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原田 敦之*; 川崎 慎二*; 椋田 秀和*; 北岡 良雄*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦; 伊藤 公平*; Haller, E. E.*; 播磨 尚朝*
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.963 - 964, 2006/05
被引用回数:1 パーセンタイル:6.23(Physics, Condensed Matter)遍歴強磁性超伝導物質UGeのGe-NQRによる研究結果を報告する。低温・低圧相であるFM1と高温・高圧相FM2の臨界圧力近辺で測定を行った。核緩和時間は低温で温度に対して線型に振る舞い、コヒーレンスピークはない。実験結果は、スピン三重項の超伝導がアップスピンバンドで実現しており、ダウンスピンバンドでは超伝導ギャップが開いていないと考えると統一的に理解できる。
目時 直人; 金子 耕士; Raymond, S.*; Sanchez, J. P.*; Piekarz, P.*; Parlinski, K.*; Ole, A. M.*; 池田 修悟; 松田 達磨; 芳賀 芳範; et al.
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.1003 - 1004, 2006/05
被引用回数:12 パーセンタイル:48.93(Physics, Condensed Matter)UCoGaの中性子散乱を用いた低エネルギー音響格子振動の研究結果と、第一原理の計算結果との比較について報告する。UCoGaについては、多くの対称な軸上で明瞭な音響フォノンと一部の光学フォノンが観察された。第一原理計算との一致はだいたい良好であるが、M点におけるフォノン分散のソフトニングが室温では観察されなかった。低温の結果も含めて報告する。
松田 達磨; 芳賀 芳範; 宍戸 寛明*; 池田 修悟; 播磨 尚朝*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.1021 - 1022, 2006/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)ThInは、AuCu-typeの立方晶である。トリウム(Th)は、その電子配置に電子を持たない。そのため特異な磁性は期待できないものの、金属間化合物中において価数は4価をとり、これはセリウム化合物において、電子が遍歴した状態と価数としては対応する。そのため、強相関電子系化合物研究において、トリウム化合物との電子状態の研究は、電子に起因する特異な磁性や超伝導状態を明らかにするうえで極めて重要である。最近われわれは、ThInの物質の純良単結晶育成を行い、ドハース・ファンアルフェン効果というフェルミ面の電子状態を反映する量子振動の観測に成功した。これにより、フェルミ面の極値断面積に対応する9.010から9.3710Oeのブランチを観測した。これらの結果を、圧力下において特異な超伝導状態を示すCeInの実験結果や、さらにはエネルギーバンド計算との結果と比較を行った。
本多 史憲; 目時 直人; 金子 耕士; 浄念 信太郎; 山本 悦嗣; 青木 大*; 塩川 佳伸*; 塩川 佳伸; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.1009 - 1010, 2006/05
被引用回数:6 パーセンタイル:30.48(Physics, Condensed Matter)NpNiGaは低温で強磁性と隣り合うモーメント同士が約80度傾いた反強磁性の2つの磁気秩序を示す。それぞれの相の磁場や温度に対する安定性と相転移における5電子状態の変化を調べることを目的として、強磁場下における中性子回折実験を行った。この実験からNpNiGaの磁場-温度相図を作成し、磁場中で反強磁性から強磁性へのメタ磁性転移を示すことを明らかにした。またこの転移において、反強磁性が消失するだけでなく、強磁性による磁気散乱強度が減少することを見いだした。これは反強磁性-強磁性の転移に伴いNpの磁気モーメントの大きさが急激に変化することを意味しており、NpNiGaの5電子の状態が高磁気モーメント状態(反強磁性相)から低磁気モーメント状態(強磁性相)へ変化したことを示唆している。
