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栗原 良一; 渡辺 健一*; 小西 哲之
JAERI-Review 2003-020, 37 Pages, 2003/07
日本原子力研究所で概念検討している将来の核融合原型炉は、系全体の熱効率を上げるために炉内機器の冷却材として超臨界圧水を使用する設計にしている。したがって、核融合原型炉の真空容器内でブランケット冷却配管が破断した場合に、超臨界圧水の放出挙動を評価することは安全性を確保するうえで重要である。しかし、それを正確に評価するためには、超臨界圧水ブローダウンの熱水力現象を解析しなければならない。そこで、現時点で実際に使用されている超臨界圧水冷却火力発電プラントにおいて、ボイラー火炉やタービン内で冷却水が噴出した場合の実験や解析が行われていないか、国内外の公開文献を調査した。また、将来の軽水炉として東京大学で設計された超臨界圧水冷却軽水炉のLOCA解析コードについて、超臨界圧水の熱伝達式に関する評価式等を調査した。核融合実験炉ITERモデルの真空容器内冷却水漏洩事象(ICE)の評価に用いたTRAC-BF1コードは、蒸気表や構成式が21MPa,374C以上の超臨界圧水に対応していない。そのため、超臨界圧水冷却の核融合炉においてICE事象が発生した場合の評価ができるようにTRAC-BF1コードを改良するうえで必要な課題について調査した。
浜田 広次; 田辺 裕美*; 和田 雄作*; 宮川 明*; 広井 博*
PNC TN9410 98-029, 122 Pages, 1998/05
高速炉蒸気発生器伝熱管の高温ラプチャに対する健全性評価のため、動燃では次の研究を進めてきた。1)超高温材料データの取得と構造健全性評価法の整備2と1/4Cr-1Mo鋼の高温(7001200)クリープ試験データを取得し、高温、短時間破裂である高温ラプチャ特性を踏まえて時間依存のクリープ破断評価法に基づく材料基準値を策定した。また伝熱管破損模擬試験(TRUST-2)により本評価法を検証した。2)ブローダウン時の減圧特性を含む伝熱管内流動解析手法の整備本ブローダウン解析に使用するBLOOPHと汎用コードであるRELAP-5とで実機ブローダウン解析結果の比較を行い、両者が良好な一致を示すことを確認した。また、ナトリウム-水反応時の入熱を考慮した管内蒸気流モデルを開発した。3)ナトリウム-水反応試験データに基づく定量的な検証過去のナトリウム-水反応試験データから保守的に求めた反応域温度と管外熱伝達率を用いてSWAT-3試験及び米国LLTR試験の解析を行い、クリープ破断モードよりも延性破断モードが早期に現われること、破断時間は実際の試験結果よりもかなり短時間の保守的な結果となることを示した。これらの結果を踏まえて、PFR大リーク事故及び高速増殖原型炉「もんじゅ」蒸気発生器伝熱管破損の再評価を行った。主な結果は、以下のとおり。1.1987年の英国PFRの事故が多数の伝熱管破損に至った最大の原因は、事故当時過熱器に高速減圧系が設置されていなかったためであることが、上記評価法を適用して定量的に示された。2.以上の検証解析結果を踏まえて選定した保守的なパラメータを用いて、「もんじゅ」条件での100%、40%、10%の各定常運転から水ブローまでの解析を行い、いずれの場合も高温ラプチャが発生する条件に至らないことを確認した。3.管束部中下部ではブロー途中に伝熱管内部流量が低下するため、安全裕度が相対的に小さくなるが、蒸気ブロー弁の増設による水ブローの高速化が裕度拡大方策として有効であることを示した。
山口 隆司
PNC TN1410 97-030, 107 Pages, 1997/08
