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大山 幸夫; 前川 洋; 小迫 和明*
Proc. of the Nuclear Data for Science and Technology, p.337 - 340, 1992/00
核融合炉の固体ブランケット候補材に含まれる主要元素である酸素と、空気の主成分である窒素の核データを検証するためのベンチマーク実験を実施した。内槽(600mm200mm)のSUS304製の真空断熱容器に液体酸素又は窒素を入れて実験体系とした。中性子角度束スペクトルは中性子飛行時間法により、50keV~15MeVのエネルギー範囲で測定した。測定した角度は0゜、12.2゜、24.9゜、41.8゜、66.8゜である。実験の解析はモンテカルロコードMCNPにより、JENDL-3とENDF/B-IVの核データを用いて実施した。実験と計算の比較から、JENDL-3の酸素の核データは核融合炉中性子工学の応用に対してかなり満足すべき状態にある。しかし、窒素の核データには問題があることがわかった。
池田 裕二郎; 今野 力; 水本 元治; 長谷川 和男; 千葉 敏; 山内 良麿; 杉本 昌義
Proc. of the Nuclear Data for Science and Technology, p.294 - 296, 1992/00
原研タンデム加速器を用いたH(
B,n)中性子源を利用して、実験データの不足している10~13MeV領域の中性子放射化断面積を
Al(n,
)
Na、
Ti(n,p)
Sc、
Ti(n,p)
Sc、
Zn(n,p)
Cu、
Zr(n,2n)
Zr、
Nb(n,2n)
Nbおよび
In(n,n)
In反応について測定した。測定した中性子エネルギーは9.5、11.0、12.0および13.2MeVの4点である。断面積の値は、10~13MeVで比較的平坦な断面積を有する
Au(n,2n)
Au反応を基準として求めた。得られた結果は、FNSで測定した13.3~15MeV領域の値と整合性のとれた値を示した。
Al(n,
)
Naについては12~13で、ENDF/B-VおよびJENDL-3より3%程度高い値を示したが9.5MeVでは良い一致を示した。
池田 裕二郎; A.Kumar*; 今野 力
Proc. of the Nuclear Data for Science and Technology, p.364 - 366, 1992/00
DT核融合炉の運転に伴って生成する放射性廃棄物の評価では長寿命放射化断面積の精度が問題である。現在迄に得られたデータは極めて少なく、不確定性が大きい。FNSでは日米協力研究の一環として、核融合炉で問題となる一連の長寿命放射化断面積を測定した。対象とした14種類の反応の放射性生成核種の半減期は10年から10年に渡る。DT中性子フルエンス10
n/cm
以上の照射を行い1.5年以上の冷却時間の後に、高効率Ge検出器(115%)を用い測定を行なった。本実験で得られた断面積は、他の測定者によるデータ、SINCROSによるモデル計算と比較を行なった。長寿命核は通常、高いスピン状態にあり、核反応過程の理解に本実験データは有効に利用できるものであり、並びに、より精度の高い、半実験式の導出が可能となる。
関根 俊明; 初川 雄一; 小林 勝利; 原田 秀郎*; 渡辺 尚*; 加藤 敏郎*
Proc. of the Nuclear Data for Science and Technology, p.57 - 58, 1992/00
放射性廃棄物核種の消滅処理研究に必要な基礎的データとして、Cs(n,
)
Cs反応の断面積を測定した。0.4MBqの
Csターゲツトを4
10
n/cm
/secの熱中性子束で10分間照射し、化学的に精製してから、相対効率90%のGe検出器で
線スペクトルを測定した。
Csと
Csの
線強度比から得られた熱中性子断面積はStupegiaの報告値の2倍であった。そこで、更に詳しいデータを得るためにJRR-4気送管に設置されたCd遮蔽筒を用いてCd比測定実験を行った。その結果、熱中性子(2200m/sec中性子)断面積0.25
0.02b、共鳴積分0.36
0.07bを得た。この結果は、Stupegiaと我々の結果のくい違いは中性子スペクトルの差によるものでないことを示した。以上の結果は
Cs異性体の生成を無視して得たものであるが、Huizengaらのモデルによって核異性体生成比を計算し、これによる誤差を評価した。