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田口 光正; 小嶋 拓治
Radiation Research, 163(4), p.455 - 461, 2005/04
被引用回数:25 パーセンタイル:56.52(Biology)OHラジカルとの反応速度定数の大きなフェノールを選び、その水溶液に220MeV C及び350MeV Neイオンを照射し、生成物の定性・定量分析を行った。3種類の構造異性体を持つ酸化反応生成物(ハイドロキノン,レソルシノール及びカテコール)について、その生成収量を、水中で進行方向に連続的に減弱するイオンエネルギーの関数として微分解析し、各生成物の収率(微分G値)を求めた。トラック内に生成した水素原子や水和電子とフェノールとの反応ではこれらの反応生成物は生じないので、生成物収率との比例関係からOHラジカルの微分G値を求めた。この結果、微分G値は、水中における重イオンの比エネルギーが減少するに伴い小さくなることがわかった。また、同じ比エネルギーでは原子番号が大きくなるにつれて、小さくなることがわかった。
木村 敦; 田口 光正; 小嶋 拓治; 平塚 浩士*; 南波 秀樹
JAERI-Research 2004-018, 49 Pages, 2005/01
毒性が高くかつ難分解性である内分泌撹乱化学物質は動物に対して悪影響を及ぼすといわれている。その一つである-ノニルフェノールは、プラスチック及び合成洗剤の原料に用いられ、広く水環境中に排出されている。
Co-
線照射によって水分子から生成するOHラジカルは非常に高い酸化力を有し、オゾン等の他の処理法では分解が困難な化学物質の分解を可能とする。近年、このOHラジカルを用いた処理法は水環境の保全において非常に注目を集めている。本研究は、水中汚染化学物質の処理法の開発の一環として、
線誘起OHラジカルによる
-ノニルフェノールの分解の機構解明を行った。
-ノニルフェノール,
-クレゾール及び4-エチルフェノールをOHラジカルによって酸化分解し、アルキル鎖の長さの違いによる分解機構の差異について考察した。
田口 光正; 小嶋 拓治
JAERI-Review 2003-033, TIARA Annual Report 2002, p.141 - 142, 2003/11
酸素飽和フェノール水溶液への重イオン照射の結果、OHラジカルが付加置換反応した3種類の構造異性体を持つ生成物(ハイドロキノン,レソルシノール及びカテコール)がd同定された。これらの生成収率は入射エネルギーに対して一次以上の増加率であった。この生成収量を、水中で進行方向に連続的に減弱するイオンエネルギーの関数として微分解析して得られた各生成物の収率(微分G値)は、線照射により得られるG値の1/2から1/10の範囲であった。
線照射の場合では、これら生成物の総G値は、OHラジカルの生成G値の90%以上であることから、イオン照射では高密度に生成したラジカルの再結合反応が酸化反応よりも速く起こるため微分G値が小さくなると考えられる。また、C及びNeイオンともにOHラジカルの微分G値は比エネルギーが減少するに伴い小さくなることがわかった。さらに、同一比エネルギーでは、微分G値はCイオンの方が大きかった。このように微分G値は核種と比エネルギーに依存することがわかった。なお、Cイオンに関しては、LaVerneが低エネルギーCイオンで求めたG値とよく整合した。
阿部 康弘*; 瀧上 眞知子; 杉野 公二*; 田口 光正; 小嶋 拓治; 梅村 智也*; 角田 欣一*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 76(8), p.1681 - 1685, 2003/08
被引用回数:5 パーセンタイル:26.19(Chemistry, Multidisciplinary)フェノール,ブチルフェノール(BuP),ビスフェノールA(BPA)等のフェノール系内分泌攪乱物質(P-EDCs)50M水溶液の分解を過マンガン酸カリウム(KMnO
)を用いて行い、
Co
線照射により生成したOHラジカルによるP-EDCsの分解と比較した。種々の有機酸及び無機炭素が、KMnO
及びOHラジカルによるP-EDCsの分解で生成した。KMnO