新型転換炉(ATR)の安全評価事象である「原子炉冷却材喪失」の内、大破断事故に分類される事象における熱水力過渡変化、炉心再冠水挙動及び燃料温度過渡変化の評価では、大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、炉心再冠水特性解析コードFLOOD及び燃料温度解析コードHEATUPをそれぞれ用いている。ここでは、大破断事故解析時に使用する各コード間の関係(解析フロー)及び各コードの概要を示す。1.1解析コード体系安全評価のための冷却材喪失事故(以下LOCAという)解析コードシステムは、ATRの大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC、燃料温度解析コードHEATUP及び炉心再冠水特性解析コードFLOODから構成され、大破断事故解析には、SENHOR、FLOOD及びHEATUPを用いた一連の解析により安全評価を行う。SENHORは、非常用炉心冷却設備(以下ECCSという)作動特性を考慮してブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析すると同時に、原子炉熱出力変化特性も解析する。SENHORから得られた原子炉熱出力及び蒸気ドラム圧力の時間変化等を基にFLOODにより、急速注水系(以下APCIという)の注水量変化と炉心での蒸発量を考慮した平均再冠水速度を解析し、燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間とターンアラウンド後の熱伝達率を求める。SENHORから得られた熱水力学的挙動のデータ及びFLOODから得られた燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間等を基に、HEATUPにより、燃料要素の詳細な温度変化を解析し、燃料被覆管最高温度及び被覆管酸化量を求める。1.2解析コード1.2.1SENHORコード大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHORは、大破断解析用に開発されたコードであり、ブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析する。
山口 隆司
PNC TN1410 97-029, 65 Pages, 1997/08
新型転換炉(ATR)の安全評価事象である「原子炉冷却材喪失」の内、中小破断事故に分類される事象における熱水力過渡変化及び燃料温度過渡変化の評価では、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC及び燃料温度詳細解析コードHEATUPをそれぞれ用いている。ここでは、中小破断事故解析時に使用する各コード間の関係(解析フロー)及び各コードの解析モデルを示す。1.1解析コード体系安全評価のための冷却材喪失事故(以下LOCAという)解析コードシステムは、ATRの大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC、燃料温度解析コードHEATUP及び炉心再冠水特性解析コードFLOODから構成され、中小破断事故解析にはLOTRAC及びHEATUPを用いた一連の解析により安全評価を行う。LOTRACは、非常用炉心冷却設備(以下ECCSという)作動特性を考慮してブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析すると同時に、原子炉熱出力変化特性も解析する。なお、プラント制御系による影響を考慮した解析も可能としている。LOTRACから得られた熱水力学的挙動のデータ及びECCS注水特性挙動データから得られる燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間、ターンアラウンド後の熱伝達率等を基に、HEATUPにより、燃料要素の詳細な温度変化を解析し、燃料被覆管最高温度及び被覆管酸化量を求める。1.2解析コード1.2.1LOTRACコード中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRACは、中小破断時における長時間の解析用に開発されたコードであり、ブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析する。
山口 隆司
PNC TN1410 97-028, 14 Pages, 1997/07
