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志風 義明
Radioisotopes, 74(3), p.273 - 287, 2025/11
従来法では無人ヘリコプターに搭載されたコンプトンカメラシステムの測定データの解析を改善するための対策として、無人ヘリコプターの位置と姿勢角の安定な期間のデータを利用した。ただし、これにより解析に使用されるイベント数が減り、統計的な精度に向上の余地を残した。それゆえ、今回は測定したイベントデータを全て補正して使用した。前回の解析で固定した2層のシンチレータ座標は、イベント毎に刻々と変化する位置と傾きを補正したものに置き換えた。統計精度と空間分解能を向上させるために、補正されたイベントを使用してガンマ線画像を再構成した。ガンマ線強度の再構成画像の精度の向上を評価するために、地上の測定結果を比較した。改善された統計の効果に関して、改善後には残差二乗和(RSS)の減少が認められ、地上測定値との良好な相関によりこの方法の有効性が示された。また、RSS値の比較では、従来法から改良法への変更に比べて、測定値の平均化する範囲の拡大の方が、より効果的であり、地上測定値との相関がより良好であることを確認できた。
木村 祥紀; 山口 知輝
Radioisotopes, 74(3), p.251 - 264, 2025/11
ガンマ線スペクトル分析による放射性核種判定(RIID)は幅広い分野で利用されており、正確な放射性同位元素の同定は様々な分野で重要な課題となっている。ラボラトリ外の現場におけるRIIDにはハンドヘルド機器が一般的に使用されているが、その性能が限定的であることに課題がある。本稿では、現場使用を想定したハンドヘルド機器によるRIIDのための、教師なしニューラルネットワークモデルを用いたスペクトルデコンボリューション手法を提案する。本手法では、測定されたスペクトルとエネルギーゆらぎ行列(energy-broadening matrix)に基づいたデコンボリューションのためのニューラルネットワークの最適化が可能であり、大規模な訓練データセットや検出器・測定条件の正確なモデリングを必要としない。CsI(Tl)スペクトロメータを用いた放射性同位元素の測定を想定し、シミュレーションと実測スペクトルの両方で提案手法の性能を調べた。その結果として、教師なしニューラルネットワークモデルは従来のデコンボリューションアルゴリズムと比較してもピーク分解能を大幅に向上させることができ、本手法が低エネルギー分解能スペクトルにおけるRIID性能に寄与することを実証した。
佐藤 達彦
Radioisotopes, 74(2), p.183 - 188, 2025/07
モンテカルロ放射線挙動解析コードは、その計算精度が極めて高いため、様々な放射線治療に対する線量評価に活用されている。核医学治療分野においても、SPECT/CTやPET/CT画像をモンテカルロコードの入力ファイルに自動変換して実行し、得られた線量分布を解析するシステムの開発が世界各地で進められている。本稿では、そのシステム開発の現状について紹介するとともに、現在、我々が開発を進めているRT-PHITS (RadioTherapy package based on PHITS)の核医学関連機能について解説する。
木名瀬 政美
Radioisotopes, 74(2), p.233 - 238, 2025/07
放射性同位元素(RI)は、その多くが研究用原子炉や加速器で製造され、工業分野や医療分野等への活用により国民生活の向上に大きく貢献している。今後も研究用原子炉を用いたRI製造・頒布は重要とされており、「もんじゅ」サイトに建設計画中の新試験研究炉でもRI製造が期待されている。本稿では、研究用原子炉JRR-3を利用したRI製造の取り組みを紹介する。
佐藤 優樹
Radioisotopes, 74(1), p.141 - 148, 2025/03
福島第一原子力発電所の廃止措置に資することを目的とし、放射能汚染分布を3次元マップ上に可視化する統合型放射線イメージングシステムiRIS(アイリス: integrated Radiation Imaging System)の開発および現場実証試験を実施している。本稿では当該システムの原理、実証試験の結果、ならびにその応用例について記述する。
沖田 将一朗; 安部 豊*; 田崎 誠司*; 深谷 裕司
Radioisotopes, 73(3), p.233 - 240, 2024/11
In the latest nuclear data libraries ENDF/B-VIII.0 and JENDL-5, the inelastic scattering cross-section data for reactor graphite and crystalline graphite are employed. The data for reactor graphite reproduces the measurement values very well, while the data for crystalline graphite tends to underestimate the measurement values, and there is room for improvement. Therefore, in the present study, for future updates of JENDL, a new molecular dynamics simulation model for crystalline graphite is prepared and inelastic scattering cross-section data are evaluated based on both incoherent approximation and Vineyard approximation. As a result, the obtained inelastic scattering cross-section data of crystalline graphite show very good agreement with the measured data and successfully presented more reliable data than those employed in ENDF/B-VIII.0 and JENDL-5.