藤本 達也; 酒井 宏典; 徳永 陽; 神戸 振作; Walstedt, R. E.; 池田 修悟; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.997 - 998, 2006/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)UIrBの電子相関を明らかにするため、われわれは純良単結晶を用いたB原子核のFourier変換NMRを行った。Knightシフト及び核スピン-格子緩和時間の解析から、K以上の温度領域で強磁性相関が発達していることを明らかにした。また、以下の温度になると、磁気ダイナミックスの様相が変化し、高温で見られた強磁性相関が抑制される一方で反強磁性相関が新たに出現することがわかった。基底状態における強磁性相関と反強磁性相関の共存を説明するために、われわれは結晶構造の特異性に由来する1次元f電子物性の可能性を提案した。
徳永 陽; 本間 佳哉*; 神戸 振作; 青木 大*; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; 塩川 佳伸; Walstedt, R. E.; 安岡 弘志
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.929 - 930, 2006/05
被引用回数:3 パーセンタイル:17.32(Physics, Condensed Matter)本研究で対象としたNpOの低温での秩序相は、転移点で比熱に大きな跳びが観測されるにもかかわらず、明確な磁気双極子モーメントが存在しないことから、その秩序変数は長い間謎であった。ところが最近、この秩序相が八重極モーメントによる新しい秩序状態である可能性が指摘され注目を集めている。そこで本研究では、この秩序相の起源を明らかにすべくNpOにおけるNMR測定を行った。その結果、秩序相において2つの異なる酸素サイトが出現すること、さらにこのとき観測される特異な超微細磁場が、縦triple-型反強四極子構造を反映した磁場誘起反強磁性モーメントによるものであることを明らかにした。これらの結果は共鳴X線散乱の結果ともよく一致しており、この系における縦triple-型多極子秩序の存在を微視的観点から強く支持するものである。
酒井 宏典; 徳永 陽; 藤本 達也; 神戸 振作; Walstedt, R. E.; 安岡 弘志; 青木 大*; 本間 佳哉*; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; et al.
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.1005 - 1006, 2006/05
被引用回数:6 パーセンタイル:30.48(Physics, Condensed Matter)=9Kの超伝導体PuRhGaの単結晶を用いて、Ga核磁気共鳴による研究を行った。核磁気緩和率測定から、PuRhGaが非従来型の異方的超伝導ギャップを持っていることがわかった。さらに、約30K以下でコリンハ的振る舞い(が一定)が観測され、超伝導発現直前の常伝導状態では、フェルミ流体となっていることが示唆される。
久保 勝規; 堀田 貴嗣
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.1081 - 1082, 2006/05
被引用回数:5 パーセンタイル:26.52(Physics, Condensed Matter)電子系における多極子秩序を微視的観点から明らかにするために、われわれは-結合描像に基づいたモデルを、単純立方格子,体心立方格子,面心立方格子の3種類の格子の場合について解析した。このモデルは、結合を介した跳び移り積分を持つが、われわれはそのに関する2次摂動論を用いて、それぞれの格子における有効モデルを導出した。さらに、それらの有効モデルに対して平均場近似を適用し、単純立方格子では反強四極子転移、面心立方格子では反強八極子転移、面心立方格子では縦型の三重変調八極子転移が起こることがわかった。
堀田 貴嗣
