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関根 由莉奈
ゲル化・増粘剤の使い方と新しいゲルの活用事例, p.270 - 275, 2025/01
環境に優しく、毒性のないセルロースナノファイバー等を原料にしたゲル材料の展開が期待されている。しかし、セルロースナノファイバー単体でゲル化した場合に機械的強度や耐久性等が乏しいことが課題である。ゲルの物性は架橋構造に大きく依存するため、精密な構造制御によるゲル材料の強度向上や機能化を目指した様々な合成法が研究されてきた。著者らは、架橋構造を制御する手法として凍結の利用に着目した。煩雑な作業を必要としない簡易な構造制御法であることが特徴である。ここでは、水溶液の凍結時に出現する凍結凝集層を利用した高強度なゲルの合成、架橋メカニズム、物性について紹介する。
杉山 仁志*; 加藤 謙一*; 関根 直子*; 関根 由莉奈; 渡邉 友亮*; 深澤 倫子*
Chemical Physics Letters, 856, p.141655_1 - 141655_8, 2024/12
被引用回数:1 パーセンタイル:42.16(Chemistry, Physical)ハイドロゲル中の水の構造に対する高分子側鎖の疎水性の影響を調べるために、DSCとXRD測定を実施した。ポリアクリルアミド(PAA)ゲルに含まれる中間水の量はポリ--ジメチルアクリルアミド(PDMAA)と比べて少量であった。PAAゲルの場合、束縛水はポリマー鎖表面に存在しているのに対して、PDMAAゲルでは架橋因子として機能していることが明らかになった。
関根 由莉奈
化学と工業, 77(12), p.865 - 868, 2024/12
セルロース等の溶質を含む水溶液を0C以下にして凍らせると、氷結晶と溶質の相分離構造が形成する。この現象をハイドロゲルの架橋反応に利用することで、スポンジ状の特異な性質を持つゲルをつくりだしてきた。この架橋方法を凍結架橋法と名付けた。最近では、セルロースナノファイバーなど、さまざまな組成で凍結架橋ゲルが形成することがわかってきた。凍結架橋ゲルの作製法やその応用について紹介する。
高原 裕大*; 紅 裕介*; 関根 由莉奈; 南川 卓也; 深澤 倫子*
ACS Omega (Internet), 9(45), p.45554 - 45563, 2024/11
被引用回数:1 パーセンタイル:37.20(Chemistry, Multidisciplinary)凍結架橋CMCFハイドロゲルの蒸気膨潤と乾燥過程を明らかにすることを目的とした。O-HおよびC=O伸縮モードのシフトから、水とカルボキシメチルセルロース(CMC)の構造変化を解析した。結果、CMCFの非晶質領域と結晶質領域の親水性の違いにより、CMCFハイドロゲル中に2種類の結合水が存在することが示された。非晶質領域に吸着された結合水はCMCのO-HまたはC=Oと強い水素結合を形成するが、結晶領域に吸着された結合水は疎水性表面の局所的な親水基と弱い水素結合を形成した。2種類の結合水の水素結合強度の違いにより、CMCFハイドロゲル中の水の蒸気膨潤プロセスは4段階に分類された。乾燥過程では、CMCの親水基と強い水素結合を形成した結合水がCMCF構造に影響を与えることが明らかになった。
山本 風海; 中野 秀仁; 松本 哲郎*
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.741 - 745, 2024/10
J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、大強度ビームを達成するために入射点に炭素薄膜を配置し、リニアックで加速した負水素イオンを薄膜を通すことで電子を二個はぎ取り陽子に変換して加速している。この過程で一部入射ビームは陽子に変換されず残るため、それらを廃棄するダンプが入射点下流に置かれている。この廃棄ビームが生成する中性子、ガンマ線を照射試験等に用いることができれば、J-PARCの定常運転に寄生する形で照射試験を行うことができ効率的であることから、ダンプ内の二次粒子による放射化の評価を行った。ビスマスサンプルを実際に置き放射化させ、そのガンマ線スペクトルと計算コードPHITSの結果と比較したところ、主要な生成放射性核種の相対量はファクター2以下で一致した。
関根 由莉奈; 南川 卓也; 杉田 剛; 永川 栄泰*; 柴山 由樹; 元川 竜平; 深澤 倫子*
Nanoscale, 16(19), p.9400 - 9405, 2024/05
被引用回数:3 パーセンタイル:62.71(Chemistry, Multidisciplinary)凍結架橋法により強靱なカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMF)/ジルコニウム(Zr)複合ハイドロゲルを開発した。本ハイドロゲルは、Zrを含むHCl溶液を凍結CMFに添加し、それを解凍することによって調製した。作製したハイドロゲルはフッ化物に対して高い吸着性を示した。本研究により、ハイドロゲルと金属の複合体の開発に有用な知見を得た。
関根 由莉奈; 南川 卓也; 廣井 孝介; 大場 洋次郎*; 永川 栄泰*; 杉田 剛; 柴山 由樹; 深澤 倫子*
