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Mei, H.; 青柳 登; 斉藤 拓巳*; 田中 万也; 杉浦 佑樹; 舘 幸男
Applied Geochemistry, 162, p.105926_1 - 105926_8, 2024/02
The sorption of U(VI) on illite at different pH and dissolved inorganic carbon (DIC) levels was investigated by using batch experiments, surface complexation modeling, and cryogenic time-resolved laser fluorescence spectroscopy (cryo-TRLFS) combined with parallel factor analysis (PARAFAC). The inhibiting effect of DIC on U(VI) sorption was revealed by the macroscopic batch experimental results. An updated 2-site protolysis non-electrostatic surface complexation and cation exchange model considering the formation of two uranyl-carbonate sorption complexes was able to reproduce the experimental results well. Based on the PARAFAC analysis on the cryo-TRLFS spectra, there was clear correspondence in the variation trend of the derived components with the sorption species from the modeling results, validating the formation of ternary uranyl-carbonate sorption species.
飯田 芳久; Barr, L.; 山口 徹治; 邉見 光
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 23(1), p.3 - 8, 2016/06
高レベル放射性廃棄物処分の安全評価において、Th-229は重要核種の一つである。モンモリロナイトおよびイライトを対象としたThのバッチ収着試験を、pHおよび炭酸濃度をパラメータとして実施した。モンモリロナイトに対する分配係数はイライトに比べ高い値を示した。分配係数は炭酸濃度の上昇に伴い減少し、pH10付近で極小値を示した。Thの収着挙動を、静電項を考慮しない表面錯体モデル(NEM)により解析した。モデル計算は実験結果をよく説明し、分配係数の減少は、Thの水酸化炭酸錯体形成による溶存種の安定化によるものであることが示唆された。
二口 克人*; 橋本 秀爾*; 桜本 勇治*; 三ツ井 誠一郎; 亀井 玄人
JNC TN8400 2001-007, 52 Pages, 2001/04
熱によるベントナイトのイライト化のナチュラルアナログとして新潟県西頚城地域における第三紀の泥岩とこれに貫入する第四紀の火成岩(ひん岩)を対象に、この貫入岩周辺の粘土鉱物の変化と、貫入岩及びその周辺の熱履歴について検討した。その結果、泥岩中有の主な粘土鉱物は貫入岩に近づくにつれてモンモリロナイトイライト/モンモリロナイト混合層鉱物イライトと変化することが明らかとなった。また貫入岩の冷却史に基づく周辺泥岩の熱的解析の結果、イライト割合75%の条件として、270から15まで冷却するのに約75万年要したことが明らかとなった。モンモリロナイトからイライトへの反応を一次反応としてその活性化エネルギーを求めると、約103kJ/molの値を得た。この値は、従来の天然事例の調査や室内試験において得られている値の範囲にある。
今井 淳*
JNC TJ8400 2000-008, 196 Pages, 2000/02