木村 祥紀; 土屋 兼一*
Radioisotopes, 72(2), p.121 - 139, 2023/07
核検知や核セキュリティ事案の現場において、迅速かつ正確な放射性物質の判定は、検知警報や事案への迅速な対応を行うための重要な技術的課題の一つである。本稿では、携帯型ガンマ線検出器に適用可能な深層ニューラルネットワークモデルを用いた放射性核種の判定アルゴリズムを提案する。本アルゴリズムでは、シミュレーションで作成した模擬ガンマ線スペクトルで学習した深層ニューラルネットワークモデルにより、各放射性核種に起因する計数寄与率(CCR)を推定し、放射性核種を自動で判定する。この自動核種判定アルゴリズムにより、放射線測定の経験や知識が十分でない核検知や核セキュリティ事象の初動対応者を支援することが可能となる。2種類の異なる深層ニューラルネットワークモデルを用いたアルゴリズムを高エネルギー分解能及び低エネルギー分解能の携帯型ガンマ線検出器に適用し、提案アルゴリズムの性能を評価した。提案したアルゴリズムは、実際の測定ガンマ線スペクトルにおける人工放射性核種の判定で高い性能を示した。また、深層ニューラルネットワークモデルによるCCR推定値を解析することで、
Uの検知やウランの自動分類にも適用できることを確認した。さらに筆者らは、提案したアルゴリズムの性能を従来の核種判定手法と比較し、深層ニューラルネットワークモデルベースの核種判定アルゴリズムの性能を向上させる具体的な方策についても議論した。
萩原 健太*; 越智 康太郎; 小池 裕也*
Radioisotopes, 70(4), p.227 - 237, 2021/05
多摩川中流域で定点観測を実施し、河川水及び底質中の放射性セシウムの挙動を2012年から2016年にかけて調査した。河川水及び底質中の放射性セシウム濃度は、時間とともに減少した。雨により水中が懸濁すると、懸濁態放射性セシウムと底質中放射性セシウムの濃度が一時的に増加した。一方、溶存態放射性セシウムはこの影響を受けなかった。底質に関して逐次抽出、元素および結晶相分析を行い、放射性セシウムの化学状態と底質への吸着メカニズムを調査した。底質中の放射性セシウムは安定した化学形態で存在しており、バイオタイトが放射性セシウムを取り込んでいる可能性があった。
小形 学; 末岡 茂
Radioisotopes, 70(3), p.159 - 172, 2021/03
光ルミネッセンス(OSL)熱年代法は、閉鎖温度にして数十度以下の超低温領域の熱史を推定できる手法である。一般的な地温構造を仮定すると、削剥深度にして数百メートルに相当するため、地殻浅部のより詳細な削剥史復元への利用が期待できる。本稿では、OSL熱年代法の原理や閉鎖温度、現在における最新の熱史解析法、応用研究例について紹介する。
末岡 茂; 島田 耕史; 長谷部 徳子*; 田上 高広*
Radioisotopes, 70(3), p.189 - 207, 2021/03
フィッション・トラック(FT)法は、確立・普及した地球年代学/熱年代学の手法として知られるが、誕生から半世紀以上を経た現在でも発展を続けている。本稿では、2000年代以降の研究を中心に、FT法の基礎研究に係る発展と課題を概観し、今後FT法に携わる研究者達への指針としたい。具体的には、測定技術の高度化、アニーリング特性の理解、新手法の開発の3点に加え、FT解析に有用なソフトウェアについても紹介する。
福田 将眞; 末岡 茂; 田上 高広*
Radioisotopes, 70(3), p.173 - 187, 2021/03
主要な造山帯における、フィッション・トラック(FT)法等による熱年代学は、1970年代以降世界各地で進展してきた。従来の主要研究対象だった大陸造山帯や安定陸塊に加え、最近30年の低温領域の熱年代学の進展により、対象地域が拡大しつつあり、これまで研究が困難だと考えられていた島弧においても精力的に研究が展開中である。本稿では、熱年代学的手法に基づく山地形成過程の推定方法を概観し、弧-海溝系の山地を対象とした熱年代学研究の現状、特に島弧山地における研究事例を紹介する。
長谷部 徳子*; 末岡 茂; 田上 高広*
Radioisotopes, 70(3), p.117 - 130, 2021/03
フィッション・トラック(FT)法は、多くの放射年代測定が同位体化学分析を用いているのに比し、ウランの核分裂によって生じる物質中の線状損傷を可視化し観察するユニークな年代測定法である。年代測定法としてだけでなく、その特徴を利用して地質試料の300
C以下の熱履歴の復元にも利用されている。本稿ではFT法の歴史を再訪し、今後のFT法の発展にどのような方向性がありうるかを紹介する。
古渡 意彦; 谷村 嘉彦; Kessler, P.*; Neumaier, S.*; R
ttger, A.*
Radioisotopes, 70(1), p.1 - 18, 2021/01
For proper environmental radiation monitoring, a method to simultaneously determine ambient dose equivalent rate and radioactivity concentration in the air by using a newly developed scintillation spectrometer, namely a CeBr
