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中山 浩成; 竹見 哲也*; 永井 晴康
Journal of Applied Meteorology and Climatology, 50(8), p.1692 - 1712, 2011/08
被引用回数:39 パーセンタイル:66.63(Meteorology & Atmospheric Sciences)本研究では、都市タイプの地表面上の空力的粗度特性について議論をしている。まず最初に、東京都心を対象に地表面形態を定量的に調べ、粗度密度と建物高さ変動係数の分布性状を明らかにした。次に、これらのパラメータのさまざまな組合せに対応した建物群上のLarge-Eddy Simulation(LES)乱流解析を行い、空力的粗度(粗度長,抗力係数)をそれぞれ求めた。LES解析で得られた地表面形態のパラメータと空力的粗度との関係を用いて東京都心の空力的粗度分布を推定した。その結果、従来の粗度密度のみをパラメータとした場合、空力的粗度は既往論文と比較して過小評価された。一方で、粗度密度のみならず建物高さ変動係数をもパラメータとした場合、既往論文と同等の空力的粗度を評価することができた。これらのLESによる粗度密度と建物高さ変動係数を関数として評価された空力的粗度は、気象モデルへ都市効果を組み込む際に有効であることが示された。
堅田 元喜; 永井 晴康; Wrzesinsky, T.*; Klemm, O.*; Eugster, W.*; Burkard, R.*
Journal of Applied Meteorology and Climatology, 47(8), p.2129 - 2146, 2008/08
被引用回数:31 パーセンタイル:57.66(Meteorology & Atmospheric Sciences)陸面と大気の間の熱・水交換を詳細に予測するために、植生への霧水捕集過程を考慮した陸面モデルを開発した。植生への霧水沈着量を計算するための新しいスキームを陸面モデルに考慮した。森林上の熱及び霧水フラックスの計算値と測定値を比較によってモデルの性能を確認した。また、このモデルは広く用いられている霧水沈着モデルに比べて霧水の乱流及び重力フラックスをより高精度に予測した。加えて、観測値と計算値との両方において、森林上の水平風速と沈着速度の間に線形関係を見いだした。葉の種類(針葉樹及び広葉樹)と森林構造(葉面積指数(LAI)及び樹高)が沈着速度へ及ぼす影響を調べるために、数値実験を実施した。LAI及び樹高が同じ場合、葉の大きさが小さい広葉樹は針葉樹よりも大きな霧水を捕集しうる。ある葉面積密度(LAD)における霧水に対する大気及び森林のコンダクタンスの関係は、沈着速度に強く影響を与えた。この結果から、LAD0.1m
m
の樹木が霧水を最も効率的に捕集することが見いだされた。実験から得られた霧水沈着量のLADに対する勾配の簡易予測式は、広域における全霧水沈着量を予測するうえで有用である。
永井 晴康
Journal of Applied Meteorology, 44(10), p.1574 - 1592, 2005/10
大気-土壌-植生モデルSOLVEGへのCO交換過程の導入及びその感度解析と気孔抵抗計算が冬小麦畑における潜熱フラックスに及ぼす影響の考察について記述する。大気と地表面間の熱及び水交換に関するモデル構成の妥当性は、先の論文(Nagai:2002, 2003)において確認された。本研究では、CO
交換過程をモデルに導入し、その性能評価を行った。試験計算において、モデルは地上2mのCO
フラックス測定値を良好に再現した。モデル設定及びパラメータの不確実さを明確にするための感度解析においては、土壌中のCO
生成がCO
計算に最も重要であることがわかった。また、CO
計算過程が潜熱フラックス計算へ及ぼす影響の考察も行った。その結果、新しいモデルは、地表面におけるCO
交換だけでなく熱及び水交換の研究に対しても有効であることが示された。
小松 輝久; 安達 武雄
Journal of Applied Meteorology, 42(9), p.1330 - 1334, 2003/09