新型転換炉(ATR)の安全評価事象の内、「事故」の「原子炉格納容器内圧力、雰囲気等の異常な変化」に分類される事象における格納容器内の圧力、温度の評価には、原子炉格納容器内圧力解析コードCONPOLを用いている。ここでは、解析コードの機能及び解析モデルを示す。1.1解析コード本コードは、原子炉冷却材喪失事故が発生した場合における高温高圧の冷却材流入による格納容器内圧力上昇、温度上昇を評価する。そのため、本コードは下記の計算機能を有している。(1)原子炉冷却設備からのブローダウン量(2)原子炉冷却設備からの放熱(3)格納容器壁への蒸気凝縮熱伝達(4)格納容器スプレイ系によるスプレイ冷却効果1.2解析モデル本コードでは、原子炉冷却設備、格納容器、蒸気放出プールをモデル化し、それぞれに対し質量保存の式、エネルギ保存の式を基礎に、圧力、温度及び質量変化を求めている。
熊坂 勝行*; 岡部 綾夫*; 石井 孝信*; 藤又 和博*
PNC TJ9124 94-009, 164 Pages, 1994/03
次期大型炉蒸気発生器(SG)伝熱管の合理的設計基準水リーク率(DBL)の選定にあたって、高温ラプチャによる破損伝播の可能性を定量的に評価する必要がある。本予備設計では、高温ラプラャを含む破損伝播挙動を適切に評価し、合理的なDBLを選定するために必要となるa)高温ラプチャモデル(構造/破壊力学的モデル)、b)非定常熱伝導解析モデル、c)ブローダウン解析モデル、d)反応領域温度分布解析モデル等に関する全体の開発計画の設計を行った。また、ブローダウン解析モデルに対しては、高温ラプチャを評価するために必要となる解析モデルの設計を行うとともに、このモデルの設計を基に、開発に必要なコードの構成要素、要素間のつながり等に関するコードの設計を行った。なお、コードの設計にあたっては、将来的にLEAPへのカップリングが容易に行えるよう十分に配慮した設計とした。
not registered
PNC TN1410 92-026, 113 Pages, 1992/01
本報告書は、平成2年度までの新型転換炉及び高速増殖炉にかかわる安全研究の3年間の成果について、とりまとめを行ったものである。新型転換炉の安全研究は、(1)通常時及び異常な過渡変化時にかかわる研究、(2)事故時にかかわる研究、(3)シビアアクシデントにかかわる研究の3分野で構成され、また高速増殖炉の安全研究は、(1)安全設計・評価方針の策定にかかわる研究、(2)事故防止及び影響緩和にかかわる研究、(3)事故評価にかかわる研究、(4)シビアアクシデントにかかわる研究の4分野で構成されている。さらに、本報告書では、「原子力施設の耐震安全性に関する研究」並びに「確率論的安全評価に関する研究」に含まれる高速増殖炉及び新型転換炉に関する研究課題も合わせることで、「動燃における安全研究の成果(昭和61年度平成2年度)(動力炉分野)」として、とりまとめを行った。
松村 寿晴*; 前川 勇*; 佐藤 和二郎*
PNC TN9410 87-056, 139 Pages, 1987/03
炉上部プラグ貫通部でのカバーガスの上昇に伴なうFPガスの輸送現象を解析的に評価するため、質量輸送方程式を組んだ汎用多次元熱流動解析コードCOMMIX-PNCの質量輸送版(Ver.MT)を開発した。このVer.MTの検証が、濃度拡散基礎実験およびモックアップ実験を用いて実施された。濃度拡散基礎実験は、500㎜500㎜50㎜の平行平板モデルの下面左端から水を流入し、右面上端から流出させるもので、混入物質は希薄なKC㍑が用いられた。実験モデル内各位置で計測された濃度結果との比較では、主流位置でのその挙動は良好な一致を示した。モックアップ実験を用いた検証は、実験シリーズのうち、プローダウン流量が0.05m3/min、0.02m3/minおよび0.10m3/minの3流量条件のケースを選定して実施した。0.05m3/min、0.10m3/nimのケースではアニュラス部へのXeの進入は計算されず、0.02m3/minのケースでは、アニュラス部上端までXeが上昇する結果が得られた。この解析結果は、実験結果と良く一致した。実機でのブローダウン効果については、解析の結果以下の点が明らかとなった。(1)定格ブローダウン条件では、FPガスのアニュラス部内への進入は全く認められなかった。(2)1/2定格ブローダウン条件では、FPガスが固定プラグ上部3905㎜まで上昇するが、その濃度はカバーガス中濃度の約10E-4%程度である。(3)定格ブローダウン中にブローダウンが停止した場合には、停止後1000秒でドアバルブ位置濃度はカバーガス中濃度の約13%まで上昇する。(4)モックアップ試験から得られたブローダウン効果評価式が実機体系においてもほぼ適用できることが確かめられた。
