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永澤 耿*; 森井 幸生
Mater. Trans. JIM, 34(10), p.855 - 873, 1993/00
被引用回数:15 パーセンタイル:65.00(Materials Science, Multidisciplinary)アルカリ金属、第六群金属、相合金、ニッケル合金、タリウムや第三群金属などの金属や合金におけるマルテンサイト前駆状態に関する最近の中性子散乱研究を概観する。これらの物質に観測される[110]TAフォノンや[111]LAフォノンの格子振動異常について、マルテンサイト相変態との関連において議論する。相形成に関連した弾性散乱の異常についても述べる。これらの異常から空孔や非調和振動や電子構造の重要性を指摘する。
森井 幸生; 飯泉 仁; 舩橋 達; H.R.Child*
Proceedings of International Conference on Martensitic Transformations, p.150 - 153, 1986/00
日米協力によりオークリッジ国立研HFIRに据えつけられた広角中性子散乱装置(WAND)を使用し、CuAlNi合金の散漫散乱実験を行なったのでその結果を報告する。 単結晶試料を用い(001)逆格子面(l=0,1,2およびその近辺)での弾性散乱を広範囲にわたって測定したところ、主なブラッグ散乱を含む〔110〕軸に沿って散漫散乱がほぼ棒状に表れていることがわかった。この結果は、以前報告したようにこの合金における〔110〕TA音波が非常に低いエネルギーを持つこと、つまりこの合金のマルテンサイト相変態の異常な前駆現象と密接に関係していると考えられる。 得られた散漫散乱強度は2次元的な濃淡図法や等高図法、3次元的な鳥かん図法を用いて情報密度の高い表示を行う。
森井 幸生; 飯泉 仁
Journal of the Physical Society of Japan, 54(8), p.2948 - 2954, 1985/00
被引用回数:41 パーセンタイル:88.04(Physics, Multidisciplinary)相CuAlNiの[110]横波(е[110])フォノン分散関係を261,295,372Kで中性子散乱実験により測定した。このフォノン分枝は他に比べてエネルギーが極端に小さく、かつq=(2/3)qmaxの位置に「くぼみ」を持つという異常性を有している。この異常性を反映して(110)面間力のうち第2,第3近接面間力の効果が大きくなってきていることが明らかになった。さらに[110]軸に沿って存在する弾性散乱ピークには、温度依存性の異なる2種類のものが存在する事も判明した。こうした事実より、相では2H型と18R型のマルテンサイトへ転移しようとする格子不安定性が2種類同時に存在して、それらが互いに競争して発展消滅を行っていると解釈できる。