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.51 - 53, 2006/05
被引用回数:4 パーセンタイル:22.09(Physics, Condensed Matter)Prを含む充填スクッテルダイト化合物の低温電子物性を支配するスピン及び軌道揺らぎを明らかにするために、-結合描像によって構築された多軌道アンダーソン模型に基づいて多極子感受率を計算した。その結果、低温において、磁気及び四極子揺らぎが支配的となることを見いだした。さらに、ラトリングの効果を動的ヤーンテラーフォノンとして考慮すると、四極子及び八極子揺らぎが低温において顕著に残ることがわかった。これらは軌道揺らぎとなり、エキゾチック超伝導を誘起する可能性がある。
大西 弘明; 堀田 貴嗣
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.589 - 591, 2006/05
被引用回数:1 パーセンタイル:6.23(Physics, Condensed Matter)幾何学的フラストレーションのある最も基本的な格子として、三角構造からなるジグザグ鎖を取り上げ、そこでの軌道自由度の効果を明らかにするために、軌道ハバード模型の基底状態を密度行列繰り込み群法によって解析した。まず、二軌道が縮退している場合は、スピンフラストレーションを解消するような軌道状態を取る。一方、二軌道間のレベル分裂がある場合は、低エネルギーレベルの軌道が占有されやすくなり、レベル分裂の大きさに応じて軌道状態が連続的に変化していくことがわかった。また、軌道異方性の変化に応じて、スピン状態の不整合性にも変化が生じることがわかった。
岡根 哲夫; 竹田 幸治; 藤森 伸一; 寺井 恒太; 斎藤 祐児; 村松 康司; 藤森 淳; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.959 - 960, 2006/05
被引用回数:4 パーセンタイル:22.09(Physics, Condensed Matter)立方晶ラーベス相化合物UFeは遍歴的な5f電子が磁性に関与する典型的物質の一つとして興味が持たれる。この物質のU原子の持つ非常に小さい磁気モーメントについては、同じ程度の大きさの軌道成分とスピン成分とが互いに逆向きに相殺し合うことによって実現されているという理論的予測が出されている。この点を実験的に確証するために、UFeについて軟X線吸収磁気円二色性測定実験を行い、この物質のU 5f電子並びにFe 3d電子の持つ磁気モーメントの大ききをスピン成分と軌道成分を分離して定量的に求めた。
金子 耕士; 目時 直人; 松田 達磨; 桑原 慶太郎*; 神木 正史*; 椎名 亮輔*; Mignot, J.-M.*; Gukasov, A.*; Bernhoeft, N.*
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.189 - 191, 2006/05
被引用回数:1 パーセンタイル:6.23(Physics, Condensed Matter)PrOsSbは、=1.85,KのPr系初の重い電子系超伝導体である。基底状態が非磁性一重項であることに加え、[1,0,0]磁場下で誘起される反強磁性成分が、磁場誘起反強四極子秩序の実現として理解できることから、この系では四極子相互作用が支配的であると考えられている。[1,0,0]に加え、[1,1,0], [1,1,1]方向についても磁場誘起秩序相の存在が報告されている。今回、[1,1,0]磁場下での単結晶磁場中中性子回折実験を行い、磁場誘起秩序相について調べた結果、磁場の印加により、5T以上で=(1,0,0)の反強磁性反射が出現することを見いだした。また反強磁性モーメントは磁場と並行に誘起されていることを明らかにした。この結果は磁気的な相互作用では説明することができず、反強四極子相互作用が支配的であること、さらにその秩序変数はが主であることを示している。これらの結果から、PrOsSbにおいて、型の反強四極子相互作用が主であることを明らかにした。
藤森 伸一; 寺井 恒太; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 村松 康司; 藤森 淳; 山上 浩志*; 池田 修悟; 松田 達磨; et al.