土壌からの水分の蒸発過程は、地球上の水循環にとって重要なプロセスの一つである。この過程を正しく捉えることは、環境アセスメント等の応用にとっても重要であるとともに、粉体集団の静的な一特性として理学的にも興味深い。これまでの研究では、応用の側面が強く意識されているため、あまり普遍的な性質等については議論されてこなかった。しかしながら、普遍的な性質を認識することが可能であれば、それは理学的に非常に興味深いことであるとともに、応用面への発展も十分に期待できる。そこで、われわれは、さまざまな土壌表面からの水分の蒸発過程に対して、より統一的なモデルを与えることを目指した実験的研究を行った。実験は、風速を制御した室内で行った。土壌水分の蒸発速度は、上面の開放された容器に湿らせた土を入れ、重量の時間変化をモニタリングすることによって測定した。また同時に、空気の温度,湿度,土壌表面の温度を測定した。土壌の素材としては、砂,土等を使用し、初期条件としては、表面に水が溢れるくらい十分に水を含んだ状態を使用した。土壌の種類,厚みを変えて行った一連の実験結果を水面からの蒸発速度との比,蒸発効率、という形式でまとめた結果、土壌の厚みが十分に薄い条件で
が土壌水分含有率
の関数として書けること、
の関数形が土や砂で共通で普遍的な関数で表し得ること、土壌の特徴付けるのに必要なパラメタは一つであることがわかった。また、このパラメタには風速依存性があること、そしてその依存性は水面の蒸発抵抗を用いて簡単な関係に書き表せることがわかった。
永井 晴康
Journal of Applied Meteorology, 42(3), p.434 - 451, 2003/03
大気-土壌-植生モデルの改良と観測値によるモデルの妥当性評価について記述する。先の測定値を用いた性能評価試験において、モデルの植生層放射伝達と気孔抵抗計算法に適用限界が認められたため、本研究においてそれらを改良した。改良により、アルベド及び潜熱フラックスの観測値を以前より良好に再現することができるようになった。冬小麦畑及び草原の観測と計算値の比較結果から、新しい手法の導入によりモデルの予測精度及び適用性が向上したことが示された。
永井 晴康
Journal of Applied Meteorology, 41(2), p.160 - 176, 2002/02
大気-土壌-植生モデルの詳細,妥当性試験及び感度解析について記述する。モデルは、大気,土壌及び植生についての一次元多層モデル及び植生層内の日射及び長波放射伝達を計算するスキームにより構成されている。モデルの性能試験として、大気と地表面の相互作用に関する野外実験CASESの実測データを用いて、小麦畑における地表面フラックスの32日間の変動について計算値と測定値の比較を行った。また植生パラメータに対する感度解析も行った。その結果、モデルは測定値を良好に再現できたが、放射伝達及び気孔抵抗計算スキームを改良する必要性も示唆された。
石川 裕彦
Journal of Applied Meteorology, 34(7), p.1653 - 1665, 1995/07
粒子型長距離大気拡散モデルにおける水平拡散の影響について調べた。チェルノブイルから放出された放射能の広域拡散を、種々の拡散係数の値を用いて計算し、ヨーロッパ各地における測定データと統計的に比較した。水平拡散係数の値が、3.310
~1.0
10
m
s
の時、計算結果と測定値との相関は最も良い事がわかった。水平拡散幅(
y)に関する経験的な式に基づいた拡散計算についても同様な評価を行った。移流・拡散だけでは説明できない測定値について、地表に沈着した放射能の再浮遊の効果が考慮された。平均的に10
m
の再浮遊係数を用いると計算値と測定値のfitが、最良となることがわかった。
石川 裕彦
Journal of Applied Meteorology, 33(6), p.733 - 743, 1994/06
大気拡散モデルでシミュレーションを行う際には、風連場が質量保存則を満たしている事が重要である。例え、風連場が気象センターの解析データで与えられるとしても、データを大気拡散モデル固有の座標/グリッド系に変換する際に、質量バランスが崩れる。これを解消するために、質量保存風連場モデルを用いた。このモデルは、地図座標系、地形準拠座標系に基づいて定式化されている点、圧縮性の連続式を束縛条件としている点において新規性がある。また、風速場修正量の重み係数を空間関数として扱えるようにしてある。モデルのテスト結果、適用例を示す。