処理では、有機酸及び無機炭素は芳香族環の直接開裂で形成され、OHラジカル処理の場合にはOHラジカルの芳香族環への付加・置換反応に続く芳香族環の開裂により形成される。一方、BuP及びBPAを完全に取り除くために必要とされる電子数で分解効率の比較を行うと、KMnO
はOHラジカルとほぼ同等であったが、フェノールの100%分解では、KMnO
はOHラジカルの3倍量必要であった。しかし、フェノールを完全に有機酸及び無機炭素に変化させるために必要な電子数は720
Mであり、両処理で同等であった。
廣木 章博*; 吉田 勝; 長岡 範安*; 浅野 雅春; N.Reber*; R.Spohr*; 久保田 仁*; 片貝 良一*
Radiat. Eff. Defects Solids, 147, p.165 - 175, 1999/00
N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)のポリマーゲルは、32C付近に下限臨界共溶温度(LCST)を持つため、この温度の前後で可逆的な膨潤収縮挙動を示すことが知られている。孔径が2.5
mで、かつ形状が円柱状の貫通孔からなるイオン穿孔膜に、上述のNIPAAmゲルを放射線グラフトした。グラフトしたNIPPAmゲル層は温度変化に追従した、伸びたり縮んだりするため、孔のサイズ制御が可能となる。この機能性多孔膜の性能をp-ニトロフェノール(PNP)の透過から調べた。その結果、PNPの透過は、30
Cで著しく抑制され、7.12
10
cm/minの値を示した。これに対し、29
Cと31
Cでの透過は、30
Cに比べて約100倍近く加速された(29
Cが3.84
10
cm/min,31
Cが2.46
10
cm/min)。30
Cにおける透過の抑制は、29
C付近に存在する
温度の存在により説明することができる。
温度ではNIPPAmと水との親水性相互作用が見掛け上、消失する。この作用によって、30
Cで透過が抑制されたものと考えられる。
長岡 範安*; 吉田 勝; 浅野 雅春; P.Apel*; 久保田 仁*; 片貝 良一*
Pharm. Sci., 2(6), p.265 - 268, 1996/00
N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)を水溶液系で放射線重合させ、経皮デリバリーシステムへ応用するための自己架橋型ゲル膜を調製した。30kGy照射で得たゲル膜からP-ニトロフェノールの透過は、30Cで極大に達した。電子顕微鏡観察の結果から、30
Cで極大に達した原因は収縮ゲルのネットワークが不安定なため、マトリックスがポンプ効果を発現したためである。これに対し、30
C以下の温度での透過抑制は、膨潤したゲルのネットワーク構造を介しての拡散が律速になることに起因している。逆に、30
C以上でのそれは硬い表面バリアーの形成に起因していることが判明した。
宇田川 昂; 丸山 誠次*; 貴家 恒男; 瀬口 忠男
日本複合材料学会誌, 20(2), p.67 - 72, 1994/00
ガラス繊維強化ビスフェノールA系エポキシ樹脂の機械的性質に対する放射線の影響を調べた。三点曲げ試験で強度変化が始まる敷居線量は30MGyであった。敷居線量に潜在する放射線劣化は、変位に対する荷重曲線から微分弾性率を求めることにより明らかにした。その微分弾性率曲線は二つの変形領域に分けることができ、それぞれ吸水率のデータと超音波顕微鏡観察により、繊維-樹脂界面の剥離および樹脂中におけるマイクロクラックの発生によるものと結論した。
宇田川 昂; 瀬口 忠男
EIM-90-121, p.39 - 45, 1990/12
ビスフェノールA系エポキシ樹脂をマトリックスとするGFRPとCFRPの耐放射線性を曲げ強度試験と吸水率試験により評価するとともに、走査型超音波顕微鏡(SAM)により劣化のメカニズムを検討した。劣化開始線量は30~60MGyの範囲にあり、この範囲でVfまたは基材繊維の差異による有意差があった。一方、FRP積層断面のSAM画像は繊維と樹脂の界面剥離、あるいはマトリックスにあるミクロボイド、クラックなどの欠陥に対する非破壊的情報を明確に提供した。その結果GFRPは60MGy以上で界面に剥離を伴い曲げ強度が低下するが、CFRPは界面の接着が良く、Vfが低い場合60MGyまで未照射時の強度を保持することが分かった。また、照射したCFRPは沸騰水に瞬時接触することで熱的衝撃を受け、繊維束と樹脂の境界に沿って大小多数の剥離クラックを生じるため、照射で界面剥離やクラックが発生したGFRPより各線量で煮沸吸水率は高くなることを明らかにした。