Carbohydrate Polymers, 327, p.121538_1 - 121538_11, 2024/03
被引用回数:11 パーセンタイル:88.68(Chemistry, Applied)セルロースの結晶転移とその後の凍結架橋反応によってナノセルロース(NC)から形成された、無毒で強靱なNCゲルを開発した。低濃度のNaOHの使用と凍結を併用すると、凍結濃縮によりセルロースIからIIへのNCの結晶相転移が誘導されることを見出した。結晶相転移後、凍結濃縮層(FCL)内のNCとCA間の架橋により、強力なNCネットワーク構造が形成され、高い機械的強度を備えたNCハイドロゲルが形成した。凍結架橋したNCハイドロゲルは、NC-NaOHゾルと粉末吸着剤を混合することにより吸着剤を内部空間に容易に保持し、高い重金属除去効率を示した。この結果は、機能性材料の開発における化学修飾されていないセルロースの多用途性を示し、実用化の可能性を示すものである。
大内 和希
放射化学, (49), p.3 - 7, 2024/03
本記事では、溶液内反応の基礎研究として、ウランの酸化状態の変化に伴う析出反応の解明とイオン液体-有機混合溶媒中のウラン(IV)塩化物の電気化学的挙動について紹介する。また、微少量試料の定量分析法への応用的研究として、マイクロ化学チップやポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いるアクチノイドの分離手法の開発について紹介する。
関根 由莉奈
Cellulose Communications, 30(4), p.203 - 208, 2023/12
本稿では、水溶液の凍結中に起こる氷晶と溶質の相分離現象を利用した高い圧縮復元性、マクロ孔、無毒の性質を持つカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ハイドロゲルの作製と特性についての研究を紹介する。開発した凍結架橋CMCFゲルの特徴として、無害な原料から簡易に作成できること、高い成形性、生分解性が挙げられる。これらの性質を活かすことで、環境浄化剤や機能性材料等として、セルロース誘導体の用途拡大に寄与できると考えている。
花町 優次*; Walker, C.*; 笹本 広; 三原 守弘
NIMS微細構造解析プラットフォーム利用報告書(Internet), 2 Pages, 2023/12
放射性廃棄物の地層処分において、坑道の支保工材料等として産業副産物であるフライアッシュとシリカフュームセメントを高含有する低アルカリ性セメント(High-volume Fly ash Silica fume Cement, HFSC)の使用が検討されている。日本原子力研究開発機構では、HFSCの主成分であるカルシウムアルミニウムシリケート水和物(C-A-S-H)ゲルを合成し、その化学的な安定性を評価するための実験及びモデル化を行っている。モデル化では、合成したサンプルに含まれるC-A-S-Hゲルや合成の際に付随して生成する副鉱物の組成を把握する必要がある。このため、2020年度には、合成したサンプルを対象にAl及び
Si NMRスペクトルを取得し、Al及びSiの分配状態を同定した。その結果から、合成したサンプル中のC-A-S-Hゲルの化学組成を導出した。しかしながら、浸漬期間が28日と短く、C-A-S-Hゲル以外の副鉱物の生成が多く、所期のAl/Siモル比を有するC-A-S-Hゲルの合成には至らなかった。本課題では、より浸漬期間の長い(6ヶ月)試料を対象に、同様な手法によりC-A-S-Hゲルの化学組成を導出するため、NMRスペクトルを取得した。
関根 由莉奈; 南川 卓也
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 96(10), p.1150 - 1155, 2023/10
被引用回数:4 パーセンタイル:16.62(Chemistry, Multidisciplinary)凍結中に起こる氷の結晶と溶質および結合水の相分離は、ハイドロゲルの階層構造を制御するための反応場として使用できる。本論文では、固体-準液相分離を使用して形成されたカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ハイドロゲルの研究を紹介する。CMCFハイドロゲルは、凍結したCMCFにクエン酸を加え、混合物を解凍するだけで形成された。凍結架橋CMCFの圧縮強度は、従来の架橋法で形成したCMCFハイドロゲルに比べて20万倍向上した。氷結晶が溶ける前の凍結濃縮層では、水素結合を介したCMCF構造の再配列が進行していることがわかった。凍結濃縮下では、CMCFと結合水が高濃度に閉じ込められる。このような独特な空間での架橋反応により、機械的強度の高いCMCFハイドロゲルが形成された。凍結架橋CMCFハイドロゲルのゲル化挙動と特性、およびその応用について説明する。
渡邉 哲平*; 関根 由莉奈; 深澤 倫子*
Macromolecules, 56(16), p.6217 - 6221, 2023/08