放射性廃棄物の地層処分では、廃棄体オーバーパックの周囲に緩衝材としてベントナイト系材料を用いる事が考えられているが、トンネル等の地中構造物の支保に使われるコンクリートと接触することによるベントナイトの劣化が懸念されている。本調査の目的は、天然環境で長期に共存していたベントナイトとコンクリートを調査することにより、両者の相互作用によるベントナイトおよびコンクリートの変質についての知見を取得することである。今年度は、平成10年度から開始した調査の2年目として、山形県西置賜郡小国町と飯豊町境界に位置し、ベントナイト鉱床を貫通して建設され、現在廃坑となっている国道113号線の宇津トンネルで昨年度に引続き試料採取を行い、ベントナイトとコンクリートの接触面について分析・調査を行った。この結果、建設終了から30年以上経過した状況で、ベントナイトのゼオライト化、イライト化といったものは観察されず、昨年同様、コンクリートから浸出したCaイオンによる接触部近傍数mmの範囲にNa型ベントナイトのCa型化を示す可能性のあるデータが得られた。また、コンクリートについては、接触部から30mm程度までのSイオン(硫酸イオン)の浸入が確認されたが、コンクリートの物理的な劣化は確認されず、健全な状態であることを確認した。さらに、1971年1月に埋設され、2000年3月に発掘されたEXPO70タイムカプセルを収納していたコンクリート容器と充填ベントナイトの調査を行い、試料を採取した。
長崎 晋也*
JNC TJ8400 2000-004, 32 Pages, 2000/02
NpO2+のイライトへの吸着平衡ならびに吸着速度をpH=6において測定した。測定した吸着データはLangmuir型ではなく、Langmuir-Freundlich型の吸着等温線でフィッティングできることがわかった。フィッティングパラメータである不均質係数は0.89+-0.05であり、affinity spectraの半値幅(HWHM)はlog単位で0.19であった。このことは、本研究で使用したイライトの表面はNpO2+の吸着に対して比較的不均質性が弱いことを示している。またkinetic spectraから、NpO2+はイライトの外表面に吸着するが、層間には吸着しないことがわかった。kinetic spectraのHWHMは0.18logであった。HWHMがaffinity spectraと同程度であったことは、同じ吸着サイトの影響を受けている可能性を示唆するものである。平度であったことは、同じ吸着サイトの影響を受けている可能性を示唆するものである。平均の吸着速度の温度依存性から、吸着の見かけのエンタルピーとエントロピーはそれぞれ、37+-3kj/molと-69+-7j/mol・Kと評価された。このエンタルピーの値は、吸着プロセスがイライト表面の境膜における拡散律速であることを示している。また、Na型モンモリロナイトへのNpO2+とNp(V)炭酸錯体(主にNpO2CO3-)の吸着平衡と吸着速度についても、同様にaffinity spectraとkinetic spectraを適用して評価を行った。
田中 徹*; 若原 昭浩*; 吉田 明*; 大島 武; 伊藤 久義; 岡田 漱平
Journal of Applied Physics, 87(7), p.3283 - 3286, 2000/01
被引用回数:11 パーセンタイル:46.85(Physics, Applied)カルコパイライト系半導体の一つであるCuInSe(CIS)は不純物導入による伝導制御技術が確立しておらず電子素子を実用化する際の課題となっている。不純物を用いた伝導型制御を目的にCISへのマンガン(Mg)イオンを注入した。試料は高周波スパッタ法によりGaAs基板上に作製したCISを用い、Mg注入は室温で、10~10/cmの濃度範囲で行った。RHEED測定、X線測定より、窒素雰囲気中で400、1時間の熱処理を行うことで結晶性が回復することが明らかになった。試料のキャリア濃度をホール係数測定より調べると、導入されたMg濃度の増加とともに電子濃度が増加していくことがわかった。このことよりMgはCIS中ではドナー不純物として働くことが明らかになった。また、Mgのイオン化エネルギーをキャリア濃度の温度依存性から求めたところ53MeVであることがわかった。
渡辺 隆*
PNC TJ1626 97-001, 102 Pages, 1997/04
スメクタイトの長期安定性評価に資することを目的として、下記の(1)(3)の研究を行った。(1)スメクタイトと鉄の相互作用に関する天然類似試料の評価(2)スメクタイトと鉄の相互作用に関する室内実験(3)イライト化変質に関する長期室内変質実験その結果、それぞれ以下のような結果を得た。(1)天然類似試料への鉄イオンの吸着が認められた。Fe3+は6配位であることが確認されたが、スメクタイトの結晶内(四面体/八面体、層間)への吸着の可能性は低く、ベントナイト中の他の物質への吸着の可能性がある。(2)スメクタイトと鉄の相互作用では磁鉄鉱との混合物を0.1GPa・400で保ったところ、緑泥石様鉱物の生成が認められた。(3)イライト化変質に関する長期室内変質試験では高いK濃度(2000ppm)では熱CaよりKの濃度がイライト化作用進行を制御することが分かった。