平野 雅司; 渡辺 正; 田辺 文也; 秋元 正幸; 大崎 浩*; 井上 英明*; 加茂 英樹*; 鴻坂 厚夫
Proc.2nd Int.Topical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydraulics and Operations, p.1 - 80, 1986/00
過渡2相流の予測には、構成式が重要であるという観点から、過渡2相流解析コードMINCSを用い、東芝ブローダウン実験解析を通してTRAC-PF1コードの気泡流様式における相間摩擦モデルを評価した。MINCSは、2速度2温度(2V2T)モデルのみならず、ドリフトブラックスモデルといった、より単純な2相流モデルを扱うことができる。本評価過程では、(i)TRACのモデルのMINCSへの組み込み、(ii)TRACコードによる結果との比較、(iii)MINCSによる、種々のドリフトフラックス相間式を用いた東芝実験解析、(iv)最適予測を与えるドリフトフラックス相間式の相間摩擦モデルへの拡張、(v)拡張したモデルのGEレベルスウェル実験解析への適用、を実施した。
矢野 歳和
Nucl.Eng.Des., 79, p.101 - 113, 1984/00
被引用回数:4 パーセンタイル:45.51(Nuclear Science & Technology)BWR・LOCA条件の高温高圧水がフラッシングしてボイド率が急激に変化する配管の臨時破断時の計測のため高応答のガンマ線密度計を開発した。初期条件は6.86MPaの飽和水である。その結果以下の結論が得られた。(1)計測精度を上げるため円錐形状のスリットを用いたがこの方法は非常に役立つ。(2)希薄波通過後のボイド率が急激に上昇する現象が明確に計測された。(3)ボイド率の上昇はまず最初に破断後に生じ、次に圧力回復過程でボイド率の極小値が生じる。
磯崎 敏邦; F.W Katz*; E.G.Schlechtendahl*
Nucl.Eng.Des., 79, p.93 - 100, 1984/00
被引用回数:3 パーセンタイル:38.11(Nuclear Science & Technology)本報は著者の一人がKFK勤務中に実施してきた内容をもとに、まとめたものである。日本原研で実施したBWR条件における4インチ管のジェット放出試験について、KFK所有のコードDR1X-2Dを用いて内部流体放出に伴う配管反力、配管内圧力挙動、ターゲット面の圧力上昇を計算し、これらを実験結果と比較・照合した。ラプチャディスク開度の時間依存性と配管内初期サブクール度を考慮して計算した結果、配管反力と配管内圧力は実験値と計算値とは一致した。しかし、ターゲット面の圧力上昇はよく一致せず、計算結果は実験値より低目の値を示した。
矢野 歳和
Nucl.Eng.Des., 79(3), p.377 - 385, 1984/00
被引用回数:4 パーセンタイル:45.51(Nuclear Science & Technology)軽水炉の仮想事故のひとつである一次冷却系の配管破断事故に関し、日本原子力研究所では配管破断試験を実施している。これらの試験結果のうち本報では配管の瞬時破断時に生じる減圧特性とブローダウン反力に関して評価した。その結果、以下の結論を得た。(1)圧力回復は配管の内部ほど早く、この現象は圧力の緩和時間で整理できる。(2)破断後の最大減圧幅Psat-Pminと減圧率の関係は、Alamgirらの指摘と配管破断口のみにおていよく一致する。(3)ブローダウン反力の最大値は、PWR LOCA条件では破断後0.1秒に、BWR LOCAでは0.2秒後に生じ、配管系の影響は小さい。(4)ブローダウン反力の最大値はMoodyやHenry-Fauskeの臨界流モデルに基づく反力より小さいが、配管の長さの影響が現れ定性的に一致する。(5)ジェット反力係数Jtにより最大ブローダウン反力が評価でき、大きい破断面積比を持つ配管破断では1.26を超えない。(1.26は理想気体の値)