橋本 昭司
JAERI-M 9940, 143 Pages, 1982/02
染料、フェノール等の難分解性、毒性物質を含む廃水の酸化処理を放射線により行なう場合の問題点の解決法を見出すための研究を行なった。まず、電子線を用いるプロセスでは高線量率の反応帯に酸素を供給することが重要で、そのためには二重管式気泡塔反応器を用いればよいこと、また、照射により生成する活性種の有効利用係数が、装置設計上、重要なパラメーターであることを明らかにした。これらにもとづき、電子加速器-多段二重管式気泡塔(EA-DBR)システムを提案し、実証用装置を用いて染料およびフェノール廃水の処理実験を行ない、反応器の高い酸素供給能力を明らかにした。さらに、放射線法と活性汚泥法とを併用するシステムを検討し、プロセス構成を適切に選ぶことにより、照射エネルギーの有効利用が図れることを示した。これらの実験を通じ、EA-DBRシステムの有効性を明らかにした。
宮田 定次郎; 新井 陸正; 鷲野 正光
水処理技術, 21(2), p.129 - 137, 1980/00
生物処理困難なリグニン,タンニン酸,フミン酸,アゾ染料,フェノールおよび0-クロルフェノールについて、放射線照射とオゾン酸化との併用による処理を検討した。その結果、以下の諸事実が明らかになった。オゾンあるいは放射線照射単独で処理するよりもはるかに効率よく、しかも完全にTOCを除去できる。TOC除去速度は有機化合物濃度およびオゾン濃度に影響されない。したがって、オゾン濃度を下げることによってオゾンの利用効率を上げることができる。酸化力の弱いHOラジカルがオゾンによって効率よくHOラジカルに変換される。Cl
とCO
イオンによって反応が阻害されるが、これはpHを5~6に調整することによって避けることができる。反応後に過酸化物が残存しない。
橋本 昭司; 宮田 定次郎; 川上 和市郎
Radiation Physics and Chemistry, (1), p.59 - 65, 1980/00
放射線による水中のフェノールの分解を流通方式で行なった。反応器として多段二重管式気泡塔反応器を、線源として電子加速器を用いた。酸素バブリング下における生成物は、ハイドロキノン、ピロカテコール、ハイドロキシハイドロキノンであった。また、極く少量のフロログルシノールとレゾルシノールが検出された。窒素バブリング下ではハイドロキノン、ピロカテコール、および少量のレゾルシノールとハイドロキシハイドロキノンが生成した。また、大量の懸濁物が観察された。窒素バブリング下におけるフェノールの減少のG値は2.6でCo-60の場合の5~6倍も大きかった。Co-60を用いたバッチ実験によりすでに明らかにした酵素バブリング下における反応機構から、流通方式におけるフェノールおよび生成物濃度を算出したところ、実験結果と良く一致した。
橋本 昭司; 宮田 定次郎; 鷲野 正光; 川上 和市郎
Environmental Science & Technology, 13(1), p.71 - 75, 1979/00
被引用回数:64水中におけるフェノールの放射線分解生成物を高速液体クロマトグラフにより分析すると共に分解の速度論的検討を行った。照射は線源としてCo-60を用い、初濃度10mol/L、酸素存在下では線量率10
~5
10
rad/hn、また酸素が存在しない場合では5
10
~10
rad/hnで行なった。酵素存在下で照射されたフェノール水溶液中からは未反応のフェノールに加えて、ハイドロキノン、ピロカテコール、ハイドロキシハイドロキノンおよび微量のレゾルシノールとフロログルシノールが、非存在下ではハイドロキノンとピロカテコールおよび少量のレゾルシノールとハイドロキシハイドロキノンが分解生成物として検出された。また、酸素存在下におけるフェノール、ハイドロキノンおよびピロカテコールの分解速度は非存在下の5~6倍大きいことがわかった。さらに実験より得られた反応の機構に関する知見に基づいて酸素存在下におけるフェノールの減少と各生成物の生成速度を表示する式を提案した。