被引用回数:4 パーセンタイル:40.28(Polymer Science)ハイドロゲル中での水素同位体の挙動を調べるために、重水素化水を含むポリ-N,N-ジメチルアクリルアミド(PDMAA)ハイドロゲルの脱水過程におけるラマンスペクトルを分析した。結果は、脱水過程において軽水素が優位に蒸発することを示した。ゲル中の重水素モル比は、水分含有量が90.5wt%から5wt%に脱水されると、0.056から0.2に増加した。軽水素と重水素の水素結合の強さの違いにより、重水はハイドロゲル内のポリマーの親水基と優先的に水素結合を形成する。その結果、軽水素は脱水の初期段階で優先的に蒸発し、乾燥ハイドロゲルには重水素化された水が残る。
Walker, C.*
NIMS微細構造解析プラットフォーム利用報告書(Internet), 2 Pages, 2021/09
日本の放射性廃棄物地層処分では、低アルカリ性セメントであるフライアッシュ高含有量シリカフュームセメント(HFSC)の使用が検討されている。日本原子力研究開発機構では、HFSCの主成分であるカルシウムアルミニウムシリケート水和物(C-A-S-H)ゲルを合成し、その長期安定性について実験とモデル化を行っている。モデル化にあたっては、この合成サンプル中に含まれるC-A-S-Hゲル及び副鉱物の組成を決定する必要がある。本課題では、合成サンプル中のAl及び
SiのNMRスペクトルを取得し、Al及びSiの存在形態を定量した。
関根 由莉奈
型技術, 36(8), p.70 - 73, 2021/08
凍結伴う溶媒と溶質の相分離現象を利用することにより高強度なセルロースナノファイバーゲルが形成することを発見した。詳しいゲル化メカニズムや形成したゲルの性質について紹介する。
塚原 剛彦*; 佐賀 要*; 鈴木 英哉*; 松村 達郎
クリーンテクノロジー, 29(12), p.4 - 7, 2019/12
レアメタルは不可欠な資源として重要であり、安定した供給が課題となっている。そのため、リサイクル技術の開発が進められている。しかし、既存の方法はコストや廃棄物、火災爆発の危険性などの問題があり、飛躍的な展開は望めないことから、これまでの分離概念にとらわれない開発が求められている。温度応答性ポリマーポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PolyNIPAAm)と疎水性抽出剤を応用し、温度変化のみで水溶液中で金属錯体を内包したポリマーゲルの生成と再溶解を可逆的に制御が可能であることを見出し、これをレアメタルの分離回収へ適用することを検討した。この相転移現象を利用した水系抽出法は、有機溶媒や固体吸着材を一切用いず、煩雑な固液分離も行うことなく、適切な抽出剤を投入して38C程度に暖めるだけで、廃液中から金属イオンを直接回収することが可能である。本稿で紹介した希土類イオンのみならず、白金族元素やアクチノイド元素(ウラン, アメリシウム, キュリウム等)の分離回収にも成功している。抽出から逆抽出までの全工程が水系で完結し、繰り返し利用も可能であるため、環境負荷低減に資する新しい分離法として期待される。
塚原 剛彦*; 鈴木 英哉*; 松村 達郎; 佐賀 要*
分離技術, 49(4), p.221 - 225, 2019/04
希少金属(レアメタル)は不可欠な鉱物資源として重要であり、その安定した供給が課題となっている。そのため、使用済み製品からの分離回収・リサイクル技術の開発が盛んにおこなわれている。しかし、既存の方法はコストの問題や廃棄物の発生、処理時の火災爆発の危険性などの問題があり、飛躍的な展開は望めない状況である。そこで、これまでの分離概念にとらわれない方法論の開発が望まれている。温度応答性ポリマー ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PolyNIPAAm)と疎水性抽出剤を応用し、温度変化のみで水溶液中で金属錯体を内包したポリマーゲルの生成と再溶解を可逆的に行うことができる相転移現象の制御が可能であることを見出し、これをレアメタルである希土類元素の分離回収へ適用することを検討した。このユニークな相転移現象を利用した水系抽出法は、有機溶媒や固体吸着材を一切用いず、煩雑な固液分離も行うことなく、適切な抽出剤を投入して38C程度に暖めるだけで、廃液中から金属イオンを直接回収することが可能である。疎水性抽出剤は、分子構造中に親水部位及び疎水部位を有するものであれば特に限定されず、水への溶解性が低くとも構わない。親水・疎水官能基を併せ持つ中性配位子を抽出剤として用いることで、本稿で紹介したREイオンのみならず、白金族元素(パラジウム,ロジウム,ルテニウム等)やアクチノイド元素(ウラン,アメリシウム,キュリウム等)の分離回収にも成功している。抽出から逆抽出までの全工程が水系で完結し、繰り返し利用も可能であるため、環境負荷低減に資する新しい分離法として期待される。
大西 貴士; 田中 康介; 小山 真一; Ou, L. Y.*; 三村 均*
NEA/NSC/R(2017)3, p.463 - 469, 2017/11
資源の有効利用、廃棄物低減のために、無機イオン交換体(タングストリン酸アンモニウム(AMP)またはフェロシアン化銅(KCuFC))をアルギネートゲルで内包するマイクロカプセル(AWP-ALGまたはKCuFC-ALG)、および、アルギネートゲルそのもの(ALG)を用いた核種分離システムの開発を実施している。ALG, AWP-ALGおよびKCuFC-ALGは、それぞれ、Zr, CsおよびPdを選択的に吸着することが明らかになっている。しかしながら、線照射に伴う吸着特性の変化については、十分に調べられていない。そこで、