矢野 歳和
Nucl.Eng.Des., 79(3), p.387 - 396, 1984/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.1(Nuclear Science & Technology)本報は配管破断試験の一部に見られた配管破断を模擬したラプチャーディスクの部分破断と破断モードが異なる際のブローダウン反力に及ぼす影響を検討するため解析を行ったものである。解析は部分破断が5から100%まで、ランプ状開口破断は時定数を1から500msまでをそれぞれパラメータとしてブローダウン反力に評価を加えた。解析の対象とした体系は原研で実施した4インチ口径管によるPWR LOCA条件下の試験体系である。解析から以下の結論を得た。(1)部分破断の断面積比が小さい場合、破断口断面積当りの反力は完全破断より大きい。(2)開口断面積比が大きい場合、Henry-Fauskeの臨界流モデルに基づくローダウン反力は実験結果とよく一致する。(3)ランプ状開口時定数が大きくなるほど破断瞬時の圧力は小さくなる。(4)ランプ状時定数が100msより小さい場合、最大ブローダウン反力が得られる時刻は瞬時破断時のその時刻とほとんど同じである。
矢野 歳和; 宮崎 則幸; 磯崎 敏邦
JAERI-M 82-138, 35 Pages, 1982/10
本報はPWR・LOCA条件下のパイプホイップ試験およびジェット放出試験に関してブローダウン特性とその反力について解析を行い、実験結果と比較したものである。ブローダウン反力はナビアストークスの運動量式を変形し、出口が臨界流のとき臨界圧力を出口圧力として単相流、均質および分離二相流について求めた。以上から次の結果を得た。(1)ノード・ジャンクション法はブローダウン反力と水撃現象の両方の解析に役立つ。(2)Henry-Fauskeのサブクール臨界流モデルによりPWR・LOCA条件の最大反力を求めると実験値とよく一致する。最大反力時のジェット反力係数は1.08が得られた。(3)飽和ブローダウン時のジェット反力係数はよどみ点圧力を飽和圧力とするとサブクール状態での反力係数と一致する。(4)反力各成分のうち破断直後は加速度項が、それ以降は運動量項と圧力項が支配的である。(5)解析でのブローダウン反力は出口圧力の選択に大きく依存する。
宮崎 則幸; 秋本 敬史*
JAERI-M 82-124, 41 Pages, 1982/09
LOCA時に配管系に作用するブローダウンカを計算するためにBLOWDOWNコードを開発した。これは熱流体解析コードRELAP4/MOD6のポストプロセッサであり、RELA4/MOD6Pで得られた結果をブローダウンカに変換する。本報ではBLOWDOWNコードの概要を説明するとともに、本コードの有効性及び限界を明らかにするために、いくつかの解析例を示した。
広井 博*; 三宅 収; 佐藤 稔*
PNC TN941 82-37, 170 Pages, 1982/02
蒸気発生器伝熱管破断時の水噴出率計算用の計算コード(SWAC―11)の妥当性を検証するために,長い管路での高温・高圧水のブローダウン試験を実施し,定常水噴出率ならびに圧力,スラスト力の過渡変化が測定された。特に,スラスト力測定に「ばね・質量」モデルを適用することで極めて短時間の過渡変化データが得られた。これらの試験結果はSWAC―11と比較された。定常時の測定値に対しては,Moodyモデル,二相増倍係数に関しても検討した。得られた主な結論は,以下のとおりである。定常値に関して,SWAC―11は全体を通して概略よく合っているが,飽和水の高圧領域では水噴出率,スラスト力を1015%低く見積る。これは二相増倍係数にThomの相関を使用することで改善される。噴出開始から約5msec後の値に関しても,SWAC―11はほぼ妥当な値を予測する。サブクール水に対してもSWAC―11の流動モデルは適用できる。噴出直後のスラスト力は,WaveForceとB1owdownForceの合力Fであるが,そのFと初期圧力Poと断面積Sとの関係は飽和水条件ではF/S・Po1.0であり,データを包絡する整理式としてはF/S・Po=1.36であった。スラスト力,圧力の過渡変化全体の計算結果と測定結果とを詳細に比較すると,計算結果は単調な変化を示しているのに対し,測定結果はより複雑な波形であり,完全には一致しなかった。この傾向は,特にサブクール水条件で顕著であった。過熱蒸気による試験結果は,定常値および非定常値ともに,既報のガス噴出試験と同様に,測定値とSWAC―11の予測値は一致した。
