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堅田 元喜; 山口 高志*; 佐藤 春菜*; 渡邊 陽子*; 野口 泉*; 原 宏*; 永井 晴康
Asian Journal of Atmospheric Environment, 7(1), p.17 - 24, 2013/03
日本北部の摩周湖周辺の冷温帯落葉樹林への霧水沈着を、霧水量(LWC)と霧水沈着速度のパラメタリゼーションを用いた推計法によって推定した。ヨーロッパでの野外観測と詳細な多層大気-植生-土壌モデルを用いた数値実験に基づいて提案された2つの霧水沈着速度のパラメタリゼーションを試験した。水平視程(VIS)とLWCの関係式を用いて、推計法の入力データであるLWCの1時間値を作成した。VISから計算した週平均のLWCと霧捕集装置によって測定された観測値との間には、良い相関が見られた。LWCと2つのパラメタリゼーションを用いた推計法によって計算された霧水沈着量は、林内雨から計算した霧水沈着量とファクター2から3で一致した。この結果から、推計法によって冷温帯落葉樹林への霧水沈着量を概算値を推定できることが示された。風速,樹冠に捕集された雨・霧粒の蒸発、及び森林の葉面積に関する現在の沈着速度のパラメタリゼーションの問題点を議論した。
山口 高志*; 野口 泉*; 渡邊 陽子*; 堅田 元喜; 佐藤 春菜*; 原 宏*
Asian Journal of Atmospheric Environment, 7(1), p.8 - 16, 2013/03
2010年5月から11月にかけて、摩周湖における霧の化学特性の測定と林内雨法による霧水沈着量を推定を実施した。NHとSO
は、それぞれ最も支配的な陽イオン及び陰イオンであった。霧水のpHは4.2から6.4であり、平均値は5.1であった。観測期間中、霧水中のNH
とSO
の平衡比は1を超えており、NH
が霧水の中性化の重要な要因であることが示唆された。イベント別の霧水沈着速度と霧水沈着量は、それぞれ0.11mm h
及び117mmであった。霧水中に含まれる窒素の沈着量は26.1meq m
であり、既報の雨による窒素沈着量を上回った。
渡邊 陽子*; 山口 高志*; 堅田 元喜; 野口 泉*
Asian Journal of Atmospheric Environment, 7(1), p.1 - 7, 2013/03
葉面に沈着したエアロゾルの挙動を明らかにするために、走査電子顕微鏡法を用いて北海道札幌市の都市及び郊外で採取したカバノキの葉を分析した。採集した葉は、(1)未処理葉、(2)脱イオン洗浄処理葉、(3)ふき取り処理葉の3種類に区別した。未処理葉の葉面上には、土壌粒子・有機物を含めたさまざまな形の粒子が観測された。都市で採取された葉には、硫黄粒子が検出された。(2)の処理を実施した葉にも粗大粒子は残存していたが、土壌粒子や硫黄粒子は洗浄されていた。(3)の処理をした葉からは、粒子はほとんど見られなかったが、海塩起源と思われる塩化ナトリウム粒子が検出された。これらの結果から、降雨などの環境条件に依存して、粒子が選択的に除去される可能性が示された。
竹安 正則; 武石 稔
Asian Journal of Atmospheric Environment, 4(1), p.20 - 25, 2010/06
大気中に存在するRn壊変生成物は、降雨時に地表に沈着し、環境
線線量率を変動させる。以前の研究において、大気中
Rn壊変生成物の降雨洗浄モデルを構築した。本研究では、この降雨洗浄モデルと環境
線線量率の変動データを用いて、雨雲大気中
Rn濃度を推定することを試みた。さらに、茨城県東海村で大きな環境
線線量率変動が観測された降雨時での大気中
Rnの起源について考察した。大きな
線線量率変動が観測された降雨時に対して推定された雨雲大気中
Rn濃度は、これまでに日本上空で測定された濃度より比較的高い値であった。茨城県東海村の上空を出発点として後方流跡線解析を行った。その結果、高い線量率上昇が観測された降雨イベントでの上空大気中の
Rnの起源は、中国の北東地区と推定された。以上のことから、環境
線線量率が大きく変動する降雨時の上空大気中
Rnは、大陸性気団により中国北東地区から輸送されてきたものであることが明らかとなった。