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神永 雅紀; 楠 剛; 土谷 邦彦; 堀 直彦; 那珂 通裕
IAEA-TECDOC-1943, p.45 - 56, 2021/02
JMTRの運転は、2006年8月に点検と見直しを行うために一旦停止され、その後の議論によりJMTRの改修と運転再開が最終的に決定された。改修工事は2007年度から開始され、2011年3月に終了したが、2010年度末(2011年3月)に発生した東日本大震災によりJMTRの再稼働前の機能試験が遅れた。一方、2011年の地震を考慮した安全性評価に基づき、2013年12月18日に原子力規制委員会(NRA)により、試験研究炉に対する新規制基準が定められた。新規制基準では、地震,津波に対する見直し、自然現象の考慮、及び燃料損傷を防止するための設計基準事故を超える事故(BDBA)の考慮が含まれている。新規制基準へ対応するための解析評価は、タイムリーかつ集中的に実施され、原子力規制委員会への設置変更許可申請は2015年3月27日に提出された。申請書提出後、JMTR原子炉建家の耐震性評価は、基準地震動を810gaと仮定して実施した。その結果、原子炉建家及び原子炉プール壁の耐震補強工事が必要であることが判明した。耐震補強に係る検討の結果、耐震補強を行い新規制基準に適合させるためには、少なくとも7年間の補強工事期間と約400億円の費用が必要であることが明らかになった。同時に、当初予定していた年間8運転サイクルといった高稼働率は、高経年化対応が必要なため、期待できないことが明らかになった。このため、原子力機構は2017年4月に発表した施設中長期計画の中で、JMTRを廃止措置施設として位置付けた。その後、文部科学省により設立された研究開発基盤作業部会において国として持つべき研究開発基盤について審議され、2018年4月に原子力機構に対しJMTR後継炉の建設に向けた検討を行うよう提言がなされた。このため、原子力機構は、JMTR後継炉検討委員会を設置し、新たな照射炉の建設に向けた検討を開始した。検討結果は2019年度末までにまとめられる予定である。本報告では、主としてJMTRの廃止措置計画の概要について述べる。