橋本 昭司; 川上 和市郎
Ind.Eng.Chem.,Process Des.Dev., 18(2), p.269 - 274, 1979/00
線量率のPID操作による廃水の放射線処理プロセスの制御性および系の安定性に与える負荷状態の影響について検討を行なった。反応系としては完全混合式応用器を用いたフェノールの放射線分解をとりあげ、また放射線源としては実験の便宜上Co-60を用いた。その結果、線量率は負荷の変動に対して迅速に追従し、流出液中におけるフェノール濃度は精度良く一定値に保たれることが証明された。負荷の状態は(入口フェノール濃度)/(設定濃度)/(液の滞留時間)および(フェノール分解速度定数)(設定濃度)/(反応器内全有機物濃度)の二つのパラメーターによってあらわされ、系を安定に保つための負荷の許容変動範囲はこの二つのパラメーターにより表現されることを示し、さらに実験によりこれを裏付けた。
守屋 孝; 茂木 照十三; 松岡 弘充
Radioisotopes, 27(5), p.263 - 265, 1978/05
殺虫剤として広く用いられている「スミチオン」をCでラベル化するために、中間体として要望されてきた表記化合物の合成をおこなった。合成経路はベンゼン-
C
からm-ジニトロベンゼン
C
に導き、ブロム置換によりm-ブロモニトロベンゼン-
C
を得、続いて還元、ジアゾ化、加水分解などの常法に従い目的物を合成する方法を採った。本法によるm-ブロモニトロベンゼンの合成は始めての試みで他法と比べいくつかの点で秀れたものであることが判った。とくに小規模での分離が容易におこなえること、異性体が生成しないことなどがメリットである。
橋谷 博; 安達 武雄
分析化学, 24(5), p.303 - 307, 1975/05
原子炉材料としても注目され始めているタンタルは近年格段に純度が向上してきつつあり、それに伴い現在JIS分析法の改定が急がれている。ニオブについてみれば、従来のJIS法の定量下限(10PPm)以下のものも製造されており、こん跡ニオブの高感度定量法の開発が望まれていた。著者らは、高感度のスルホクロロフェノールS光度法を適用するため、HNO-HF系陰イオン交換法の分離条件とニオブの呈色に及ぼす硫酸、酒石酸などの影響を詳細に検討した。その結果、金属タンタル1g中の1
g以上のニオブの定量ができるようになった。なお、本法はイオン交換分離で鉄、ニッケル、クロムなどを除去できるので、鉄基、ニッケル基耐熱合金中の微量ニオブの定量にも応用できる。
関根 敬一; 大西 寛
Anal.Lett., 7(3), p.187 - 194, 1974/03
被引用回数:8高感度で選択的な銅の定量法を開発した。銅(I)-2,2'-ビキノリル錯体を3-メチル-1-ブタノールに抽出した後、その錯体をブロムフェノールブルーと会合させる。この青色のイオン会合体を銅の吸光光度定量に用いた。この方法をニッケル基合金中の銅(0.003~0.2%)の定量に適用した。
堀田 寛; 鈴木 伸武; Kazuo Shimada*; Nobue Itatani*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 37(8), p.1143 - 1146, 1964/00
被引用回数:16抄録なし
佐藤 匠; 森下 一喜; 音部 治幹; 藤島 雅継; 中野 朋之
no journal, ,
2019年に発生した日本原子力研究開発機構大洗研究所の燃料研究棟における汚染事故は、核燃料物質と混在したエポキシ樹脂等がプルトニウムからの放射線で分解して水素等のガスが発生し、貯蔵容器内の圧力が上昇したことが原因であった。同様の事故を防ぐため、樹脂を含有した実験済核燃料物質は樹脂を分離して安定化してから貯蔵する必要がある。そのため本研究では、窒化物燃料や炭化物燃料に関する基礎試験で使用した実験済試料のうち粉末状の核燃料物質をエポキシ樹脂と混合して固化した試料及び塊状の核燃料物質をフェノール樹脂(ベークライト)で固定した試料について、酸化熱処理による安定化を実施した。空気気流中において650C以上で加熱した結果、どちらの試料も樹脂は気体状に熱分解して除去され、核燃料物質は酸化物の粉末として回収された。この結果から、本手法が樹脂を含有した試料の安定化処理の方法として有効であることが分かった。