spectrometer was investigated. The performance of the proposed method, including energy dependence and linearity of the spectrometer, was verified by a series of measurements, conducted according to the procedure of inter-comparison of detectors used for early warning network performed by the European Radiation Dosimetry Group (EURADOS). Measurement results show that the proposed method is suitable for environmental monitoring purposes. After thorough tests, the activity concentration in air was determined in the laboratory by using a point-like sealed
Ba source to mimic a radioactive cloud containing
I and
Xe. The photon fluence rate was obtained from the pulse height distribution by using the unfolding method, and the activity concentration in air for radioisotopes of interest, mainly
Xe, was estimated from the obtained photon fluence rate by applying the conversion coefficient evaluated via a Monte Carlo calculation. The results additionally show that the method presented in this study is reliable and suitable for the environmental radiation measurement.
線スペクトロメトリーにおける円柱状体積試料のサム効果補正山田 隆志*; 浅井 雅人; 米沢 仲四郎*; 柿田 和俊*; 平井 昭司*
Radioisotopes, 69(9), p.287 - 297, 2020/09
円柱状体積試料に含まれる
Csの定量において、日本の標準的な市販
線解析プログラムではサム効果の補正の際に試料体積の効果を適切に考慮していないため、補正が不十分となり、定量値が過小評価となることを確認した。本研究では、一般的なGe検出器に対して試料体積を適切に考慮した実用的なサム効果補正方法を開発して有効性を評価し、誤差1%以下の精度で定量できることを確認した。
辻村 憲雄
Radioisotopes, 69(8), p.253 - 261, 2020/08
1958年7月、海上保安庁の測量船「拓洋」は、赤道海域に向かう途中で、米国がビキニ環礁で実施した水爆実験によって発生した核実験フォールアウトに遭遇した。当時船上で採取した雨水から観測された全
放射能及び甲板に設置したNaI(Tl)シンチレーション検出器の計数率並びに計算シミュレーションの結果を基に、その単位面積当たりの全
放射能を2.0TBq/km
、外部被ばくによる実効線量を100
Svに満たないと推定した。
古渡 意彦; 吉富 寛
Radioisotopes, 68(9), p.595 - 603, 2019/09
The recommended annual limit of equivalent dose to the lens of the eye has decreased to 20 mSv y
from the current limit of 150 mSv y
. In terms of occupational exposure to radiation workers, exposure inhomogeneity plays an important role when estimating the eye lens dose from readings of dosimeters worn by workers on their trunk. The authors focused on homogeneous exposure situations that radiation workers may encounter in nuclear and accelerator facilities. Moreover, the authors investigated how radiation workers are exposed non-homogeneously in homogeneous exposure scenarios, where radiation workers may usually be encountered, regardless of their radiation works. In our previous study, we proposed a methodology to quantitatively evaluate the inhomogeneity of exposure. The homogeneity of exposure was evaluated by performing Monte Carlo calculations with a mathematical phantom under the isotropic and rotational irradiation geometries due to gamma and beta rays.