平野 雅司; 志水 孝司; 朝日 義郎
JAERI-M 82-008, 71 Pages, 1982/02
L3-1実験はLOFTで行われた最初の小破断実験で、初期出力48.9MW(98%定格熱出力)で行われた。破断口は商用原子炉の4インチパイプ破断(2.5%破断)を模擬している。この実験はOECD-CSNIの国際標準問題9番となっている。THYDE-Pコードは冷却材喪失事故のブローダウン及び再冠水過程をモデル及び手法の変更なしに一貫して解析する計算コードであり、現在、検討計算及び修正が行われている。本解析は、小破断LOCAに最初に適用した検証計算で、サンプル計算Run50として行われた。計算は、2000秒まで行い、Moodyの臨界流相関式に対する放出係数は0.8とした。実験の全体的挙動はTHYDE-Pによって良く模擬された。
宮崎 則幸; 植田 脩三; 栗原 良一; 斉藤 和男*; 加藤 六郎; 磯崎 敏邦
JAERI-M 9752, 43 Pages, 1981/10
4B、sch80試験配管によるBWR、飽和水条件下(系内圧力=69kg/cmG、系内温度=284.5C)でのパイプホイップ試験について、汎用有限要素法解析コード、ADINAおよびMARCを用いて予備解析を実施した。解析は実際行われる試験を考慮して、オーバハングを400mm一定とし、配管とレストレントとの間の初期クリアランスが30mm(RUN No.5405)、50mm(RUN No.5406)および100mm(RUN No.5407)の各場合について実施した。また配管に加わるブローダウンスラスト力としては曲管ジェット試験(RUN No.5401)の試験結果、およびブローダウンスラスト力解析コードPRTHRUST-J1による解析結果を用いた。配管およびレストレントのモデル化の方法について種々の検討を行い、今後の解析の指針を与えた。
宮崎 則幸; 栗原 良一; 加藤 六郎; 磯崎 敏邦; 斉藤 和男*; 植田 脩三
JAERI-M 9437, 32 Pages, 1981/04
ブローダウンスラスト力解析コードPRTHRUST-J1を用いて配管破断予備試験として実施した急速遮断弁を用いたジェット放出試験を解析した。解析に際しては、放出口の間にある急速遮断弁の開度が時間とともに線形に変化するものと仮定した。この弁が全開するのに要する時間は放出ノズル部の圧力の時間変化から決定した。2インチおよび3インチ口径のジェット放出について放出係数をパラメータとして解析を実施し、ブローダウンスラストカおよび放出ノズル部の圧力を実験結果と比較した。この結果、ブローダウンスラストカの定性的な傾向は実験結果と解析結果で比較的良く一致していること、および実験から得られたブローダウンスラストカはおおむね放出係数が0.6から1.0の場合の解析結果に入っていることがわかった。しかし、実験結果をもっとも良く表わす放出係数値については得られなかった。
宮崎 則幸; 栗原 良一; 加藤 六郎; 磯崎 敏邦; 植田 脩三
Nucl.Eng.Des., 64, p.389 - 401, 1981/00
被引用回数:3 パーセンタイル:45.64(Nuclear Science & Technology)本報ではブローダウンスラスト力計算コード、PRTHRUST-J1コードの概要を記述するとともに本コードの有効性をますために2つの数値解析結果が示されている。その一つは飽和水蒸気のブローダウンの場合である。ここではPRTHRUST-J1による解析結果とMoodyによる簡易解析の結果が比較され良好な一致が見られた。もう一つの解析例は原研で実施した急速遮断弁によるジェット放出試験についてである。解析で求めたブローダウンスラスト力および圧力を実験結果と比較した。その結果、実験結果は解析結果で放出係数Cが1.0と0.6の間に入ることがわかった。