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.995 - 996, 2006/05
被引用回数:2 パーセンタイル:12.01(Physics, Condensed Matter)現在、その高いバルク敏感性から、軟X線を用いた光電子分光実験が注目を集めている。われわれはSPring-8からの軟X線放射光を用いてウラン化合物に対する放射光光電子分光実験を行った。遍歴的なウラン化合物UFeGaとUSbのバンド構造及びフェルミ面の導出を行い、バンド計算との比較を行った。また、重い電子系化合物UPdAl, UNiAlに対する実験も行った。UPdAlでは、U 5電子状態の温度変化が観測された。
眞榮平 孝裕*; 堀田 貴嗣
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.1027 - 1028, 2006/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)線形化された相対論的増強平面波法を用いて、トリウム化合物ThRhInのエネルギーバンド構造とフェルミ面を明らかにした。われわれは、CeTIn(T=Ir and Co), PuTGa(T=Co and Rh)やAmCoGaとよく似た複数の円筒形フェルミ面を見いだした。この結果をもとに、電子数の異なる希土類あるいはアクチノイドイオンを含む物質間の電子構造の類似性を議論する。
青木 大*; 山上 浩志*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; 芳賀 芳範; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.978 - 980, 2006/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)増強Pauli常磁性体NpGeの純良単結晶を育成し、ドハース・ファンアルフェン(dHvA)効果の測定を行った。フェルミ面のトポロジーは5遍歴モデルに基づくバンド計算によりうまく説明できる。サイクロトロン有効質量は静止質量の2.6から16倍で、バンド質量のおよそ3.5倍増強されている。
島田 賢也*; 生天目 博文*; 谷口 雅樹*; 東口 光晴*; 藤森 伸一; 斎藤 祐児; 藤森 淳; Kim, M. S.*; 平田 大輔*; 高畠 敏郎*
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.791 - 792, 2006/05
被引用回数:4 パーセンタイル:22.09(Physics, Condensed Matter)CeRhX(X=Sn, In)のCe 4f由来の電子状態をCe 3d-4f高分解能共鳴光電子分光法により直接的に調べた。低い近藤温度を有する近藤金属CePtSnと比較すると、CeRhXはフェルミエネルギー近傍のCe 4f状態が強く、4f状態が弱い。このことはCeRhXは強い価数揺動系であることを示している。Ce 4fのスペクトル形状から、c-f混成強度は、CeRhInよりもCeRhSnの方が弱いことがわかった。
Galatanu, A.*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.999 - 1000, 2006/05
被引用回数:5 パーセンタイル:26.52(Physics, Condensed Matter)UBは0.3Kまで磁気秩序を示さない、やや重いフェルミオンである。本研究では2-800Kの広い温度域でUBの磁性を調べた。主軸方向の磁化率のブロードなピークとして、5f電子の低温域の遍歴的振る舞いと高温域の局在的振る舞いの移り変わりが観測された。
立岩 尚之; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟; 安田 敬*; 竹内 徹也*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.381 - 382, 2006/05
被引用回数:1 パーセンタイル:6.23(Physics, Condensed Matter)私達は重い電子系超伝導物質CePtSiの温度-圧力相図を交流比熱測定により決定した。反強磁性転移温度(ネール温度)は常圧で2.2Kであるが、加圧とともに減少して臨界圧力=0.6GPaで消滅した。一方、超伝導転移は幅広い圧力(常圧から1.5GPa)で観測された。特異なCePtSiの圧力相図について議論する。
Boursier, R.*; Haen, P.*; Flouquet, J.*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.76 - 77, 2006/05
被引用回数:4 パーセンタイル:22.09(Physics, Condensed Matter)CeRhSiのホール効果の実験を温度領域1.6Kから250Kまで、13kbarの高圧下まで行った。0Kにおけるホール効果の値は大きく、また圧力に強く依存し、臨界圧力で符号を変化する。
浄念 信太郎; 目時 直人; 本多 史憲; 金子 耕士; 青木 大*; 本間 佳哉*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 塩川 佳伸; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.1018 - 1020, 2006/05
被引用回数:7 パーセンタイル:34.39(Physics, Condensed Matter)磁気構造を明らかにするため中性子弾性散乱実験を行った。NpRhGaはT=36KとT=33Kの二段の磁気転移,q=(0 0 1/2)の反強磁性ベクトルを持つ反強磁性秩序を示す。磁気散乱強度の解析からTTTでNpの磁気モーメントがc軸方向、TTでは面内[1 1 0]方向に向くことを明らかにした。さらにTにおいて非常に大きな磁気モーメントのとびが生じ、5f電子状態に大きな変化が生じることを明らかにした。また磁気形状因子の測定によりNpRhGaの磁性がおもに軌道磁気モーメントに担われていることを明らかにした。