(3)
/
(10)
exceeded 1.0 even in the case of homogeneous exposure to gamma rays. Even in the homogeneous exposure scenarios, the
(3)
might exceed the revised annual dose limit for radiation workers who are exposed close to annual dose limit.
永目 諭一郎
Radioisotopes, 67(10), p.507 - 526, 2018/10
超アクチノイド元素、ラザホージウム(Rf),ドブニウム(Db)及びシーボーギウム(Sg)の溶液化学に関する最近の成果を紹介する。核反応で合成されるこれらの元素(核種)は、生成率が小さく半減期も短いため、一度に扱うことができるのはわずか1原子(シングルアトム)である。シングルアトム化学の概念とそれに基づく分配法による実験の概要、超アクチノイド元素の特徴的な性質と相対論効果との関わりなども併せて解説する。最後に今後の展望を簡単に述べる。
北辻 章浩
Radioisotopes, 67(10), p.483 - 493, 2018/10
ウランやネプツニウムをはじめとした、溶液内で種々の酸化状態をとるアクチノイドイオンの電極反応と酸化還元の特徴を概説する。フロー電解法は迅速かつ高効率な電解が可能で、反応速度の遅い酸化還元の観測にも適用できる。同法を用いて取得したアクチノイドの酸化還元挙動や、これに立脚した酸化状態の迅速調整法を紹介するとともに、電解に伴って発現する溶液内反応や電極上での触媒的還元などについても解説する。
神戸 振作
Radioisotopes, 67(8), p.389 - 401, 2018/08
二酸化アクチノイド化合物AnO
を例にとり、NMR法を用いた低温電子物性研究について解説する。AnO
系では、An核とO核のNMRを観測できることが特長である。核燃料であるUO
に代表されるこの系は、高温での挙動に興味が持たれることが多いが、最近、基底状態も多極子秩序という新しい電子状態であることがわかり注目されている。アクチノイド化合物低温物性の面白さを紹介する。
小浦 寛之
Radioisotopes, 67(6), p.267 - 275, 2018/06
Radioisotopes誌の連載講座「重元素・超重元素の科学」のシリーズにて「超重元素の核的性質(理論)」のテーマで解説を行い、超重核領域における原子核の核構造、崩壊様式の理論について概説をし、いわゆる「超重核の安定の島」の理論的予測について発表者が行った研究結果を中心に紹介する。まず核図表を用いて原子核の安定性の物理的意味の簡単な説明と原子核合成実験の現状を紹介し、次いで超重核領域における単一粒子準位の理論計算を用いて超重核の安定性の定性的な議論を行う。さらに原子核の安定性の直接の指標である原子核崩壊様式について一般的な解説をしたのち、KTUY(小浦-橘-宇野-山田)質量模型を用いた
崩壊,
崩壊, 自発核分裂についての計算結果を紹介する。われわれの研究により、陽子の数が114、中性子の数が184が2重閉殻魔法数であり、これを中心に超重核の安定の島が分布している予測を得ている。そしてこの領域における最長の半減期をもつ原子核は
Ds(原子番号110)と見積もることができ、その半減期はおよそ300年、その崩壊様式は
崩壊が優勢という理論予測となった。