渡辺 隆*
PNC TJ1626 96-001, 156 Pages, 1996/03
緩衝材の主成分であるスメクタイトの熱変質プロセスを議論した。スメクタイトの層間陽イオン(Ca/Na)と置換型(四面体/八面体)の分布構造の解析結果、スメクタイト粒子内でSegregation typeの混合層構造をとることがわかった。層間における水分子層の形成モデルの検討により、層間水分子の構造は二つのタイプ(Coordineted water,Free water)であることがわかった。また、天然条件下でのイライト化プロセスにおける物理化学的条件を検討する際、反応速度に影響を与える因子として温度がもっとも重要であり、母岩による影響は小さいことがわかった。さらに熱水条件下におけるスメクタイトのイライト化の実験から、イライト化にはCaのような高い水和エネルギーをもつ元素濃度より、K濃度が重要であることが分かった。以上のことから、スメクタイトは層間でKイオンを吸着、凝集する能力や、初期的に層間陽イオン(Ca/Na)や置換型などの不均一性を粒子中に持っており、これらの不均一性は、熱などの刺激でイライト化変換が起こることが推定される。
二口 克人*; 桜本 勇治*
PNC TJ1308 96-001, 83 Pages, 1996/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラル・アナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては、兵庫県浜坂地域に分布する鮮新世のアルカリ玄武岩質の火山弾を対象にして、火山ガラスの水和量と希土類の含有量を比較した。ガラスの水和の進行した試料のアルカリ含有量は減少する傾向があるものの、希土類の減少は認められなかった。ベントナイトについては、新潟県西頸城郡のモンモリロナイトを含む堆積岩について、貫入岩による熱変質に関する現地調査及び分析を継続して行い、新潟県中条のベントナイト鉱床を対象にNa型モンモリロナイトのCa型化に関する調査を開始し、南房総嶺岡及び丹沢地域を対象にモンモリロナイトの沸石化に関する調査を行った。新潟県西頸城郡では、続成作用起源のモンモリロナイトを含む地層にひん岩が貫入している露頭付近を調査した。新潟県中条のベントナイト鉱床では、地表面からの距離を基準に試料採取を行い、鉱物組成、水質分析、凝灰岩の理化学特性について調査した。その結果、本地域がNa型モンモリロナイトのCa型化の検討に対して好適であると判断された。南房総嶺岡及び丹沢地域では、既往文献によって高pHの湧水が期待できる地域の湧水の調査を実施したが、いずれの地域においても、モンモリロナイトの沸石化の検討に対しての必要条件である高pHの湧水を露頭で得ることができなかった。
佐藤 努; 村上 隆*; 渡辺 隆*
Clays and Clay Minerals, 44(4), p.460 - 469, 1996/00
被引用回数:37 パーセンタイル:75.36(Chemistry, Physical)新第三紀堆積岩中の続成起源のスメクタイトとイライト/スメクタイト混合層鉱物(I/S)のスメクタイト層の層電荷の変化について、X線回折分析による膨張挙動テストにより調べた。その結果、モンモリロナイト様の性質を持つ前駆スメクタイトが、イライト化の始まる前に一部バイデライト様の性質を持つ層に変化することが明らかとなった。また、I/Sのスメクタイト層は、続成変質が進行するにしたがって、層電荷が上昇するという事実も実証された。変質が進行するにつれて生成したバイデライト様の層は、優先的に消滅し、その後に規則型のI/Sの出現が確認された。以上の事実から、I/Sの反応に対しては、バイデライト様の層の出現とその電荷の上昇が影響を与えることがわかった。
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PNC TJ1626 95-001, 92 Pages, 1995/04
本研究報告ではつぎの二つのものを報告する。1.新潟第三系の緑泥石鉱物について2.合成実験によるスメクタイトのイライト化 1.は続成作用によるスメクタイトのイライト化がみられる新潟第三系に同時に出現する緑泥石鉱物(含コーレンサイト)の成因について考察した。その結果、つぎの3つのタイプの緑泥石鉱物があることを確認した。(1)局所的な熱水変質作用により生成されたと考えられる自生のコーレンサイト(2)砕屑性と考えられる緑泥石(3)砕屑性と考えられる1:1規則型緑泥石/スメクタイト混合層鉱物・したがってこれらの緑泥石鉱物は続成変質作用とは無関係であると結論された。2.については、K濃度を1000ppmと一定にし、Al濃度を1000ppm、100ppm、10ppm、0ppmと変化させた実験をおこない、スメクタイトにK固定層が時間経過にともない、どのように変化するかを調べた。この実験に加えて、K濃度を0.5N(約2000ppm)と一定にし、Ca濃度をかえ、CaのスメクタイトのK固定に与える影響について調べた。低い圧力ではスメクタイト中へのK層固定に与えるAl濃度の違いの影響は重要でない。1000ppmのK濃度溶液に比べ、1NのK濃度溶液中で合成した試料の方がスメクタイトへのK固定は多い。またCaを加えることによりスメクタイトへのK固定の割合が抑制された。