Co線源によって
線を3898kGyまで照射した後、各種マイクロカプセルの吸着特性を評価した。その結果、AWP-ALGまたはKCuFC-ALGは、内包する無機イオン交換体によってCsまたはPdを吸着するため、
線照射を通して吸着特性に変化は見られなかった。一方、ALGは
線照射に伴って放射線分解が進行し、Zrに対する吸着特性が低下した。
古田 琢哉
医学物理, 37(3), p.177 - 180, 2017/00
放射線感受性のある化学物質を含む水溶液をゲル化させたゲル線量計は、照射放射線による線量分布を三次元で測定できるツールである。このゲル線量計を用いて、粒子線治療に即した状況での生体物質中での線量分布を実測した研究について解説する。この研究では実測結果を粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いたシミュレーションの結果と比較検証することで、現状の粒子線治療モンテカルロシミュレーションの精度を調べた。不均質な生体物質中を通過することで形成された実測の複雑な飛程端形状を2mm程度の違いの範囲でシミュレーションが十分再現することが示された。また、ゲル線量計が三次元の線量分布を可視化できる優れたツールであり、現状の計算シミュレーションの精度検証の他、将来的に治療ビームの品質保証等の用途に使用できる可能性が分かった。
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 星 勝也
JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.070003_1 - 070003_7, 2016/11
To rationally judge the necessity of the contamination screening measurements required in the decontamination work regulations, a field study of the surface contamination density on the clothing of the workers engaged in decontamination operations was performed. The clothing and footwear of 20 workers was analyzed by high-purity germanium (HPGe) -ray spectroscopy. The maximum radiocesium activities (
Cs +
Cs) observed were 3600, 1300, and 2100 Bq for the work clothing, gloves, and boots, respectively, and the derived surface contamination densities were below the regulatory limit of 40 Bq/cm
. The results of this field study suggest that the upper bounds of the surface contamination density on the work clothing, gloves, and boots are predictable from the maximum soil loading density on the surface of clothing and footwear and the radioactivity concentration in soil at the site.
関根 由莉奈; 遠藤 仁*; 岩瀬 裕希*; 竹田 茂生*; 向井 貞篤*; 深澤 裕; Littrell, K. C.*; 佐々木 善浩*; 秋吉 一成*
Journal of Physical Chemistry B, 120(46), p.11996 - 12002, 2016/11
被引用回数:12 パーセンタイル:29.27(Chemistry, Physical)コントラスト変調中性子小角散乱法を用いてコレステロール置換プルラン(CHP)が形成するナノゲルの内部微細構造の評価を行った。溶媒の重水分率の異なるCHPナノゲル水溶液の散乱強度を分離してCHPナノゲルを構成するプルラン、コレステロール、プルランーコレステロールのcross-termの部分散乱関数を求めて解析を行った。結果、プルラン鎖が形成するナノゲル骨格は半径8.1nmの大きさであった。また、CHPナノゲル内において、約3個のコレステロール分子から成る架橋点が19個形成され、フラクタル次元2.6で分布していることを明らかにした。また、架橋点と高分子鎖のcross-termを解析したところ、部分鎖の大きさは半径約1.7nmであった。以上の結果より、ナノゲルの内部微細構造を明らかにした。