600-603, p.409 - 412, 2009/00
炭化ケイ素(SiC)半導体中の固有欠陥については、電子常磁性共鳴(EPR)及び第一原理計算の手法を用いて微視的構造が解き明かされつつあるが、それらの電子準位はほとんどわかっていないのが現状である。そこでわれわれは、SiC半導体の中でもデバイス応用が最も期待されている六方晶SiC(4-SiC)に着目し、基本的な点欠陥であるSi単一空孔(si),C単一空孔(c),二重空孔(sic)等の電子準位を明らかにするため、窒素ドープn型及びホウ素ドープp型4-SiC単結晶に3MeV電子線を高温(600800C)で照射して点欠陥を導入し、キセノンランプとモノクロメータを使って単色化した光を試料に当てながらEPR測定を行う、いわゆる光EPR測定を実施した。この結果、si, c, sicに関与するEPR信号強度がエネルギー領域0.901.25eVの範囲で光照射により増大することが見いだされ、これらの欠陥の電子準位が伝導帯下端から0.901.25eV範囲に存在することが示唆された。本論文では、光励起による欠陥の荷電状態の変化を考慮しながら、上記固有点欠陥の電子準位について実験・理論両面から探求する。
菱木 繁臣; Reshanov, S. A.*; 大島 武; 伊藤 久義; Pensl, G.*
Materials Science Forum, 600-603, p.703 - 706, 2009/00
被引用回数:1 パーセンタイル:46.61(Materials Science, Ceramics)炭化ケイ素(SiC)半導体は優れた耐放射線性を有するため、高い線量下での動作が期待できるが、これまで数MGyといった高線量域までの照射効果を調べた報告はあまりない。そこで今回、n型六方晶(6H)SiCを用いたnチャンネル金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を作製し、数MGyまでの線照射による特性評価を行った。MOSFETのチャンネルに流れるキャリアについてHall効果測定からHall移動度,キャリア移動度を評価した結果、MGy級の線照射により界面準位が減少しそれに伴いチャンネル移動度が増加することが明らかとなった。