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PNC TJ1602 95-001, 50 Pages, 1995/03
スメクタイトのイライト化が、人工バリアを構成するベントナイト充填緩衝材からの物質放出率へどのような影響を及ぼすかについて、アメリシウムとネプツニウムの収着に関する実験結果と、カリウムイオンの拡散によってスメクタイトがイライトに変質するというモデルに基づいて解析を行った。また同時に、このイライト化が、(I)人工バリア内での水の流れ、(II)ガラス固化体の溶解、ならびに(III)アメリシムウの主要な2種類の同位体によってアメリシムウの溶解度が分割される効果とネプツニウムの沈澱領域が移動するという移動型の境界条件効果とを考慮に入れたアメリシウムとネプツニウムの移行現象にどのような影響が与えられるかについても解析した。本研究では、時間に依存した空隙中の流速とガラス溶解速度の変化、ならびにアメリシウムとネプツニウムの放出率に関する数値解析の結果が示されている。本研究で仮定したパラメータの値を使用した場合、イライト化の影響は無視しえることがわかった。
佐藤 努; 村上 隆*; 磯部 博志; 大貫 敏彦
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.239 - 246, 1995/00
高レベル放射性廃棄物の地層処分に用いられるベントナイトは、処分環境下でイライトに変質し、それに伴うバリア性能の劣化が安全評価上問題となっている。したがって、イライト化の速度に対する定量的な解が待たれている。本研究では、熱水変質実験により、産地の異なる2種類のベントナイトの結晶化学的性質がイライト化の速度に及ぼす影響について調べた。出発物質として用いたのは米国ワイオミング産(SWy-1)と山形県月布産(SKu-F)のベントナイトで、SKu-Fのほうが大きな層電荷を持つ。反応生成物の時間変化に伴うイライト化度を調べた結果、両試料には変質速度の異なる2つの段階があり、その1段階目の反応で層電荷の大きいSKu-Fのイライト化が速いことが判明した。これは、層電荷の大きさはイライト化の速度に影響し、層電荷が大きいほどイライト化の速度が速いことを示す。
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PNC TJ1626 94-001, 128 Pages, 1994/04
本研究報告ではつぎの二つのものを報告する。1新潟第三系の緑泥石鉱物について2合成実験によるスメクタイトのイライト化1は続成作用によるスメクタイトのイライト化がみられる新潟第三系に同時に出現する緑泥石鉱物(含コーレンサイト)の成因について考察した。その結果、つぎの3つのタイプの緑泥石鉱物があることを確認した。(1)局所的な熱水変質作用により生成されたと考えられる自生のコーレンサイト(2)砕屑性と考えられる緑泥石(3)砕屑性と考えられる1:1規則型緑泥石/スメクタイト混合層鉱物したがってこれらの緑泥石鉱物は続成変質作用とは無関係であると結論された。2については、K濃度を1000ppmと一定にし、Al濃度を1000ppm、100ppm、10ppm、0ppmと変化させた実験をおこない、スメクタイトにK固定層が時間経過にともない、どのように変化するかを調べた。この実験に加えて、K濃度を0.5N(約2000ppm)と一定にし、Ca濃度をかえ、CaのスメクタイトのK固定に与える影響について調べた。低い圧力ではスメクタイト中へのK層固定に与えるAl濃度の違いの影響は重要でない。1000ppmのK濃度溶液に比べ、1NのK濃度溶液中で合成した試料の方がスメクタイトへのK固定は多い。またCaを加えることによりスメクタイトへのK固定の割合が抑制された。
