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松谷 悠佑; 嵯峨 涼*
Radiation Environment and Medicine, 12(2), p.81 - 90, 2023/08
放射線輸送シミュレーションと生物物理モデルは、放射線防護と治療分野において放射線照射後の生物効果を評価するための強力なツールである。生体が放射線によって被ばくすると、付与エネルギーによって初期応答であるDNA損傷が誘発され、一定の確率で細胞死に至る。そのような生物効果を正確に評価するためには、物理学,化学,生物学の間の橋渡し研究を行う必要がある。近年、放射線による生物効果を予測するための2つのシミュレーションツールとして、Particle and Heavy Ion Transport System (PHITS)とintegrated microdosimetric-kinetic model (IMKM)が開発されてきた。まず、DNAスケールの放射線飛跡を計算できるPHITSの開発により、電子や陽子線より発生するDNA損傷数の予測に成功してきた。一方、DNA修復過程やがん幹細胞などの様々な生物要素を考慮したIMKMの開発により、細胞実験で得られる細胞死と臨床の治療成果を同時に再現することに成功した。本稿で解説するこれらツールに関するこれまでの開発経緯と将来展望により、放射線影響研究や量子生命科学分野への応用がより一層期待される。
桑田 遥*; 御園生 敏治; 藤原 健壮; 武石 稔; 眞鍋 早知*; 北村 哲浩
Radiation Environment and Medicine, 9(1), p.28 - 34, 2020/02
水生生物のトリチウム分析は、福島で扱われる重要な主題の1つである。しかしながら、トリチウムを測定する従来の方法は複雑な前処理手法が必要であり、熟練した技術と時間が必要である。このため、福島県沿岸の水産物のトリチウムに関する報告はほとんどない状況である。ここでは、水生生物への影響を理解するために、2015年から2018年に福島の沿岸で採取したヒラメの組織自由水トリチウム(TFWT)および有機結合トリチウム(OBT)を測定した。まず、測定には従来の方法を使用し、その後、凍結乾燥と燃焼水の回収プロセスを変更することにより、従来の手方法を短縮しようと試みた。両方の方法の測定結果は、ヒラメのTFWTとOBTのほとんどが検出限界または定量限界よりも低く、人間への影響は無視できると考えられることを示した。
山田 椋平; 小田桐 大貴*; 岩岡 和輝*; 細田 正洋*; 床次 眞司*
Radiation Environment and Medicine, 8(1), p.21 - 25, 2019/02
固体飛跡検出器であるCR-39を用いたパッシブ型の測定器によってラドン・トロン及びその子孫核種を評価している。曝露後、CR-39は化学エッチング処理を行う必要がある。本研究では、この処理時間を短縮するためにCR-39の化学エッチング時間の短縮と、将来的な自動計数システムの導入を見据えたトラック直径(エッチピット直径)の拡大を検討した。最適なエッチング条件は、溶液濃度, 溶液温度及びエッチング時間を変えることによって決定した。その結果、最適条件(濃度, 温度, エッチング時間)は6M NaOH溶液, 75度, 10時間と決定された。これらの結果は、従来の化学エッチング時間の半分の時間で処理が完了することを示した。さらに、従来のトラック直径の拡大を考慮しなければ、より短いエッチング時間で処理を行うことが可能であることが示唆された。