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PNC TJ1602 94-001, 60 Pages, 1994/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分の性能評価を実施する場合、解析結果から人工バリア内におけるAmの遅延現象が重要であることが報告されている。この解析結果では、人工バリアの候補材であるベントナイトの性能は変化しないことが仮定されている。しかし、ベントナイトは時間とともにイライトへと変化することが知られている。そして、このベントナイトのイライトへの変化にともない、核種の遅延係数や溶解度なども変化することが予測される。本研究では、人工バリア内におけるAmの移行挙動において、Amの遅延係数などが時間変化した時の影響を解析的に検討することとともに、イライトへのAmの吸着現象について、吸着比のpH依存性や固液比依存性を実験的に検討した。この実験結果から、イライト-水系においてもAmの擬似コロイド形成挙動がAmの地球化学的挙動に重要な影響を及ぼすことが明かとなった。
大貫 敏彦; 村上 隆; 佐藤 努; 磯部 博志
Radiochimica Acta, 66-67, p.323 - 326, 1994/00
スメクタイト-イライト変質過程中におけるストロンチウム及びセシウム(濃度:10M)の再分配を、200Cの熱水実験により検討した。その結果、Srは変質を経てもその収着形態は変化せず、多くのSrは1M,KCl溶液により脱離された。一方、Csは変質によりその収着形態を変え、1MKCl,1M,HCl及び6MKCl溶液により脱離されなかった。この原因として、イライト化においてCsが四面体付近の「hexagoral holes」あるいは「fraged edges」と呼ばれるサイトに固定されることが考えられた。
佐藤 努
SMECTITE, 3(1), p.39 - 41, 1993/05
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、緩衝材の主成分であるスメクタイトの長期安定性を保障する必要がある。スメクタイトの長期安定性で最も問題となるのが、スメクタイトのイライトへの変質である。本報告は、現在までに公表された、スメクタイトのイライト化のカイネティクスの研究について紹介し、それぞれの成果をまとめるとともに、問題点を指摘したものである。
村上 隆; 佐藤 努; 渡辺 隆*
American Mineralogist, 78(3), p.465 - 468, 1993/00
スメクタイトイライト反応は続成あるいは熱水変質によって起こり、地球表面の低温地球化学を理解する上で重要な反応の一つである。高分解能電子顕微鏡(HRTEM)はその反応機構を調べる有力な一手段であるが、スメクタイトがHRTEMの高真空下で収縮し、イライトと区別できなくなるため有効な活用ができなかった。試料を鏡筒に入れる前から液体窒素温度にし、その温度のまま観察することにより、イライト/スメクタイトの微細構造が明確に調べられる手法が開発された。観察された微細構造から、スメクタイトイライト反応機構として、溶解・核成長と固相転移両方の可能性が考えられる。
大貫 敏彦; 村上 隆; 佐藤 努; 磯部 博志
日本原子力学会誌, 34(12), p.1139 - 1142, 1992/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)スメクタイト-イライト変質過程におけるSr及びCsの再分配を熱水変質実験により検討した。その結果、変質により収着形態が変化する元素(Cs)と、変化しない元素(Sr)があることが明らかとなった。Csでは、スメクタイトの変質により6M=HCl溶液で脱離されない部分が増加した。このことは、Csの一部が層間のいわゆる「窪み」に固定されたことを示唆している。
柴田 雅博; 亀井 玄人
PNC TN8410 92-165, 48 Pages, 1992/05
緩衝材候補材料であるベントナイトについて、鉱物学的見地から、その長期安定性評価を実施した。評価に先立ち、ベントナイトの変質シナリオの整理を行い、最も重要と考えられる「スメクタイトのイライト化変質」について、処分環境条件における変質可能性の検討を行った。粘土鉱物学に関する文献の調査を行い、変質に影響を及ぼす因子を明らかにし、平衛論および反応速度論の双方からのアプローチを行うとともに、ナチュラルアナログ研究からの知見についても整理した。さらに、イライト化変質の観点から処分環境条件の評価を行い、変質可能性についての検討を行った。これらを総合的に判断すると、処分環境で考えられる環境条件においては、初期地温の温度条件(約50度C)でスメクタイトのイライト化変質が進行することは考えられず、また、ガラス固化体の発熱による温度上昇についても、保守的に緩衝材の最高温度を100Cと設定することで、埋設後の初期地温を上回る期間においても性能評価上問題となるようなモンモリロナイトのイライト化は起こらないと考えられる。